注目の新SNS「Bluesky(ブルースカイ)」。なぜ話題に?特徴やX(旧Twitter)との違いを解説
「Bluesky(ブルースカイ )」には日本語対応や広告はある?実際に使って検証してみた
X(旧Twitter)のオーナーであるイーロン・マスク氏が、2024年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプ候補を支持し、当選した後も政権に関わることがわかりました。これを受けて、民主党支持者や、リベラルな政治思想を持った著名人たちが、Xを離れ、「Bluesky(ブルースカイ)」に活動の場を移しつつあります。
本記事では、あらためて「Bluesky」がどんなSNSなのか、なぜ多くの人が活動の場を移しているのかなどについてご説明します。
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この記事の目次
「Bluesky(ブルースカイ)」とは
「Bluesky(ブルースカイ)」は、次世代のソーシャルメディアプラットフォームとして注目を集めています。2019年にX(旧Twitter)の共同創業者ジャック・ドーシー氏によって構想され、従来のSNSとは一線を画す革新的な特徴を持っています。
プラットフォームの特徴として、Xに似た直感的なインターフェースを採用し、テキストベースのコミュニケーションを重視しています。しかし、最大の特徴は、単一企業による管理ではなく、複数の運営主体が存在する分散型のアーキテクチャを採用している点です。
当初は招待制で新規ユーザーを限定していましたが、2024年2月6日からは誰でも自由に参加できるようになりました。この開放政策が功を奏し、2024年2月には利用者数が500万人を突破。新たなソーシャルメディアの選択肢として、着実に成長を遂げています。
今、なぜ「Bluesky(ブルースカイ)」が話題に?
ソーシャルメディアの利用動向に、大きな変化が起きています。特にここ最近、Xから多くのユーザーが「Bluesky」に移動しているといいます。
というのも、Xのオーナーである実業家のイーロン・マスク氏がXを通じてドナルド・トランプ大統領候補を応援し、見事当選しました。それを受けて、リベラルな言論環境や民主党寄りの政治的信念を持っているユーザーたちが、反発してXから「Bluesky」に乗り換えているのです。
さらに、英ガーディアン紙も、Xが極右的な陰謀論や差別的なコンテンツの拡散の場となっていることを懸念し、プラットフォームからの撤退を表明しました。今後、ガーディアンに続いて他のマスメディアもXでの投稿をやめる流れがくるのかもしれません。
このような状況下で、ほぼ同様の機能を兼ね備えた「Bluesky」への注目が世界的に高まっています。一時、イギリスのAppStoreでは無料アプリのダウンロードランキングで首位を記録したといいます。著名人の間でも、人気歌手のリゾ氏やイギリスの人気司会者グレッグ・デイヴィス氏など、新たなプラットフォームとして「Bluesky」を選択する動きが広がっているそうです。
多くのユーザーや著名人が「X」の利用を控えるか完全に離脱する選択をする中、「Bluesky」は代替プラットフォームとして存在感を増しつつあります。
「Bluesky」の創業者・作った人・運営者は誰?
「Bluesky」を使ってみると、Xとの類似性を感じる人は多いでしょう。この印象は決して偶然ではありません。「Bluesky」はX(当時のTwitter)の共同創業者であるジャック・ドーシー氏によって構想されたプラットフォームだからです。
ドーシー氏の当初のビジョンは革新的でした。単一の企業や個人による管理ではなく、分散型のアーキテクチャを持つソーシャルメディアプラットフォームの実現を目指していました。これは、従来のTwitterの仕組みを根本から見直す試みだったと言えます。
しかし現在、プラットフォームの舵取りは新たな段階に入っています。アメリカの公益法人(パブリック・ベネフィット・コーポレーション)として運営されており、ジェイ・グレイバー氏が最高経営責任者を務めています。ドーシー氏自身は2024年5月に理事会を退任し、その後9月には自身のアカウントも削除。プロジェクトの日常的な運営からは完全に距離を置いています。
この変遷は、「Bluesky」が創設者の構想から、より広範な公益を目指すプラットフォームへと進化していく過程を示しているといえるでしょう。
そもそもは招待制だった
「Bluesky」は2019年の設立以来、慎重な成長戦略を取ってきました。
2024年2月まで続いた招待制は、単なるマーケティング手法ではありません。この制限付きアクセスには、プラットフォームの健全な発展という明確な目的がありました。
開発チームは、この段階的なアプローチを活用し、プラットフォームの基盤強化に注力。限られたユーザー数の中で、システムの安定性向上や技術的課題の解決に取り組みました。これは、大規模な公開後に起こりうる問題を事前に特定し、解決するための戦略的な選択でした。
つまり、招待制の期間は、より多くのユーザーを受け入れる準備期間として有効に活用されたのです。この入念な準備期間を経て、2024年2月からは誰でも自由に参加できるプラットフォームとして生まれ変わりました。
「Bluesky(ブルースカイ )」とX(旧Twitter)との違い
「Bluesky」とX(旧Twitter)の大きな違いは以下の通りです。
Bluesky(ブルースカイ) | X(旧Twitter)(無料版) | |
投稿の文字数制限 | 300文字 | 140文字 |
画像数の制限 | 4枚 | 4枚 |
動画数の制限 | 最大60秒 | 4本 |
DM | できる | できる |
公開・非公開設定 | できない | できる |
予約投稿 | できない | できる(ブラウザ) |
さらに以下、大きな特徴の違いについてご紹介します。
分散型であるかどうか
「Bluesky」の大きな特徴は、その「分散型SNS」という構造にあります。これは、データが複数のサーバーに分散して保存される仕組みを指します。
Xなどの一般的なSNSは「中央集権型」で、運営会社が1つのサーバーですべてのデータを一元管理します。一方、「Bluesky」では、どのサーバーを利用しても同じ投稿内容や情報にアクセスできる仕組みが実現されています。
この分散型の特徴により、「Bluesky」は以下のような利点を持っています。
1. ユーザー自身による情報管理が可能
2. 他のSNSへの円滑なデータ移行
3. サーバーの自主運営の自由
特筆すべき点として、万が一「Bluesky」の運営会社が事業を停止した場合でも、ユーザーの投稿履歴やフォロワーなどのデータを失うことなく、別のプラットフォームへ移行できる設計となっています。これは、データの所有権と管理権がユーザー側にあるという分散型SNSの特徴を活かしたものです。
ディープフェイク対策
「Bluesky」は、AIによって生成された偽の画像や動画(ディープフェイク)に対する対策として、AI検出サービスと画像ラベリング技術を導入しています。
ディープフェイクとは、AIを使って作られた極めて精巧な合成画像や動画を指します。例えば、映画内の人物の顔を別人のものに置き換えるといった操作が可能です。その完成度の高さから、偽装を見抜くことが難しい場合も多く、悪用のケースが増加している現状があります。
この問題に対し、「Bluesky」はコンテンツの真偽を早期に判別するための様々な技術的解決策を検討・導入しています。
自分好みにフィードを構築できる
「Bluesky」の特徴的な点として、タイムラインがサーバーに依存しない設計を採用しています。この仕組みにより、ネットワーク全体の投稿から、誰でも自由にフィードを作成することが可能です。
ユーザーは関心のあるコンテンツやアカウントを選択し、独自のカスタムフィードを構築できます。ただし、フィードの作成にはプログラミングの知識が必要となります。このように、柔軟なコンテンツ表示の仕組みを実現しながら、技術的な要件も存在する構造となっています。
「Bluesky(ブルースカイ)」 の使い方
実際に、筆者が「Bluesky」を使ってみました。
BlueskyはiOSとAndroidでアプリで提供されています。
筆者はAndroidでダウンロードし、登録してみました。
まず、「アカウントを作成」を選択します。
次にメールアドレス、パスワード、生年月日を入力します。
次に、ハンドルネームを考えて入力します。
人かどうかのテストを実施します。
テストをクリアすれば、アカウント作成は完了です。次に、プロフィール画像を設定する画面が表示されます。
興味があるテーマを選択します。
ここまできたら、いよいよ投稿できます。
このように、Xと似たような投稿が可能です。
「Bluesky(ブルースカイ)」は日本語対応している?
上記の通り、「Bluesky」は日本語に完全対応しています。サービス開始当初の2023年1月時点では招待制でしたが、2024年2月に一般公開となり、その時点で日本語サポートも導入されました。
「Bluesky(ブルースカイ)」には広告機能はある?
現在、「Bluesky」には広告は一切表示されていません。経営陣は、ユーザー体験を最優先し、広告過多なプラットフォームにはしない方針を明確にしています。
無料のサービスでありながら、広告漬けとなることを避けることが、「Bluesky」の重要な運営方針の一つとして位置づけられています。
「Bluesky(ブルースカイ)」を活用しましょう
以上、「Bluesky」についてご説明しました。ぜひみなさんも、活用してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)