一瞬で勝負が決まる!お客様の警戒心を解く「共感トーク」とは|デキる営業マン養成講座

創業手帳

出来る営業マンはお客様との出会いの一瞬に全力を尽くす!

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(2016/10/28更新)

◆デキる営業マン養成講座アーカイブ

第一回:自然と顧客が寄ってくる”営業レター”とは
第二回:塩漬けリスト開拓に効果絶大なある方法とは
第三回:足を動かさずに”攻め”の営業をする方法
第四回:クロージングの確度を最大限まで上げるには
第五回:商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは
第六回:一瞬で勝負が決まる!お客様の警戒心を解く「共感トーク」とは

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今回は一番重要なステップ1「お客様の警戒心を解く」を詳しくお話させて頂きます。

新入社員の人はもちろんの事、ベテランの営業マンにとっても、お客様と初めて出会う時は緊張するものです。また出会いでの印象を良くすることはその後の関係を構築する上で最も大切なことになります。

出来る営業マンはお客様との出会いの一瞬に全力を尽します。その理由は出会った時に悪い印象をもたれてしまうと、その後挽回するのが非常に困難になるからです。逆に出会った時の印象がいいとその後はとても話を進めやすくなります。

初対面のお客様との話をうまく進めるためには今回お話するステップ1のお客様の警戒心を解くことは極めて重要になるのです。

出会いの一瞬で勝負が決まる

トーク設計図とはお客様の購買心理に合わせてあらかじめ話す事を考えておくものです。まずは全体像を見てください。

ステップ1 お客様の警戒心を解く

ステップ2 お客様に興味を持ってもらう

ステップ3 お客様にヒアリングする

ステップ4 ニーズに気づいてもらう

ステップ5 次回アポ、クロージング

ステップ1の流れ

ステップ1では主に4つのトークによりお客様の警戒心を解いていきます。
全体の流れはこちらです。

挨拶トーク

共感トーク

売り込み臭さを消すトーク
↓    
チェックの質問
OK         NO

このような手順で進めて聞います。

まずはキチンと挨拶すること

はじめにお客様と出会った時にどう挨拶したらいいのかをお話します。

経験の浅い営業マンにとって、お客様と出会った時にもどうやって話しかけるかは一番難しいと感じるものです。私は職業上いろいろな営業マンとお会いしますが「お客様にどうやって話しかければいいのかわからない」と悩んでいる人は少なくありません。

1つの方法ですが、お客様とお会いした時は言う事を前もって決めておき、キチンと挨拶したほうがいい結果に結びつきます。しっかりとした挨拶をきっかけに会話に入る方が楽なのです。

具体的な挨拶

それでは具体的なトークをお話します。
いくつか例を上げてみましょう。

『こんにちは、この売り場を担当しています○○と申します。』
『こんにちは、ご案内させていただきます○○です。』
『はじめまして、御社を担当させていただきます○○と申します』

自分のこと、目的を短い文で分かりやすく伝えることが重要です。

来店したお客様に声をかけるときは「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」というほうが売り込み臭ささが薄くなります。またお客様の会社へ伺う場合は「お忙しいところお時間を頂きまして・・・」といったような気づかいも必要になります。

また挨拶に続いてあなた自身のUSP(自分の強み)を言ってもいいでしょう。私が研修させて頂いた会社のトップ営業の女性は簡単な挨拶のあとこう続けます。

「展示場をご案内させて頂きます○○です。
主婦ならではの視点でご案内させて頂きます。」

この一言を聞いただけでも《この人は他の営業とは違う》と思ってもらえる事もあるのです。

このような簡単なトークであっても、考えてあるのと無いのでは大違いです。
前もって考えておけばお客様と出合った時にドギマギせず自然に挨拶できるようになるのです。

ステップ1の最も重要な「共感トーク」とは?

image1

『共感トーク』はステップ1の4つのトークの中でも、特に重要なトークになります。
ほとんどの営業マンは挨拶した後、「それでは簡単に当社の商品をご説明させて頂きます」とすぐに商品説明に入ります。

それが偶然にもお客様の聞きたい内容であれば問題ありません。初めて出会ったお客様の事を知らないまま説明を始めたのではまずうまく行きません。そもそも誰だか分からない営業マンの話を真剣に聞くお客様はいないのです。

『共感トーク』とはお客様に《この営業マンはお客様の気持ちをよく分かっている》
と思ってもらう事が目的です。さっそく売り込みを始めるのではなくお客様から共感を得る事を考えましょう。

具体的な共感トーク

さて、その『共感トーク』とはどういった内容なのでしょうか?
『共感トーク』を一言で言うとお客様が思わず『そのとおりだ』とうなってしまうようなトークをすることです。要するにお客様が考えている事を先回りして言う事なのです。

お客様は営業マンと対面すると瞬間的に「断る理由」を考えます。

たとえば《営業マンが商品説明をしてきたら「まだ先の話なので」と言おう》と思っているものなのです。それを先回りして「先程のお客様はまだ先の話と言ってしましたが、お客様もそうでしょうか?」と言ってあげます。

そうすることで《この営業マンはお客様の気持ちが良く分かっているな》という印象を与えられるのです。キチンと挨拶した後は『共感トーク』で《この営業マンはお客様の気持ちをよく分かっている》と言う印象を与えましょう。

売り込み臭さを消すトーク

共感トークでお客様から警戒心を解いた後は『売り込み臭さを消すトーク』に進みます。
もしくは『おススメしないトーク』ともいいます。

『共感トーク』で共感を持ってもらったお客様は緊張感が和らぎお客様の方からいろいろと話をしてくれることもあるでしょう。しかしここで安心してはなりません。お客様が安心して話をしてくれたからといって、お客様の心の中にはまだこのような気持ちが残っています。

《いきなり売り込まれるかもしれない》
《気を許したら何か変なものを売りつけられるのでは》
《だまされるのでは・・・》
《口車には乗らないぞ》

お客様は警戒心を解いたとはいえまだ《なんだかんだうまい事を言っても結局売り込んでくるんだろう》と言う気持ちは消えません。その期待をいい意味で裏切るのです。
『売り込み臭さを消すトーク』をすることによってそういったお客様が持つ不安感を拭い去ることが可能になります。

トーク具体例

では『売り込み臭さを消すトーク』とはどういったものでしょうか?簡単に言うと、売り込みの反対のトークをすることです。

『売り込み臭さを消すトーク』とはただ単に売込みしないように説明すると言う事ではありません。「そのオプションはやめたほうがいい」ですと「こちらの商品はお得ではないのでお勧めしません」と言ったようなトークをするのです。
こうした事を言う事でお客様はより安心してくれます。

少し例を上げてみます。
「この商品は形状が複雑なのでお手入れが難しいですからあまりお勧めしません」
「この商品は見た目よりもお得感はありませんので止めた方がいいと思います」

この『売り込み臭さを消すトーク』もお客様の警戒心を解くために、絶大な効果があります。どこへ行っても、どの営業マンに会ってもいろいろとうるさく売り込まれる中、このようなトークをされたらお客様はどのように感じるでしょうか?

《この営業マンは他の営業マンとちょっと違って信用できる》と思ってもらえる可能性は高くなります。

多くのお客様は売込みして欲しいとは思っていません。《この営業マンはうるさく売り込みせず、相談できそうだ》という印象を与えられれば、一気に話が進む事もあります。

売り込み臭さを消すトークの注意点

image2

「売り込み臭さを消すトーク」は非常に効果的なトークです。しかし注意点があります。
当たり前ですが、メインの商品を『売り込み臭さを消すトーク』に使ってはなりません。仮に「うちの商品は評判が悪いので、やめたほうがいいですよ」と言ったらどうでしょう?

それ以上話す事はありません。これでゲームオーバーです。1つ例を上げて説明します。
住宅営業でしたら「当社の建物は高くて質が良くありませんから、お勧めしません」と言ったら終わりです。そんな事を言う営業マンはいないと思いますが・・・

根本的なことではなく壁紙、色、照明器具をトークの材料に選びます。こう言った周辺商品や付属商品であれば種類もたくさんありますから、問題ありません。『売り込み臭さを消すトーク』の内容としてはメイン以外のものを選んでください。

中には「私の扱っている商品には周辺商品というものがない」という人もいるかもしれません。その場合はいくつかある商品の中で比較的お勧めしない商品をひとつ選び、それを『売り込み臭さを消すトーク』にして下さい。

警戒心が取れたかチェックするには?

繰り返しになりますがステップ1の目的はお客様の警戒心を解くことです。まず、キチンと挨拶することから始まり【共感トーク】や【お勧めしないトーク】と順番にトークをしてお客様との警戒心が解ければ、次のステップ2の「商品と営業マンに興味を持ってもらう」へ進めていきます。

しかし《どうやって警戒心が解けたかを判断すればいの?》という疑問が出てくるでしょう。お客様が突然話し出したり、質問が出てきた場合はわかりやすいものです。ただそうハッキリわかる場合はほとんどありません。

ここで警戒心が解けたがとうかの『チェックのトーク』が必要になってきます。
『チェックのトーク』とはお客様に悩みを聞くことで、お客様の警戒心が解けたがどうか判断する方法です。『チェックのトーク』は一般的にこのようなトークになります。

「ところで今の○○に何かお悩みがあるのでしょうか?」

○○の部分にあなたの扱っている商品をあてはめて言えばいいのです。警戒心がある程度解けたとすれば質問に対しての何らかの回答が出てきます。出た場合は先に進み、出なかった場合はもう少し警戒心を解くトークを試みてください。

お客様が悩みを話す理由

警戒心の解けたお客様は「何かお悩みでもあるのでしょうか?」と言う質問に対して必ず何か話をしてくれます。どうしてそんなことがハッキリと言えるのでしょうか?その理由は、来店されるお客様の場合は必ず何らかの悩みを持っているからです。その悩みを解決するためにあなたの前に現れています。

もし今のものに満足していれば、わざわざリスクを犯してまで営業マンがいるところには姿を現さないでしょう。この『チェックのトーク』は警戒心がとけたが判断できることのほかに、お客様の要望も同時に聞けるというメリットもあります。

ステップ1のまとめ

今回お話したステップ1のトーク設計図だけでも《初対面のお客様にどう話しかけたらいいのか分からない》という不安は軽減されると思います。チェックのトークでお客様からの警戒心が解けたら次のステップ2に進んで行きます。ステップ2は『お客様に興味を持ってもらう』ステップです。

次回もぜひ楽しみにしてください。

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(監修:営業サポート・コンサルティング(株)
代表取締役職 菊原智明(きくはら・ともあき)
(編集:創業手帳編集部)

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