リモートワークのコミュニケーション不足の原因や対策は?

創業手帳

リモートワークによるコミュニケーション不足は長期的に見ると不利益!必要な対策を取ろう!


リモートワークや在宅勤務の普及は、近年の職場環境における大きな変化のひとつです。
しかし、リモートワークや在宅勤務が続くことの弊害としてコミュニケーション不足が挙げられるようになってきました。
リモートワークによってコミュニケーションをとる時間が減るため、情報伝達や働きやすさの面で難しく感じる人もいるかもしれません。
その結果として仕事がうまく回らなかったり、離職率が上がったりと会社の不利益になるリスクもあります。

そこで、リモートワークによるコミュニケーション不足についてどのように対処すればいいのかまとめました。

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リモートワークでコミュニケーションが不足する原因・課題は?


リモートワークや在宅勤務、テレワークといった職場に縛られない働き方は普及が進んでいます。
企業での働き方が多様化している一方で、対面で働く機会が減ることによるデメリットや新しい課題も見えてきました。

ここでは、リモートワークの課題として特に多く挙げられるコミュニケーション不足についてまとめています。
どうしてコミュニケーションが不足するのかその原因と課題をまとめました。

コミュニケーションツールでのやり取りに時間がかかる

リモートワークの導入以前は、職場で上司や部下、経営者が対面で業務に関わるコミュニケーション、意思疎通をはかってきました。
しかし、リモートワークでは直接顔を合わせることがなく、ディスプレイ越しや、メールやチャットといったツールを介したやり取りが主体になっています。

ディスプレイやツールを介したやり取りになれていないうちは、メッセージに気が付かなかったり、文章での指示に慣れていなかったりするかもしれません。
ツールの扱いに不慣れなだけで、コミュニケーションの質と量が低下してしまいます。

コミュニケーションにタイムラグがある

リモートワークにおいて、メールやチャットでのやり取りをするときは、相手の状況はわかりません。
そのため、対面ならすぐに回答できるようなものでも、返信を受けるまでにタイムラグが発生してしまいます。

タイムラグが発生することで普段よりも時間がかかったり、仕事に関する情報をラリーできる量に制限が起きてしまったりする点も課題です。
会議やミーティングであれば短い時間でも質問や議論の応酬が可能ですが、ツール越しではそれも難しくなります。

仕事がスムーズに進まないことでストレスが溜まってコミュニケーションも減ってしまうかもしれません。

情報の伝達量が減ってしまう

リモートワークでの情報伝達は、主にメールやチャットが使われます。
これらのテキスト情報は、記録も残しやすく便利な反面、情報の伝達量が減ってしまう点には注意しなければいけません。

会議やミーティングといった対面で情報を発信した場合と比較して、メールやチャットで一度のやり取りで伝えられる情報は少なくなります。
また、対面なら必要な情報をすぐに口頭で伝えられます。

しかし、リモートワークではメールやチャットを使用するため、文面を考えて送信しなければなりません。
文面作成にも時間がかかるため余計にやり取りが面倒になって伝達できる情報量が減ってしまいます

発信のハードルが高い

近くのデスクにいる人にちょっと声をかけるのと、メールやチャットで伝えるのは似ているようで心理的なハードルがまったく違います。
相手が周囲にいれば、気になった事やアドバイスを気軽に口頭で伝えることが可能です。

一方でリモートワークでの発信だと、声をかけるほどの気軽さでは発信できません
そのため、「大したことでもないしわざわざ言わなくても良いか」と思う人もいるでしょう。
ちょっとしたことを伝えなかったことによって情報伝達が上手くいかなかったり、ミスが予防できない可能性があります。

業務以外の話題を切り出しづらい

リモートワークでは、相手の状況や持ち物などは対面ほど目視で確認できません。そのため、気軽なあいさつや雑談がむずかしくなりがちです。
仕事のためのメールやチャットでは、業務外のプライベートな話題を切り出しにくい人も多いでしょう。

その結果、業務上のやり取りのみになりやすくなってしまい、コミュニケーションが取れていないと感じる人も出るかもしれません。
仕事での付き合いはあっても気軽には話せない、相談がしにくいといった課題につながります。

リモートワークのコミュニケーション不足に有効な対策5選


リモートワークの課題が見えてきたら、どのような対策がとれるのか考えてみてください。
コミュニケーション不足は、職場のいろいろな要因が原因となっているため、すぐには解決しないかもしれません。

しかし、細かな改善を積み重ねることが重要です。どのような対策があるのか紹介します。

コミュニケーションツールを導入する

チャットやメールだけのやり取りでは、情報やコミュニケーションが足りなくなることがあります。

テキストだけのやり取りでは情報量が不足するのであれば、他のツールの導入を検討してください。
例えば、zoomのように対話やミーティングができるツールを導入することで、コミュニケーションの機械を増やすことができます。
図やグラフといった資料を使いながら会話できるので、より効率的に情報を共有できるはずです。
また、オンラインだからこそ使いやすい機能もあります。

文字起こしや録画といった機能が搭載されているツールを活用すれば、欠席者がいてもスムーズに情報共有が可能になります。
他にもテキスト情報を併用したり、投票機能を使ったりなどコミュニケーションのために便利な機能を積極的に利用してください

業務内容を可視化して共有する

リモートワークでは、お互いの様子がわからないため、一緒に働いている人が業務をどれだけしているかを把握しにくくなります。
業務内容を可視化して社内で共有できれば、だれが何の業務を担当しているかわかりやすくなり仕事の連絡もスムーズになります。
業務内容の可視化は、タスク管理ツールを使う方法が一般的です。

また、ミーティングなど業務内容を報告する機械を用意することも有効な手段です。
周囲の様子が不透明な中でお互いの業務内容や業務量を把握していないと、双方で業務の進捗状況が管理できなくなってしまいます。
信頼できる関係を築くためにも業務内容を明確にしてください。

1on1ミーティングを導入する

上司と部下でのコミュニケーション不足を感じたときには、1on1ミーティングが有効です。
1on1ミーティングは、1対1のマンツーマンでコミュニケーションをとる時間のことをいいます。上司と部下が業務の話をおこなったり、知識やノウハウの共有をおこないます。

1on1ミーティングは、ミーティングやWEB会議のようにグループでのやり取りが多い職場でこそ取り入れて欲しい工夫です。
1on1ミーティングは、業務の相談だけでなく、雑談や近況報告の場としても機能します。

グループでの話ではわざわざ時間を割きにくいような話も1on1ミーティングであればしやすくなります。
業務の中で定期的に1on1ミーティングを組み込むことで、お互いの心理的な距離を縮めることができるでしょう。

出社日を設定する

リモートワークを導入した会社であっても、完全にリモートワークだけであるケースはそう多くありません。
出社日を定期的に設けることによって、社員が顔を合わせる機会になります。

対面でのコミュニケーションを定期的にとれば、リモートワークでのコミュニケーションも円滑になります。
可能であればグループや組織単位で共通の出社日を設定すると効果的です。

業務以外の話ができる時間を作る

出社は、休憩時間や移動時間のように業務に関係ない時間を作りやすい点がメリットです。
リモートワークでも、業務以外の会話ができる時間を作ることでコミュニケーション不足を解消できます。
リモートワークでも定期的な交流の時間などを設けることで、コミュニケーションが活発化します。
雑談や近況報告の時間でも構いませんし、ゲーム大会や勉強会として設定することも有効です。

ただし、あまりにコミュニケーションのための時間が増加してしまうと、それを負担に感じる人もいるかもしれません。
そのため、自由参加にするなど柔軟に取り入れることをおすすめします。

リモートワークのコミュニケーション不足による弊害


リモートワークを急に導入したため、制度設計だけでコミュニケーション不足の解消まで考えていない企業もあるかもしれません。
しかし、コミュニケーション不足は長期的に多くの悪影響を招くリスクがあります。
リモートワークでのコミュニケーション不足による弊害について紹介します。

情報が共有されない

対面でのコミュニケーションは、多くの情報を短時間でやり取りしています。
リモートワークでは、社員同士での会話やコミュニケーションが限定されるため、最低限の情報しか共有されていないケースがあります。

例えば、仕事でのちょっとしたコツや気になったことなどは会話の中で思いついて発言することも多いです。しかし、メールやチャットを使ってまで発言しないことがあります。
ひとつひとつの情報は小さいものであっても、積み重ねることで大きな影響をもたらします。

経営者が気づいていないだけで、情報共有不足による生産性の低下や人材育成の遅れが発生しているかもしれません。

業務の進捗を把握しにくい

リモートワークでは、対面のように仕事をしている様子を見て業務進捗を知ることが出来ません。
オフィスで働いていれば、部下のデスクを通るときに確認やアドバイスも可能です。

一方で、リモートワークでは相手の姿が見えないため、部下や同僚がいつどんな仕事をしているか把握できなくなってしまいます。
リモートワークでは、オフィスで働く場合よりも進捗把握が難しい事を理解し、あらかじめ対策を講じておく必要があります。
ミーティングの回数を増やすほか、進捗報告の時間を別途作るなど、普段よりも報告と連絡、相談を受けやすい環境を作っておくようにしましょう。

社員が孤独や不安を感じやすい

リモートワークになって、コミュニケーションが不足すれば、社員の中に孤独感や不安を感じる人も出てきます。
リモートワークであっても対面であっても、会社のメンバーは同じ目標を持って仕事に取り組んでいるでしょう。

しかし、ひとりでリモートワークをしていると視覚的にひとりで働いているような感覚が芽生えます。
直接対面で接する機会が減るため、組織への所属意識が薄れて孤独を強く感じるかもしれません。

社員が孤独を感じてそれが強まれば、仕事の意欲低下にも繋がります。帰属意識の薄さから、離職してしまうケースも聞かれます。
採用や育成で時間をかけた社員がすぐに離職してしまうのは、企業に取って大きな損失です。
優秀な人材を確保するためにも、リモートワークでのコミュニケーションを重視してください。

モチベーションが低下してしまう

リモートワークでの働き方が不得意な人も決して少なくはありません。
対面でコミュニケーションを取りながら働きたい人や、悩みや不安を上司や同僚に聞いてほしい人も多くいます。
一緒に働く人とのつながりを感じられなくなってモチベーションや勤労意欲が下がってしまう事例も多く聞かれます。

また、自分が仕事によって成長しているといった実感が生まれにくい点も課題です。
リモートワークであっても、社員に不安や疑問がないかヒアリングしたり、失敗した時には励ましたりとモチベーションを維持するための行動が必要です。
社員のモチベーションが下がらないように、定期的に1on1ミーティングや人事評価の面談を設定するようにおすすめします。

まとめ・リモートワークでは意識的にコミュニケーションを設定しよう

生産性の向上や働きやすい職場づくりを目指してリモートワークを導入する企業は増えています。
しかし、リモートワークによるコミュニケーション不足についてどのように対応するかまで考えているでしょうか。

コミュニケーション不足をそのままにしていると、働きにくく生産性が悪い職場になったり、情報伝達ミスでビジネスが上手くいかなくなったり多くのリスクがあります。
トラブルが起きてから対策するのではなく、リモートワークを導入する時点でどのようにコミュニケーション不足を補うか考えておくようにしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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