院長業務と経営業務の二刀流で活躍を!開業院長に求められる考え方
あなたの業務は院長業務?経営業務?
(2019/03/08更新)
整体やマッサージといった領域で開業をされている方の中には、日々の仕事に忙殺され、結局勤務時代とあまり変わらない業務をしているという方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、治療院の経営が難しくなっている現在、経営者と現場の院長という2つの役割において活躍していくことは非常に重要です。
そこで今回は、この二刀流の活躍を目指すために必要な考え方について、自身も治療院を開業し、独立開業を目指す先生たちのためのコミュニティー「治療家集客塾」を運営する金井克行さんに解説していただきました。
開業院長の仕事は二刀流!
院長という仕事は、本当に難しくて悩みの多い仕事です。
一般的な企業の社長の多くは、自分の時間の使い方や業務をある程度コントロールできるのではないでしょうか。たとえば管理畑の社長であれば、経営データをしっかりと分析して、要領をつかみ目標設定をすることを主たる業務とできるでしょう。逆に職人気質の社長であれば、管理のできるスタッフを雇い入れ、本人は日々の業務改善や新商品のアイデア作りなどに時間を割くことができます。
開業院長という立場ではそうはいきません。多くの場合、管理つまり社長業と、治療家つまり院長業という2つの役割を兼業して果たしているのです。それぞれの業務としては例えば次のようなものがあります。
- 経営者(社長)としての業務
- 治療院の先生としての業務
治療院の最終意思決定(投資・採用・戦略など)、従業員同士の調整、パートや受付スタッフの管理、経営状況の分析や対外交渉、トラブル処理
治療家としての施術
これらに加えて、毎週のように行われる各種会議(治療法セミナーや経営勉強会)に出席する院長先生もいらっしゃいます。さらにはパートや受付スタッフからの要望や苦情に対応し、問題が起これば真っ先に謝らなければならないのが院長という立場でもあります。
現在、治療院の経営は難しい時代に入ってきました。このような時代だからこそ、「本当の意味での院長」が求められています。
では、「本当の意味での院長」とは何なのでしょうか?
それは、いま挙げた「経営者」としての戦略立案と「院長(プレイヤー)」としての治療の両方のバランスを取りながら経営するということ。いわば二刀流の活躍を目指す必要がある、ということですね。
二刀流での活躍を目指すには?
では、こうした2つの役割のバランスを取って活躍するためには、どのようにしたらいいのでしょうか?
私は、自分自身の抱える業務がどのようなものなのかを把握することが重要だと考えています。
自分の業務を分類する
あなたの今行っている業務は「院長業務」ですか?それとも「経営業務」ですか?
すでに自身で開業していらっしゃったとしても、勤務時代と業務が変わっていない、ということはないでしょうか?
施術して、月末の保険請求業務を行い、定期的に勉強会(主に技術系)に参加する。これは院を運営するにあたって必須の業務ですが、最低限すべき「院長業務」に分類されます。
このように、現在自分が行なっている業務が「院長業務」なのか「経営業務」なのかを分類して明確化すると、あなたの治療院に足りないものが見えてきます。
例えば、ほとんど院長業務しか出てこない場合には、経営者としての戦略立案や経営状況の分析等を行なっていく必要があるでしょう。
紙に書き出すことで頭の中を整理
もし自分の抱える業務が院長業務と経営業務のどちらに該当するのかわからない場合は、一度自分の1日・1週間・1ヶ月の業務内容を紙に書き出してみるのがおすすめです。紙に書き出すという作業には、頭の中にあるものがアウトプットされ、漠然としていたものが整理されていく効果があります。
書き出した上で、同業でも他業種の方でも結構ですので周りの社長と自分の業務を比べてみましょう。そこで何が違うかを一回考察してみると、自身のすぐに取り組むべき事が見えてくるでしょう。
まとめ
自身で開業して院長になるということは、経営者視点とプレイヤー視点の両方を持つという非常に難しいバランス感覚を身につけなければならないということです。
今回ご紹介したように、自分の行なっている業務を整理・分類することで、今の院に足りていないものを発見し二刀流での活躍に繋げることができます。ぜひ試してみてくださいね。
(監修:かない鍼灸接骨院 院長 金井 克行)
(編集:創業手帳編集部)