経理アウトソーシングとは？メリットやデメリットからおすすめのサービスまで紹介

経理アウトソーシングの活用で経理業務の負担を軽減できる！

企業経営において、日々発生する経理業務は欠かすことのできない重要な役割を担っています。
しかし、仕訳入力や請求書処理、給与計算、決算対応など、多岐にわたる業務は担当者の大きな負担となります。
本来注力すべき経営戦略や営業活動に時間を割けないケースも少なくありません。

そこで注目されているのが「経理アウトソーシング」です。
専門の外部サービスを利用することで、経理担当者の業務負担を軽減し、効率化やコスト削減、さらには経営の質を高めることが可能になります。
この記事では、経理アウトソーシングの特徴からメリット・デメリット、中小企業におすすめのサービスまで詳しく解説していきます。

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経理アウトソーシングとは？

経理アウトソーシングとは、自社の経理業務を一部もしくはすべて外部企業に委託できるサービスを指します。
「経理委託」「経理BPO」「経理代行」など様々な呼び名がありますが、いずれも同じサービスを指していることがほとんどです。

経理アウトソーシングの業者は民間の専門業者以外にも、税理士や公認会計士などの士業でもサービスを提供している場合があります。
税理士の場合は税務署類や税務申告の代行が中心であり、公認会計士の場合は企業の会計帳簿や決算書を確認し、財務諸表が適正かどうかを評価してくれます。

依頼できる業務内容

経理アウトソーシングで依頼できる業務内容は、以下のとおりです。

• 記帳業務（伝票管理、売掛金・買掛金の管理、売上げ・費用の計上、記帳代行など）
• 給与計算業務（給与計算、支払、年末調整、社会保険の納付など）
• 決算業務（固定資産・減価償却の管理、決算書作成、決算申告など）
• 請求・支払管理（請求書の発行・送付、振込データの作成、支払日の調整）
• PMI（M&A成立後に実施する統合に向けた作業）代行

経理アウトソーシングは基本的に帳票や仕訳入力が多いですが、経費精算や記帳業務、決算業務なども幅広く任せてもらうことが可能です。

費用相場

経理アウトソーシングを依頼した場合の費用相場ですが、依頼する業務の内容や範囲、企業の規模によって値段は違ってきます。
例えば記帳代行のみを依頼した場合、10～30仕訳だと1,000～3,000円前後で依頼できます。
また、給与・賞与計算だと1人あたり2,000円前後で対応してもらえる可能性が高いです。

経理業務をすべてプロの業者に委託した場合、月額約5万円～20万円が相場になります。
すべての業務を委託するとなるとその分費用はかかってしまうものの、すべてプロに任せられるので正確な経理業務を担ってもらえます。

経理アウトソーシングを導入するメリット

経理アウトソーシングを導入することで、様々なメリットが得られます。具体的にどのようなメリットが得られるのか、解説していきましょう。

本業に専念できる

経理アウトソーシングを導入するメリットとして、本業に専念できる点が挙げられます。
経理業務は「ノンコア業務」とも呼ばれるもので、利益や売上げを出すことを目的に行う「コア業務」とは異なります。
企業経営をする上で重要な業務となりますが、経理業務が直接利益・売上げを生み出しているとは言えません。そのため、ノンコア業務に分類されています。

このノンコア業務に力を入れたとしても、利益にはつながりません。外部に委託することによってコア業務に専念できるようになります。

人手不足を解消できる

日本は1995年をピークに生産年齢人口（15～64歳）が減り続けています。そんな中で特に中小企業では人手不足の状態に陥っているケースもあります。
経理業務のために新しく人材を雇おうとしても、経験や知識がないと正確な経理業務が行えません。
また、経理を担える人材がいたとしても、属人化によって担当者が1人～2人程度しかおらず、不在になった場合に業務全体が滞る恐れもあります。

そこで経理アウトソーシングに依頼すれば、自社の属人化を防ぐこともできますし、人材不足の問題も解消できます。

コストを削減できる

経理業務を担う人材を雇用する場合、毎月の給与が発生することになります。さらに、従業員が働く環境を整備したり、福利厚生を用意したりする必要もあります。
小規模事業者やコストをあまりかけたくない企業にとっては、1人を雇用するだけで大きな痛手になってしまうかもしれません。

一方、経理アウトソーシングは、必要な時に料金を支払うことで経理業務を代行してもらうことが可能です。
経理担当者を1人雇用するよりも、安く価格を抑えられる場合があります。

人的ミスや内部からの不正を防げる

経理業務はその専門性の高さから属人化しやすい傾向にあります。
経理業務が属人化されてしまうと、重要な経理データを管理できる人が限られてしまい、改ざん・横領につながる可能性もゼロではありません。

そこで、経理アウトソーシングという第三者を介在させることで、属人化を防ぎつつ経理担当者が不正しているかどうかを見極めやすくなります。
また、経理業務で決算書などの確認を行ってもらえば、経理担当者だけだとチェックできなかった部分も見逃さずに済み、人的ミスも防げるようになるでしょう。

法改正などにも柔軟に対応できる

経理業務では、税制などの法律が直接影響することも多く、法改正がある度に経理担当者は柔軟な対応が必要とされます。
そのため、法改正の影響で一時的に業務負担が増えてしまうこともあります。

経理業務のプロに経理アウトソーシングを依頼すれば、最新の法改正についても柔軟に対応してもらうことが可能です。
また、経理アウトソーシングを依頼すればわざわざ自社で最新の法改正について追う必要もなくなります。

経理アウトソーシングを導入するデメリット・注意点

経理アウトソーシングのメリットについて解説しましたが、その一方でデメリットに感じる部分や注意しなければいけないポイントなどもあります。
ここで、経理アウトソーシングを導入するデメリットや注意点について解説します。

コスト削減につながらない可能性がある

経理アウトソーシングのメリットに、「コストを削減できる」ことを挙げましたが、場合によってはコスト削減につながらない可能性もあります。
例えば一般的な経理業務ではなく、高度な専門知識を要する経理業務を委託する場合、その分費用はかかってしまいます。

費用は委託する企業によって異なるため、事前に複数の企業で見積もりを取り、委託できる業務内容と費用のバランスを考慮しつつ、自社に合うサービスを選ぶことが大切です。

経理に関するスキル・ノウハウが蓄積されない

経理アウトソーシングは、一部またはすべての経理業務を外部に委託することになります。
自社で対応しなくても良いというメリットはあるものの、その一方で経理業務を行わないことから経理に関するスキルやノウハウが蓄積されません。
今後もずっと経理アウトソーシングを利用し続けるのであれば問題ないでしょう。
しかし、将来的に自社で経理業務を担う可能性がある場合や、経理を担う人材を育成したい場合は、すべての経理業務を委託せず、一部のみ委託する方法がおすすめです。

機密情報が漏洩する可能性がある

経理情報には自社の機密情報が含まれることも少なくありません。
経理アウトソーシングを導入する場合、第三者に会社の経理情報を渡すことになるため、セキュリティリスクが高まることになります。
場合によっては、経理アウトソーシングから機密情報が漏洩する危険性もあります。

機密情報の漏洩リスクを最小限に抑えるためにも、委託するサービスのセキュリティ体制について事前に確認し、さらに秘密保持契約を結んでおくことが大切です。

経営状況の把握が遅れる場合がある

経理はリアルタイムのキャッシュフローや資金状況などを管理する立場にあるため、少しでも経営に悪影響が出そうな数値が出れば、経営陣に素早く伝達してくれます。
しかし、経理アウトソーシングだと経営状況の把握が遅れてしまう場合があります。
もし経営状況が悪化しているにも関わらず、気付かずに対応が遅れてしまった場合、大きな損失につながる恐れもあるでしょう。

そのため、経理アウトソーシングを導入する場合でも社内に経理の知識を持つ人材を確保しておくか、もしくは経理アウトソーシングのサービスで、現状分析やリアルタイムで経理データを共有できるものを選んでおくと安心です。

中小企業におすすめの経理アウトソーシング8選

経理アウトソーシングのサービスも多岐にわたりますが、ここではその中でも中小企業におすすめの経理アウトソーシングを紹介します。

サービス名	料金	サービス開始までの期間	トライアルの有無
CASTER BIZ accounting	従業員数20名以下、帳簿記帳・給与計算（稼働時間30時間）の場合：月225,000円（税抜）	最短3営業日	無
TOP ONE経理代行センター	記帳代行サービス：月11,000円～ 記帳代行丸投げパック：月16,500円～ 給与計算代行：月1,100円/人～	要問い合わせ	無
経理業務PRO	仕訳業務（100仕訳まで）：1件100円 請求書発行：基本価格30,000円 仮払・立替精算：基本価格10,000円 資金繰り表などの作成：5,000円～	要問い合わせ	無
バーチャル経理アシスタント	5～20名規模、月次決算における経理フローの整理・改善、決算業務の代行：月30万～80万円 20～50名規模、月次仕訳入力代行：月15万～20万円	要問い合わせ	無
フジ子さん	PLAN20（月20時間）：65,560円（税込） PLAN30（月30時間）：97,350円（税込） PLAN50（月50時間）：143,000円（税込）	要問い合わせ	最長2時間の無料トライアル（1週間以内）
Remoba経理	6カ月プラン（従業員数15名以下）：月20万円 12カ月プラン（従業員数15～50名）：月18万円	最短翌日（平均申し込みから1カ月程度）	3カ月限定の有料トライアル
HELP YOUアシスタント 経理代行	HELP YOU（30時間）：月11万円～（税込） 経理プレミアムBasic（45時間）：月198,000円～（税込） 経理プレミアムAdvance（30時間）：月198,000円～（税込）	要問い合わせ	無
BackofficeForce	要問い合わせ	最短翌日	無

CASTER BIZ accounting

CASTER BIZ accountingは、経理部の立ち上げから業務のアウトソーシングまで、経理・労務のプロが対応してくれる経理アウトソーシングです。
企業規模や経理処理の難易度、事業の特性などによって異なるものの、専門チームを最短3営業日で立ち上げ、迅速にサポートに入ってくれます。

対応業務は経費精算から売上げ・請求業務、買掛・支払業務、月次・年次処理、税理士対応などがあります。さらに、クラウド会計システムの導入サポートも対応可能です。

TOP ONE経理代行センター

TOP ONE経理代行センターは、株式会社TOP ONEと提携事務所の税理士法人大石会計事務所による経理アウトソーシングサービスです。
領収書整理から記帳代行まで対応でき、すべて丸投げにしても経理・記帳専門のスタッフがサポートしてくれます。
また、税理士法人と提携していることもあり、記帳や経理などは税理士からチェックを受けられるため、高品質な経理サービスを受けることも可能です。

経理業務PRO

経理業務PROは、東京・大阪・名古屋・福岡に拠点を持つ株式会社シスプロが運営するサービスです。
対応できるサービスは経理業務全般のアウトソーシングに加え、振込手数料削減サービスや給与計算のアウトソーシング、給与明細の発行業務、勤怠管理システムの導入サポートなども手がけています。
料金はあくまで目安となりますが、仕訳業務は件数が多ければ多いほど1件あたりの価格が安くなっているのでお得です。

バーチャル経理アシスタント

バーチャル経理アシスタントは、日本全国の経理スタッフがオンラインで経理業務を担ってくれるサービスです。
経費計算や帳票・仕訳入力、請求書発行など、ほとんどの会計・経理関連業務に対応してくれます。企業の規模や業態・業種を問わずサービスを利用することが可能です。
対応する経理スタッフは、簿記2級以上や大手メーカーに10年以上在籍した経歴を持つ人、税理士事務所で広範囲なサポートを行ってきた人など、経験と実績のあるスタッフがサポートします。

フジ子さん

フジ子さんは、オンライン上から経理を含むバックオフィス業務を遠隔でサポートするサービスです。
オンラインでやり取りをすることになりますが、最新のセキュリティ技術とスタッフへの情報管理教育を徹底しているため、安心して任せられるというメリットがあります。
また、フジ子さんでは無料のトライアル期間が設けられており、まずはお試しで利用することも可能です。

Remoba経理

Remoba経理は、専属のコンサルタントとオンラインプロワーカーにより、経理業務をまとめて請け負ってもらえるサービスです。
完全オンラインでサポートしてもらうことができ、進捗状況やリアルタイムの会計データなども好きな時に確認できます。
詳細をヒアリングした上でプラン内容を提案し、さらにトライアルプランを利用すれば3カ月間限定で1カ月更新のプランを利用できるようになります。

HELP YOUアシスタント 経理代行

HELP YOUアシスタント 経理代行は、チームでの対応も可能な経理アウトソーシングです。
企業や経費精算など日常的な経理サポートに加え、経理のプロによるコンサルティング、さらに資金繰り表や財務諸表などの作成による経営判断サポートなど、経理に関する幅広い業務をサポートしています。
また、「HELP YOU」のプランを選択すると、経理業務だけでなく資料作成やSNS運用など、様々な業務もまとめて依頼することが可能です。

BackofficeForce

BackofficeForceは、経験豊富なプロの経理チームをつくり伴走することで、あらゆる経理業務を丸ごと任せられる経理アウトソーシングです。
これまで1,500社以上もの企業をサポートしてきた実績があり、経理業務の代行から属人化を防ぐためのマニュアル作成なども対応しています。
会計や財務などの経理業務に加え、庶務や総務、人事・労務などにも対応可能です。

また、契約期間は最短2カ月から可能で、長期間の縛りがなく、初めて経理アウトソーシングを利用する企業にとっても導入しやすい期間となっています。

まとめ・自社に合った経理アウトソーシングを探してみよう

経理アウトソーシングは、業務負担の軽減やコスト削減だけでなく、専門的な知識を活用して経営判断の精度を高められる有効な手段です。
ただし、対応できる範囲やサービス内容は業者によって異なるため、自社の業務量や課題に合ったパートナーを選ぶことが重要です。
経理を効率化しながら経営の質を向上させるために、まずは自社の現状を整理し、最適な経理アウトソーシングを検討してみましょう。

創業手帳（冊子版）では、中小企業の経営に役立つおすすめサービスの紹介などを行っています。生産性・効率性の向上に向けて業務委託を検討されている人も、ぜひ創業手帳をお役立てください。

（編集：創業手帳編集部）