初めての飲食店開業 いくらお金を借りれば良い?

資金調達手帳

創業融資の金額の決め方

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飲食店の開業支援を行わせていただいていて、多くの質問を受けるのが資金の問題です。大別すると設備資金と運転資金があり、開業してみないとどれだけの売り上げがあるのか分からないので、不安になられる方が多くいらっしゃいます。

全て自己資金でまかなえるという人は少なく、金融機関の借入に頼ることになります。ここで問題になるのが、融資額の目安です。限度額は申請書に書いてありますが、どれだけ借りれば良いか?実際の融資でどれだけ借りることができるのか?ということはどこにも書いていません。

その参考になる情報を紹介いたします。

全ては融資の種類と経験

融資金額がどのくらいが妥当かという問題ですが、答えは経験としか言いようがありません。それも融資の種類によって、金額は異なります。

さらに時代によって異なるので、最近融資を受けた方や、そのコンサルをやっている方の情報を頼るのがベストです。先輩や知り合いの同業者の方に聞くことも多いかと思いますが、その際には、その方がどの融資を、いつ頃利用されたかをしっかりと確認してください。10年ぐらい前の話では、状況が異なっていることがあります。

私は最近では、半年で100件超の相談を受け、そのうち年間で40〜50件のコンサルをおこなっております。特に、私がお客さまに紹介しているのは、日本政策金融公庫の認定経営革新等支援機関(私はこの機関の性格から「専門家支援付融資」と勝手に呼んでいます)の計画書の助言のもとに申請できる「中小企業経営力強化資金」です。

その経験から言うと、過去に自己破産、税金の滞納がない、キャッシング遅延がないなどが前提ですが「総投資額に占める自己資金の割合が30%」あれば、残りの70%を融資でカバーすることができることが多いです。そのため、申請する融資の金額は総投資額の70%が目安ということになります。もちろん上振れ、下振れなどがあり、状況によっては多少の誤差はありますが、私がコンサルで入る案件の場合、これを一つの目安として、経営計画や融資戦略を提案しています。

ここで注意いただきたいのが、最近の融資の条件で、自己資金要件が総投資額の1/10や、なしでよいといったことが書かれていることがあります。融資条件が緩和されているように思いますが、実際に融資がおりるかどうかというと、総投資額に占める自己資金の割合が30%が必要なことがほとんどです。自己資金要件が緩和されたからといって、簡単に融資がおりるとは限りません。ただ、申請がしやすくなったというだけです。

経営計画にもかかわる重要なこと

これから飲食店を開業しようとしている方は、総投資額に占める自己資金の割合が30%になるように、設備投資を抑えるようにしてください。それが、開業後も事業が続くこととなります。身分不相応の投資は、開業後に利子や融資の返済で自分のクビをしめるだけです。

この考えを元に、皆さん、経営計画書を作成するようにしてください。そうすれば、お店にかけられる設備投資額や、どの程度の家賃のお店を借りれば良いかということも見えてくるはずです。経営計画の細かい内容は、後ほど説明いたしますので、ご期待ください。

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(監修:ITA大野税理士事務所 大野晃 飲食店開業融資専門税理士)
(編集:創業手帳編集部)

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