ソーシャルを活用するための4つの基本ステップ
知識ゼロから学ぶ、今さら聞けないソーシャル活用の超基本的な進め方
SNSなどのソーシャルメディアは、もはや企業戦略に欠かせない存在となっており、こぞってソーシャルツールの導入が進んでいる反面、成功事例が限られていることも確かだ。
しかし、まだ企業としての実績のないスタートアップ期にこそ、この「比較的コストがかからず、リアルタイムに消費者行動がわかる」ソーシャルを活用すべきだ。
そこでここでは、ソーシャルをうまく活用するための基本的な手順を「4つのステップ」に分けて述べていこう。
STEP1.特性を知る
まずはソーシャルの特性を知ろう。
「もうすでに知っている」という人も多いと思うが、ソーシャルは利便性が高くメリットが大きい反面、失敗したときのそのリスクも大きい。よって、ここではソーシャルのメリットだけではなく、デメリットもまとめて挙げてみよう。
- 【メリット】
- 手軽にページを作成することができる
- リアルタイムに情報がユーザに届く
- 情報がユーザのアクションによって広く拡散される可能性がある
- ユーザとの距離が近く、関係性を高めることができる
- 【デメリット】
- よい評判だけではなく、悪い評判も拡散する可能性がある
- 更新の頻度を高めないと誰も情報を見てくれない
メリットはやはり口コミなどによる拡散性だ。企業の押しつけではないユーザの素直な反応は、そのつながりによって次なるユーザを呼び寄せる可能性を導く。これは本当に大きなメリットだ。
しかしその一方で、「炎上」などのリスクがある。不用意なコメントなどはユーザの反感を一気に集めてしまい、それがどんどん膨らむ可能性があるのだ。
例えば、外食チェーンの店員が投稿したいたずらの模様が、ソーシャルメディアで拡散されて、いわゆる「大炎上」となった件は記憶にあたらしいことだろう。
また、ただとりあえずページを作っただけで待っていてもユーザは来てくれない。魅力あるコンテンツを継続的かつ高頻度でこちらから発信していかないとダメである。
STEP2.目的を明確化する
次に必要なことは、ソーシャルを使う「目的」を明確化することだ。
「ただ商品を宣伝したい」だけなら、ソーシャルを使うメリットが薄れるだけではなく、そもそもソーシャル本来の目的にそぐわない。
ソーシャルはもともと、フェイスブックが実名で登録するのが前提であるように、「知り合いや友達のネット上のつながり」だ。「顧客のつながり」ではない。知り合い同士が、日常や興味のあることをリアルタイムで共有し、つながりを深めていこうというものだ。
よって、ここに宣伝はそぐわないということは、すぐに理解できるだろう。友人との会話に、企業の宣伝は不要なのだ。
そこで、情報の発信先を「消費者」ととらえてはならず、「ユーザ」「知り合い」ととらえ、彼らとの関係性を深めることで、徐々に消費者になってもらうのだ。
例えば以下のように考えてみよう。
「企業認知度を高めるためにまずはソーシャル専用のキャラクターを作る。そしてその成長を日々レポートしていくことでユーザの興味を引き、最終的にキャラクターを通してユーザを消費者に変えていく。」
このような、ソーシャルの利用目的にあった作戦を考えなければならない。
ソーシャルのメリットでもある口コミによる拡散を目指すなら、あくまでも「ユーザに商品を宣伝する」のではなく「ユーザに楽しんでもらう」スタンスを忘れないようにする必要がある。
STEP3.手段を決める
目的が決まったら今度は手段を決めよう。
現在は、SNSサービスが乱立している状態だが、その中でもフェイスブックとツイッターがよく利用されているということになるだろう。よって、最初に手を付けるのは、無難にそのどちらかがよいだろう。
ただし、考えておかなければならないことは、ソーシャルは手軽に使用できるだけに、その移り変わりも早いということだ。例えば最近では、「いいね!疲れによるフェイスブック離れ」などということも言われている。
利用するサービスは、今後十二分に変更される可能性もあるということも当初から視野に入れて決めていこう。
STEP4.手段に合ったコンテンツを発信する
手段が決まったら、その手段に合ったコンテンツを作成して、いよいよユーザに向けて発信だ。
事業の業態やソーシャルを利用する目的をあらためて思い返しながらコンテンツを作る。適当にコンテンツを作成しても、ユーザの興味をひき続けることはできない。
例えば、企業やサービスブランドを認知してもらいたい場合は、数日ごとにブランドキャンペーン用のキャラクターの成長日記を載せ、ツイッターには毎日その日の気分を一言でつぶやく。
また、ネット通販で衝動買いを誘発したい場合は、テキストは少なめで思わずクリックしたくなるような綺麗な写真を投稿するといった具合だ。
そして、これらを情報発信は、継続していくことが重要である。最初から無理して発信頻度を高めすぎて継続できないよりは、無理のない頻度で続けていくことが大切である。
あまりに発信回数が多いと続かなくなる可能性が高いだけでなく、ユーザに飽きられてしまうリスクもある。これは人間関係などにも言えることだが、「ユーザが飽きたり嫌がったりしない程度の頻度」で発信していこう。
最後に初心者向けのソーシャル活用の4つのステップをまとめておこう。
- ソーシャルを活用するには、特性を知ることが必要。
- 単なる宣伝はソーシャルには適さない。ユーザが楽しめて知り合いに知らせたくなるようなコンテンツ作る。
- ソーシャルツールは、よく使われているものから始める。サービスの人気の移り変わりが激しいの将来のツール変更は常に視野に。
- 情報の発信は継続的かつ無理のない頻度を心がける。
これらの基本を常に意識しながら、ソーシャルを活用を始めてみよう。
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