テーブルクロス 城宝 薫|大学生起業家の向こう側へ。若き代表に迫る
大学生が起業したベンチャーが、1年で全国47都道府県・1万店舗登録にまで拡大中!
(2016/06/15更新)
全く新しい社会貢献型グルメアプリ「テーブルクロス」をご存知でしょうか。代表の城宝氏は、先日大学を卒業したばかりの23歳。「創業することは簡単」と語る若き社会起業家が見ているのは、100年後の日本社会でした。今回は、約1年で登録店舗数が1万店を突破したという「テーブルクロス」のサービス内容と、城宝氏の将来展望についてお伺いしました。
1993年生まれ。株式会社テーブルクロス代表取締役 立教大学経済学部を先月卒業。中学・高校時代と4年間に渡って生徒会副会長・生徒会長に就任。浦安市とアメリカフロリダ州オーランドを繋ぐ親善大使などを経験した後に立教大学へ入学。大学では企業と提携して新商品開発を行う学生団体「Volante(ボランチ)」を創設。現在は関東、関西、台湾にも支部が拡がっている。 祖父の影響で小学生の頃から起業志向があり、中高生時代の生徒会活動、親善大使活動などを通じてビジネスと社会貢献の融合への関心が高まり、本事業を大学3年生時に起業。社会人や投資家などの支援によってサービスを本格始動させる。
城宝:テーブルクロスは飲食店の情報を掲載し、そこから消費者が予約できる予約アプリサービスです。
既存のサービスとは全く違った特徴を持っており、それは「飲食店」「お客様」「途上国のこども」といっ た、3者全てに貢献する仕組みになっていることです。
まず、飲食店はテーブルクロスへの情報掲載に関しては一切のコストがかからなく、お客様が予約・ 来店した時にだけ集客コストが発生します。
これは従来の予約サービスが広告出稿時にコストが発生する「掲載課金型」であったのに対し、集客した時にだけにコストがかかる「完全成果報酬型」と呼ばれるもので、これまでにアルバイトの募集サービスや不動産の情報サービスなどで大きな評価を得ているものです。
城宝:お客様は予約をするだけで社会貢献ができるという特長があります。
テーブルクロスは予約1名につき1食分の学校給食を提携する10のNPOを通じて途上国へ届けています。こうした取り組みはお客さまの社会貢献意識の高まりに応じて高い支持を得ています。
途上国の子どもの貧困は喫緊に解決しなければならないものです。
そこで行政とは違った民間の支援活動は大きく注目されており、このような3者全てが賛同する仕組みは継続できる支援活動として注目されています。
城宝:幼い頃にインドネシアへ行き途上国の現状を知りました。
なかでもストリートチルドレンの存在を知り、知った以上は何かをしなければならないという思いにかられました。
自分には何ができるか模索をしつつ大学生活を過ごしていたなかで、たまたま飲食店の広告を販売する会社でアルバイトをしました。
そこでは飲食店広告業界を知り、飲食店の皆さまの悩みを知りました。
最終的に、二つの課題を同時に解決し、参加する全ての皆さまが笑顔になる仕組みを創りたいと思い、この活動をスタートしました。
城宝:私は、「利益の創造と社会への貢献を同時に実現する文化を創りたい」と思っています。
企業は自社の利益だけを創るのではなく、社会貢献も積極的に行うべきだと思います。
そのような企業が持続し、未来に価値を残せるのだと信じています。
しかし、そうした事例は少なく、私たちの活動がそうした一つの証明となって拡がって行くことを願っています。
城宝:学生起業をした私にとって、スタート時はお金も人脈も情報も何もなく全てが模索状態でがむしゃらでした。
しかし、ひとり、ふたりと応援者が増えていき、学生で初めて政策金融公庫が、サービスがない中で融資を出してくれたことなど、恵まれた環境が度重なり事業を進めることができた今日此の頃でもあります。
サービスをスタートした頃は加盟店舗が100店舗もなく、ユーザーへのアプローチをしたとしても地域が限定され、さらに予約ができるお店が少なかったことが現実でした。
サービスをスタートして1年と2ヶ月目を迎えましたが、1年間は飲食店を増やすことに集中をしてきて掲載店舗数が6,100店舗まで増え、ようやくスタートラインに立てた気分でもあります。
私にとって創業をすることは簡単でした。
しかし、100年後の日本社会をより良いものにするために、継続した企業をつくることが今の役割だと思っています。
企業家のみなさんと一緒に、今後の日本社会をよくしていきたいと思っていますので、引き続き頑張りましょう!
(取材協力:株式会社テーブルクロス/城宝 薫)
(編集:創業手帳編集部)