法人税の申告期限はいつまで? 納付期限や支払時期、支払方法まとめ
法人税、消費税、所得税、固定資産税の支払い時期と納税方法
法人設立をしたら絶対に覚えておかなければならないのが、自分の会社には、どのような税金がかかるのか、そして、何をいつまでに払うべきなのかということ。税金を納付するための準備を怠っていて、キャッシュフローがマイナスに…。なんてことにならないよう、まずは、各税金の支払い時期をしっかり押さえておきましょう。
創業手帳の独自調査によると、起業後に予想外の出費が発生したと答えた起業家は66%と過半数を超えています。さらに出費金額の平均は114万円となっています。重要なのは、十分な運転資金を確保することと、キャッシュフローを健全にすることです。100万部を突破した冊子版の創業手帳(無料)では、キャッシュフローを健全にする方法を10のポイントにわたって説明しています。
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この記事の目次
会社にかかる主な税金
会社を作ったなら、幾多の税金を支払わなければなりません。定期的に納める税金として、下記の9種類は覚えておきましょう。
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- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 印紙税
- 登録免許税
- 所得税
- 固定資産税(償却資産税)
- 自動車関連の税
詳しくは、会社にかかる税金の種類と納税時期まとめの記事も合わせて確認しましょう。
中でも、特に重要なのが「源泉所得税」、「固定資産税(償却資産税)」、そして、2年目以降にかかる「法人税」、免税や簡易課税制度などがありコツが必要な「消費税」の4つ。
それでは、いつ、どのぐらい支払わなければならないのか、順に見ていきましょう。
冊子版の創業手帳では、創業期の税金イベントをわかりやすく表にまとめています。納付しなければならない時期をひと目で確認できるため、事前準備に役立つでしょう。
法人税の申告と納付期限
法人になると、個人事業主と税金の支払い方が異なるため注意しましょう。法人税は事業年度の所得に対してかかるのはもちろんのこと、連結事業や退職年金等積立金へもかかります。
法人税の申告期限は?
法人税の申告期限は、会社ごとに定める事業年度終了日の決算日から2カ月以内です。それぞれの会社の決算日は、会社設立時に定款で定めています。個人事業主の場合は12月31日が決算のため、間違わないようにしましょう。
日本の会社では、3月31日の決算が多いようです。法人だからといって必ずしも3月に設定する必要はなく、8月や9月などそれぞれの時期で構いません。多くの場合は、繁忙期を避けて節税を考えた時期に調節しています。
会社を設立したばかりで申告日を把握していないなら、事前に確認しておいてください。例えば3月末が決算であれば、5月末までに申告しなければなりません。ただし次のような場合で申告期限の延長が認められています。
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- 会計監査人の監査を受ける必要があり、事業年度終了日の2カ月以内に決算が確定しない
- 会計監査人の監査は必要ないが、定款で事業年度終了の3カ月以内に株式総会開催の決まりがある
- 災害等の理由で申告期限まで決算が確定しない
また、法人税の申告は中間申告があります。事業年度開始の6カ月後、2カ月以内に中間申告しなければなりません。
法人税の納付期限は?
法人税の納付期限は、申告期限と同様に事業年度終了日から2カ月以内です。
支払時期は、中間申告分と確定申告分の2回あります。
中間申告分は、各事業年度開始の日から6カ月を経過した日から2カ月以内となっています。3月決算法人ならば、11月30日になるということ。ただし、直前期の年税額が20万円以下の場合、設立初年度の法人の場合は、支払う必要がありません。
一方、確定申告分は、各事業年度終了の日の翌日から2カ月以内です。3月決算の法人ならば、5月31日までであるということですね。
また、法人税は、法人事業税、法人住民税と合わせて押さえておきましょう。
関連記事:法人税の中間申告|起業2年目は気をつけろ!
関連記事:2017年版|法人税入門。申告のしかた/納税方法を徹底解説します!
申告期限をすぎた時のペナルティ
法人税の申告期限をすぎて納付した場合は、ペナルティが発生します。ペナルティの発生は、期限後に申告した際と、無申告のどちらもあります。それぞれ加算税が異なるため確認しておきましょう。
種類 | 内容 | 税額 |
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無申告加算税 | 税務調査が入る前に自主申告 | 納付税額の5% |
無申告加算税 | 税務調査で納付すべき税額があった | 納付額50万円まで納付税額の15%・納付額50万円超え納付税額の20% |
重加算税 | 期限内に申告せず、税務調査で脱税行為が認められた | 納付税額の40% |
延滞税 | 期限内に税金を納付しなかった | 納付期限の翌日から2カ月まで年7.3%、それ以降年14.6%か特例基準割合+7.6% |
なお、税務調査が入る前に自主的に申告した場合と比べて、無申告で税務調査が入ると加算税が大きくなります。
うっかり期限が過ぎてしまったら、できるだけ早めに自己申告しましょう。期限がすぎても1カ月以内に申告している、または過去5年間は期限内申告していれば、無申告加算税が課されない場合があります。
どうにもならない事情が発生したら、1日でも早く税務署への相談がおすすめです。
その他3つの税金の支払い時期
1. 源泉所得税の支払い時期
源泉所得税は、従業員だった頃は給与から天引きされる側だったけれど、経営者に立場が変わったら、逆に従業員分をまとめて納税しないといけません。
法人における源泉所得税の支払い時期は、原則として、源泉徴収をした翌月10日とされています。要は、従業員や独立の個人事業主に対して仕事を依頼して報酬を払った次の月とも言い換えられます。つまり、「給与」という形態であれば年12回支払わなければならないわけですね。
ただし、例外もあり「納期の特例」と呼ばれる制度で、上半期分は7月10日まで、下半期分は翌年1月20日までと、年2回にまとめて納付することができます。
これは、従業員が9名以下の事業主に認められた制度ですが、一度に支払う所得税の額が多額になるので注意は必要です。
また、この制度を利用するには届出が必要となります。冊子版の創業手帳では、法人設立後に必要となる税務関係の手続き・届出の情報をまとめています。
2. 固定資産税(償却資産税)の支払い時期
毎年6、9、12 月、翌年2月の年4回に分けて納付、もしくは6月に一括納付することも可能です。
関連記事:知らなきゃ損する減価償却:ベンチャーが資産を経費化できる3つの特例
3. 消費税の支払い時期
法人税と同じく、納税時期が中間申告分と確定申告分と2回あります。基本的に、支払い時期は法人税と同様、中間申告分は各事業年度開始の日から6カ月を経過した日の2カ月以内、確定申告分は各事業年度終了日の翌日から2カ月以内です。
ただし、中間申告分においては、直前課税期間の地方消費税込みの納税額が60万円以下の場合は不要。また、直前課税期間の地方消費税込みの納税額が500万円を越える場合は、3カ月ごとに、同税額が6000万円を超える場合は毎月になります。
また資本金1000万円未満の場合、創業から2年間は免税となります。
関連記事:消費税は2年間の免税や簡易課税制度を活用しよう!起業/法人登記予定者は要チェック。
税金の納付は自分がやりやすい方法で
税金の納付方法は、いくつか種類があります。
l 現金に納付書を添えて納付する方法
l 指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する方法
l ダイレクト納付
l インターネットバンキングなどを利用して電子納税する方法
l インターネットを介してクレジットカードで納付手続きをする方法
ご自身の都合に合わせて納付方法を選択しましょう。
税金の支払いが1日でも遅れるとかかる「延滞税」
基本的に、税金は期限内に納付をしなければなりません。法人税や所得税などは、利益の一部を税金として納めるものなので、本来は、利益が出ていれば、納税に困るということは無いはずなのです。とはいえ、発生義務によって計算された税金は、必ずしも預金に残せているわけではなく、実際には運転資金へ回してしまっている経営者も少なくありません。そのため、税金に関しては、払えなかった時のペナルティが設けられています。基本は納めることですが、万が一不可能だったときのことも知っておかなければならないでしょう。
税金を期限内に支払えない場合は、法廷納期限の翌日から実際に納税がされるまでの期間に応じて「延滞税」がかかります。これは、いわゆる「利息」なのですが、原則年利14.6%と、かなり高くなっています。そのため、現在の金利水準に応じて見直されており、平成28年度は9.2%でした。また、延滞期間が当初の2カ月以内の部分については、原則7.3%と半分に軽減されています。こちらも、現在の金利水準に応じ、平成28年度には2.8%でした。
延滞税は、銀行の借り入れと違い単利です。よって、延滞税に対して延滞税がかかることはありません。ただし、こちらは利息ではあるものの、支払いが滞って発生した税金なので、損金にはなりません。
また、納付期限から50日以内には「督促状」が送付され、そこから10日以内に納付がされない場合は、税務署から差押等の滞納処分を行使されることになります。督促状の前後には、税務署から「どのように税金を納付するのかを相談しに来てほしい」という旨の電話連絡が来ることもあるので、具体的な納付計画を立てて、遅れている理由と共に伝えることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?会社の運転資金はあれこれかかりますが、得た利益から税金を納めなければならないことを失念し、資金繰りに大きなダメージを負う経営者も多いと聞きます。納税のタイミングで困らないように、あらかじめそれも織り込んだ計画を立てて、法人税を滞納しないように利益の運用をするようにしましょう。
もしそのような計画を立てる暇がないのであれば、税理士との契約も視野に入れましょう。税理士は経理業務を担ってくれるほか、経営にも大きく貢献してくれます。冊子版の創業手帳では、税理士との二人三脚で経営を拡大した起業家のインタビューを掲載しています。
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(執筆:創業手帳編集部)
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