補助金申請を専門家に代行してもらうメリット
面倒な申請書作成は専門家へ依頼しよう!
(2018/04/13更新)
起業するにあたって、頭を悩ませることが多いのが資金繰りの問題ではないでしょうか。そこで、資金調達の方法のひとつとして活用していきたいのが「補助金制度」です。
金融機関からの融資と違って返済する必要がなく、自己資金として認められる補助金は、使わないと損!補助金申請の専門家の手を借りれば、より省エネで補助金の恩恵を受けることができます。
今回は、補助金のメリットや、補助金申請を代行してもらえる専門家の選び方など、補助金にまつわる情報を解説します。
この記事の目次
補助金とは
補助金とは、政策目標(例えば、起業家を増やしたい、商店街を活性化させたい、新技術を発明する中小企業を増やしたいなど)を達成するために必要な事業に対して、国や自治体が給付するお金のことです。
給付を受けるためには、募集要項に沿って申請書類を提出し、審査に合格する必要があります。事業の全部または一部の資金について補助が受けられ、多くが「後払い」(該当事業計画の終了後に支払われる)という特徴があります。金融機関からの融資とは違い、原則として受け取ったお金は返済する必要がありません。
助成金との違い
補助金と同じく、国や自治体から受け取ることができるお金には「助成金」もあります。補助金と助成金の大きな違いは、審査の難易度と申請期間です。助成金は、雇用の安定や能力開発を目的にしているため、受給要件を満たして申請すれば原則として誰でも受け取ることができます。申請期間も、随時または長期間に設定されています。
しかし、技術開発や産業振興を目的にしている補助金の場合は、申請後に審査が行われ、選ばれた事業者しか受け取ることができません。申請期間も短く、1カ月程度しかない場合もあります。
補助金は採択のための倍率も高いので、難易度が高いとも言えますが、その分大きなリターンを得ることができます。自社の条件に合う補助金があれば積極的に活用を検討しましょう。
補助金申請4つのメリット
補助金申請のメリットは、大きく4つあります。
①返済の必要がない資金が得られる
まず、補助金の大きなメリットは、金融機関からの融資と違い、返済の必要のない資金が得られることです。リスクを背負うことなく、事業を始めることができます。
②企業としての信用度が増す
補助金の審査に通過したということは、国や自治体の審査を通過したことになります。それによって、他の補助金制度や公的融資制度を利用する際にも有利になることがあります。
③自己資金額が増える
補助金は自己資金として認められるので、金融機関に融資を頼む際に「返済能力がある」と見なされ、審査が有利になることが期待できます。
④第三者により経営計画が評価される
審査の過程で、第三者の目で経営計画が精査されます。計画の終了報告も行うことが必要なので、手続きは煩雑になりますが、しっかり事業計画をやり遂げることができます。自分自身でもあらためて会社の現状を確認したり、見直したりすることができるので、よりよい事業計画を立てることができます。
補助金の種類
では、実際に補助金には、どういったものがあるのでしょうか。
補助金には、大きく分けて
- 経済産業省系の補助金
- 地方自治体の補助金
- その他の団体が独自に設定している補助金
の3つがありますので、簡単にご紹介しましょう。
経済産業省系の補助金
経済産業省や、その中の中小企業庁が主体となって、創業支援や女性・若年層の活躍支援、技術開発を目的として実施している補助金です。代表的なものとして、「創業補助金」「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」などが挙げられます。
いずれも、年度ごとに実施される補助金の内容や募集期間、募集要項が異なるので、しっかりチェックをした上で臨む必要があります。
地方自治体の補助金
市区町村などの各自治体が、独自に補助金を設定していることもあります。国家戦略特区など、創業支援を中心に補助金が充実している自治体もあれば、全く公募のない自治体もあり、地域間で差が大きいです。
補助金以外にも、オフィス家賃補助や広告費補助、低利率での融資など、自治体独自の創業支援が準備されていることがあります。
起業予定の地域に応募可能な補助金がないか、あらかじめ確認しておきましょう。
その他の団体が独自に設定している補助金
財団や企業、大学、金融機関等が独自に起業家支援の補助金を実施している場合もあります。採択へのハードルは高いですが、それをくぐり抜けることでビジネス実現への大きな後押しを得られることでしょう。
使える補助金はポータルサイトを活用して調べよう!
このように、さまざまな団体が、多様な補助金を実施しています。自分にあったものを探すだけで一苦労と思われるかもしれません。そこで、使える補助金を探すためには、ポータルサイトを活用するのが便利です。
都道府県や種類から情報を絞り込むことも可能です! 最新の補助金情報はこちらからどうぞ。
専門家に代行してもらうこともできる補助金申請
補助金申請の最大のデメリットが、「申請書を作成する」という手間です。ただでさえ経営に忙しい創業期に、申請書の準備をする余力がなくて補助金申請を諦める経営者も多いのではないでしょうか。
実は、補助金申請はすべて自分の手で行う必要はありません。補助金申請を代行してくれる専門家に依頼することで、書類作成の手間を省ける上に、申請書の精度も高めることができるのです。
補助金申請代行をしてもらえる専門家としては、認定支援機関(経営革新等支援機関)に認定されている商工会や商工会議所、金融機関、税理士、公認会計士、弁護士、行政書士などがあげられます。「認定支援機関」とは、経営相談のための専門知識や実務経験が一定レベル以上あるとして、国が認定している公的な機関のことです。
また、経済産業省・中小企業庁が実施している創業補助金など、補助金によっては、要件のひとつに「認定支援機関」との連携が必要な場合があります。認定支援機関は、全国に約25,000か所あります。
申請書作成支援だけでなく、人事労務、海外展開、M&A、税務処理、法的対応、許認可申請など各専門家の特色に合わせた相談も受けられるので、相談先として専門家の先生を見つけておくと、経営上の助けにもなります。
経営についての知識や経験が豊富な専門家の知見を取り入れ、経営計画そのものを一緒に練ることは、経営者にとっても大きなプラスになるはずです。
創業補助金について詳しくはこちらをご覧ください。
>>「創業補助金」申請の具体的手順とポイント。会社設立時~中小企業にも。
補助金申請の代行を専門家に依頼するメリット
補助金申請を専門家に代行してもらうと、次のメリットがあります。
①事務コストが削減され、申請書作成の手間が省ける
申請書の作成は、予想以上に手間がかかります。頭の中にあるビジネスプランを、誰にでも伝わる言葉で、指定の様式に落とし込む作業を負担に感じる人もいるでしょう。経営者が事業に注力するためにも、専門家の手を借りて事務コストを削減し、労力を他に割く環境づくりが大切です。
②申請書の精度が高まる
専門家は、多数の企業をサポートして申請書を作製した実績があります。初めて申請書を作成する経営者より、申請書作成のノウハウがあることは間違いありません。ポイントをおさえた申請書を作成してもらえることで、採択の確率が高まることも期待できます。
③経営相談も受けられる
認定支援機関でもある専門家に申請書作成を依頼した場合、補助金申請だけでなく、経営についての相談にも乗ってもらえます。税務に不安があれば税理士、契約書なども作りたいなら弁護士、許認可申請も視野に入れていれば行政書士など、抱えている悩みに合わせて専門家を選べば、経営についての問題点を一度にクリアできます。
まとめ
国や地方自治体が実施している補助金は、特に起業時の資金調達方法として上手に活用したい制度です。申請の手間はありますが、採択された時のメリットは大きく、経営者としての自信にもつながります。
申請書類の作成で専門家の力を借りれば、独りよがりになりがちな経営計画も第三者視点でブラッシュアップされ、より実現性の高いものになるはずです。
補助金制度の情報を集め、要件に合致する補助金については、積極的に応募を検討してみてください。
(編集:創業手帳編集部)