医療×ITでムーブメントを!「創業ストーリーアワード」大賞受賞、峯さんインタビュー
医療者や被災者の悲痛な声で一念発起!峯啓真さんの創業ストーリー
(2017/02/16更新)
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医療のIT化を進めるベンチャー企業に勤めていた峯啓真さん。2011年3月、東日本大震災を経験し、40歳を超えてからの起業を決意。
巨大な災害を前にした医療者や被災者の悲痛な声を聞き、医療ITと自身の無力さを感じた峯さん。この原体験をもとに、ネット上で医療者同士が情報をやりとりするためのチャットツール「メディライン」を作りました。
「創業ストーリーアワード」大賞を受賞された峯さんに、事業内容や今後の展望を伺いました。
医療でも売上を上げなければならない
峯:どの業種もそうですが、医療の世界にも悪い面がたくさんあります。それを一つ一つ直していきたい。
強い規制の中で、ただ「直していこう」とすると抵抗があるので、中に入って、少しずつ静かに直していかなくてはなりません。その中で起業して、本当に困っている人を助けたいという強い思いがありました。
峯:僕はどちらかというとビジネスマンなので、売上を立てる・数字を上げるというのは当たり前のように思っています。
「医は仁術」というような形で、ボランティアというか奉仕を求めるというのはちょっと違うと思っています。持続可能な医療を実現するためには、才能のフィーを発生させなくてはなりません。
ムーヴメントを起こしたい
峯:最終的にはフィンテックやメディテックのように、ムーヴメントをおこしていきたいと思っています。そこに優秀なプレーヤー達や、システムに少し疑問を持っている優秀な人たちをどんどん招き入れたいです。
そのためにはマーケットが必要だし、そこにたくさんの優秀な人、起業家が集まって医療というものをいろんな角度から良くしていきたい、そんな思いでやっています。
峯:そうですね。導入自体がまだまだ進んでいない感じです。ほとんどアナログの世界なので・・・。一部進んでいるものもありますが、逆にデジタル化した方がお金がかかる、という不思議な世界でもあります。
峯:例えば、レントゲンなんかは普通にデジタルで行われているのですが、診療報酬を請求するためにはフィルムを焼かなくてはいけないんです。
でも、臨床では普通にパソコンの中でできます。診療請求をするためだけにプリントして、それを看護師さんが毎朝シュレッダーをかける、という無駄なことをしているのです。
峯:たくさんある課題を一足飛びに、自動車配車のウーバーみたいに破壊しながら変えていくとうやり方もあります。
でも、それよりはもう少し穏やかに、一見従いながら、味方を増やしていく形でやっていきたいですね。
峯:小さな成功体験をどんどん作って提示しながら、現状に納得していない、もしくは声なき多数派の人たちに対して「自分たちももしかしたらできるかもしれない」と思わせたいです。
そして大きな流れにつなげていく、そういうようなムーヴメントがメディテックじゃないかなと思います。
「自分にも何かできる」と気付いてほしい
峯:規制の中で、「自分だけ声を上げても、これがルールだからしょうがないか」と思っている人たちが「シェアメディカル、何かうまいことやってるし、もしかしたら自分たちもできるかもしれない」というのに気付かせてあげるのが目標です。
優秀な人たちをどんどん集めてムーヴメントを起こし、メディテックという形でメディアに取り上げてもらいたいです。
そして「人・物・金」がどんどん入ってくる世界を作っていく。創業3年目ですが、どちらかというと支援したい側という思いでずっときています。
峯:経営者って何も良いことがないんです。責任ばっかりあって、実入りも少ない。
でも、一歩踏み出したというのが、失敗しようが成功しようが、諦めなければ成功です。やってみないことには始まりません。やはり、信じなければ世界は変えられないですから。世界を変えたければ一歩踏み出すしかないということです。
実は、課題というのは現場に転がっているものです。あなたにしか見えていないものがたくさんあります。それを信じてやってみてください。
峯:「パートナーを必ず見つけないといけない」です。
似た者ではなく、自分を補完できる人です。自分がグロースできるような相方を見つけ、一緒に起業すると絶対うまくいきます。
一人だと人間等しく24時間しかないので、絶対にあるところまでしか大きくなりません。でも、パートナーを見つけると、同じ時間で倍動けるようになります。その分楽になりますよね。
例えば、エンジニアとして技術開発をするのであれば、デザインができる人や経理をできる人・・・全然違う分野の人たちを引き入れて一緒に組むのです。
同じタイプの人ではなく、違うタイプの人、自分を補完できる人と一緒にいるとうまくいきますよ。
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(取材協力:株式会社 シェアメディカル/峯 啓真)
(編集:創業手帳編集部)