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簿価と減価償却の意味って何?

|簿価(ぼか)とは

簿価は「帳簿価額」の略称です。帳簿に記帳した資産・負債・資本の評価額を意味します。
企業が資産を取得した場合、購入のために支出した金額(取得価格)を会計帳簿に記帳します。
不動産などの固定資産は、取得した時の取得価格を帳簿に記帳します。そのため簿価と時価が違うことがあります。
ほかにも、大きな借入を行った場合は支払利息を取得価格に含めることもあります。

|減価償却(げんかしょうきゃく)とは

減価償却とは、経年・使用により価値が減少する固定資産(1年以上保有し続ける資産)を取得した場合、耐用年数に応じて費用を分割して会計処理をする考え方です。

減価償却は、資産価値を合理的かつ公平に評価するための方法です。

具体例をみていきましょう。
たとえば耐用年数が5年の車を250万円で買うとします。
250万円すべてを一度に経費とするのではなく、今年は50万円、翌年に50万円、翌々年に50万円、と5年に分割して経費とします。
減価償却費とはこの価額のことをいいます。

|耐用年数は決められている

耐用年数については、税法により資産の種類に応じた年数があらかじめ定められています。これを法定耐用年数といいます。そのため自分で耐用年数を考える必要はありません。
そしてこの耐用年数が経過した固定資産は、税法では1円の価値があるとみなします。このことを残存簿価と呼びます。

減価償却が終わっても現物は残っているため、1円を残していると固定資産台帳などで管理することができます。これが0円だと固定資産の存在がわからなくなってしまいます。
そのため固定資産を廃棄処分した時は、残存簿価を除去するため、除却損として仕訳を行います。

ちなみに残存簿価は2007年の税制改正により作られた考え方です。
2007年以前は、耐用年数が経過した資産は、残存価額として10%の価値があるとされていました。そのため残存価額を考慮しつつ計算が行われていましたが、税制改正により残存簿価(1円)となり、わかりやすくなりました。

そして決算期には、帳簿に記帳された固定資産の取得価格から、この減価償却費(複数の固定資産がある場合はその合計)を差し引きます。
これにより固定資産の評価額、つまりは簿価を計算することができます。この簿価を現在簿価、もしくは期末簿価と呼びます。
固定資産は年々価値が減少していきますので、それに伴って簿価も減少していきます。

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