Amazonの出品方法は?手順や必要なもの、販売手数料などを紹介

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Amazonは法人・個人事業主を問わず、誰でも販売が可能!やり方やコツを知っておきましょう

ECを始めたい、もしくは拡大させたい中小企業や個人事業主にとって、Amazonへの出品は有効な選択肢の一つです。簡単に膨大な顧客にリーチできたり、在庫管理から配送、返品対応まで任せられたり、中小規模の事業者にマッチした性質がAmazonにはあります。

今回はそんなAmazonへの出品について詳しく解説します。やり方やメリット・デメリットなどを把握し、活用の是非を検討してみてください

Amazonへの出品は誰でも可能!

Amazonの出品は、法人・個人事業主を問わず、基本的に誰でも可能です。出品アカウントの作成には所定の審査がありますが、他のECサイトに比べて通りやすいとされています。本人確認書類をはじめとする必要書類に不備さえなければ、問題なく審査に通るでしょう。

ただし、Amazonでは、出品後にも商品や顧客対応などの品質をシビアにチェックされるといわれています。出品後の運営方法によっては、アカウントが凍結される恐れもあるのでご注意ください。

Amazonに出品する手順

Amazonに出品する際の流れは、おおむね以下の4ステップです。

1. 出品プランを選択する

先述の通り、Amazonには、商品1点の販売ごとに100円の手数料がかかる小口出品と、販売数に関わらず一律月額4,900円の大口出品があります。まずは自らに合った出品プランを検討、選択しましょう。

なお、出品プランはあとから変更や解約することも可能です。プラン選びの際には、後述の「小口出品か大口出品かを決める基準」も参考にしてください。

2. 出品用アカウントを作成する

Amazon出品用アカウントは、Amazonセラーセントラル(seller central)で作成します。公式サイト右上の「さっそく始める」等から所定のページにアクセスし、必要事項を入力してください。

アカウント作成の過程で、本人確認書類の提出も求められるので、先ほど紹介した必要書類も準備しておきましょう。

なお、Amazon出品用アカウントの作成には審査があります。審査結果は、手続きから3営業日ほどでメールにて通知されます。

アカウント作成のおおまかな手順

  • 名前・メールアドレス・パスワードを入力する
  • メールで届く確認コードを入力する
  • 業種を選択する
  • ビジネスの情報、出品者の情報を入力する
  • クレジットカードの情報を入力する
  • ストアの情報を入力する
  • 本人確認書類をアップロードする

※法人・個人事業主で手続き内容に若干の違いあり

3. 商品を登録する

Amazon出品用アカウントが作成できたら、販売する商品を登録します。商品登録の手順は、おおむね下記の3ステップです。詳しいやり方や決まりなどについては、公式サイトが公開する動画等でご確認ください。

商品登録のおおまかな手順

  • 商品のカテゴリーを確認する
  • 商品の出品情報(製品コードや価格、商品名など)を作成する
  • 商品詳細ページ(商品のタイトル、画像、バリエーションなど)を作成する

4. 集客を実施する

商品登録をした後は、さまざまな方法で集客を行い、販売へと繋げます。Amazon内でも各種の集客ツールが用意されているので、必要なものを活用してみましょう。

ちなみにAmazon出品の公式サイトでは、具体的な集客方法として下記の3種類が紹介されています。

  • お急ぎ便の提供:購入者が好む傾向がある「プライム(prime)」アイコンをつける
  • 商品の宣伝:検索結果ページや商品詳細ページ、セール・クーポンなどでの販促、ブランディング
  • 他の出品者に負けない価格設定:Amazon Businessの自動価格調整ツールやまとめ買い割引ツールなどを活用可能

Amazon出品にかかる費用・手数料

Amazonへでの出品にかかる費用は、プラン料金+販売手数料+配送料+αで決まります。具体的な金額は、料金プランや商品のジャンル、配送方法などによってさまざまです。詳細は下記をご確認ください。

出品プランの料金

Amazonでは、小口出品サービスと大口出品サービス、2つの出品プランが用意されています。小口出品サービスは商品数×100円が、大口出品サービスは商品数によらず月額4,900円がかかるプランです。出品者は、どちらか好きなほうを自由に選択できます。

小口・大口では料金のほか、以下のように出品プランの機能も一部異なります。毎月の販売数や広告表示の有無、その他マーケティングツールの必要性などを考慮し、適切なプランを選択しましょう。

【出品プランの料金および機能】

小口出品 大口出品
料金 ¥100/商品+販売手数料 ¥4,900/月+販売手数料
フルフィルメント by Amazonでビジネスを拡大する
Amazonのカタログに新商品を追加する
追加のカテゴリーへの出品を申請する
一括出品で時間を節約する
フィード、スプレッドシート、レポートを使って在庫を管理する
検索結果の上位や商品詳細ページに商品を掲載する
APIを統合して出品効率を上げる
メディア以外の商品に独自の配送料を設定する
オンサイトの広告ツールで購入者を惹きつける
無料配送を含むプロモーションを行う
アカウントに複数のユーザーを追加する

出典:amazon.co.jp「出品にかかる費用」

販売手数料

Amazonの出品では商品が売れるごとに販売手数料がかかります。販売手数料の金額は商品カテゴリによって異なりますが、8〜15%ほどが相場です。

【商品カテゴリーごとの販売手数料】

カテゴリー 販売手数料の割合 最低販売手数料
15% なし
ミュージック 15% なし
DVD 15% なし
ビデオ 15% なし
テレビ・レコーダー 8% 30円
携帯電話・スマートフォン 8% 30円
カメラ 8% 30円
パソコン・周辺機器 8% 30円
家電アクセサリ 10% 30円
Amazonデバイス用アクセサリ 45% 30円
楽器・オーディオ 10% 30円
ドラッグストア · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上の合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
30円
ビューティ · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
30円
健康家電・理美容家電 10% 30円
スポーツ&アウトドア 10% 30円
カー&バイク用品 10% 30円
おもちゃ&ホビー 10% 30円
TVゲーム 15% なし
TVゲーム機本体 10% 30円
PCソフト 15% なし
ペット用品 · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の15%
30円
文房具・オフィス用品 15% 30円
電子辞書 8% 30円
ホーム&キッチン 15% 30円
生活・キッチン家電 10% 30円

浄水器・整水器 10% 30円
大型家電 8% 30円
DIY・工具 15% 30円
産業・研究開発用品 15% 30円
業務用医療用品 · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
30円
食品&飲料 · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の10%
なし
ビール 6.5% なし
腕時計 15% 30円
ジュエリー · 1商品あたりの売上合計が10,000円以下の部分には商品代金の10%
· 1商品あたりの売上合計が10,000円を超える部分は商品代金の6%
30円
ベビー&マタニティ · 1商品あたりの売上合計が1,500円以下の場合は商品代金の8%
· 1商品あたりの売上合計が1,500円を超える場合は商品代金の15%
30円
服&ファッション小物 · 1商品あたりの売上合計が3,000円以下の部分については、商品代金の12%
· 1商品あたりの売上合計が3,000円を超える部分については商品代金の8%
30円
シューズ&バッグ · 1商品あたりの売上合計が7,500円以下の部分については、商品代金の12%
· 1商品あたりの売上合計が7,500円を超える部分には、商品代金の6%
30円
その他のカテゴリー 15% 30円

出典:amazon.co.jp「出品にかかる費用」

配送料

Amazon出品の配送にかかる費用は、自社発送かフルフィルメント by Amazon(FBA)の利用かによって変わります。詳細は下記をご覧ください。

自社発送の場合

自社で商品を発送する場合、配送にかかる費用は各自の配送手段や契約内容などによります。Amazonでは、購入者(顧客)に対して配送料を請求することが可能です。カートのフォームで配送料を付与し、購入代金とともにその金額を受け取れます。

顧客に請求する配送料の金額ですが、大口出品プランの場合、基本的に独自の配送料を設定可能です。ただし、本・ミュージック・ビデオ・DVD商品に関しては、Amazonが設定した配送料が適用されます。

小口出品プランの場合は、原則としてAmazonの設定した配送料を購入者に対して請求します。

Amazonが設定する配送料は下記のとおりです。

【本、ミュージック、ビデオ、DVDの配送料(大口出品プラン向け)】

配送方法 ミュージック ビデオ DVD
日本国内 262円 356円 398円 356円
国外(地域1:アジア/グアム/マーシャル諸島/ミッドウェイ/その他) 823円 617円 823円 617円
国外(地域2:北米/中米/オセアニア/ヨーロッパ) 1,234円 823円 1,234円 823円
国外(地域3:アフリカ/南米) 1,440円 926円 1,440円 926円

出典:amazon.co.jp「出品にかかる費用」

【その他カテゴリーの配送料(小口出品プラン向け)】

カテゴリー 国内標準配送料
262円
CD、レコード 356円
ビデオ 398円
DVD 356円
TVゲーム 356円
PCソフト&コンピューターゲーム 356円
おもちゃ&ホビー 524円
ドラッグストア 524円
ベビー&マタニティ 524円
その他のカテゴリー 472円+53円(1kgあたり)

出典:同上

FBAを利用する場合

フルフィルメント by Amazon(FBA)とは、商品の受注、梱包、発送、カスタマーサービス、返品対応の全てを、Amazonが代行してくれるサービスです。販売事業者は、商品の発送や配送にかかる負担を、金銭を支払うことで解消できます。そのため、少ない労力や人員で販売事業を展開したい場合におすすめです。

FBAを利用する場合、商品1点につき下記の配送料を支払います。この金額は、商品のピッキング・梱包・配送・カスタマーサービス・返品の代金を含む料金です。

【FBA配送代行手数料】

サイズ 最大寸法 重量 商品1点あたりの配送料
FBA小型軽量商品プログラム – 小型 25cm x 18cm x 2.0cm以内 250g以内 208円
FBA小型軽量商品プログラム – 標準1 35.0cm x 30.0cm x 3.3cm以内 1kg以内 220円
小型サイズ 25cm x 18cm x 2.0cm以内 250g以内 288円
標準サイズ区分1 35.0cm x 30.0cm x 3.3cm以内 1kg以内 318円
標準サイズ区分 2a 40cm以内 2kg以内 434円
標準サイズ区分 2b 50cm以内 2kg以内 465円
標準サイズ区分 2c 60cm以内 2kg以内 485円
標準サイズ区分3 80cm以内 5kg以内 514円
標準サイズ区分4 100cm以内 9kg以内 603円
大型サイズ区分1 60cm以内 2kg以内 589円
大型サイズ区分2 80cm以内 5kg以内 712円
大型サイズ区分3 100cm以内 10kg以内 815円
大型サイズ区分4 120cm以内 15kg以内 975円
大型サイズ区分5 140cm以内 20kg以内 1,020円
大型サイズ区分6 160cm以内 25kg以内 1,100円

大型サイズ区分7 180cm以内 30kg以内 1,532円
大型サイズ区分8 200cm以内 40kg以内 1,756円
特大型サイズ区分1 200cm以内 50kg以内 2,755円
特大型サイズ区分2 220cm以内 50kg以内 3,573円
特大型サイズ区分3 240cm以内 50kg以内 4,496円
特大型サイズ区分4 260cm以内 50kg以内 5,625円

出典:amazon.co.jp「出品にかかる費用」

またFBAでは、Amazonフルフィルメントセンターの平均スペース使用量に応じて計算される下記の在庫保管手数料も支払います。ちなみに収益性の観点からFBAを利用すべきかどうか判断する際には、Amazonが公開している「FBA料金シミュレーター」も便利です。

【FBA在庫保管手数料】
・服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリーを除く

小型/標準 大型/特大型
1月~9月 5.676円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
4.370円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
10月~12月 10.087円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
7.760円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]

・服&ファッション小物、シューズ&バッグカテゴリー

小型/標準 大型/特大型
1月~9月 3.10円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
3.10円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
10月~12月 5.50円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]
5.50円
x ([商品サイズ(cm3)] / (10cm x 10cm x 10cm)
x [保管日数] / [当月の日数]

出典:同上

その他の費用

Amazonではそのほか、追加の販売手数料やオプションプログラムの利用料がかかる場合もあります。その他費用の概要は下記の通りです。詳細はamazon.co.jpの公式サイト等でご確認ください。

【追加の販売手数料】

大量出品手数料 メディア以外の商品を大量に出品した場合、対象商品あたり0.05円の月額手数料が請求される場合あり。最初の出品200万件までは免除。
返金処理手数料 代金を購入者に返金する場合、500円または販売手数料の10%のどちらか小さいほうが徴収される。

【オプションプログラム】

フルフィルメント by Amazon FBA小型軽量商品プログラム、FBA定期おトク便、FBA危険物プログラム、マルチチャネルサービス、FBA海外配送などの特別プログラムにかかるオプション料金
広告(Amazon Advertising) クリック課金制のオークションベースの広告システム
有料アカウントサービス 売り上げアップのための各種サポートやコーチング、トレーニング、情報提供を受けられる

Amazon出品の審査に必要なもの

Amazon出品アカウントの作成には、以下の情報が必要です。

法人の場合 個人事業主の場合
会社情報
・法人番号
・登記簿上法人名(ローマ字・日本語)
・本社所在地 (住所)・郵便番号
・店舗名(個人事業主の方も必須)
アカウント担当者情報
・顔写真入りの身分証明書
(パスポートまたは運転免許証)
・クレジットカード情報
・各種明細書
アカウント担当者情報
・顔写真入りの身分証明書
(パスポートまたは運転免許証)
・クレジットカード情報
・各種明細書

出典:Amazon.co.jp「Amazon本人確認手順」

Amazon出品アカウントの審査では、上記の情報が正しいことを示すために、以下の書類の提出(アップロード)を求められます。

会社情報の必要書類【登記簿謄本】

法人の場合、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が必要です。登記簿謄本には13桁の法人番号や法人名などが記載されています。

なお、登記簿謄本は法務局が推奨する登記・供託オンライン申請システムを使えば、数日で取り寄せが可能です。また最寄りの登記所や法務局などでも簡単に取得できます。

本人確認の必要書類【身分証明書】

法人・個人事業主ともに、アカウント担当者の本人確認書類(身分証明書)の提出が必要です。下記2点のうち、いずれかをアップロードしてください。個人番号カード(マイナンバーカード)は審査に利用できません。

  • 旅券 (パスポート) 
  • 運転免許証

上記書類を提出する際は、下記の条件を満たす必要があります。

本人確認書類を提出する際の確認事項(審査の要件)

  • 身分証の記載氏名がセラーセントラル(Amazon)の登録名と一致する
  • 身分証に顔写真が入っている
  • 身分証が有効期限内である
  • スマートフォンなどで撮影した画像、もしくは原本のスキャンデータである
  • スクリーンショット(画像キャプチャ)でない(スクリーンショットは審査対象外)
  • 画像やPDFデータはカラーである(白黒は審査対象外)
  • ファイル形式が*.png, *.tiff, *.tif, *.jpg, *.jpeg, *.pdf.のいずれかである
  • ファイル名に絵文字や特殊記号($, &, #など)が使われていない
  • パスポートの場合は署名の記載があること
  • 運転免許証の場合はカードの両面をアップロードすること

取引明細書【クレジットカード明細ほか】

Amazon出品の審査では、過去180日以内に発行された取引明細書も提出する必要があります。取引明細書は、以下のいずれかを1部準備しましょう。

  • クレジットカードの利用明細書
  • インターネットバンキング取引明細
  • 預金通帳

クレジットカードの利用明細書は、Amazonアカウントに登録しているカード以外のものも利用できます。

また取引明細書を提出する際は、以下の内容に注意してください。

取引明細書を提出する際の確認事項(審査の要件)

  • スクリーンショット(画面キャプチャ)および画面を撮影した画像は無効である
  • 氏名、請求先住所、銀行もしくはクレジットカード会社の情報が確認できる
  • 発行日または取引履歴のページが確認できる
  • クレジットカードやキャッシュカード自体の画像やスキャンデータは無効
  • 提出書類はパスワードで保護しないこと
  • ファイル形式は*.png, *.tiff, *.tif, *.jpg, *.jpeg, *.pdf.のいずれか
  • ファイル名に絵文字や特殊記号($, &, #など)が使われていない
  • クレジットカードの明細をWEBで提出する場合、PDF形式でダウンロード可能なものに限る(CSV形式/Excelは審査対象外)
  • インターネットバンキング取引明細(PDF)の場合、CSV形式/Excelは審査対象外
  • 預金通帳は過去180日以内の最終取引履歴が確認できるページ+名前が載っているページの撮影画像もしくはスキャンデータを提出

Amazon出品のメリット

Amazonに商品を出品することには、以下のようなメリットがあります。

アカウント作成が簡単かつ早い

Amazon出品用アカウントは、法人・個人事業主を問わず、誰でも簡単に作成できます。身分証明書と取引明細書(法人の場合は+登記事項証明書)で申請が可能です。

また審査にかかる時間が3営業日ほどと、スピード開設ができることも魅力。本格的にwebでの販売に取り組みたい事業者はもちろん、お試しで商品を販売してみたい方にもおすすめです。

FBA配送代行を利用できる

Amazonの大きな強みの一つにフルフィルメント by Amazon(FBA)があります。FBAなら、商品の配送にかかる業務を一括でAmazonに任せられるため、事業者は少ない負担で販売事業を展開できます。

またFBA配送を選択することで、お急ぎ配達が可能な「プライム(prime)」など、Amazon独自の人気サービスも利用可能です。FBAがあることで、容易かつスピーディーに商品を配送できるようになり、ユーザビリティーの向上にも繋がります。

集客やサイト構築が容易である

Amazonは、国内だけでも4,000万人以上、世界では21億人以上のユーザーを持つといわれています。アカウントを作成するだけでそうした膨大な見込み顧客にリーチできるようになることも、Amazon出品の魅力です。

一般のECなら、自社でSEO対策を講じたり、SNSマーケティングを行ったりと、集客にも労力がかかります。一方でAmazonなら、商品を登録しさえすれば、大多数のユーザーに検索される可能性が生まれます。

また各自で店舗ページを作成する楽天市場と異なり、Amazonは出品に特化したマーケットプレイス型のモールです。必要事項を入力するだけで簡単に商品ページが作れるので、サイト構築のノウハウがなくても気軽に運営できます

楽天市場より費用が安い

日本国内のライバルともいえる楽天市場に比べ、低コストで出品できることもAmazonを利用するメリットです。Amazonなら、商品につき100円もしくは月額4,900円+各種手数料等で出品できます

一方、楽天市場の出品プランは月額19,500円〜となっており、初期登録費用の60,000円も必要です。そのため、費用を抑えて出品したい中小企業や小規模事業者、個人事業主にもAmazonは向いています。

参考:楽天市場の出品にかかる費用

がんばれ!プラン スタンダードプラン メガショッププラン
19,500円/月額 50,000円/月額 100,000円/月額
年間一括払 半年ごとの2回分割払 半年ごとの2回分割払
契約期間 1年 契約期間 1年 契約期間 1年
登録可能商品数
5,000商品まで
登録可能商品数
20,000商品まで
登録可能商品数
無制限
画像容量
500MBまで
画像容量
5GBまで
画像容量
無制限
システム手数料
パソコン 3.5%~6.5%
モバイル 4.0%~7.0%
システム手数料
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5%
システム手数料
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5%
全プラン共通の料金
初期登録費用 60,000円
楽天ポイント 楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%)
楽天スーパーアフィリエイト アフィリエイト経由売上の2.6~5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性
向上のためのシステム利用料
月間売上高の0.1%
R-Messe 月額固定費:3,000円~
楽天ペイ利用料 月間決済高の2.5%~3.5%

売上の入金サイクルが短い

Amazonの出品では、売上金が14日周期で決済処理される仕組みになっています。2週間という比較的短いスパンで着金するので、キャッシュフローが安定しやすい点もメリットです。

ちなみにYahoo!ショッピングやau PAYマーケットをはじめ、月末締め翌月末払いを採用しているECモールも多くあります。楽天市場は、毎月15日と月末、15日スパンの入金となっています。そのため、入金サイクルの短さ(入金の早さ)という点でも、ECモールとしてのAmazonは優秀です。

海外向けの越境ECも実現可能

Amazonは、日本で出品用アカウントを作ると、自動的に全世界向けの統合アカウントが作られる「グローバル登録」という仕組みを採用しています。具体的には日本国内のアカウントで、アメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ポーランド、スウェーデン、オーストリアのストアに出品可能です。

よって、海外向けに商品を販売したい事業者にもAmazonはマッチします。気軽に越境ECが実現できるので魅力的です。リーチできる市場規模が広がれば、それだけ期待できる売上の規模も大きくなるので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

Amazon出品のデメリット・注意点

一方、Amazonの出品には以下のようなデメリット・注意点も存在します。先ほどのメリットと比較検討しつつ、出品の是非を改めて検討してみてください。

販売手数料が比較的高い

Amazonでは、出品した商品の販売実績に応じて8〜15%ほどの販売手数料がかかります。また本やCD・レコードをはじめとする一部のカテゴリーでは、別途15%の成約料も必要です。

こうしたAmazonの販売手数料等は、ほかのモールに比べてやや高い水準だといえます。例えば、楽天市場の販売手数料は3.5〜7%ほどです。

とはいえ、Amazonはプラン料金が安いため、総合的な費用では決して高いとはいえません

大手を含めて競合他社が多い

Amazonには、各業界の大手企業を含め、多数の事業者が商品を出品しています。またAmazon自体が出品者としてモールに参加するケースもあります。

そのため、モール内での競合他社との競争は熾烈(しれつ)です。激しい価格競争が繰り広げられ、思うように利益を回収できない場合もあるでしょう。

店舗のオリジナリティは出しにくい

Amazonはいわゆる「マーケットプライス型」のECモールです。楽天市場のように各自が店舗を作る「テナント型」ではないため、出品ページは画一的ないし没個性的といえます。

店舗の独自性や個性を活かしたマーケティング、ブランディングはしにくいので注意しましょう。

小口出品×自社配送では配送料が固定される

小口出品プランで自社配送を選ぶ場合、Amazonの指定する配送料が適用されます。事業者の任意で配送料を決められないので注意しましょう。

Amazonが設定した配送料よりも実際の配送料が高くなる場合には、その差額を踏まえて販売価格を決めるのが適切です。

クレジットカードが必要である

Amazonの出品では、アカウント作成時にクレジットカード情報の入力を求められます。そのため、クレジットカードを持たない法人や個人事業主は、Amazonに出品できません

スムーズに出品開始の手続きが行えるよう、事前にクレジットカードを作成しておきましょう。クレジットを作るのが難しい場合は、銀行口座に紐づいたデビットカードを作成するのがおすすめです。

Amazon出品を成功させるためのポイント

Amazon出品での成功方法を模索している方は、以下のポイントを意識してみてください。

中小事業者はFBAを活用するのが定番

2021年10月のAmazonの発表によると、Amazonに出品する中小事業者・約16万社のうち、半数以上の8万社以上がフルフィルメント by Amazon(FBA)を利用しています。

在庫管理や配送、その他の業務を代行してくれるFBAは、中小企業や小規模事業者の強い味方です。FBAを利用できることが、Amazonで出品することに対する一つの旨みといえるでしょう。

FBA配送代行を利用するメリット
・在庫管理から配送、返品対応までAmazonに任せられる
・商品がプライム対象になる→(当日)お急ぎ便に対応
・おすすめ商品エリアに載る可能性が上がる など

とはいえ、自社の配送ネットワークや商品のカテゴリ※、配送代行手数料・在庫保管手数料との関係などによっては、自社配送のほうが適している場合もあります。FBAか自社配送かの判断には、Amazon公式の「フルフィルメント by Amazon料金シミュレーター」もご活用ください。

※危険物など、一部FBAを利用できない商品がある

出品ページにキーワードを盛り込むSEO対策が重要

Amazonのユーザーの大半は、1ページ目で購入する商品を決めてしまう傾向にあるともいわれており、モール内でのSEO対策は重要です。SEO対策とは、Amazonの検索ボックスを使った際に自社商品が上位に表示されるようにすることをいいます。

Amazon内でのSEO対策に有効な方法が、出品ページ内に商品に関連するキーワードを多く盛り込むことです。例えば「ボールペン」を売るなら、商品名はもちろん、「油性」「0.5mm」「書きやすい」「高級」など、商品の特徴や訴求ポイントを表す言葉も入れるとよいでしょう。それらの言葉をユーザーが検索したときに、商品が表示される可能性が高まります。

売れ筋の動向を商品選定や出品可否の参考に

競合他社が多いAmazonでは、モール内での売れ筋の動向を把握しておくことが、より良い販売戦略の決定に役立つ可能性があります。売れ筋の動向の把握には、Amazonが公開する売れ筋ランキングや、Keepa・ARROWS10・SellerSpriteなどの分析ツールが便利です。

売れ筋の動向は、以下のような判断の参考にするとよいでしょう。

・競合商品の少ないジャンルで商材を開発、出品する
・競合他社が強い場合、その商品の出品を取りやめる
・もしくはAmazon市場に合うよう、商品を再開発する

Amazonの運用代行やコンサルなどのサービスもある

昨今は、Amazon出品の運用代行やコンサルティングなどのサービスを提供する事業者も現れています。Amazon出品に関するノウハウがなく、自社で成功するイメージが湧かない場合には、そうしたサービスに運用や戦略を外注する手もあります。

とはいえ、外注すれば別途費用も必要になるため、収益性の観点から慎重な検討も必要です。何となく興味があるという程度であれば、まずは小口プランから試してみるのもよいでしょう。小口プランならアカウント作成は無料、出品も100円〜と小規模でチャレンジできます。

まとめ

Amazonへの出品は、在庫管理や配送、返品対応を代行してもらえることもあり、中小事業者と相性が良い選択です。北米や欧州、オーストラリアのストアにも出品できるため、海外への越境ECを考える方にも適しています。

気軽にECを始めたい方、膨大なWebユーザーに自社商品をリーチさせたい方など、これを機会にぜひ一度Amazonへの出品をご検討ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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