メールマーケティング成功のカギ!メール到達率をアップさせる方法【初級編】
スタートアップのためのメルマガ講座(第2回)
(2019/03/14更新)
マーケティング手法として、効果的に活用すればファンづくりにも役立つメルマガ。
しかし、せっかくメールを作っても、読者のもとにきちんと届かなければ意味がありません。読者数を増やすだけでなく、「メール到達率」を高い水準にしておくことが大切なのです。
今回は、インターネットマーケティング専門システム会社である株式会社オレンジスピリッツの代表取締役 野口 洋一氏に、メール到達率を高める方法について、NG事例を交えて解説していただきました。
この記事の目次
メール到達率を上げるためには、「品質の高いメール配信」が必要!
メールマーケティングのカギとなるのが、「メール到達率」。では、メール到達率を高めるためには、何が必要なのでしょうか?
それは、「品質の高いメール配信」です。
高品質のメール配信を続けていればメールの到達率がアップし、メールマーケティングの成果に直結するのです。
ここで言う「品質の高いメール配信」とは、読者に喜ばれるメール配信のこと。
逆に「品質の低いメール配信」とは、読者に迷惑だと思われるメール配信のことです。
では、これらはシステム的にはどのように判断されているのでしょうか?
要素はたくさんありますが、最も大きく影響するのは以下2つのポイントです。
1.エラーメールの発生
「エラーメールの発生=リスト管理ができていない」という解釈になってしまいます。
こうなると、メール受信サーバーの迷惑メール対策プログラムで「品質の低い配信」と判断されます。
2.迷惑メールボタンの押されやすさ
「迷惑メールボタンを押されるメール配信=読者が望んでいないメール配信」という解釈になります。
こちらも、メール受信サーバーの迷惑メール対策プログラムで「品質の低い配信」と判断されてしまいます。
参考指標として、インターネット通販で有名なAmazonが提供するWEBサービス「Amazon Web Service(AWS)」では、
- エラーメール率(ハードバウンス率)は、5%未満に抑える
- 迷惑メールボタンを押される率(コンプレイン率)は、0.1%未満に抑える
という指針が出ています。
このような点から、品質の高いメール配信をするためには
- エラーメールを発生させないメール配信
- 迷惑メールボタンを押されないメール配信
の2点を心がけることが必要です。
この点を押さえることによって、メール到達率を高めることができるでしょう。
NG事例から学ぶ、到達率を上げるメール配信の方法
では、実際にどのようなメール配信を行えば到達率を上げることができるのでしょうか?
これを考えるために、あえて反対の「到達率の低いメール配信」の例をご紹介します。
こんなメール配信はNG!
- メルマガ登録特典として、クーポンやプレゼントをする
- 資料請求した読者に半強制的にメルマガを送る
- 読者の登録解除をしにくくしている
- 読者登録解除時に、メールアドレスを入力しなければならないようにしている
- 読者を煽るような内容
- セールスばかりの内容(物販のセール情報を除く)
- 差出人メールアドレスとしてGmailやYahoo!などのフリーメールを使っている
こうしたメール配信、メルマガは到達率が低くなってしまいます。
実は、多くの企業様がやってしまっている内容でもあるので、心当たりがある方もいるかもしれません。
これらの問題点、おわかりになるでしょうか?
番号順に解説していきますね。
1.メルマガ登録特典として、クーポンやプレゼントをする
2.資料請求した読者に半強制的にメルマガを送る
読者の目的に合わない行為をしている(クーポンやプレゼント、資料を目的としている読者に対して、望まれていない「メルマガ配信」を行なっている)
3.読者の登録解除をしにくくしている
4.読者登録解除時に、メールアドレスを入力しなければならないようにしている
メールの配信を望んでいないにも関わらず、配信の解除が面倒である
5.読者を煽るような内容
6.セールスばかりの内容(物販のセール情報を除く)
読者が不快に感じるメール配信である
7. 差出人メールアドレスとしてGmailやYahoo!などのフリーメールを使っている
迷惑メールの配信にフリーメールが使われることが多いため、「迷惑メールだ」と判断されてしまう
つまり、こうしたものはすべて「迷惑メール」ボタンを押されてしまうメール配信なのです。迷惑メールボタンを押されてしまうと、当然ながらメールは届かなくなっていきます。
NGタイプ別!到達率の高いメール配信に変える方法
こうしたNG事例に対して、改善方法を考えていきましょう。
実際には電話営業との兼ね合いなど、業務を全体的に見直す必要があるかもしれませんが、メールマーケティングの最適化という観点では、今からご紹介することを参考に改善を行なっていただくと良いでしょう。
1,2「半強制メルマガ」タイプ
1.や2.に当てはまってしまった企業は、クーポンやプレゼントをエサにして半強制的にメルマガに登録させるのではなく、望まれているメルマガ登録にすることが大切です。
例えば、「7日間メール文章改善講座」といったメールそのものを読みたくなるような内容にすれば、迷惑メールボタンを押される確率はぐっと減ります。
クーポンプレゼントにしても、登録時のみにクーポンを提供する形ではなく、普段のメール配信の中でもクーポンを展開することで、迷惑メールボタンを押される確率を減らすことができます。
3,4「読者解除が困難」タイプ
3.や4.に当てはまってしまった企業は、読者登録解除の方法をわかりやすくしてください。
読まない方はメールをまったく読みません。そこにメールを配信しつづけることで得られるかもしれない効果よりも、迷惑メールボタンを押されることで「品質の低いメール配信」とみなされ、本来読んでくれるはずの読者にメールが届かなくなってしまう影響度の方がずっと大きいのです。
少なくとも、読者登録していただいた時から3通目までのメールは、メール本文の冒頭で読者解除を促しましょう。
読者解除の際にメールアドレスを手入力させるなどして解除がしにくいようにしている企業もありますが、それは論外です。
読者は、メールの配信解除がわかりにくかったり面倒だったりすると、メール配信解除の代わりに「迷惑メール」ボタンを押してしまいます。こうした手段は確実に自社のメールマーケティングに悪影響をもたらします。
一度、Google OptimizeなどのA/Bテストツールで、読者登録をランダムに2つに分けて、従来方式の配信解除と新方式の配信解除で、メールマーケティングの効果を比較してみてください。迷惑メール対策エンジンの迷惑メール対策は過去30日平均の指標で行われていることが多いので、1ヶ月以内に明らかな結果の違いを見ることができるでしょう。
5,6の「読者を不快にさせてしまう内容」タイプ
こちらについては、ほとんどモラルの問題です。ここでは特に深く言及しませんが、「自分がやられたら嫌なメール配信はしない」ということに尽きます。
7.の「フリーメール」タイプ
これについては、企業様で行っている例はあまりありませんが、個人事業主など個人規模の方で行っている場合があるかと思います。
前述の通り、迷惑メールの配信にフリーメールが使われることが多いため、メール配信の差出人にフリーメールを使っていると迷惑メールだと判断されます。フリーメールを使うのは絶対に避けましょう。
まとめ
今回は「初級編」ということで、メール到達率の低いメール配信のNG事例とその解決策についてご紹介しました。
メール到達率対策としては基本的な内容ですが、実際には行えていない企業も多いもの。自社のメールマーケティングについて見直してみてください。
次回は、今回の基本を押さえた上で、より掘り下げた運用によってさらにメール到達率をアップさせる方法についてお届けしていきます。
(監修:株式会社オレンジスピリッツ 代表取締役 野口洋一)
(編集:創業手帳編集部)