初の消費税確定申告が75%。消費税の計算方式については7割以上が「よくわからない」と回答
インボイス制度がスタートして初となる消費税の確定申告。消費税の申告が初となるのはどのくらいか調査!
2023年10月からスタートしたインボイス制度。このタイミングにてインボイス登録をおこなった事業者の方も多いかと思います。
そのような方については、令和5年分の確定申告より消費税を納める必要があります。
しかし、実際にインボイス登録をおこなったことにより消費税を納める必要があり、その計算方法などが複数あることについてどのくらい浸透しているのでしょうか。
今回創業手帳では、「令和5年分 確定申告ガイド」をリリースしたタイミングにて、会員の方々にアンケートを実施致しました。
この結果から、消費税の確定申告についての理解度を読み解いていきたいと思います。
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この記事の目次
消費税の確定申告、初めてとの回答が75%以上
まず始めに、どのくらいの割合の方が消費税の確定申告について「今年が初めてである」かどうかをアンケートで回答していただきました。
その結果、有効回答数320名中243名が「初めて」であると回答し、約75%の方が今年初めて消費税の確定申告を実施することがわかりました。
「初めて」と回答した人について、もう少し細かく分析していきたいと思います。
消費税の確定申告について「初めて」と回答した事業形態の内訳については、個人事業主の方が約73%で法人の方が約23%となっています。
また初めて消費税の確定申告を実施すると回答した方の業種(※)割合を分析してみたところ、「士業以外の専門コンサルタント(経営コンサルタントやマーケティング会社など)」が37名、「その他」が36名、続いて「士業(税理士・弁護士・社労士・司法書士など)」が27名で、飲食や建設業の人が20名前後という結果になりました。その他については、ペットサロン経営者や運送業を営んでいる事業者の方などが見受けられました。
この結果より、今年から初めて消費税の確定申告と納税をする必要がある人というのがかなり多く、どのくらい消費税の納税方法について浸透しているのかが気になるところです。
その結果については、次のアンケート項目から紐解いていきたいと思います。
複雑な消費税の計算方式について 7割以上が「よくわからない」
次に消費税の確定申告において理解を深めておかなければいけない計算方式について、どのくらい理解がされているのかをアンケートの結果からみていきたいと思います。
まずは「2割特例」・「簡易課税」・「本則課税」どの計算方式を用いて納税を検討しているかを聞いてみたところ、有効回答数550名中393名が「よくわからない」を選択しており、7割以上の人がきちんとした理解ができていない状態であることがわかりました。
また「2割特例」・「簡易課税」・「本則課税」を選択した中の人で一番多かったのは、「2割特例」が15.5%ということでやはり一番多い選択肢となっています。
「2割特例」を選択した85名の業種割合についてみていくと、「その他」が16名と一番多く、続いて「士業(税理士・弁護士・社労士・司法書士など)」、「士業以外の専門コンサルタント(経営コンサルタントやマーケティング会社など)」が並び、その後に「小売」や「不動産」などの事業者が多いことがわかりました。
このアンケート結果からわかるように、多くの経営者の方が消費税の確定申告について理解が不十分であることがわかります。
2割特例は、本来納める必要がある消費税額について、2割の負担でよいとなる特例です。
該当となる対象者は、インボイス制度が始まったことをきっかけに免税事業者からインボイス発行事業者になった場合の方など限定的ではありますが、今回消費税を初めて納めなければならない方はこの特例を理解しておく必要があります。
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創業手帳では、起業家や経営者の方が確定申告を行う際につまづきやすいポイントをまとめた「確定申告ガイド」をリリース致しました。
所得税の確定申告の場合、多くの人がまず悩むポイントのひとつとして、青色申告と白色申告のどちらがいいのか。
それぞれの違いや必要となる書類を表などで比較し、わかりやすく解説!
また赤字の場合の確定申告はどうしたらいいのかなども掲載。
そして今年度より初めて対応する必要が出てくる消費税の確定申告についても、詳しく解説しています。
先程のアンケート結果でも、複雑でわかりにくい申告時の計算方式についても掲載しています。
複雑でわかりにくい確定申告について、税理士などにお願いできるのであればそれが一番いいと思いますが、自分で対応する必要がある方は是非このガイドブックを参考に確定申告を進めてみてください。