Chat(チャット)GPTとBingAI(ビング)AIの違いは何?どっちがおすすめ?
Chat(チャット)GPTとBingAI(ビング)AIの特徴・強みの違いなどをご紹介。おすすめの使い方も
Chat(チャット)GPTとBing(ビング)AI。この両者は比較されることも多いですが、実際にこの両者の違いについて詳しく理解されている方は、意外と少ないのではないでしょうか。両者の違いを理解した上で上手く使い分ければ、さらに効率的な働き方が可能になります。
そこで本記事では、ChatGPTとBingAIの概要や両者の違い、どのような使い分け方がおすすめなのかなどをまとめてご紹介します。
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この記事の目次
Chat(チャット)GPTとは?
ChatGPTとは、OpenAIが開発した人工知能チャットボットです。ChatGPTは、会話形式で質問に答えたり、創作物の執筆やプログラミングを行ったりなど、さまざまなことができます。
ChatGPTは、GPT-3.5とGPT-4という大規模言語モデルを基に構築されており、教師あり学習と強化学習の両方の手法で転移学習されています。
強化学習とは:試行錯誤錯誤しながらAIの性能を最大化させる学習手法。
ChatGPTの最新モデルGPT-4は、その前のモデルであるGPT-3、GPT-3.5よりも格段に性能を向上させており、その文章作成能力をもってすれば、日常的なメールのやり取りや契約書や稟議書などの形式的な文章の作成などChatGPTのみでほとんどすべて書くことができるほどになっています。
ChatGPTについては以下の記事でも詳しくご紹介しています。
「Chat(チャット)GPTのGPT-4とは?何がすごい?無料版はどこで使える?」
「えらいてんちょう 矢内 東紀|Chat(チャット)GPTの効果的な使い方!一体何がすごいのか」
「Chat(チャット)GPT-4のプラグインでできること!おすすめプラグイン11選」
Bing(ビング)・BingAIとは?
BingはMicrosoftが作った検索エンジンです。Googleの競合ですが、これまではユーザーシェアも少なく、苦戦を強いられてきました。
しかし、BingはOpenAIに出資したため、ChatGPTの最新モデル、GPT-4が「Bing AIチャット」機能で利用できるようになり、最近は急激にユーザーシェアを伸ばしています。
BingAIはChatGPT同様、対話型AIとして、雑談や質問に答えたり、創作物の執筆やプログラミングを手伝ったりなどができます。
また、画像生成AIとして、ユーザーのリクエストに応じて画像を作成したり、既存の画像を加工したりなども可能です。
BingAIは無料で使える?利用方法を解説
BingI AIは無料で利用できます。MicrosoftのブラウザであるEdgeをダウンロードすれば誰でも無料で利用できるので、まずは使ってみるといいでしょう。
BinAIは下記の流れで利用できます。
- MicrosoftEdgeをインストール
- Microsoftアカウントの登録・ログイン
- MicrosoftEdgemのメニューからチャットを選択して利用
前述のようにBinAIは、MicrosoftEdgeでしか利用できません。
そのため、BingAIを利用したい場合には、利用するデバイスに合わせてMicrosoftEdgeをインストールしましょう。
MicrosoftEdge公式サイトからインストールできます。
インストールが完了したらMicrosoftアカウントでログインします。
もし、Microsoftアカウントを持っていない場合には作成しましょう。
ログインが完了したらMicrosoftEdgeのトップページからチャット画面にアクセスすれば、すぐにBingAIが利用できます。
以前は順番待ちリストへの登録が必要でしたが、現在はすぐに利用が開始できます。
出典:Microsoft Bing
なお、ブラウザ版のMicrosoftEdgeにおいて、BingAIを頻繁に利用するという場合には、チャット画面にアクセスしやすい「Microsoft Bing」のトップページがおすすめです。
BingAIとChatGPTの違いは何?
BingAIとChatGPTは、異なる目的と特徴を持つ対話型AIです。
BingAIは、検索エンジンとしての機能を持ち、最新の情報や画像を生成できます。一方、ChatGPTは、創作物の執筆や雑談などに適したAIで、想像力や表現力に優れています。
BingAI は、会話のスタイルを「独創性」「バランス」「厳密」の3つから選ぶことができますが、ChatGPTは会話のスタイルを選ぶことはできません。また、ChatGPTは無料版であればGPT-3.5のみ、有料版であればGPT-3.5またはGPT-4どちらかの言語モデルが選べます。
BingAIは、Microsoft Edgeのブラウザやアプリでのみ利用できますが、ChatGPTは任意のブラウザで利用できます。
以上のように、BingAIとChatGPTにはいくつかの違いがあります。
以下では、さらに詳細に、さまざまな点について違いをご説明します。
機能の違い
ChatGPTとBingAIの機能面をピックアップして、違いをまとめました。
ChatGPT | BingAI | |
---|---|---|
言語モデル | 無料版:GPT-3.5 | 有料版:GPT-3.5 or GPT-4 |
最新のWeb情報活用 | プラグインを使用することで可能 | Bingと連動してているため可能 |
メッセージ数 | GPT-3.5:無制限 GPT-4:3時間ごとに25回 |
1チャット:25〜30回 1日:合計300回 |
画像生成 | プラグインを使用することで可能 | デフォルトで利用可能 |
言語モデルにおいては、BingAIに使われているのはChatGPTの最新モデルであるGPT-4で、ChatGPTの有料版ではもちろんGPT-4を使うことができます。
さらに、以前はBingAIでのみ、GPT-4を利用して最新のWebを調べて回答することが可能でしたが、最近になってChatGPTの有料版でも、プラグインを導入すれば最新情報を検索できるようになりました。
そのため、言語モデルや情報の再申請という面ではほとんど変わらない、と考えて良いでしょう。
ただし、実際に使ってみると、2023年7月現在のChatGPTのWebブラウジング機能はまだ調子が悪く、最新情報を検索したいのであればBingAIを使うと良いかもしれません。
また、メッセージ数についての制限も違います。
ChatGPTは、無料版のGPT3.5であれば、無制限に使うことができます。また、有料版で使えるGPT-4も、3時間ごとに25メッセージ使えます。
一方、BingAI(GPT-4搭載)は1回の会話では25〜30回、1日で合計300回のやり取りが可能です。
画像生成については、ChatGPTは一部のプラグインを利用すればできますが、そこまでのクオリティではありません。一方、BingAIで命令すると、非常に高品質な画像が生成されてきます。
UI(ユーザーインターフェース)の違い
UIの違いも、両者の使い勝手の違いになっています。
上述したように、BingAIはEdgeというブラウザをダウンロードしないと使えませんが、ChatGPTはどのブラウザでも使えます。
また、BingAIは次の命令(プロンプト)についての提案メッセージが出てくることがありますが、ChatGPTは、毎回自分で命令をゼロから考えなければなりません。そのため、初心者にも使いやすいのはBingAIの方かもしれません。
もう一点、BingAIでは会話のスタイルを下記の3種類から選択できますが、ChatGPTでは選択ができません。
- より創造的に
- よりバランスよく
- より厳密に
つまり質問に対して求めている会話のスタイルが異なる場合、BingAIはワンクリックでスタイルが変更できますが、ChatGPTでは自らの求める答えが出るような命令を自分で考えなければいけないのです。
もちろん命令を適切に考えることができれば質の高い答えが望めますが、上記のような点から、初心者にも使いやすいのはBingAIの方かもしれません。
金額の違い
ChatGPT | BingAI | |
---|---|---|
GPT-3.5 | 無料※、有料:月20$ | 未実装 |
GPT-4 | 有料:月20$ | 無料 |
※無料版は制限あり
ChatGPTは最新のモデルGPT-4よりも性能の劣る一つ前のモデル、GPT-3であれば無料で何回でも使うことが可能です。
また、ChatGPTの有料版であるChat GPT plusに20ドル(2023年7月現在で約2,700円)を支払って加入すれば、GPT-3.5にくわえ、GPT-4を回数制限つきで利用できます。また、混雑時にも安定した接続が可能です。
一方、BingAIの場合は、ChatGPTの最新モデル、GPT-4を回数制限はありながらも無料で使えます。
使えるプラグイン(拡張機能)数の違い
最近になって充実してきたのが、ChatGPTのプラグイン(拡張機能)です。テキストの指示だけで図表を作成できたり、動画を作成できたりなど、さまざまなプラグインが登場してきています。そのほとんどは無料で利用できます。すでにそのプラグインの数は2023年7月現在で約600個にも及ぶとされています。
一方、BingAIは、OpenAIとMicrosoftが共同で構築しているプラグインプラットフォームの一部のプラグインを利用できるものの、その数についてはまだChatGPTで利用できるプラグイン数には劣ります。
会話内容の制約の違い
ChatGPTとBingAIでは制約にも差があります。
両者に対して質問を行った際、BingAIでは「この会話を続けるのは好ましくありません」と会話が中断されてしまう場合があります。
これはBingAI内でルールが設定されているためで、倫理観などの観点から不適切な質問内容に対しては応えないように設計されています。
一方ChatGPTでは、BingAIのような会話内容に対する制約はないため自由に会話ができます。
自由に会話ができるという点ではメリットですが、今後AI活用が広がる世界の中で必要となってくるのはBingAIに実装されているような制約かもしれません。
ChatGPTでできること
ChatGPTは創造的な回答に特化しており、文章生成・編集や、英語学習の支援、プログラミングやアイデアの支援など、さまざまなことに利用できます。また最近では、最新のWebブラウジング機能も備えているので、最新の情報を参照しつつ、その情報を盛り込んで文章作成をすることも可能です。
また、特定のキャラクターやシチュエーションをシミュレートすることも可能です。たとえば、特定の歴史的人物やフィクションのキャラクターとの対話をシミュレートすることができます。
他にもプラグインを利用すれば、テキストの指示から図表を作成したり、動画を作成したり、長い論文を要約したりなど、さまざまなことがスピーディーに実現できるようになりました。
より実践的には、稟議書や契約書の雛形の作成、メールの下書きの作成、ブログの下書きの作成、SNS投稿の下書きの作成などに利用すると良いかもしれません。他にも、結婚式の挨拶や宴会での挨拶、DMの送り状の文言作成などにも効果的でしょう。
まずはどんなことでも良いので、ChatGPTに要望を投げてみると良いでしょう。
BingAI でできること
BingAI もChatGPTと利用用途は基本的に同様ですが、2023年7月現在においては、最新の情報をWebで検索した上で、ソースを提示して回答してくれる機能は、ChatGPTのGPT-4よりも優れていると筆者は感じています。そのため、最新情報を参照した上で回答してほしい場合には、BingAIを使ってみることをおすすめします。
また、BingAIは次の質問をAIらしく提案してくれます。例えば、「ChatGPTとは?」と聞いた後には、「ChatGPTの使い方は?」などと提案してくれる、といった具合です。そのため、自分でも思い付かないようなアイデアや質問をAIに考えてもらいたい場合にも、BingAIを使うと良いかもしれません。アイデアの壁打ちには最適でしょう。
ChatGPTとBingAI のどっちが良い?
結論としては、テキストベースの生成AIの機能をフル活用したいのであれば、ChatGPTとBingAI の両方を同時に使うことをおすすめします。
ChatGPT plusで利用できるGPT-4の回数制限は3時間ごとに25回、つまり1日で200回です。また、BingAIの回数制限は1日で300回です。両方合わせれば、1日に500回ほども最新のGPT-4モデルで応答してもらうことができます。
実際に筆者も、最近は両方を常に使っています。EdgeとChromeの両方のブラウザを使っていますが、1つのパソコンで操作していても、Edgeの窓でBingAIを、Chromeの窓でChatGPTを使っているので、それぞれに回答を同時に投げてより高速にGPT-4の回答をもらうことができています。これが最大限効率的に最新のGPT-4を使う方法かと思います。
しかし、そこまでの回数やスピードを求めないのであれば、無料版のBingAI AIチャットのみでも大丈夫かと思われます。
ちなみにこの文章の作成にも一部、GPT-4を利用しています。気になる方はどの文章がGPT・BingAIで作成されているか、推理してみてください。文章の下書き、雛形を作るという意味では、GPT-4はもう、記事作成の下書きにも十分に利用できる水準に達していると感じます。GPT-4で下書きを作った上で、後から少し手直しを加える、という使い方がおすすめです。まったくゼロから考えるよりも高速かつ楽に作文できます。
また、画像生成AIを手軽に利用したい場合には、BingAIを使ってみると良いでしょう。試しに「楽しそうにサッカーをしている人の画像を作って」などと命令してみてください。
ChatGPTとBingAIのどっちも使いこなそう
ChatGPTとBingAIの違いについてご説明しました。
無料で少し使えれば良いのであればBingAI、回数を求めるならChatGPT、最高効率で仕事をしたい場合にはどっちも同時に利用してみるのがおすすめです。
ぜひ本記事を参考に、仕事の効率を限界まで高めてみてください。
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(編集:創業手帳編集部)
SEOの知見と、ChatGPTの機能を自社の創業手帳アプリに開発して組み込んで連携した経験からBing(ビング)のChatGPT活用について解説します。
Bingは、Google、Yahooとシェアでは桁違いの大差があり、誤差の範囲のような扱いをされていた検索エンジンでした。
しかし、Microsoft(マイクロソフト)はOpenAIに出資し、Microsoft製品、特にBingに組み込まれたことで魅力度が増しました。
本家のChatGPTに対して、こうしたChatGPTを組み込んだサービスはそれぞれのサービスと連携した使い方で特徴を出す傾向があります。
ChatGPTはAPIという他社とのデータ連携の受け口を開放しています。
そのためChatGPTの機能を自社サービスに搭載することも可能です。AIを自社で開発するよりはるかに容易です。
例えば創業手帳アプリでもChatGPTを組み込んで、自社のアプリの中でシームレスに、起業に関する質問に最適化されたChatGPTの回答をもらえるように機能開発しました(ChatGPTの自社サービスへの組み込み方はChatGPT 生成AIガイドとして無償配布しています)。
BingもOpenAIの出資元のMicrosoftなので、通常のAPIの軽めの連携ではなく、製品に深く組み込んでいくはずですが、基本的な考え方は、ChatGPTを自社のユーザーに最適化していく開発をしています。
Bingの場合は検索エンジンですので、使ってみるとわかりますが、Chatの中での完結だけでなく、割とBingの検索結果に飛ばそうと試みている傾向が見られます。ビジネスモデル的には検索と検索結果に連動した広告と親和性の高いChatGPTのカスタマイズをしている印象です。
ChatGPTに付加する機能は変化・進化していくと思いますが、面白い機能としては、「創造的に」「バランス」「厳密に」などの回答の傾向を指定するようなオプションもあるようです。
今後、Bingに限らず、ChatGPTはAPI連携の仕組みを他社に開放し、各社は自社のユーザーに最適化して組み込むような機能開発が進んでいくと思います。
その中でも、資本上関係の深い、Microsoftが一段深いChatGPTとの連携をするはずなので、今後、各社のChatGPT連携・活用のモデルケースとしてBingの動向は注目すべきです。
ユーザーとしてはこうした最新サービスが使える、あるいは用途に最適化されたサービスが増えるのはありがたいことと言えます。
ほとんどのサービスは無料で使えますので、色々なサービスを試してAIの活用力・適応力を高めていきましょう。
また、創業手帳ではChatGPT全般の使い方や、AIと人間の対決実験を通じて人はどの部分に注力するべきか、またBingのように自社のサービスにChatGPTを組み込むにはどうしたら良いかなどを解説したChatGPT 生成AIガイドを無償で発行しているのでそちらも読んでみてくださいね。