住民税の切り替えは6月から!特別徴収・普通徴収の違いや変更タイミングを解説

住民税はなぜ6月に切り替わる?仕組みを正しく理解しよう


住民税は、個人の収入に対してかかる税金です。会社員の場合、6月の給与から住民税が引かれ始めます。
新年度となる4月に引かれないため、疑問に感じる人もいるでしょう。

そこで本記事では、なぜ住民税は6月が切り替えの時期なのか、その疑問を解決していきます。
その他にも、特別徴収と普通徴収の違いや退職・転職時の住民税の支払い方法、切り替えに関する注意点なども解説していくので、住民税について深く知りたい人や仕組みを正しく理解したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

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住民税の切り替えはなぜ6月に行われる?


まずは、住民税の切り替えの時期がなぜ6月なのか、その疑問を解決していきます。

住民税は前年所得をもとに決まる

住民税は、その年に稼いだ収入に基づいて計算されるわけではありません。前年の1月1日~12月31日までの1年間の所得を基に計算される仕組みです。
そのため、2026年の収入に対する住民税は、翌年の2027年6月から支払うことになります。
もし、新入社員として4月に入社した場合は、4月~12月までの9カ月間の給与+賞与を基に翌年から住民税が課税されます。

なぜ6月からなのか、その理由は前年度の収入が確定した後でないと、正しい住民税額を決定できないためです。
確定申告や年末調整を実施した後に前年度の所得が確定し、その後、自治体による住民税の計算が実施され納税額が決まる仕組みです。
上記のように所得の確定には複数の工程が必要になるため、納税額が決定するまでに時間を要してしまいます。

6月から翌年5月までが新年度分の住民税になる

市区町村から通知された税額を基にして、6月から翌年の5月までの12カ月間、事業所は毎月の給与支払い時に住民税を控除します。
所得税とは異なり、前年度の所得に基づいて計算するため、前年の収入が少ない場合でもすぐには減額されない仕組みで、次年度の6月以降に調整が実施されます。

控除額は、特別徴収税額決定通知書に基づいて従業員に通知されるのが一般的です。
もし、特別な理由があり控除できない場合には、事業所は市区町村に確認を行い、適切な対応をとらなければいけません。

住民税決定通知書が5〜6月頃に届く

市区町村によって住民税額が決定されると、住民税決定通知書が送付されます。住民税決定通知書とは、1年間に納める住民税額を通知する書類です。
会社員の場合は勤務先経由、個人事業主の場合は自宅に届きます。

住民税の年税額や分割納付額の他、給与収入や所得控除なども記載されている大切な書類です。
ふるさと納税による控除額のチェックや住宅ローンの申込み、保育園の入園申込時などに必要となるため、なくさないように保管することが大切です。

なかには、住民税決定通知書が届かないケースもあります。
その場合は非課税であるほか、申告が行われていない可能性もあるため、自治体に確認してみてください。

住民税の特別徴収・普通徴収の違い


住民税を納める方法には特別徴収と普通徴収の2つの種類があります。それぞれの違いを解説していきます。

特別徴収とは?

特別徴収は、従業員の毎月の給与から住民税を差し引いて、会社が代わりに市区町村に納付する制度です。
市区町村から届く決定通知書に基づいて会社が給与から天引きする仕組みで、原則としてアルバイトやパートを含む全従業員が対象です。

毎月分割で納税できるので、負担が分散される特徴があります。また、従業員個人で納める必要がないため、納め忘れを防げるメリットがあります。
ただし、退職をすると特別徴収が停止するため、自分で納税しなければいけません。

普通徴収とは?

一方、普通徴収は特別徴収とは異なり、納税者本人が自分で納税をする方法を指します。
自営業をしている人や普通徴収を自分で選んだ人は、住民税が天引きされないため、銀行やコンビニなどを活用して納付の手続きをしなければなりません。

特別徴収では毎月の給与から住民税が天引きされますが、普通徴収は1年間の住民税の総額が4で割られるため、6月・8月・10月・翌年の1月の計4回を自分で納税します。
1回あたりに支払う税額が大きく、納付する手間もあるため負担が大きい点がデメリットです。また、納税を忘れてしまうと延滞金が発生する可能性もあります。

ただし、退職後でも住民税の支払い方法を変える必要がないため、退職時の手間を省ける点が特徴です。
支払い方法に関しては、分割払いではなく一括払いを選択することも可能なので、納税忘れを防ぐために有効です。

特別徴収と普通徴収の違い

特別徴収と普通徴収の違いを表にまとめたのでチェックしてみてください。

特別徴収 普通徴収
納付者 会社が本人に代わって納付 納税者本人
徴収回数 年12回
※納付期限が原則翌月の10日
年4回
※6月・8月・10月・翌年1月
納付方法 事業主が給与から天引きして市区町村に納付 市区町村から納付書が送付され、金融機関やコンビニなどで支払う
対象 企業に勤めているアルバイトやパートを含む給与所得者 自営業者やフリーランス、個人事業主、無職でも前年所得があれば対象

住民税の切り替えが必要になる主なケース


普通徴収と特別徴収の切り替えが必要になる場面もあります。どういった時に切り替えが必要になるのか、解説していきます。

就職して普通徴収から特別徴収に切り替わるケース

個人事業主や年金生活者、所得のある学生など、普通徴収で住民税を納めていた人が企業に就職をして会社員となれば、特別徴収への切り替えが必要になります。

特別徴収に切り替えをする場合は、事業主によって特別徴収切替届出(依頼)書を市区町村に提出することで申請できます。
従業員が居住する市区町村の税務課が提出先となり、窓口に直接行くほか、郵送やe-Taxでの提出が可能です。
申請は随時実施されていますが、切り替えたい月の前月10日ころまでの提出が推奨されています。

ただし、住民税を納めていなかった学生が就職した時や無職期間が長く所得がないといった人は、切り替えの必要はありません。

退職して特別徴収から普通徴収に切り替わるケース

退職すれば給与天引きができなくなるため、特別徴収から普通徴収に切り替える必要があります。
事業者が給与所得者異動届出書を退職日の翌月10日までに市区町村に申請することで切り替えが可能です。
切り替えが認められると、残額の納付書が本人に届き普通徴収がスタートします。

特別徴収から普通徴収への切り替えは自己都合では原則できません。
そのため、「給与天引きされたくない」といった個人的な理由によって普通徴収への切り替えはできない点を覚えておきましょう。

転職して特別徴収を引き継ぐケース

退職時に、既に新たな転職先が決まっている場合は、退職する会社の特別徴収を引き継ぐことが可能です。
その場合は、前職となる企業で給与所得者異動届出書を入手し、新しい勤務先を通じて転職から1カ月以内に市区町村に提出してもらう必要があります。
その結果、12分割された住民税を引き続き給与天引きで納付できる仕組みです。

転職後に特別徴収を引き継ぎたい場合は、給与所得者異動届出書を忘れずに入手し、入社先の勤務先に提出してください。

退職・転職時の住民税の支払い方法


住民税は後払いの税金なので、退職をしても支払い義務が続きます。そのため、退職や転職をする時期によって、支払い方法が異なるケースもあります。
支払い忘れを防ぐため、うまく切り替えができずに焦らないためにも、前もって把握しておきましょう。

退職時期によって一括徴収になる場合がある

1月から5月の時期に退職をする場合、当年度の5月分までに支払う予定の住民税の残額を原則として退職月の給与や退職金から一括で特別徴収されます。
そのため、3月に退職する場合は3~5月分の住民税がまとめて天引きされる仕組みです。
分割払いは原則認められないため注意が必要です。

ただし、給与や退職金よりも一括徴収される税額が大きい場合は、残額を普通徴収で納める必要があります。
市区町村から納付書が送られてくるので、忘れずに納付してください。
また、退職が決まった際には差し引かれる金額を事前にチェックし、生活に支障がない程度に備えておくと安心です。

普通徴収に切り替えて自分で納付する場合がある

6月から12月に退職する場合は、退職月分までは住民税が給与から天引きされますが、残りは原則として普通徴収へと切り替えになります。
そのため、自分で住民税を支払わなければいけません。納付書が市区町村から送付されるので、納期までに必ず納めましょう。

また、希望をすれば残額を最後の給与から一括で支払うこともできるので、その場合は事前に相談してください。

転職先で特別徴収を継続できる場合がある

前述したように、転職する場合には特別徴収を引き続き利用することが可能です。会社が申請を行ってくれるケースもありますが、自分で申請することもできます。
その場合は、給与所得者異動届出書が必要になるため、退職をする会社から送られてきたことを確認次第、異動事由の「転勤」をチェックして、市区町村役場に提出をしてください。

期間が開くと普通徴収への変更が必要になるので注意しましょう。

住民税の切り替えに関する注意点


次に、住民税切り替えに関する注意点を解説していきます。

6月に手取り額が減る可能性がある

住民税は前年度の所得に基づいて税額が決定し、6月から給与天引きがスタートします。
そのため、前年の所得が増えた会社員や社会人2年目の人は、6月から来年の5月までの天引き額が増えるので手取りが減る可能性があります。
6月だけ高く感じる理由としては、計算上の端数を調整(上乗せ)する月が6月となるため、税額が他の月よりも高く設定されるケースがあるためです。
7月以降は安定した金額となります。

また、社会人3年目に住民税が高くなったと感じる人もいます。これは、入社月の関係が理由です。
4月入社の新入社員の場合、2年目から住民税が給与で天引きされます。その場合の課税対象は入社1年目の4月から12月までの9カ月間です。
しかし、3年目になると入社2年目の1月から12月までの12カ月分が課税対象となるので、納税額がさらに高くなったと感じる人が多い傾向にあります。

納付書と給与天引きの二重払いに注意する

住民税は二重払いが発生するケースもあるので注意してください。例えば副業をしている場合です。
会社員として働きながら副業をしている人は、本業の給与は特別徴収の対象です。副業に関しても原則特別徴収となりますが、希望者のみ普通徴収が選べます。

この場合は、確定申告によって算出された所得合計額から主たる事業者の給与所得に基づいて税額が決定されますが、普通徴収の分は特別徴収額との差額で計算される仕組みです。
厳密には二重払いとはなっていませんが、二重に徴収されていると勘違いしてしまう人も多いため注意してください。

また、転職時のミスによって二重払いが起きるケースもあります。
例えば年内に転職をして前の会社と今の会社両方から特別徴収を受ける場合、稀に同年度の住民税が二重徴収されることがあります。
手続きのミスによって起こるため、転職をした際には二重払いになっていないか給与明細をチェックしてください。

住民税の切り替えに関するよくある質問


最後に、住民税切り替えに関する疑問を解決するためにも、よくある質問やその回答を確認していきましょう。

住民税が6月から金額が変わるのはなぜ?

住民税は前年1月から12月の所得に基づいて計算され、翌年の6月から適用される税金です。
特別徴収では、市区町村が計算した1年間の住民税額が12回に分割されて給与から天引きされます。
前年度の所得が少なければ住民税も減少し、所得が多ければ天引きされる住民税額も増える仕組みです。

途中で徴収方法を変更することは可能?

会社員の場合は毎月の給与から住民税が天引きされる特別徴収が原則です。しかし、状況によっては普通徴収への切り替えができます。
例えば、 会社員で副業収入がある人は普通徴収への切り替えが可能です。
確定申告の際に「自分で納付」を選択して切り替えを行ってください。

また、総従業員が2名以下や給与が少なく税額を天引きできない場合など、自治体によっては例外的に普通徴収が適用されるケースもあります。
切り替えたい場合には、住んでいる自治体に確認してみてください。

引っ越しをしたら住民税はどこに納めればいい?

住民税はその年の1月1日時点で住んでいた自治体に納める仕組みです。
そのため、5月に◎市から△市に引っ越しをした場合、その年は引っ越しをする前の◎市に住民税を支払う必要があります。
△市への納税は翌年の6月からとなるため覚えておきましょう。

住民税の通知書はいつ頃届く?

住民税決定通知書は、毎年5月から6月に送付されます。納付方法によって届く時期や場所が異なる点に注意が必要です。

徴収区分 到着時期の目安 届く場所
特別徴収 5月中旬から5月下旬 勤務先
普通徴収 6月中旬 自宅

特別徴収の住民税決定通知書は会社経由で配布されます。

住民税の納付が難しい場合はどうすればいい?

住民税の納付が期日までに難しい場合は、早めに市区町村の担当窓口に相談することが大切です。
収入や家計の状況などを説明すると、分割での納付や猶予といった提案をしてくれる可能性があります。

まとめ・住民税の切り替えタイミングを把握して計画的な資金管理を意識しよう

住民税は、前の年の所得を基にして算出され、6月から翌年の5月まで徴収される税金です。
納税方法には、特別徴収と普通徴収の2種類があります。切り替えが必要になるケースもあるため、事前に覚えておくことで焦らずに切り替えができるはずです。
今回紹介した内容を参考に、住民税の切り替えについて理解を深めてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)