フランチャイズ加盟前に絶対確認したい事業計画書5つのポイント
事業の成功を左右する事業計画書の確認ポイントをFCのプロが伝授
(2016/10/12更新)
フランチャイズに加盟すると経営指導を受けられるなどのメリットがありますが、事前に事業計画書を確認してフランチャイズを選定しないと、思ったように利益が出ず、資金繰りが苦しくなることにもなりかねません。
そこで、加盟前に確認しておくべき事業計画書の確認ポイントをご紹介します。
この記事の目次
なぜ事業計画書の確認が必要か?
事業計画書の確認には3つの目的があります。
事業そのものを理解する
事業計画にはさまざまな項目と数値があります。
「実績値と比較することで大きくぶれる可能性がある項目と数値はどれか?」「その中でぶれると事業継続が難しくなる項目はどれか?」を確認することで事業の本質を理解することができます。
本部の実力がどのくらいかを計る
事業計画書を確認するために、事業計画書の根拠となる実績の提示と数値の意味の説明を本部に依頼しましょう。
都合のよい数値や事例ばかりの場合、実績が示されない場合、根拠が明確に説明されない場合は、数字に弱い組織である可能性があります。
加盟店に対する本部の姿勢を理解する
加盟店を増やしたいという本部の思惑から見通しの甘い売上予測や、減価償却費を計上せずに利益を大きく見せているという可能性もあります。
事業計画書の確認ポイントとは?
このように事業計画書の確認はフランチャイズに加盟する上で判断する材料となります。
それでは事業計画書のどこに着目すればよいでしょうか。
売上予測は実績値とどのくらいの変動があるか?
客単価がいくらか、売上構成がどうなっているのか、そしてそれらの数値が根拠のあるものになっているかを確認します。
また、売上の変動幅についても確認しておきましょう。
初期投資としてどの項目が計上されているか?
店舗ビジネスであればまず物件取得費が計上されているかどうかを確認します。
また、採用広告費、開業前家賃、開業前人件費、初期広告宣伝費など、事業立ち上げにかかわる費用の項目があるかないかを確認しましょう。
人件費は適切に計上されているか?
無理なシフトを想定していないか、適切に人件費が計上されているかを確認しましょう。
中には社会保険を考慮していないずさんな事業計画書の見受けられるため、注意して確認しましょう。
販売促進費は売上予測に対してどのくらい計上されているか?
販売促進費(広告宣伝費)は多くの事業になくてはならないものです。
どのくらいの販売促進費で売上がどのくらい見込んでいるのか、売上予測との割合をチェックしましょう。
減価償却費が計上されているか?
減価償却費はキャッシュの流出が伴わないため、フランチャイズによっては償却前の利益を事業計画書に表記している場合もあります。
償却前と償却後の利益を混同してしまうと、加盟後に思ったように利益が出ない事態になりかねません。
事業計画書を作成しよう
このように本部の作成する事業計画書を確認した上で、自分でも事業計画書を作ってみましょう。
自己資金がショートする可能性がないか、金融機関への返済計画も考慮に入れて作ります。
本部の事業計画書の実態を把握できればリスクがどこにあるかもわかり、より現実性の高い資金計画書が作成できます。
実績値との変動を確認してわかる通り、フランチャイズ本部の事業計画書はあくまでも目安。余裕をもった資金調達を行うよう心がけましょう。
(監修:AT カンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土(あさの しのただ))
(編集:創業手帳編集部)