クラウドファンディングをゲームで学ぶ!創業手帳オリジナル「クラウドファンディングゲーム」を大公開
クラウドファンディング成功への近道とは?上手なクラウドファンディングサイト選びと応援してもらえるランディングページ作りのコツを知ろう!
資金がないなか、アイデアを世に出す方法として、「クラウドファンディング」が注目されています。クラウドファンディングで出資者を集めるためには、自社事業のビジネスアイデアが広く大勢に理解され、受け入れられることが必要です。その為には
・自社事業のビジネスアイデアが誰にとってどのように価値あるものなのか
・クラウドファンディングで返せるリターンやセールスポイントは何か
を明確にしておくことが肝要です。
「商品に合ったクラウドファンディング企業の選択」と「ランディングページ(LP)設計」をゲーム感覚で楽しく学べる「クラウドファンディングゲーム」。
本セミナー&ワークショップでは、創業手帳の創業者・大久保が登壇。クラウドファンディングを成功させるための基本知識から実践的なポイントまでをトータルに詰め込んだセミナーの内容をご紹介します。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
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この記事の目次
クラウドファンディングとは?資金調達法の種類と特徴を比較
今回は「クラウドファンディング」と「資金調達」について話をしたいと思います。
起業において問題となるのが「資金」です。「資金調達」の手段は大きく分けて、次の4つの手段があります。
- 融資
- 出資
- 補助金
- クラウドファンディング
それぞれ特徴がありますので、自分に合うものを上手に組み合わせて使うのがベストです。まず、クラウドファンディング以外の3つの資金調達法の特徴を見ていきましょう。
融資
公的金融機関の日本政策金融公庫や保証協会に融資してもらう方法です。金利が非常に低い・個人保証を付けなくてよい・クラウドファンディングと比較して、大きな金額を借り入れられる可能性があるという利点があります。税理士さんに相談すると、スムーズに進みやすいでしょう。
出資
「融資」は毎月返済義務が発生しますが、「出資」は基本的に返済義務はなく、「自己資本」に計上されます。その結果、借り入れなどがしやすくなる、クラウドファンディングを資金を持った状態で始められるといったメリットがあります。
ここで気をつけたいのは、「出資」は返済不要ではあるものの、ファンドの投資契約書に書かれた「償還期限」までに、M&Aや上場、株式の買取をしてもらわないといけない点です。単に「お金が入っていい」と勘違いするケースがあるので、よく理解をしてから始めましょう。
補助金
「補助金」は返済不要ですが、金額が小さい・入金が遅いという点があります。会計上では「営業外」の扱いとなります。
クラウドファンディングの特徴
今回のメインテーマ、クラウドファンディングの特徴をおさえましょう。
「証券型」と「寄付購入型」の2つのタイプがある
「証券型」は「出資」と同様に、株式で資金を集める方法です。「寄付購入型」は寄付または商品を購入してもらう方法です。
広報価値が高い
クラウドファンディングは多くの人に少しずつ寄付を募る形になるので、1,000人から資金を集めれば1,000人に広報ができます。「融資」では一般的に広報はしませんし、「出資」ではプレスリリースするケースもありますが、一部の人にしか読まれません。そのため、クラウドファンディングの広報価値は高いと言えます。
金額は低めになりやすい 手数料や消費税もお忘れなく
クラウドファンディングで資金が1,000万円集まったというニュースを聞くことがありますが、それはまれなケースです。また、クラウドファンディングでは「手数料」がかかり、大手では20%程度の「手数料」がかかります。手数料がかかる反面、クラウドファンディングのサイトには集客力があるので、利便性は高いでしょう。また、手数料の他に消費税がかかることを知っておきましょう。
会計処理
クラウドファンディングは、「融資」「出資」と違い、予約販売に近い面があります。商品が未完成の段階で支援を募り、商品完成後に納品をします。会計処理は、支援者から資金を前借りして、納品前は「前受金」、納品後は「売上」になります。
代表的クラウドファンディング企業4社
代表的なクラウドファンディング企業4社をご紹介します。(①~③は「寄付購入型」、④は「証券型」)
①Makuake(マクアケ)
Makuakeはサイバーエージェントのグループ会社で、2019年に上場しました。ハイテク系の製品、「ものづくり系」に強いと言われています。②CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
CAMPFIREは「文化系」の趣味・遊び・音楽に強いと言われています。③READYFOR(レディーフォー)
READYFORは「ボランティア系」「社会貢献系」に強いと言われています。④日本クラウドキャピタル
日本クラウドキャピタルは「証券型」で、一番シェアをもつ企業です。FUNDINNO(ファンディーノ)という名称でサービスを提供しています。「証券型」は1人最大50万円まで株式を購入してもらいます。審査の通過率は低めですが、3,000万~5,000万円の調達ができるので、大きい金額を集めたい場合には「証券型」を使うのも一つの手法です。クラウドファンディングを実施する際のポイント7つ
クラウドファンディングを実施する際のポイント7つ
- ココ重要!
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- ①思いを伝える
- ②支援者集め
- ③リターン
- ④募集金額
- ⑤進捗状況
- ⑥同じようなパターンの事例収集
- ⑦ページ作成のコツ
ポイントその1:思いを伝える
クラウドファンディングの特徴は、「商品の現物がない時点で購入していただく」ことです。「これから、こういう思いでつくります」といった募集をしますので、支援者に思いを届けることが大事です。
ポイントその2:支援者集め
一般的に、募集の序盤で募集額の25%が集まっていないと、プロジェクトは盛り上がりません。支援者の出資額はU字型になると言われています。募集期間を30日間に設定したとすると、開始5日間ぐらいで25%が集まり、しばらく低迷した後、最後の駆け込みでU字型になるのです。スタートダッシュをするために、最初から友達、知り合い、SNSなどを通じて、なるべく広めて支援してもらいましょう。序盤に集客できないと、後で金額が伸び悩んでしまいます。
また、募集の方式には2つのタイプがあります。「All-or-Nothing方式」は、目標額を達成しないと集まった金額を一切受け取れません。「All-in方式」は集まった分の資金を受け取れますが、目標額に達しなかった時に支援者側への説明が難しくなりますし、実際に支援金が集まりにくくなります。集められるギリギリの募集額で設定し、勝負するのが一般的です。
ポイントその3:リターン
「リターン」とは、募集額を達成できた時の「特典」です。例えば、喫茶店を起ち上げる場合はコーヒーの無料券、カウンセリングの開業ならカウンセリング料を無料にするなどがお勧めです。なぜなら、コーヒーの無料券だと利用する人は50%ぐらいですし、カウンセリングは自分の時間を費やすことになりますが、ほとんどお金はかかりません。オリジナルグッズを特典とした場合、支援者全員分を配りますので、コストが大きくなる点に注意が必要です。
ここで「利用率」と「原価率」を考えてみましょう。グラフでは原価率を縦軸、利用率を横軸にとります。原価率50%、利用率50%の場合には、集まった金額の25%が原価になります。原価率50%、利用率100%の場合には、集まった金額の50%が原価です。このように考えると、「リターン」の設計がしやすくなります。
ポイントその4:募集金額
「いくら集められますか?」という質問を受けることがありますが、友達、知り合いからどのくらい資金を集められるかは見込みがつきやすいので、リストアップをぜひやってみてください。融資でもそうですが、「自分が出せる金額の何倍」という計算方法もあります。
また、期間を分けて募集をする方法もあります。例えば100万円の募集をしてプロジェクトを進めた後、また次のステップで100万円を募集する方法です。ただし、あまり細かくステップを分けすぎるとプロジェクトが長期間に渡り、「まだ出来あがらないのか?」と思われてしますので注意が必要です。
ポイントその5:進捗状況
プロジェクトの進捗状況は、支援者に積極的に共有してください。例えばお店をつくるとしたら、「資材がここまで集まりました」「今建築中です!」といった具合に小まめに発信することで支援者にワクワク感が出てきます。支援者に協力してもらい、一緒に進捗状況を広めると、プロジェクトの信用も得られます。
ポイントその6:同じようなパターンの事例収集
クラウドファンディングをしようと決めたら、同じキーワードで資金を集めている人を検索してみましょう。いい事例が見つからなければ、似たようなジャンルで探しましょう。支援金額が多いプロジェクトは成功事例なので、上位10件を見て、その10件にどのような共通点があるのか、分析することが重要です。
成功しているクラウドファンディングは、構成が上手です。文言・雰囲気・支援者への発信の仕方をぜひ参考にしてみてください。
ポイントその7:ページ作成のコツ
クラウドファンディングのランディングページを作るためには、チラシ→ランディングページ→クラウドファンディングのランディングページの順で作っていくと、必要な情報が視覚的に整理され、充実したページを作れるようになるでしょう。サイト訪問者がページを離脱するかどうかは、ファーストビューで決まります。以下は重要なポイントです。
①フィット(顧客と商品が合う)
②ベネフィット(良いこと)
③トラスト(信頼できる)
「フィット」と「ベネフィット」は、ファーストビューに必ず入れるようにしましょう。よくある失敗は「トラスト」から入れてしまうケースです。まず合うか合わないか(フィット)、どんないいことがあるか(ベネフィット)が、お客さんにとっては重要な事項です。表現は押しつけがましくならないように、お客さんの目線で書くとよいでしょう。
クラウドファンディングを成功させるポイント
進捗状況の発信
成功したプロジェクトは「進捗状況」を積極的に支援者に向けて発信し、共有しています。支援者に安心・信頼してもらえるように、写真を使用する、思いを伝えるなどして小まめに発信しましょう。発信が足りないと、支援者から「本当に商品ができるのか」と疑念を持たれてしまいます。
インフルエンサーに支援してもらう
クラウドファンディングは紹介で広まっていくものです。インフルエンサーに紹介してもらうと、広く支援者が得られます。紹介者には義理を欠かないよう気をつけましょう。とてもいい商品だと勧めたのに、できが悪かったり、いつまでもできあがらないと、紹介者の顔を潰すことになってしまいます。
納期を守る
支援者はプロジェクトの進行に興味を持ち、見守っています。納期を守ることは、信用上とても大事なことです。納品が大幅に遅れると、支援者の不信を招いてしまいます。たとえ工場の納品が遅れたとしても、発注者の責任になりますので注意しましょう。
ワークショップ
ここからは参加者の方々と弊社代表大久保が行ったワークショップの様子をご紹介します。
参加者の考えている商品・サービスの内容から、クラウドファンディングのサイトはREADYFORが合っているようです。起業のアイデアを具体化していくために、Googleシートを共有して具体的に記入をしていきました。
アウトプットの項目は「フィット」「ベネフィット」「トラスト」「解決したい社会課題」です。入力していただいた内容を大久保が確認し、フィードバックをさせていただきました。オンラインながら、熱心にメモを取るペンの音がさらさらと聞こえてきました。参加者の方々が起業のイメージを説明し、大久保からの質問をもとに、さらに起業のイメージを深めたり、頭の中を整理されたりしているのが伝わってきました。ビジネスアイデアの壁打ちは重要です。ぜひ今後の起業にお役立ていただければと思います。心より応援をしております。
創業手帳では、常に新しい情報を発信するために、小さなスキルアップが目的のセミナーから、著名人による大規模セミナーまで幅広く開催しています。
おわりに
ワークショップでのフィードバックを以下に記載いたします。記事をお読みいただいている読者のご参考になればと思います。
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- 顧客として想定している年代と同年代の人をファーストビューの写真で掲載する。
- 商品名でイメージできないものは、分かる言葉で言い換える。
- 「ベネフィット」は直接的なことだけでなく、後の幸せまでイメージがふくらむような表現で。
- クラウドファンディングサイトには、使用してはいけない「NGワード」があるので注意。
- 解決したい社会課題は、多くの人の心に訴える内容であるとよい。
- 具体的な数字や、図解があるとインパクトがある。
- 商品やサービスはYouTubeにアップするとよい。お金をかけなくてもインパクトがある。
クラウドファンディングの始め方から成功させるためのリターンやセールスポイントの書き出しまで深掘りした本セミナー。
会によっては最後に投票も行います。自分がどの事業にお金を出したいかをスマホでQRコードから投票して会場の反応を見ます。
発表の瞬間はワクワクでまさにクラファンゲームです。
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(編集:創業手帳編集部)