営業自粛に応じた事業者に支払われる給付金 感染拡大防止協力金の特徴を解説
各自治体で実施されている感染拡大防止協力金のポイントをまとめました
(2020/05/29更新)
新型コロナウイルス感染の拡大を防止するため、各自治体は飲食店など特定の事業者に対して営業自粛を呼びかけています。協力依頼に応じて、休業や営業時間短縮などに取り組んだ事業者に対して支払われる協力金「感染拡大防止協力金」の申請・支給が全国で行われています。
東京都では、6月17日から2回目の申込みを受け付けるなど、複数回の実施に着手している自治体もあります。この記事では、協力金の概要と、申請方法、各地の主要自治体ごとの対応の違いなどについて解説します。
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自治体によって内容が細かく異なる
感染拡大防止協力金は、都道府県単位で実施されているものと、市区町村で実施されているものがあります。ポイントは、自治体ごとに、対象となる事業者や、支給される額、申請に必要な書類など、条件が細かく異なることです。
呼称も、「休業協力・感染リスク低減支援金(北海道)」、「感染症対策事業継続支援金(群馬県)」、「休業要請支援金(府・市町村共同支援金)(大阪府)」など、自治体によってさまざまです。
経営者は、自身が事業を行っている自治体で、どのような支援が行われているのか、事前に内容をしっかり確認してから申請にのぞみましょう。
申請に必要な書類
感染拡大防止協力金の申請に必要な書類は、主に以下の3点です。
- 本人確認書類
- 営業活動の実態が分かる書類(確定申告や営業に関する許認可証等の写しなど)
- 対象期間中に休業していたことが分かる書類
これらをベースに、自治体ごとの支援内容に応じて、提出する書類の数や種類が変わってきます。
特に、「休業していたことが分かる書類」について、休業期間中に店舗に掲載していた、休業を告知するチラシの写真などを求められる場合もあります。申請を考えている事業主は、通常営業を再開する前に、掲示物などの証拠を残しておくと良いでしょう。
主要都市の支給概要
全国の主要都市で実施されている感染拡大防止協力金の概要をまとめて紹介します。
東京都
内容 | |
---|---|
名称 | 東京都感染拡大防止協力金(第2回) |
支給額 | 50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円) |
対象 | 「東京都における緊急事態措置など」により、休止または営業時間短縮の要請を受けた施設を運営する中小企業・個人事業主 |
対象期間 | 2020年5月7日~5月31日 |
要件 | 緊急事態措置の全期間で休業や営業時間短縮を行った |
申請方法 | WEB申請、郵送、もしくは都税事務所への持参 |
申請期間 | 2020年6月17日~7月17日※ |
※第1回(2020年4月16日~5月6日の休業などにかかる)の受付期限は6月15日までです。
電話:03-5388-0567
受付時間:午前9時から午後7時まで(土、日、祝日も開設。)
大阪府
内容 | |
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名称 | 休業要請支援金(府・市町村共同支援金) |
支給額 | 中小企業 100 万円、個人事業主 50 万円 |
対象 | 緊急事態措置により、大阪府から施設の使用制限による休業の協力要請等を受け、特に深刻な影響を被っている中小企業・個人事業主 |
対象期間 | 2020年4月21日~5月6日 |
要件 | 大阪府の「施設の使用制限の要請等」を受け、対象の全期間で、支援金の対象となる施設を全面的に休業(飲食店は営業の時間を短縮した場合)した。 2020年4月の売上が、前年同月対比で50%以上減少している。 |
申請方法 | WEB申請、郵送 |
申請期間 | 2020年5月1日~6月20日 |
電話:06-6210-9525
受付時間:午前10時から午後5時まで(日曜日を除く毎日)
北海道
内容 | |
---|---|
名称 | 休業協力・感染リスク低減支援金 |
支給額 | 法人 30 万円、個人事業主 20万円(感染リスクを低減する自主的な取り組みを行った場合、法人・個人事業問わず追加で10万円を支給) |
対象 | 休業などの要請に協力し、感染リスクを低減する自主的な取り組みを行う事業者 |
対象期間 | 2020年4月25日~5月15日 |
要件 | 休業要請を受けた施設を休業すること。酒類を提供する飲食店は、酒類の提供時間の短縮(19 時まで)を行うこと。感染リスクを低減する自主的な取り組みを行うこと。 |
申請方法 | WEB申請、郵送 |
申請期間 | 2020年4月30日~7月31日 |
北海道では、2020年5月16日以降、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と事業継続に取り組んでいる事業者向けに、新たに2つの支援を行っています。休業要請に協力している事業者、休業要請の対象ではないが、長期間の外出自粛や自主的な休業等にひと月の売上が前年同月から、50%以上減少した事業者が対象です。
電話:011-351-6469
受付時間:午前8時45分から午後5時30分まで(6月14日(日)までは土・日も開設)
愛知県
内容 | |
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名称 | 愛知県・市町村新型コロナウイルス感染症対策協力金 |
支給額 | 50万円(1事業者あたり) |
対象 | 県の休業協力要請に応じて、要請期間中、休業要請と営業時間短縮の要請に全面的に協力した地元中小事業者(中小企業、小規模事業者、個人事業主、農業法人、NPO法人、社会福祉法人等) |
対象期間 | 2020年4月17日~5月6日 |
要件 | 休業要請期間の全日、要請を受けた施設の休業または営業時間短縮した。愛知県で緊急事態措置が実施された2020年4月10日時点で開業していること。 |
申請方法 | 原則WEB申請、一部、持参に対応している自治体あり |
申請期間 | 2020年5月上旬頃~6月末頃(自治体によって異なる) |
電話:052-954-7453
受付時間:午前9時から午後5時まで(土日、祝日を含む毎日)
最新情報のこまめなチェックを
多くの自治体で、感染拡大防止協力金の申請が殺到しているようです。各自治体では、申請を円滑に行うため、HPに申請で見落としがちなポイントを紹介したり、申請に必要な書類の要件を緩和したりといった、対応の改善や更新が行われています。また、東京都や北海道のように、給付金の二次募集や、新たな支援の創設など、追加の支援に乗り出す自治体も増えることが予想されます。
申請を考えている事業主は、自治体のHPなどをこまめにチェックし、最新の情報を常に把握することをおすすめします。必要に応じて、税理士などの専門家に相談してみるのも良いでしょう。
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(編集:創業手帳編集部)