【融資と投資】違いや受ける方法、メリット・デメリットをわかりやすく解説！

融資は利息を付けて返済する義務があり、投資は返済する義務がない

融資と投資は似たような言葉ですが、明確な違いがあります。融資は金融機関から借り入れ、利息を付けて返済する義務がある資金です。一方、投資は投資家などの第三者から提供され、返済する義務がない資金です。

本記事では、それぞれの違いを整理し、調達方法やメリット・デメリットをわかりやすく解説します。資金調達の違いを理解しておけば、資金が必要になった際、どちらを選ぶべきか判断しやすくなるでしょう。

融資と投資の違いについて詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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融資や投資による資金調達とは？

融資による資金調達は、利息を付けて返済義務がある借り入れです。銀行などの金融機関が融資審査を行い、返済できると判断した企業へ融資を行います。

近年では、創業支援としての融資が増えてきており、創業期の企業でも借り入れを検討しやすい環境になっています。

投資による資金調達は、第三者から資金を提供されて返済義務がない資本金です。投資家は、将来的に得られる利益へ期待して投資を行います。

創業期の企業でも投資家から成長性や採算性を認めてもらえると、資金調達が可能です。また、投資家から助言を受けたり、ノウハウを提供してもらったりできる魅力もあります。

融資と投資にはどのような違いがあるのか？

融資と投資には、資金提供者や資金提供する目的、返済義務、財務諸表上での扱いなどに違いがあります。

ここでは、具体的にどのような違いがあるのかを解説します。

資金提供者

融資や投資の資金調達では、それぞれ資金提供者が異なり、審査や交渉も変わります。

融資の資金提供者は、主に日本政策金融公庫や銀行、信用金庫などの金融機関です。一方、投資の資金提供者はベンチャーキャピタルや個人投資家です。

どこから資金調達をするかで準備や交渉内容が変わるため、資金提供者は把握しておきましょう。

資金提供する目的

資金を提供する目的にも違いがあります。

融資は、資金提供先は融資契約で定められた利息を受け取って利益を獲得します。投資は、資金と引き換えに得た株式の価値が高まった時の売却による利益獲得が目的です。

このような違いがあるため、融資では返済の確実性、投資では将来的な成長性が重視されます。資金提供する目的によって判断するポイントが異なります。

返済義務

返済義務の有無は、融資と投資の違いを分ける大きな要素です。

融資を受けた場合、決められた返済期間中に元本を支払い、利息も返済しなければいけません。しかし、投資は受け取った資金を自己資本にできるため、返済義務は生じません。

資金提供者へ返済しつつ事業を成長させるなら融資、将来的に成長して資金提供者へ恩返しするなら投資を選択するといいでしょう。どのようなスタンスにするか踏まえたうえで、自社に合っている資金調達方法を選択してください。

財務諸表上での扱い

資金調達できたあとの財務諸表上における扱いにも違いがあります。

融資を受けると、負債の増加として賃借対照表に計上され、財務の安定性を示す負債比率などの財務指標が悪化します。

金融機関や取引先から財務状況のチェックを行われた場合、財務内容の評価が厳しくなる可能性があり注意が必要です。

一方、投資は資本金の増加になるため、貸借対照表で純資産の増加として計上できます。自己資本比率が向上し、財務内容も改善されるでしょう。

融資を受けるメリットとデメリット

融資による資金調達は、第三者による介入がなく、まとまった資金を手に入れられるメリットが生まれます。しかし、返済の義務や審査結果によって融資を受けられない場合があるなどのデメリットもあります。

それぞれのメリットやデメリットについて、詳しくみていきましょう。

融資を受けるメリット

融資を受けるメリットには、第三者の介入を受けず、まとまった資金を手に入れられる点です。それぞれの内容を詳しく解説していきます。

1.第三者からの介入を受けない

銀行などの金融機関から融資を受けた場合、投資のように株式などを渡すわけではないため、経営の独立性を保てます。

例えば、金融機関への経営支援相談や事業経営への判断に対する決定権が常に自社です。

第三者からの介入を受けない円滑な経営の維持は大きなメリットでしょう。

2.まとまった資金が手に入る

まとまった資金の調達も、融資を受けるメリットとして挙げられます。投資と比べると、経営の自由度も高くなります。

企業の信用状況に問題がない場合は、より多くの資金を調達できる方法です。事業を拡大する中で、まとまった資金が必要となる場面に遭遇するケースは珍しくありません。

必要なときに、まとまった資金を調達できる融資を選択できれば、円滑な事業経営に寄与します。少しでも多くの資金を調達したいのであれば、まずは融資を受けられないか検討してみると良いでしょう。

融資を受けた実績は、信用度が高い証でもあり、返済を延滞しないで行えば、追加融資につながる可能性もあります。

融資を受けるデメリット

融資を受けるうえでデメリットの把握も重要です。主なデメリットには、返済の義務がある点と審査が厳しくて融資を受けられない可能性点が挙げられます。

1.返済の義務がある

融資は投資と違って返済義務があり、融資契約で決められた期間内に返済しなければいけません。元本だけではなく利息も支払う必要があるため、返済額は融資金額よりも多くなります。

現実的な返済計画を立てておかないと、返済が厳しい状態になるリスクがあります。資金計画とともに返済計画も立て、問題なく返済できるかどうか考慮しましょう。

融資を受けてきちんと返済できるかチェックするため、事業計画や返済計画の提出を求められます。必要書類の作成には抜かりない準備が大切です。

2.審査が厳しく、融資を受けられない場合がある

融資を受けようとした際、銀行など金融機関の審査が厳しいため、資金調達できない可能性があります。

審査には必要書類が多いため、漏れなく準備しなければいけません。審査を通過するためには、実現可能な説得力のある書類を作成する必要があります。

融資を受けられない事態を避けるために、審査をクリアできるような書類作成が必要です。また、再審査も可能ですが、期間が置かないと対応されない可能性もゼロではありません。

投資を受けるメリットとデメリット

投資を受けるメリットには、返済の必要がなく、投資家からアドバイスをもらえる点などがあると前述しました。しかし、デメリットがあることも忘れてはいけません。

ここでは、投資を受けるメリット・デメリットを解説します。

投資を受けるメリット

投資を受けるメリットとして、返済義務がなく、投資家からアドバイスをもらえる点が挙げられます。それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

1.返済が必要ない

投資による資金調達ができた際には、返済を気にすることなく事業の成長に集中できます。

投資を受けた場合、多額の資金援助でも返済負担がありません。一方で、融資を受けた場合は融資金額が大きいほど返済の負担が大きくなります。

事業に集中して成長スピードを早める行動ができる点は大きなメリットでしょう。

2.投資家からアドバイスをもらえたり、視野を広げられたりする

投資を受けると、資金を提供してくれた投資家からアドバイスをもらえます。

投資家から数多くの経験を踏まえたアドバイスをしてもらえるため、今後の事業展開で役に立つ情報が手に入るでしょう。経験豊富な投資家からの助言を受け、経営を行うと今まで以上の成長が期待できます。

また、日常生活では会えないような人に出会えるチャンスも掴めるため、経営者としての視野も広がっていきます。視野が広がれば、より世の中のニーズに合うビジネスを見つけやすくなり、成功への歩みを進めやすくなる大きなメリットです。

投資を受けるデメリット

投資にはメリットもありますが、デメリットがあることも忘れてはいけません。ここではデメリットについて詳しく見ていきましょう。

1.資金調達の自由度が低い

投資を受ける際は、資金調達の自由度が低いと理解する必要があります。必ずしも投資を受けられるわけではなく、事業に成長性や採算性を求められます。

また、投資家から受け取った資金と引き換えに自社の株式を交付するケースが一般的です。しかし、株価が低い場合は必要分の資金を調達できないケースも考えられます。

さらに会社の業績が上がれば、配当金の支払いや株主優待なども発生するため、コストが増加しかねません。まとまった資金が欲しい際、投資による資金調達では、思ったような資金を得られずに後悔するリスクもあります。

2.経営に制限が生じてしまう

投資家が資金と引き換えに株式譲渡のため、経営に関与できます。企業にとって経営の自由度にやや制限が生じてしまいかねません。

投資家の意向をある程度汲み取らなければ、投資家との間に亀裂が生じてしまい、良好な関係を維持できなくなる恐れがあります。資金調達はできても事業を円滑に進められなくなってしまう場合もないとは言い切れません。

例えば、議決権株式の過半数以上を投資家が持ってしまうと、経営権を奪われます。経営権が投資家に移ってしまうと、企業の経営者が目指す事業からかけ離れてしまいかねません。

投資を受ける時は、資金支援する相手が経営に何らかの制限を生じてしまう点を念頭に置く必要があります。

融資や投資を受けるには？

融資や投資を受ける方法も知っておかなければいけません。最後に、融資や投資を受ける方法を解説します。

融資を受ける方法

融資を受ける方法には、公的融資・民間融資・融資型クラウドファンディングといったものがあります。それぞれの融資内容について見ていきましょう。

公的融資を受ける

公的融資は、国や地方自治体などの公的機関が提供する融資制度です。日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などをとおして融資を受けます。日本政策金融公庫は、国が100％出資している機関です。

日本政策金融公庫の場合だと、「新規開業資金」や「女性、若者／シニア起業家支援資金」、「マル経融資（小規模事業者経営改善資金）」などがあります。

また、公的な保証人として信用保証協会が、小規模事業者や中小企業が金融機関から融資を受ける時に保証人になり、融資を受けやすくしてくれます。

返済できなくなってしまった場合、保証人となる信用保証協会が代わりに返済してくれますが、信用保証料を支払わなければいけません。ただし、債務がなくなるわけではなく信用保証協会への返済が必要になります。

民間融資を受ける

民間融資とは、民間金融機関である銀行や信用金庫による融資です。公的融資より金利が高かったり、審査が厳しかったりする傾向があります。また、民間融資でも信用保証協会による保証制度があります。

なお、民間融資には事業者専用のビジネスローンも含まれ、事業資金を目的とした借入れが可能です。ビジネスローンは保証人や担保は原則として不要で、融資を受けるまでのスピードの速さが特徴です。ただし、金利は高い傾向があります。

融資型クラウドファンディングから融資を受ける

融資型クラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばる融資です。

クラウドファンディングには、融資型のほかに株式投資型・不動産投資型・購入型・寄付型があります。返済が必要ですが、購入型と寄付型は対価による返済で可能なタイプです。

投資を受ける方法

投資を受ける方法には、ベンチャーキャピタルや個人投資家（エンジェル投資家）からの資金調達があります。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは、スタートアップ企業やベンチャー企業に対して投資をする専門企業や組織です。

独立系・政府系・金融機関系・事業会社系の4つに分類されます。企業が上場した時の株式を売却し、利益を得ることが目的です。

個人投資家（エンジェル投資家）

個人投資家はエンジェル投資家と呼ばれることもある人物で、創業してから間もない起業家へ資金提供してくれます。

ベンチャーキャピタルと同じく、保有する株式を売却した時の利益を得ることが目的となっています。

まとめ・融資と投資の違いを理解して自社にあった資金調達を行おう

融資と投資は似ていますが、返済の必要性などに違いがあります。違いを理解するとともに受ける方法やメリット・デメリットなどの把握が重要です。

融資のメリットは、まとまった資金が手に入れやすく第三者からの介入を受けません。一方、投資のメリットは、返済の必要がなく投資家からのアドバイスをもらえる点などが挙げられます。

融資と投資のどちらにもデメリットの側面もあるため、自身の状況にどちらが適しているのかを検討することが大切です。

融資と投資のどちらが適しているかを見極めるためには

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（編集：創業手帳編集部）

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