エンゲージメント率とは?TwitterやInstagramなどSNSの広告効果を高めるポイント

広報手帳

GA4にも追加されたエンゲージメント率を参考にマーケティング効果を高めよう


エンゲージメント率はSNSにおける効果測定の指標の一つです。質の高いコンテンツを発信できているか、もしくはフォロワーに自社の情報が届いているかなどを分析するうえで役立ちます。

また、最近ではGoogleアナリティクスのGA4でエンゲージメント率を計測できるようになりWebサイト全般において同指標が意識され始めています。

今回の記事ではエンゲージメント率の重要性や計算式、エンゲージメント率を改善させる方法などについて紹介します。SNSマーケティングに課題を感じている方はぜひ参考にして、より効果的なマーケティング施策を打ち出すうえで役立ててください。

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エンゲージメント率の基本

エンゲージメント率は、もともとはSNSの効果測定に用いられる指標で一つの投稿に対してどれくらいの反応があるかを示すものです。Googleアナリティクスが、GA4においてエンゲージメント率を評価するようになったことで重要性が高まっています。まずは、エンゲージメント率の定義や重要性についてみていきましょう。

エンゲージメント率の定義

エンゲージメント率はSNSが、どのくらいのエンゲージを獲得したかを見るものです。

エンゲージ(Engage)にはさまざまな意味がありますが、ここでは「参加」「関与」などの意味が近いといえます。すなわち一つの記事に対して「いいね」「クリック」「シェア」など何らかの反応を示した数を計測しています。

エンゲージメント率を高めることの重要性

エンゲージメント率は、次の3点の理由からSNSマーケティングにおいて重視すべき指標となっています。

  • SNSの効果測定に有効な指標なため
  • SNSマーケティングの成果向上につながるため
  • ユーザーや顧客のデータ収集に有効なため

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

SNSの効果測定に有効な指標なため

エンゲージメント率はSNSで情報発信したり、ユーザーと交流した効果をより明確に示してくれます。

SNSの影響度合いはしばしば参照されるフォロワーや、相互フォローなどで増やすことができます。多くのユーザーが膨大な数のフォローをするのが当たり前となっているなか、フォローしたからといって情報をしっかり読んでもらえるとは限りません。

一方で、エンゲージはユーザーが記事を見て、何らかの反応を示すときに発生するものです。すなわち、ユーザーがその記事の内容を見て、何らかの興味・関心を示したことを意味します。

エンゲージメント率を見ることで、記事に対するユーザーの関心の高さがわかるのです。

SNSマーケティングの成果向上につながるため

エンゲージメント率向上を目指すことで、実効性のあるSNSマーケティング施策を進められます。

エンゲージメント率の高さは、ターゲットとしているユーザーに対して興味を持つ情報をうまく発信できているかどうかを意味します。発信したSNS広告のエンゲージメント率が高ければ、より多くのユーザーに情報が浸透し、高い広告効果を発揮するでしょう。

また、ユーザーからの反応が増えれば、SNSの持ち味であるユーザーとの相互コミュニケーションを取る機会も増え、潜在顧客の育成にもつながります。

このように、エンゲージメント率をターゲットにすることで、SNSマーケティングの効果を高められるのです。

ユーザーや顧客のデータ収集に有効なため

エンゲージメント率に着目することで、ユーザーに関するデータが収集できます。フォロワーとエンゲージメント率を共に収集することで、フォローだけして未稼働のユーザーと積極的に行動を起こすユーザーの比率や増加傾向などを分析することが可能です。

記事ごとのエンゲージメント率を計測することで、どのようなコンテンツがユーザーのアクションを誘発するのか分析できます。今後のSNSのコンテンツ作成に役立つのはもちろん、Web広告やLPなどさまざまなマーケティング・広告コンテンツを作成する際にも、SNSのエンゲージメント率が参考になるでしょう。

このように、エンゲージメント率に関連するデータは、マーケティングの現状分析や施策の構築にも役立ちます。

GA4にてGoogleアナリティクスの指標にも追加

2020年にリリースされ、現在にかけて盛んに利用されているGoogleアナリティクスのプロパティの一つであるGA4においても、エンゲージメント率が計測可能となっています。一般的なWebサイトは「いいね!」などのエンゲージの仕組みがありません。その代わりに、サイトの閲覧時間やアクションに応じてエンゲージが計測される仕組みです。

エンゲージメント率は、もともとSNSの効果を評価する指標でしたが、GA4への導入を機に、Webサイト全般において意識されるようになってきています。

エンゲージメント率の計算方法や目安、カウントされるアクション


エンゲージメント率は、計測する媒体ごとに計算式が微妙に異なります。また、SNSの特性が違うことから、良好な数値の目安もさまざまです。

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)の場合のエンゲージメント率の計算式は次の通りとなります。

エンゲージメント率=エンゲージメント数÷インプレッション数×100

インプレッション数はタイムラインにその記事が掲載された回数です。一人のユーザーに複数回表示された場合には、表示された回数分計測します。

なお、エンゲージメントにカウントされるアクションが多いのもXの特徴です。

  • いいね
  • リツイート
  • 返信
  • 画像、プロフィール、リンクや詳細のクリック
  • ハッシュタグのクリック
  • その投稿からフォローした人数

Xのエンゲージメント率の目安は、企業アカウントで0.3~1.0%程度です。分母がインプレッション数のため、この後紹介するSNSより平均値は低い傾向にあります。

Instagram

Instagramのエンゲージメント率は次の通りです。

エンゲージメント率=エンゲージメント数÷投稿のリーチした人数×100

こちらはリーチ数なので、記事が表示されたアカウント数でカウントします。1アカウントに複数回記事が表示されても、リーチ数は1人です。

なお、次のアクションがエンゲージメントとカウントされます。投稿の保存はInstagramならではの機能です。

  • いいね
  • コメント
  • 投稿の保存

Instagramのエンゲージメント率は企業アカウントの場合で0.5~3.0%が目安です。基本的には1%以上を目指すのが一つの目標となります。

Facebook

Facebookの計測方法はInstagramと似ていて、次のようになります。

エンゲージメント率=エンゲージメント数÷投稿のリーチした人数×100

ただし、エンゲージの定義が少し異なります。

  • いいね
  • シェア
  • コメント
  • 投稿のクリック

Facebookのエンゲージメント率は0.5%~2.0%程度が目安です。

GA4|Googleアナリティクス

GA4におけるエンゲージメント率は、次のような形で計算します。

エンゲージメント率=エンゲージメントセッション数÷セッション数×100

セッション数とは、1ユーザーが特定のWebサイトにアクセスした回数です。一つのサイトのページを複数閲覧しても、その間に離脱しなければセッション数は1となります。

また、エンゲージメントセッションは、以下のように定義されています。

  • 10 秒を超えて継続したセッション
  • コンバージョン イベントが発生したセッション
  • 2 回以上のページビューもしくはスクリーン ビューが発生したセッション

GA4のエンゲージメント率の目安についてはあまり情報がありません。しかし、セッション時間が10秒を超えるだけでエンゲージメントと判断されることから、SNSのエンゲージメント率よりは相応に高く、50%前後は目指したいところです。

エンゲージメント率を高める方法は?


エンゲージメント率を高める方法は多数あるので、自社にとって弱い部分、まだ未着手な対策に戦略的に取り組んでいきましょう。

エンゲージメント率を高めることで、自社やブランドのファン層の拡大や、広告の効果の拡大などにつながります。Webマーケティングにおける目標の一つとして、エンゲージメント率の改善に取り組んでみてください。

マーケティングのターゲットを明確化

ほかのマーケティング手法と同様に、ターゲットの明確化はエンゲージメント率を高めるうえで重要です。

SNSは幅広いユーザーに情報を拡散するのが強みですが、不特定多数の人に向けて情報を発信しても、思うようにユーザーの共感や反応は得られません。マーケティングや広告効果も小さくなってしまいます。

まずは、エンゲージメント率を改善させようとしている媒体でのターゲット層を定義してください。そのうえで、ターゲットが興味を持つコンテンツを集中的に発信していきましょう。

ターゲットに沿ったコンテンツの配信

ターゲットを絞ったら、次はそのターゲットが反応を示すように工夫をしていきます。

まずは、発信内容についてターゲットユーザーの目線で、興味を持ち、エンゲージを起こしたくなるような内容を整理します。ターゲットの嗜好や興味、よくある悩みやニーズなどを洗い出して、共感を得られそうな内容を整理しましょう。

コンテンツのジャンルを絞る事も大切です。複数の領域の情報を発信すると、ユーザーが興味のない情報も発信されてしまうため、読み飛ばされる可能性が高くなります。

継続的な情報発信

継続的にターゲットが興味を持つ情報を発信することで、ターゲットの興味・関心を高め、やがて顧客に育てていくことが可能です。

自社に対する関心の高いフォロワーは、定期的に情報をチェックしています。情報発信を継続すれば、ターゲットが興味を持つ情報が的確に届き、さらなるエンゲージを引き起こすでしょう。

逆に情報発信を止めてしまうと、ユーザーはすぐに別のアカウントへの興味を高めて自社のアカウントから離脱してしまうリスクがあります。

投稿タイミングの工夫

配信時間にも気を配ってみましょう。たとえばサラリーマンをターゲットとしたコンテンツを平日日中に配信しても、多くの人が業務時間中であるためエンゲージを起こせません。休日や平日の早朝・夜間などに配信すれば、それだけでエンゲージメント率の改善につながると期待できます。

このように、読みやすい時間やアクションを起こしやすい時間はターゲットによって異なります。ターゲットを明確にしたうえで、その人にとって適切な曜日や時間帯に配信しましょう。

また、SNSには「ゴールデンタイム」と呼ばれる、視聴数が多い時間帯があります。

  • 7:00~9:00
  • 12:00~13:00
  • 19:00~22:00

ターゲットから有効な配信時間帯が定義できない場合には、こちらのゴールデンタイムをめがけて配信するのも一案です。

SNS上の交流を大切に

SNSは、ユーザーとの双方向のコミュニケーションをとれるのが特徴であり魅力です。積極的にユーザーとコミュニケーションを取るアカウントは、ユーザーのエンゲージも活性化しやすくなります。

たとえば、ユーザーの投稿に対して丁寧にコメントをするアカウントに対しては、今後も積極的にコメントを残したくなるでしょう。SNS上の交流を積極的に行うことが、その後のエンゲージメント率の向上につながるのです。

ただし、SNSでのコミュニケーションに対応するのは、しばしば担当者の負担になります。反応する時間帯を決めてまとめて対応するなど、費用対効果を考えながら、継続できる体制でユーザーとの交流を進めてください。

動画の積極的な活用

SNSに動画を積極的に埋め込むことでエンゲージメント率をさらに高めることが可能です。主要なSNSは動画を記事の中に埋め込むことができます。動画が含まれるコンテンツの方がエンゲージメント率が飛躍的に向上する傾向にあるのです。

マーケティングに熱心な企業のなかには、動画制作会社に依頼して高品質なSNS用の動画を継続的に発信している先も少なくありません。

エンゲージメント率をマーケティングに活用するときの注意点


エンゲージメント率は、マーケティング施策を改善させるうえで便利な指標ではありますが、万能ではありません。参照する際には次のようなポイントに注意してください。

高ければ必ず良いとは限らない

エンゲージメント率は、望ましくない形で高くなるケースもあるため注意しましょう。「いいね!」については、ほとんどの場合ポジティブな反応として発信されますが、コメントやリツイートなどはネガティブなニュアンスで反応が出る場合もあります。

特に炎上した場合には、批判的なコメントであふれて、結果的にエンゲージメント率が向上する可能性もあるでしょう。

エンゲージメント率が向上してきたときには、エンゲージの中身にも着目することで、SNSマーケティングがうまくいっているのかを判断できます。

フォロワー数とは比例しない場合もある

エンゲージメント率とフォロワー数は必ずしも比例しません。特にインプレッション数が分母となるX(旧Twitter)については、フォロワー数の増加ペース以上にインプレッションが増えがちなため、フォロワー数とエンゲージメント率が反比例する場合も少なくありません。

ほかのSNSも、興味の薄いフォロワー数が多ければエンゲージメント率は向上しませんし、数が少なくとも熱心なフォロワーがいればエンゲージメント率が高くなります。

効果が出るまでには時間がかかる

エンゲージメント率を高める施策は、地道に継続的に取り組む必要があります。

一つの投稿が注目を集めて、一気にエンゲージメント率を高める例がないわけではありません。しかし、基本的には意図したターゲットから積極的なエンゲージが継続的に寄せられるようになるまでには時間がかかります。

ターゲットが興味を持ちそうなコンテンツを発信していき、エンゲージの状況を分析しながら、発信内容やジャンルをブラッシュアップしていきましょう。期待したとおりの反応がなければ、ジャンルの変更なども考えていかなければいけません。

やがて、反応の良いコンテンツの見極めに成功し継続的に発信していくことで、届けたい情報がターゲットに届き、SNSマーケティングが高い効果を発揮するようになります。

インフルエンサーを活用するときには慎重に

インフルエンサーは、自身の実力をしばしばフォロワー数でアピールします。そのため、インフルエンサーマーケティングを導入するときには注意が必要です。フォロワー数とエンゲージメント率は直結しないため、闇雲にフォロワー数が多い人を選んでも、思うような成果が得られないリスクがあります。

インフルエンサーを選ぶときには、エンゲージメント率に着目することが大切です。目安としては、エンゲージメント率2~3%など平均より優れたインフルエンサーを導入しましょう。

エンゲージメント率に着目すればSNSマーケティングが効率的に


エンゲージメント率はSNSにて注目される指標で、改善することでSNS上でのファン層の育成や、マーケティング効果などが見込めます。

エンゲージはユーザーの能動的なアクションが起こっている証であるため、エンゲージメント率はフォロワー数よりも精度の高いSNSの効果測定が可能です。

SNSマーケティングを推進していく企業においては、エンゲージメント率の改善を目標に、ターゲット選定やコンテンツのブラッシュアップなどを進めてください。

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