担当者が解説!PayPay銀行の法人口座開設に必要な書類・審査基準のポイント
必要書類の作成方法や審査基準を詳しくお聞きしました
ネット環境と必要な書類を用意すれば開設できる「ネット銀行」。その中でも、日本初のインターネット専業銀行「PayPay銀行」は、振込手数料を安く抑えられるなど、創業者にとって魅力的なメリットがあります。
しかし、銀行には審査があり、 せっかく時間をかけて申し込んだのに落ちてしまった …という事態は避けたいもの。
そこで今回は、PayPay銀行の口座開設担当者から、口座開設を申し込む前に準備しておきたい必要書類や、さらに、審査のポイントについて詳しくお伺いしました。
※2021年4月5日、ジャパンネット銀行は「PayPay銀行」へ社名を変更しました。
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この記事の目次
Q1:ビジネス用口座の開設に必要な書類は?
必ずご提出いただく書類が1点(①)。必要に応じてご提出いただく書類が3点(②~④)あります。
- PayPay銀行 法人口座開設に必要な書類
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①口座を使用して取引を行う個人(取引担当者)の身分証明書
②代表者以外を取引担当者として登録する場合:法人の印鑑証明書(原本)
③会社設立から半年未満の場合:「会社の実態を確認できる資料」
④ホームページがない場合:「具体的な事業内容を確認できる資料(許認可証や会社案内、チラシ等)」と、③の「会社の実態を確認できる資料」
以下にて詳しく解説します。
①口座を使用して取引を行う個人(取引担当者)の身分証明書
まず、口座を実際に使用して取引を行う個人の方(取引担当者)の身分証明書が必要です。運転免許証やパスポートなどのコピーが使えます。
②代表者以外を取引担当者として登録する場合:法人の印鑑証明書(原本)
PayPay銀行では、法人口座の約8割は代表者の方を取引担当者として登録いただいていますが、代表者以外の方を登録される場合は、法人の印鑑証明書(原本)も必要になります。
③会社設立から半年未満の場合:「会社の実態を確認できる資料」
設立から半年未満の法人のお客さまには、「会社の実態を確認できる資料」の提出もお願いしています。
当社の場合、「法人設立届出書(控)のコピー」をご提出いただくケースが一番多くなっています。税務署に手続きにいかれたら、受付印が押印された控えを忘れずにお持ち帰りください。電子申請で手続きされた場合は、受付確認のメールのコピーも一緒にご提出をお願いします。
④ホームページがない場合:「具体的な事業内容を確認できる資料(許認可証や会社案内、チラシ等)」と、③の「会社の実態を確認できる資料」
具体的な事業内容等は会社のホームページ(WEBサイト)で確認させていただいておりますが、ホームページがない場合、「具体的な事業内容を確認できる資料(許認可証や会社案内、チラシ等)」と、「会社の実態を確認できる資料」が必要です。
ホームページに具体的な事業内容等が掲載されていない場合も、これらの資料をご用意ください。
履歴事項証明書(登記簿謄本)の提出は不要
インターネット銀行の口座開設時には、履歴事項証明書の提出が必要なケースがほとんどですが、PayPay銀行では不要です。
また、印鑑証明書についても同様ですが、PayPay銀行では取引担当者として代表者の方を登録した場合、印鑑証明書の提出も不要です。
Q2:サービス資料・ホームページが無い場合、代わりに使える資料はある?
行政機関などの許認可・届出が必要な業種の場合は、許認可証・届出書のコピーを提出いただければ、そちらで確認します。
許認可・届出が不要な業種の場合は、当社所定の「会社概要フォーマット」に記入してご提出ください。
Q3:審査のポイントは?
・「会社が実在して事業を行なっていること」
・「事業が法令や公序良俗に反するものでないこと」
この2点を、提出書類から客観的に判断できるかどうかが最重要ポイントとなります。ここ数年、法人名義の口座を金融犯罪で悪用する目的での申込が後を絶たないため、お申込みの法人口座がそのような口座でないかどうか、銀行側でチェックしているのです。
とはいえ、設立したばかりの法人はまだ事業の実績がなく、特に書面審査のみのネット銀行の口座開設では、これらを証明できる書類の準備に皆さんかなり苦労されているのが実情です。
先ほどご紹介した「会社概要フォーマット」をご提出いただく場合、あくまでお客さまからの申告であり客観性が十分ではないため、事実・実態を証明できる資料の添付をお願いしています。
例えば、既に取引先と取引がある場合は、契約書や発注書などの写しを添付してください。金額など機密事項は黒塗りしていただいて構いません。
イベントやセミナーなどに出店・登壇し、それを他社のWEB記事などで取り上げられたことがあれば、印刷してお送りください。
また、副業や個人事業者から法人成りされた場合は、法人成りする前の実績がわかる資料も参考になります。
当たり前のことなのですが、口座開設の審査では資金繰りや経営状態までは確認しません。ただ、事業の内容や今後の事業計画に対して、資本金の額があまりに少なすぎると、不審と判断されてしまうケースもあります。
少額資本金での会社設立自体は法律で認められていることですので、資本金が少ない場合は、なぜその金額でも事業継続が可能なのか、つじつまのあう説明ができるかどうかがポイントになります。
定款を作成する際、直近で予定していない業務まで目的欄にあれこれ書きすぎてしまうと、こういった観点から銀行口座開設で不利になってしまう可能性があるので、慎重な判断をお願いします。
Q4:審査が通らなかった方がやりがちな共通点はある?
審査が通らなかった方が作成した「会社概要フォーマット」には、このような共通点がありました。
・定款や登記簿の事業目的が箇条書きでそのまま記載されている。
・会社を設立したばかりで、沿革欄が空白。
(Q3でもあるとおり、設立から間もない場合は設立までの経緯を書いてほしい)
・具体性に欠ける。主要な事業に絞ってより詳細に書く方が○。また法人化する前も含め、実績が書けるものは必ず記載してほしい。
(例)
×「アプリ開発」
→○「幅広い年齢層向けのスマホゲームアプリ「○○」を自社開発。AppStore、Google Playで無料配信中」
×「WEBデザイン・制作」
→○「Web経由でコーポレートサイトや広告ページの制作を受注(制作例:△△社サイト)。SEO対策、集客アップのための提案なども手掛ける」
×「セミナー講師」
→○「関東近郊の自治体や法人が主催するワインに関するセミナーで講師を務める。20xx年x月x日 □□市民センター カルチャーセミナーなど」
実際に担当者がチェックしました
そこで、架空の会社概要フォーマットを用意し、PayPay銀行の担当者に添削をお願いしてみました。
確認させていただいたところ、この「会社概要フォーマット」には4つのポイントがあります。
①どんな事業を行うか具体的に記入しよう!
今回の場合は、まず「何をするためのアプリなのか」を具体的に書きましょう。すでに名称が決まっている場合は、名称も記入してください。
また、スマホ向けなのか、パソコン向けなのか、それともWEBアプリなのか、ダウンロードできるサイトの具体的な名称やURL、ダウンロード時の価格についても記入をお願いします。
②会社の情報を確認できるサイトは1つでも多く記入しよう!
「価格・購入方法」の欄に、「クラウドによる有料ダウンロード」と書かれているので、ダウンロード可能なサイトもこの項目に該当します。
会社の情報や活動内容が確認できるサイトは、1つでも多く記入をお願いします。
③発起人が法人成りする前の実績も記入しよう!
「沿革」の欄ですが、アプリ開発の会社を立ち上げるのであれば、創業前に別の法人にエンジニアとしてお勤めしていたり、趣味・副業でプログラム開発をしていた実績があるかもしれません。
発起人が法人成りする前の実績も、会社設立背景を知る上で参考になりますので、あれば記入してください。
④社外パートナーがいたら記入しよう!
例えば、社外エンジニアと業務委託契約を結んでいる場合などもこちらに詳細を記入して、契約書のコピーを提出してください。
担当者から創業者に向けてメッセージ
さまざまな面で起業・開業が後押しされる時代になりましたが、それでもご自分で会社を興し、ご自身の手でビジネスを切り開いて行こうとされるのは、大変勇気のいるご決断だと思います。
PayPay銀行は2000年に戦後初めての普通銀行営業免許を取得し、我が国初のネット専業銀行として創業しました。その後もFXの取扱い、宝くじのインターネット販売、24時間365日無停止の勘定系システムなど、多くの「日本ではじめて」を実現してきたネット銀行です。
そんなPayPay銀行の法人口座を、これから新しいビジネスを始める皆さまのパートナーに選んでいただければ光栄です!
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お問い合わせページ:https://www.paypay-bank.co.jp/business/customer.html
(お電話の他、メール・チャットでもお問い合わせ可能です)
営業時間:平日9:00~17:00(休業日:土曜日・日曜日・祝日、12月31日~1月3日)
お問い合わせの際は「創業手帳」を見たとお伝えください。
(監修:PayPay銀行株式会社)
(編集:創業手帳編集部)