税理士と顧問契約を交わすうえで気を付けたい4つのポイント
税理士選びで失敗しないために、ここをチェックしよう
(2018/01/23更新)
創業期の心強い味方となるのが、税理士の存在です。自分ひとりでは分かりづらい税務作業を手がけてくれるのはもちろん、金融機関からの融資や公的支援についても適切なアドバイスをしてくれることもあります。創業期の早い段階から頼れる税理士を見つけることができたら、その後の事業がとてもやりやすくなるでしょう。
では、いざ税理士と顧問契約を交わそうとした場合、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?「税理士から渡された契約書に記入するだけ」では、後々にトラブルになることも。そこで今回は、顧問契約を交わす際にチェックしておきたい4つのポイントをご紹介します。
この記事の目次
税理士と顧問契約を交わす前にチェックするべき4つのこと
顧問税理士を決めるときには、大きく「担当者は信頼できる人か」「契約内容はどうなっているか」の2点を意識することがとても重要です。可能であれば、複数人と面談して、一番良い税理士に決めることをおすすめします。
税理士を選ぶときのチェックポイントは次の4つです。
1.担当者は信頼できる人物か
一度、顧問税理士に就いてもらったら、長期のお付き合いになるケースが多いとされています。ですから、「偉そうな税理士」にはお願いしないようにしましょう。
税務のことをお願いするにあたって、会社の細かいキャッシュフローまで伝えることになるため、信頼関係が第一です。偉そうな態度や、「おたくのような小さな事業所は儲けにならない」といった態度が透けて見えたときは、一度立ち止まって考えましょう。
直感的に「親切そうだ」「信頼ができそう」「親身になってくれる気がする」というフィーリングも大切なポイントといえるでしょう。
また、担当者の服装や身だしなみも重要なチェック要素です。これらは担当者の人格などに直結するものではありませんが、「外見は内面の一番外側」と言われることもあります。
細かなところまで気を配れる意識の高さは、業務の丁寧さを表すともいえるでしょう。
2.経営・資金調達に関してしっかりサポートしてくれそうか
近年では、資金調達などの経営サポートを行ってくれる税理士事務所もあります。もし銀行や日本政策金融公庫などから資金調達などを考えている場合は、このような業務にも対応してくれる税理士を選びましょう。
創業に強い税理士は、融資が通りやすいように事業計画書の作成をサポートしてくれたり、「こうすると経営上、税金が優遇される」、「新しい補助金の制度が導入された。御社でも役立てそうな気がする」といった情報を持っていることもあります。
しかし、法的には税理士がそれらの情報を教える義務はありません。だからこそ、経営・資金調達に関してサポートをしてくれる税理士は、顧客サービスへの意識が高いということになります。経営や資金調達の面で相談したときに、すぐに的確な答えが返ってくる税理士と契約を結ぶといいでしょう。
3.どの業務が代金に含まれているか
税理士の主な業務は、(1)税務申告代理、(2)税務書類作成、(3)税務相談です。
これらの業務は法律で決められたものですが、労務管理や経費の計算、助成金や補助金の申請書類の提出補助、資金調達など、法律で決められた範囲外のサービスを行ってくれる税理士もいます。
これらは料金に含まれている場合もありますが、契約内容によっては含まれていない場合もあります。
顧問契約を結ぶ前には、担当の税理士にどういった内容をお願いできるのか、どこまでの業務を担ってもらえるのかを、必ず詳細に確認しておきましょう。
税理士に依頼できる詳しい業務内容については、こちらの記事もあわせてご確認ください。
>>顧問税理士の相場、税理士に依頼できる仕事まとめ
4.契約期間はどうなっているか
すでに述べた契約の「内容」と並び、最も重要なのが「期間」です。
年度更新なのか、年単位で更新するのか、もしくは複数年にまたがって契約を結ぶのか。仮に「どうしても税理士との相性が合わない……。」と感じたとしても、複数年契約を交わした場合、途中で解約すると違約金が発生することもあります。
契約を交わす際は、契約書に契約の期間と、もし途中で契約を切らざるを得なくなった場合への対応方法が記されているかどうか確認しておきましょう。
まとめ
税理士によっては、対応がものすごく遅かったり、ミスが多かったり、決算や税務調査などいざという時に味方になってくれない、など、事業の足を引っ張ってしまうような人も実際にいるようです。
税理士選びに失敗しないためにも、顧問契約前には今回ご紹介したチェックポイントをしっかり確認するのを忘れずに。
そして、信頼できる顧問税理士とともに、経営をうまく軌道に乗せていきましょう。
(編集:創業手帳編集部)