「起業後」のホームページ戦略とSEO対策についてSEOコンサルタントが解説【初級編】

創業手帳

HPを作ったばかりの起業家に向けて、SEO対策の基本を解説します

(2019/09/04更新)

ホームページを立ち上げたら、一度は耳にする「SEO対策」。「SEO対策が大事とはよく聞くけれど、何から着手すればよいかわからない」と考えている起業家は少なくないのではないでしょうか。今回は、SEO対策について詳しく知らない経営者がまず取り組むべき具体的な手法と戦略・考え方について、北海道札幌市でホームページ制作やSEOコンサルティングの活動を行っているゴーメディア合同会社、代表の菅野太樹氏に聞きました。

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そもそもSEO対策とは

SEO対策とは検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)と呼ばれ、Googleなどの検索エンジンでのランキング上位化を目指す取り組みです。

SEO対策の具体的な手法はネットで調べただけでも無数にありますが、今回は「起業直後のホームページ」というシチュエーションを想定し、Googleのガイドラインを遵守する形で解説していきます。

起業直後でもSEO対策に取り組むべき理由

会社の信頼性を高め、会社の顔として機能するホームページを持つことの重要性は、多くの起業家が理解していると思います。一方で、起業当初からホームページの「SEO」について真剣に考えている経営者はあまりいません。

私自身も経験がありますが、起業直後は事務手続きなど何かと取り組むべきアクティビティが多く、SEOに本格的に取り組む時間を確保するのが難しいということが一因だと思います。しかしながら、敢えて起業直後こそホームページのSEO対策に注力すべきだという理由があります。それは、「ホームページのSEOが育つのには時間がかかる」からです。

どれだけSEOの知識がある人間がSEO対策を行っても、全く無名の会社であれば見込み客の集客が出来るようになるまで半年くらいはかかるでしょう。だからこそホームページのSEOが育っていく環境を起業当初から(出来れば起業前にでも)用意するべきなのです。

SEOを考えることは会社の将来を考えること」であると私は考えています。

起業直後のSEOの目標

SEO対策と聞くと、収益に直結しそうなキーワード(難易度も高いキーワード)での上位表示を目標にしたくなります。もちろん、最終的には収益化につながるキーワードで上位化を目指すべきなのですが、「起業直後」というシチュエーションでSEOを考える際に第一に目標とすべきキーワードは、ずばり「会社名」です。ついで、ブランド名や自社製品名・店舗名、ドメイン名といったものが挙げられます。

SEOキーワード:最初の目標の例

  • 会社名(●●株式会社、△△合同会社 など)
  • ブランド名、自社製品名、店舗名
  • ドメイン名

「会社名」などがSEOキーワードと呼べるのか、という疑問が聞こえてきそうですが、起業直後のSEOが弱いホームページだと、場合によっては会社名などの特定のキーワードで指名検索してもページが上位に表示されないケースは珍しくありません。

せっかくあなたの会社に興味を持って指名検索してくれたのに、検索結果で一番上に出てこないとどう思われるでしょうか?業種によっては信用に影響することも考えられます。

また、会社名やブランド名、ドメイン名などのように自社を指名するキーワードでの検索順位は検索エンジンに正しくサイトが認識されているかのバロメーターとなるので、SEOの最初の目標は欲張らずにまず「会社名」からと考えると良いでしょう。

ここまではSEOの考え方や目標設定について話しました。
続いては起業直後にやるべき具体的なSEO対策の方法について解説していきます。

【初級編】これだけはやっておきたいホームページのSEO

Webに詳しく無い起業家でも最低限これだけは最初にやっておきたい!というSEO対策を3つ紹介します。

ドメイン名の取得は必須

今日はこの部分だけ覚えて帰ってもらっても良いくらい重要なポイントが、ドメイン名の取得です。

ドメイン名は、ホームページのURLに入る[会社名].comや[会社名].jp といった部分のことで、インターネット上における住所のようなものです。

Web上のホームページ作成サービスなどえを利用して会社のホームページを作ろうとすると、自動でドメイン名が割り当てられ、専用のサイトURLが付与される場面がありますが、会社のホームページを作る際の大前提としては必ず「独自ドメイン」を取得するべきと覚えておいてください。

独自ドメインがSEO対策に必須である理由は、すべてのSEO資産(検索順位やバックリンク)はドメイン名に対して蓄積されていくからです。検索エンジンからの信頼やSEO資産はドメイン名に時間をかけてゆっくりと蓄積・成長していくので、最初から独自ドメインを取得しコツコツと育てていくと良いでしょう。これに対し、他社のサービスによるドメインを使う場合、提供元のサービスが終了するなどの外的要因で、ある日突然SEO資産を失うリスクがあります。

ドメイン名さえ独自で取得していれば、例えば多忙な起業直後は「仮デザイン」のホームページで運用し、その後リニューアルする場合でも、SEO資産を引き継ぐことが可能です。ドメイン名は年間約1800円~程度で維持・運用ができ、会社の顔として機能するのでコストパフォーマンスの良い投資です。必ず調達しておきましょう。

デザインは二の次、テキストコンテンツ主体のホームページにしよう

ホームページにおけるコンテンツには

  • テキストコンテンツ
  • 画像コンテンツ
  • 映像コンテンツ

といった種類がありますが、SEOの世界での王道はやはり「テキストコンテンツ」です。

将来的に検索エンジンが大きく進化すれば、画像や映像などのコンテンツも主要な評価対象に含まれてくる可能性もありますが、検索エンジンのロボットは2019年現在、やはりまだ完全には画像や映像の理解は出来ていないようです。

起業したての若いホームページでは、ドメインの力もまだ弱いので、テキストコンテンツの「質」と「量」でカバーしていくべきです。

大きな写真やキャッチコピーをメインに、ビジュアル重視のコーポレートサイトを作ることは、少なくともSEOの観点からは効果的とは言いきれません(ブランド優先の場合や、SEOを重視しない場合は問題ない)。

話をテキストコンテンツに戻します。SEOに強いテキストコンテンツの作り方については、以下のポイントに注意して作成すると良いでしょう。

  • ターゲットを意識する(誰に向けたページなのかを明確にする)
  • 独自性を出す(普通名詞だけでコンテンツを作らず固有名詞をおおく適切に使用する)
  • 網羅性を出す(扱うトピックを構成するキーワードを網羅する)
  • 専門性を出す(中学生でも理解できるように分かりやすく深堀する)
  • 属人性を出す(社長の人柄や感情が伝わるような文章で他サイトとの差別化を図る)
  • 検索者の意図を予測する(検索者の欲求に応えるコンテンツを配置する)

文字数だけを追い求めて検索者の意図を無視したページにならないよう注意してください。
また必要に応じて画像や図解なども含めると、SEOでより良い成果が期待できるでしょう。

Googleマイビジネスに登録しよう

Googleマイビジネスとは、Googleにビジネス情報を登録することで、「会社名」、「エリア+サービス名」といったキーワードで検索した際に、Googleマップや検索結果のナレッジパネルに表示されるGoogleの機能となります。

起業後のSEOが弱いホームページでもGoogleマイビジネスに登録することでトラフィック(アクセス数)増加が期待できるので、ホームページを作ると同時にセッティングしておきましょう。

Googleマイビジネスを最大限効果的に活用するコツとして、以下のようなテクニックがあります。

  • すべての登録項目を埋め、かつ情報を正確に登録する
  • 住所などの表記ゆれを無くし、統一した表記にする(3階・3F など)
  • 適度な頻度で投稿や画像をアップロードしていく
  • 口コミ投稿を促し高評価を増やしていく努力をする

Googleマイビジネスは飲食店などの施設型ビジネスの場合、「今すぐ客」を呼び込むのに最適な方法です。無料で利用可能なので店舗や施設、オフィスを持つビジネスの場合は必ず登録したいところです。

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(監修: ゴーメディア合同会社 CEO兼SEOコンサルタント 菅野 太樹
(編集: 創業手帳編集部)

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