国内最大級の学生団体から、学生起業家へ 晒名駿が掲げる新たなキャリアプランとは

※このインタビュー内容は2019年08月に行われた取材時点のものです。

HUNT BUNK代表の晒名駿氏にこれまでの経験と起業に至った理由を聞きました

(2019/08/07更新)

明治大学の現役学生でありながら、学生と経営者のマッチングプラットフォームづくりを手がけるHUNT BANK株式会社の代表を務める晒名駿氏。関東圏の大学生を中心とした国内最大級の学生団体「AGESTOCK実行委員会」の代表を務めたのち、“逆張り起業家”のCXOバンク株式会社CEO・中村一之氏との縁で2019年4月に同社を立ち上げました。
晒名氏はこれまでどんな経験を経て学生起業に至ったのか、これからどんなキャリアを歩んでいきたいと考えているのか。若き経営者の今を聞きました。

晒名 駿(さらしな しゅん)HUNT BANK株式会社 代表取締役社長CEO
1997年生まれ。愛知県出身。2019年、明治大学商学部に在学しながらHUNT BANKを設立。同社には上場企業経営者や大手法律事務所代表、大学教授など39名が発起人株主として出資。学生がより主体的かつ納得した就活をできるように、また学生と経営者による魅力的な化学反応を世の中にもたらすため、ITおよびAIを駆使したマッチングプラットフォームの開発運用事業を手がける。大学生ではAGESTOCK実行委員会の2018年度代表を務める。

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口コミで広げていくマッチングプラットフォーム作り

ーHUNT BANKではどんな事業を行っているのですか

晒名:学生と経営者のマッチングプラットフォームの開発と運用を行っています。まずα版をWeb上で公開し、会員数を獲得した段階でアプリ化なども検討しています。α版自体は開発が大詰めで、今夏に公開する予定です。

ー経営者と学生に対して、どのような形で集客を行う予定ですか

晒名:経営者へのアプローチは、中村一之氏が展開しているCXOバンクと提携させていただき、現在CXOバンクを使っている経営者の方々に利用頂けるよう広めていきます。あとは、自分がこれまで築いてきた経営者の方々とのつながりから口コミで広げていきたいです。

HUNT BANKは、質の高いマッチングを実現するために、学生も経営者も完全審査制の形で提供します。学生の登録については、将来的に起業の志があったり、就職活動に特に積極的に取り組んでいる優秀な人に呼びかけています。最初から大多数にむけて呼びかけを行うというよりは、最初の段階で利用者の質を高くすることで、徐々に認知を広げていく戦略です。

ー事業の収益化についてはどんな形を考えているのでしょう

晒名:経営者、学生どちらにもサービスを完全無料で提供します。現段階では、事業単体ですぐに収益をあげていくことにこだわり過ぎず、運転資金を個人で賄いつつ事業を成長させ、最終的にはバイアウトを目標にしています。

「自分みたいなキャリアの描き方もある」と発信できる経営者に

ーこれまで学生として、どんな経験を積んできたのでしょうか

晒名:3年間「AGESTOCK実行委員会」という団体に所属していました。「学生でもこんなすごいことができるんだ」というメッセージを掲げ、関東圏の学生が500人ほど集まって、イベントの企画やフリーペーパーの作成をするサークルです。東京ドームシティホールなど大規模な会場を借り、年間1万人くらいの学生を集客するイベントを運営していました。

昨年度、私はこの団体の代表を務めたのですが、元々年2回だったイベントの枠を増やして新たなイベントを作ったりと、新しいことにチャレンジしてきました。最初は反発もありましたが、やると決めたイベントについて情報を発信し続け、実際に成功させることで少しずつ信頼を築いていきました。

ーAGESTOCKの経験が、どのような形で起業に繋がったのでしょうか

晒名:実は、AGESTOCKの引退後は普通に企業に就職するつもりでした。将来的に会社を起こしたいとか、組織を作りたいという気持ちはありましたが、「自分にはまだできない」と感じていたので、キャリアとして就職を挟むつもりでいたんです。

就職活動を始めた今年の1月、中村さんに就活相談をした時、CXOバンクの事業についての話を聞きました。中村さんは将来的に学生と起業家のマッチングプラットフォームを立ち上げたいが、いつになるかわからないという話をされました。その時、「僕がその事業をやるのはどうでしょうか」という言葉がスッと出たんです。就活相談の話で来たのに、起業の話になったんですね笑。

 中村さんとの話の空気感が良かったこと、この機会を逃したらそもそも起業することなど今後ないのではないか、と考えたこともあり、起業を決断しました。もちろん、AGESTOCKで学生と広くつながりを持っていたからこそ、この事業を行えるのではないかという気持ちもありました

ー実際に起業してみて、イメージと違ったことはありましたか?

晒名:発起人39人の方に協力いただき、メンバーとしては私1人で株式会社を設立した形だったのですが、運営を実質1人で行っている分、労務まわりの手続きなど通常の株式会社に比べて複雑ではないと思います。それでも、手続きの中で苦労する点が多々有り、「(1人でこれなのだから)社員を雇って会社を運営するって本当に大変なんだな」と知りました。

ー今後事業を大きくしていくという段階になった時、実務周りで苦労しそうな予感はありますか?

晒名:もちろんあります。現状、起業の実務に関わる経験をほとんど持っていないので、実務に関わる正しい情報を手に入れる難しさがあると感じています。ネットなどで検索して出てくる情報も正しいとは限らず、実際に役所などで手続きする上で「その情報間違ってるよ」と指摘されたこともあります。

なので、例えば専門家から労務に関する相談を無料で受けることができる東京圏雇用労働相談センター(TECC)といった機関の力を借りながらすすんでいきたいという気持ちはあります。

ー今後どんな経営者になりたいと考えていますか

晒名:HUNT BUNKで扱うサービスが、学生に将来選択の機会を提供すること、だということもありますが、就職だけでなく、同世代の人たちに「自分みたいなキャリアの描き方もあるよ」といった、ポジティブな発信をし続けることができればと考えています。

自分が社会貢献をする手段として一番合っているのが会社を作ることだという感覚はあるので、100年200年と残る会社づくりができたらいいですね。

ーこれから起業を考えている同世代の人にメッセージをお願いします

晒名:僕もまだ何も成し遂げていない一人なので、同世代の起業家たちと、お互い高め合えるようなコミュニケーションを取っていきたいです。また、起業をして3か月間の中で、やってみないとわからないこともたくさんあったので、起業を考えている人は小さくてもいいからまず行動に移してみるといいのでは、と伝えたいです。

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(監修: TECC(東京圏雇用労働センター)
(編集: 創業手帳編集部)



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