創業融資の資金調達をゲームで学ぶ!創業手帳オリジナル「バンカーゲーム」を大公開

創業手帳

資金調達を成功させるための事業計画からプレゼンのシミュレーショントレーニングまで。講義×体験×専門家アドバイスを楽しみながら体験

資金調達を成功させるための事業計画ブラッシュアップからシミュレーショントレーニングまで。

資金調達では、「事業計画書」「プレゼン」が鍵を握ります。創業融資は、ある程度しっかり準備して書けていれば通るケースが多いです。通らない場合は、事業の計画や、書類の準備などに問題があるケースが多いです。そんな資金調達を手と口を動かしながらライブ・ゲーム感覚で学べる場を用意しました。

ゲーム形式で楽しみながら資金調達のプレゼンを練習できるバンカーゲーム

プレゼンする側だけでなく、金融機関や投資家の視点で客観的に自分の事業計画を見ることができる、起業家にとって大変有用な体験ゲームです。こうした視点やコツを学ぶことで、資金調達にグンと近づくことができます。

起業家の視点の逆の、お金を出す側の視点を体感して、結果的に自分の事業への理解・表現をブラッシュアップすることが狙いです。

2020年11月、Zoomにて「『バンカーゲーム』~スタートアップの資金調達体験ゲーム~ 」のセミナーが開催されました。

創業手帳の創業者・大久保幸世が講師をつとめ、元金融機関職員、税理士、ベンチャーキャピタなど創業手帳のアドバイザーも協力。
参加してくださったのは、創業前後の方々です。今回のセミナーでの目標は「資金調達の全体理解」「融資の練習」。大久保代表が自らの経験をもとに、起業時にやることの共通点をわかりやすくまとめ、参加者の皆さまに体験していただきました。講座の中で学んだことを「自分事」に落とし込み、アウトプットしていくことを目指したセミナーの内容をご紹介いたします。

大久保幸世(おおくぼ こうせい)
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計250万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

資金調達と事業計画よりも前に、まず知っておきたいこと

資金調達と事業計画よりも前に、まず知っておきたいこと

起業で困ることTOP3

まずは、実際に起業した方々が「起業で困ること」をまとめたランキングを見ていただきました。TOP3には「資金」「経営知識」「集客」が並んでいます。なかでも「資金」には65%の方が悩んでいるようです。

このようなことがわかっていれば、起業前に資金調達についてしっかり学び、最大の悩みである資金面の不安を解消することができます。資金調達の成功率を上げるために必要なことは、しっかりとした「事業計画」「プレゼン」なのです。

事業計画をたてる前にやっておきたいこと

事業計画の前に地ならしでやっておくと良いことをご紹介。

その1:事業計画の前に、「自分の人生を振り返る」ライフライン

事業計画をたてる前にやっておきたいこと
事業計画を作成する前に、自分の人生を振り返って、自分の中での「起業」がどのような位置づけかを考える時間を持ちましょう。

自分も起業前に実施しました。
また、仲間と一緒にアップダウンを見ることで、自分の人生への理解を深めます。

参加者も手元の紙に向かって、自身の人生のアップダウンを整理。

起業家は普通の人に比べ、心電図のようにアップダウンが激しい図になることが多いです。
それぞれの波のところで「何が起きたのか」を記入して振り返ってみることが大切です。
併せて今後の人生の事業計画、目標をイメージしてみると、経営者としての自分のストーリーが語りやすくなっていきます。

その2:バラ色の事業計画の前に。。LP・チラシを作ると売れる感覚が分かる

事業計画の売上の実感を販促物でつかむ
事業計画で初年度の売上金額を示しても、「この製品やサービスが本当に売れるのか?」は大事です。「○円売れます!」と言っても書いてあるだけでは、信ぴょう性がありません。まずは自分自身が確信をもつことが大切です。

そこで有効な手法のひとつがLPもしくはチラシの作成です。

売れるかどうか不安!

なのであれば、まずチラシを簡単に手書きで良いので書いてみましょう。
このご時世にチラシ?
と思うかも知れませんが、実はチラシを作ってまくことが目的ではありません。
売れる要素を整理し、顧客の実感を掴むことに目的があります。

商品の概要や売れる要素をまとめた「チラシ」が良いでしょう。
WEB系のマーケ会社や、LP(ランディングページ。購入・申込みができる1枚ペラのWEBページ)の会社でもチラシを大量に書きまくるという新入社員研修をさせる会社があります。
作れればLPでも良いですが、いったん手書きのチラシが簡便です。

チラシを自分の手で書くことによって、売れる要素がわかるようになります。
またチラシを見せながら対面で意見を求める、というヒアリングの仕方もあります。

自分でまずは書いたチラシを見てみましょう。
まじまじ見てみて、売れそうになければ、商品に問題がある、表現が不足、信頼性が不足、顧客フィットが問題、、などが分かってきます。

新事業や起業が分かっている人ほど、その重要性が分かると思います。
不確定要素が多い新事業では、コストのほうがまだぶれないですが(通常の事業よりも上振れしやすいですが)、売上はさらに読みにくいです。
顧客の反応や顧客心理を掴むのは本来難しいものなので、もともと起業の売上予測は難しいのです。
その根拠が薄い計画に、少しでも実感値を積み上げることです。

融資の担当者に口頭で説明するよりも、伝わりやすくなるという効果もあります。

また、チラシをweb化し、「LP(ランディングページ」にリスティングなどで広告を出すこともできます。
製品化の前に、LPを作って広告をかけて反応を見ることを「ドライテスト」(商品無し)「ドライマーケティング」(商品ありの場合)と言います。

知っておきたい売れる要素

チラシに盛り込む要素は、色々ありますが、まずは下記の3つの構成を意識しましょう。
ぐっと反応が良くなります。
普通の人が書くと意外に書けていないケースが多いです。

これとは別に創業手帳で「3時間でホームページを立ち上げるセミナー」もやっていますが、早い段階で販促の準備をすることで後がスムーズになります。

注意喚起 アテンション
キャッチコピーに「おや?」と思わせる要素を入れる
欲求・興味喚起
役に立つものであることを伝える
整理・行動
情報を整理して、行動させる

さらに以下の3つの要素を加えると、購入につながる可能性がグンとあがります。

①「フィット」=あなたに合っていますよ
②「ベネフィット」=何が良いことか
③「トラスト」=信用性

どんなにメリットがあるものでも、あなたに合っていないと買われないですよね。
だからフィットが大事です。
どんなに実績があっても、ベネフィット、顧客にとって良いことがないと買う理由がないです。
よく間違えてしまうのが、最後の方に置くべき要素を、あせって前に持ってきてしまうことです。
自分に合う、メリットが合う、信用が置ける、が揃わないと人は物を買わないものです。

ここでも実際に参加者の皆さまに体験していただきました。商品の感想を入れる、顔写真を入れるなどの工夫をすることで信頼性が増します。また、ネットでの検索ワード、場合によっては電話、QRコードなどがあると、チラシを見た人がどんなアクションを取れば良いのかが分かりやすいくなります。このように、動線を忘れずに用意しましょう。

事業計画の作り方

事業計画を立てる

知っておきたい売れる要素
ここでは参加者の皆さまと「このバスに隣の人を乗せてください」というお題で考えてみました。何をどのように伝えれば、バスに乗ってもらえるでしょうか。

安心して乗ってもらうためには、行先や出発時間、運賃、ウリなど多彩な情報が必要になります。資金調達においても同様のことが言えるでしょう。お金を出してもらうためには、事業がどこを目指して行くのか、どのような良いことが待っているのか。事業計画書を書く前にこれらの情報をしっかりと整理しましょう。書くことで、新たな「気付き」があり、深まっていくこともあります。

事業計画書とは

事業計画書には2つあります。ひとつは概要など、国語的に表現したもの。もうひとつは資金繰りの表など、数字的なものです。

事業計画書作成には創業手帳が便利!
「創業手帳アプリ」の中には、事業計画作成のコンテンツがあります。また、創業手帳冊子版の巻末には、事業計画書を作るためのワークシートが掲載されています。これらを埋める・活用することで、スムーズに事業計画を立てることができます。口頭だけで話すよりも、

・一定のフォーマットを埋めて思考を整理する、漏れをなくす
・話すときも見せながら伝わると伝わりやすい

ということがあります。
雛形の入っている、創業手帳冊子版は無料で届きます。ぜひ利用してみてください。

事業計画書のブラッシュアップ

事業計画書のブラッシュアップ
事業計画をブラッシュアップするには、見積もりを取ったり試作をしたりといった、「小さな事実の積み重ね」が大切です。ブラッシュアップをしっかりと行うことで、よりスムーズに資金調達ができるようになります。

資金の波に合わせた資金調達

資金調達をする際、おさえておきたいポイントがいくつかあります。

・何をやりたいのか
・いくらかかるのか
・調達以外の方法はないのか
・どうやって調達するのか
・いつ調達するのか

資金調達は創業半年以内に行うべき!


資金調達をいつするのかはとても大切な問題です。

創業後の資金の流れを考えた時に注意したいのが、「資金調達のタイミング」です。まずは初期費用がかかり、販売開始から入金まで数ヵ月のタイムラグが発生します。入金されるようになるまでの初期の資金が必要になってくるのです。

資金調達のタイミングは危機感を覚えてからではなく、早くはじめる方が安心です。事業が黒字化していれば問題はありませんが、資金繰りが悪化してからでは、銀行がお金を貸してくれないからです。金融機関は、お金が必要なときほど貸してくれないものなのです。また、融資の審査期間は公庫で3週間、申請の準備に1~2週間としても、約1ヵ月はかかってしまいます。保証協会は行くところが増えるので、2ヶ月程度はかかります。
そのようなことから、資金調達は創業後早めに着手する必要があるのです。

更に、事業を拡大する際にも資金は必要になります。また、当初の計画よりも支出が多い方が2/3もいらっしゃいます。これも、創業期に資金調達をおすすめする理由です。

知っておきたい! 事業資金における「金融機関の審査のポイント」

現在、創業手帳の社員で、元信金職員の山田さんがお伝えする金融機関側の視点でみた融資のポイントは以下の4つです。
融資担当者の本音の部分には、4つの「K」があると言われています。

・売り上げ(お金) o「K」ane
現在どれだけ売り上げがあって、融資を回収するためにどれだけ売り上げを伸ばせるのか。
・計画 「K」eikaku
調達したお金をどのようなことに使うのか、具体性と根拠など。
・経歴 「K」eireki
社長自身の経歴。
・家族の同意 「K」azoku
家族の協力を得ることができるのか。

これらのポイントを抑えることで、より融資が受けやすくなります。

資金調達のコツ

資金調達は、とにかく早く始めることで、成功率を高め、余分な労力を省くことができます。地域の公的融資を上手に使うことも考えてみましょう。契約の完成度をあげるために、プロのアドバイスを貰うことも大切なポイントです。顧問税理士の力添えがあると心強いでしょう。

また、融資審査の際には金融事故が分かりますので、事故歴のある方は資金調達が難しいかもしれません。最後は熱意や信頼関係がものを言います。そのため、本気度や実績そして見込みなども重要な指標になります。

借入れしやすいタイミング

事業開始から半年以内が「借入れしやすいタイミング」です。半年を過ぎると、金融機関の見方もシビアになってきます。
創業時は、そもそも良い数字を出すことが難しいので、創業間もなく融資を受けたい場合には、早いうちに融資の申請を出しましょう。

資金調達に関わる専門家

資金調達に関わる専門家
起業すると、さまざまな分野の専門家の力を借りるケースが多くあります。なかでも税務申告だけではなく、資金調達や事業計画のブラッシュアップもサポートしてくれる税理士は、心強いパートナーです。創業時の大切な時間と労力も、大幅に削減できるというメリットもあるでしょう。

金融機関ゲーム(バンカーゲーム)

金融機関ゲーム(バンカーゲーム)

最後に、「金融機関役」と「起業家役」にわかれて「バンカーゲーム」を実施しました。
グーグルスプレッドシートを使用して、ゲームを進めます。

・起業家役がプレゼン内容を書き込む
・起業家役がプレゼン内容を基にプレゼンを行う
・金融機関役が、融資の判断をし、理由を伝える

この事業はお金を貸せない!OK!などをお互いに伝えて盛り上がりました。
金融機関の融資の面談の本番の前の練習になります。

参加者が2チームにわかれ、各自の事業計画を基にプレゼンを実施。各チームには、創業手帳社員のアドバイザーが参加し、プレゼンに対して「調達目標金額の内訳」「自己資金」などの気になるポイントを質問していきます。融資可否だけではなく、見直しのコツなど、実際に行動をする上で役に立つアドバイスが飛び交いました。

「借入額が1,000万円になると、事業計画と自己資金が特に重視されるので、自己資金は300万円以上準備したいところです」
「運転資金は、人件費・家賃・運営費等の内訳を細かく出しておきましょう。その合計額の半年分を手元資金として持っていた方が安全です」
といった、具体的なアドバイスが寄せられ、参加者は真剣な表情でメモをしていました。

参加くださった起業家の皆さまのなかには、独自の資料を作成している方も多く、関係各所へ相談に行くなど、融資を受けるために実際にアクションを起こしている方もいらっしゃるようでした。専門家のアドバイスには温かみが感じられ、ダメ出しではなく資金調達に向けた前向きな指摘が多いことが印象的でした。

ゲームとはいえ、実際の資金調達に繋がる大切なチャンスです。白熱した応酬に、参加者の本気度が垣間見えました。

【参加者の声】
  • 当社の事業計画について、第三者の率直な感想や意見くいい機会になりました。
  • 融資の面談を控えているので、参考になりました。
  • 融資を受けようと思っており、どのような事業計画が必要なのかが分かりました。

創業手帳では、常に新しい情報を発信するために、小さなスキルアップが目的のセミナーから、著名人による大規模セミナーまで幅広く開催しています。

おわりに

事業計画書の書き方から、創業後の融資まで、幅広い内容を扱った本セミナー。創業手帳では起業家にとって有益なセミナーを無料で繰り返し開催。毎回参加者から「参考になった」とのお声をいただいています。今回ご紹介しきれなかった細かい講義内容や、専門家のアドバイス、バンカーゲームのシミュレーショントレーニングの全貌は、ぜひ実際にこちらから参加して体験ください。多数のプロの意見を聞き、事業計画をブラッシュアップをして、第三者にアウトプットする。この経験を繰り返すことで、資金調達への道は確実に近づくことでしょう。

資金調達手帳冊子版(無料)では、資金到達の重要課題を成功に導く有益な情報を多数掲載。ぜひWEB版とあわせてご利用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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