スタートアップの営業を加速させるためCRM:Zoho CRMの手ほどき (第1回)
CRMとは? 選び方のポイント5つ
スタートアップが創業期にすべきことは多々あります。その中でも、注力すべきことでありながら、後手に回ることが多いものは何でしょうか?
今回、つい後回しにしてしまいがちながらも重要なことである「顧客戦略」をささえるための仕組み、「CRM」についてスタートアップ向けの活用方法を説明していきます。
ビジネスを実行する上で必要なことは、以下の3点です。
- ビジネスモデルの設計:売る商品と販売手法
- ビジネスモデルを効率良く運営する仕組み:ビジネスモデルを最速で稼働させる仕組み)ビジネスプロセス)
- ビジネスモデルを改善する仕組み:さらにスピードをあげ売り上げを安定、拡大させる仕組み
これら3つの基本事項に共通し、かつ最大に重要な情報とは何か?ということに関して今回解説します。
この記事の目次
顧客情報は最大の資産
まず、顧客と顧客との関係性のデータです。
いい商品、サービスを作っても、
- 誰に売るのか、売れたのか
- どうやって売っているのか
- 目標は達成されるのか、どうすれば達成できるのか
を考えなければ一過性の売り上げしか上がらずビジネスを継続することができません。
もしこれを担保するための仕組みがあったとすれば使わない手はないと考えます。
スタートアップの営業はどこから始まるか?
おそらくスタートアップのうち特に、BtoBビジネスの場合での営業活動は
- これまでの付き合いのあった人からの紹介
- 懇親会/展示会などでの名刺交換
- webサイトでの引き合い
からスタートするかと思います。
そして、これらの見込み客との関係性で特に注意すべきことは、
- これまでの関係性を壊さずによいビジネスパートナーとして支援してもらう
- 一度購入したお客様の期待を裏切らないようにサービスを提供する
- 販売後も接点を持ちさらなる安定した売り上げのソース
となります。
なぜなら、スタートアップの創業期はサービスの品質は商品そのもの以外に、提供する人やサポート品質にたいしての評価の割合も非常に高いからです。
これはスタートアップに対する期待の裏返しでもあります。
ですから、良い引き合い情報(リード)を見つけること以前に、確実に期待値をクリアするビジネスプロセスを実行することが必要です。
CRMを使うことでリスクを排除し、スピードを加速できる
CRMとは、これらの顧客との関係性を顧客データベースを中心に高め、ビジネスプロセスを効率的に運用する仕組みです。
ではどんなことができるのでしょうか?
例えば、
- 見込み客(リード)、取引先(顧客、パートナー)、商談、商品の基本データ登録
- WEBサイトの資料ダウンロードから見込み顧客(リード)の登録を自動化する
- リード登録をメンバーに自動で通知し、割り当てる
- メールでのやりとりを顧客情報とひも付けて残す
- 商談を登録し、ステータスと売り上げ予測を記録する
- 訪問予定や電話の記録を行い、どのようなことを行ってきたのかを時系列で閲覧する
- 見積もりを商談とひも付けして作成し、メールで送信する
- これらの情報を分析して閲覧するレポートを作成する
- PCだけではなくスマートフォンを利用して隙間時間で生産性を上げる
などです。
これらの作業はいずれもビジネスプロセスと紐づいていますよね?
このような機能がCRMには備わっています。
このような機能を利用することで、スタートアップの最大の課題、
「人的リソース」不足を解消し、漏れ、ムラ、無駄を極限まで排除することが可能で、ビジネスを安全にスピードアップすることが可能です。
CRMの選び方 5つのポイント
スタートアップに最適なCRMはどのようなものか、条件を考えます
1.すぐに使えるもの
忙しいなかで設定やトレーニングに時間がかかるものを選ぶべきでないということです。
2.ビジネスプロセスに合わせやすい
特にスタートアップの場合、日々試行錯誤のなかで利用するのでカスタマイズ機能は必須です。
3.価格が安いもの
値段自体が安いか、契約までに無料評価が可能なもの。いうまでもなくお金をかけるべきところはここではありません。
4.契約体系が変えやすい
社員数の増減や、機能の追加などに柔軟に応じてくれるフレキシブルな契約体系のサービス
5.支払いがしやすい
口座振り込みや、全額前払いなどではなく、支払いサイトを顧客側にて調整しやすい、クレジットカード決済が可能なもの
これらの条件を満たしたもので機能が過不足ないものがベストと言えます。
Zoho CRMとは?
ずばり、上記条件をすべて満たしているCRMです。
クラウド型で全世界で5万社に利用されており、実力は折り紙つきです。
なかでも、Zoho CRMは基本機能を満たしたCRMを中心に専用アプリケーションをZohoブランドでもっており、これらを組み合わせて利用することができます。
ざっと挙げると
(図:Zoho社提供)
Zoho Invoice:請求書や発注書の発行や売上管理
Zoho Campaigns:大規模メール配信やA/Bテスト、メールのテンプレートを利用してのメールマーケティングツール
Zoho Desk:顧客からの質問、クレーム対応のサポートデスクアプリケーション
Zoho SalesIQ:webサイト閲覧履歴の分析やライブチャット
ほぼ会社の業務を一通りそろえており、これらの機能のうち顧客データベースはZoho CRMのデータを参照することが可能です。
さらに、これらのアプリケーションは基本機能は無料で利用することができ、必要に応じて有償版にアップグレードすることができます。
次回は実際に利用開始する手順と押さえておきたい設定の勘所を説明します。
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(監修:カイト合同会社 Co-founder & CEO 藤川勝廣 )
(編集:創業手帳編集部)