自分でもできる!「弥生のかんたん会社設立」を活用した自力登記のレビュー
法律知識ゼロから株式会社を設立した実体験レポート

「会社設立は専門家に頼むもの」というイメージから、最初の一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。筆者自身も、起業を決めた当初は「定款って何だろう」「一人で完結できるか自信がない」というレベルの理解度で、司法書士へ依頼するのが当然だと思っていました。
しかし、登録や書類作成を無料で始められる「弥生のかんたん会社設立」を活用したところ、自分で法人化の手続きを進められました。
本記事では、実際にサービスを使い倒した立場から、「どこが楽だったのか」「どこでつまずいたのか」を、アカウント登録から法務局への申請までの実体験として整理してお伝えします。
この記事の目次
会社設立は「自分でやる」が現実的な選択肢になっている

ここ数年で、会社設立のハードルは大きく下がりました。クラウド上で会社設立に必要な書類を自動生成できるサービスが複数登場しており、専門家へ丸ごと委託しなくても、自分の手で法人化を完結できる環境が整ってきています。
筆者がいくつかのクラウドサービスを調べた中で最終的に選んだのが、会計ソフトのシェアNo.1である弥生が提供する「弥生のかんたん会社設立」でした。筆者の感覚で、決め手となったのは以下の理由です。
- 画面ガイドが初心者向けで、シェアNo.1の弥生だからこその安心感があったこと
- 電子定款作成などは提携の専門家が引き受けてくれるので、自分で設立しても失敗しづらいと思ったこと
- 登録や書類作成は無料で始められ、電子定款に対応しているため、紙定款で必要な収入印紙代を抑えられると思ったこと
これらにより、法律知識のない筆者でも、画面に従って入力するだけで法人化までたどり着けました。
会社設立を自分でやるメリット

筆者が感じた「会社設立を自分で行うメリット」は、会社設立にかかるトータルの費用を安く抑えられること、経営理解の深化を同時に得られる点です。専門家である司法書士へ委託すると、一般的に7〜15万円ほどの司法書士報酬が発生します。しかし、自力で設立すればこの費用を節約できます。
なお、「弥生のかんたん会社設立」のメリットは、「ガイドのきめ細かさ」と「専門家が要所を引き受けてくれる安心感」です。事前に「専門家に頼まず自力でやるのは無理かも」と思っていた筆者でも、画面に従って入力することで、以下のような初心者にとっては難解な点も整理しながら進められました。
- 定款作成
- 登記書類の準備
- 設立後の各種届出書類の作成まで(何を準備し、どこに提出すればよいのか)
費用面と安心感を両取りできるのが、第三者目線で見た価値だと感じました。
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会社設立を自分でやる前に感じていた不安

着手前、筆者が抱えていた一番の不安は「分からないことが分からない」状態に陥ることです。実際に、定款・登記申請書・印鑑届書といった単語を見るだけで身構えてしまい、何から手をつければよいのか理解できていない状況でした。
司法書士に依頼すれば不安は解消されますが、「起業初期の貴重な資金は事業に回したい」という葛藤がありました。着手後に振り返ってみると、本サービスはまさに「分からないことが分からない」を解消する設計になっていました。
次に何をすべきかが常に画面に示され、専門用語にはその場で補足が出る設計のため、不安が積み重なる前に解消される感覚で進められました。
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弥生のかんたん会社設立の流れ

弥生のかんたん会社設立は、法律知識がなくても、画面の質問に答えるだけで必要書類が揃う設計です。
主な機能と特徴
入力情報をもとに会社の根本規則となる定款の原案が自動生成され、登記申請書や就任承諾書なども一括でPDF化されます。電子定款(PDF定款に電子署名を付与した定款)の作成自体は提携行政書士が代行する仕組みのため、専門資格のない筆者でも安心して進められました。
設立後の税務署・年金事務所・労働基準監督署・ハローワーク向けの主要な書類作成にも対応しており、会社設立後に必要となる手続きの抜け漏れを減らしやすい設計です。ただし、一部の書類は自動生成対象外またはサンプル提供にとどまるため、必要書類は画面案内や提出先の情報で確認する必要があります。
画面ガイドに沿ったフォーム入力
弥生のかんたん会社設立は、会社名・資本金・事業目的・役員構成といった項目を、画面のガイドに従ってフォームに入力していくだけで書類が完成します。
「発起人」「公告方法」といった耳慣れない用語にもポップアップ解説が用意されているため、用語につまずいて手が止まることがありませんでした。
電子定款対応の強み
弥生のかんたん会社設立は電子定款に対応しており、収入印紙代の4万円を節約できます。
紙で定款を作成すると、印紙税法上4万円の収入印紙が必要です。しかし、電子定款であればこの印紙代はかかりません。
ただし電子定款として完成させるには、PDF定款への電子署名と公証役場での認証が必須となる点は押さえておきましょう(合同会社の場合は定款認証が不要)。
利用料金について
弥生のかんたん会社設立は、定款や登記書類に必要な情報の入力・書類の自動生成まで無料で利用できます。
その後、「電子定款の作成」または「オンライン申請」へとステップを進める段階で、専門家による電子定款作成依頼料、もしくはオンライン申請のシステム利用料として5,500円(税込)が発生します。
なお「弥生会計 Next」を年契約する場合は、弥生が5,500円分を負担するため、この費用は無料です。筆者の場合、設立後の記帳のために弥生会計 Nextを使う予定だったので、結果的にこの費用も発生しませんでした。
実際の入力ステップを解説
弥生のかんたん会社設立を使用する場合、書類の提出方法には2パターンがあり、どちらを選ぶかで所要期間が変わります。1つ目は紙申請で、電子定款の作成を専門家に依頼し公証役場(定款を公的に認証する役所)や法務局へ持参する方式です。いずれにしても、専門家が定款のチェックを行うため、はじめて会社設立を行う方でも安心です。
2つ目はオンライン申請で、自身で定款や登記書類などに電子署名を行い、法人設立ワンストップサービスを通じてオンラインで申請する方式です。マイナンバーカードや電子署名環境などの事前準備が必要ですが、条件が整えば公証役場や法務局へ足を運ばずに手続きを進められます。
筆者はマイナンバーカードの準備や電子署名ソフトの導入が手間に感じたこと、また会社の実印を窓口で提出したかったことから、紙申請を選びました。今回のレビューも、紙申請をベースに進めた前提でお読みください。
アカウント登録の流れ
アカウント登録は1〜2分で完了します。

アカウント登録はあっさり完了しました。公式サイトの「無料で始める」ボタンから登録画面に進み、メールアドレスとパスワードを入力するだけで仮登録が済みます。届いた認証リンクをクリックすれば本登録が完了し、すぐにサービスへアクセスできました。
厳密には弥生IDの登録後にサービス側の登録手続きが入りますが、画面遷移に従えば一連の流れとして自然に進められます。
ログインと初期設定
ログイン後の最初の作業は、主に設立予定の会社形態を選ぶことです。
選択肢は株式会社と合同会社の2種類で、ここで選んだ形態に応じて以降の質問項目が動的に切り替わる仕組みになっています。

たとえば、株式会社では「取締役」と表現される役員の役割が、合同会社では「社員」と呼ばれます。
基本情報の入力手順
基本情報の入力は、会社の骨格を決める重要なフェーズです。ここでの入力内容が、そのまま定款と登記書類に反映されます。最初は身構えていましたが、実際にやってみるとストレスなく進められました。
会社名と所在地の設定
会社名と所在地は、将来も見据えて入力するのがポイントです。
会社名と所在地の入力では、定款と登記書類で必要な情報が違うことを画面で教えてくれます。定款に記載する所在地は都道府県と市区町村まで、登記書類には番地号までなど、これらは自分で調べていたらつまずいていた可能性が高いと感じます。
役員構成の入力
役員構成のステップでは、発起人(出資して会社を設立する人)と取締役の氏名・住所・出資額を入力します。
ここで一番ありがたかったのが、創業期は取締役1名・取締役会非設置の構成が一般的で、画面上でもこの形がデフォルト提案されたことです。
資本金は役員情報入力時に確定する
資本金の設定は、設立する会社の役員情報を入れる欄に出資金額をそれぞれ入力し、合計額が資本金になる仕組みです。

事業目的テンプレの設定
事業目的の入力は、業種別テンプレートの活用が効率的です。

業種ごとに用意された定型文から選ぶだけで適法性の高い文言が定款に反映され、ゼロから条文を考える必要がありません。「自分の業種だとどんな事業目的がよいか」を考える手間が省けたため、想像以上に簡単でした。
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定款作成のポイント
基本情報の入力が完了すると、入力内容をもとに定款のPDFが自動生成されます。
ただしこの段階のPDFはあくまでデータとしての定款であり、「電子定款」ではない点に注意が必要です。電子定款はPDF定款に電子署名を付与した時点で成立しますが、株式会社の場合はさらに公証役場での認証手続きが必要となります(合同会社は定款認証そのものが不要)。
電子定款の認証手続き
電子定款の作成は、画面案内に従って進めるだけで完了しました。大まかな流れは、以下のとおりです。
- 紙申請かオンライン申請か選択する
- 紙申請の場合は定款の確認や認証を受ける公証役場の選択、本人確認を行う
- 電子定款が納品される(PDFでダウンロード可能)
- 公証役場へ提出する書類を準備して、定款認証の手続きに続く

この前に、定款の受取人を設定したり、会社印を購入したりといった準備ステップが入ります。ここで作る会社実印は、後の登記申請で印鑑届書とともに使うものなので、忘れずに準備しておくとスムーズです。
紙申請で電子定款の作成を依頼した筆者の場合は、PDF定款に提携の専門家が電子署名を付与してくれます。その後、その電子定款を使って公証役場で認証を受ける流れになりました。
登記書類の作成方法
定款認証が完了すると、登記申請に必要な書類一式が自動で組み上がります。登記申請書・就任承諾書・払込証明書(資本金が払い込まれたことを示す書類)など、入力情報から各書類が一括で出力される仕組みです。
必要書類の自動生成
株式会社の登記には通常10種類前後の書類が必要となり、弥生では「次はこの書類」「次はこの書類」とチェックリスト形式で揃えていく方式です。必要となる代表的な書類は、以下のとおりです。
- 登記申請書
- 定款
- 発起人決定書
- 取締役の就任承諾書
- 払込証明書
- 印鑑届書など
実際に使ってみて、このチェックリスト方式が想像以上に助かりました。書類ごとに押印箇所と署名欄が画面上で明示されるため、「どこに何を押せばいいんだっけ」と毎回調べ直す必要がありません。
印鑑届書の準備
印鑑届書は、会社実印を法務局に登録するための書類です。紙申請では登記申請と同時に提出しますが、オンライン申請では印鑑提出は任意です。
紙申請の場合、印鑑届書は登記書類と一緒に弥生から自動出力されるため、ユーザー側で記入する必要はなく、押印のみで完成しました。「自分で書く欄が少ない」というのは、筆者にとってありがたいポイントでした。
法務局への提出手順
全書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。

全書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。なお、提出方式でどちらを選ぶかは前のステップで選択し、筆者の場合は紙での提出を選択しました。
また、法務局以外の設立後の手続き(税務署や年金事務所など)のオンライン申請にも対応しています。役所におけるさまざまな事務負担を軽減できる点は、実際に使用してみてメリットに感じました。
登記時の注意点
押さえておきたいのが、弥生のかんたん会社設立は、定款作成から登記申請まで一貫して同サービス内で進める仕組みになっていることです。
「自分で作成した定款をアップロードしてオンライン申請工程だけ利用する」「定款認証だけ対面で、登記はオンライン」といった部分利用はできない仕様なので、最初に申請方法を選んだら最後まで同じ方式で進める必要があります。
紙申請の場合
紙申請は、管轄法務局へ書類を持参または郵送する方式です。申請時に登録免許税分の収入印紙を貼付し、書類一式と合わせて提出します。郵送にも対応しているため、必ずしも法務局へ足を運ぶ必要はありません。
注意したいのは、申請が受理された日付がそのまま会社設立日になる点です。たとえば設立日を「1日」に揃えたい場合は、その日の窓口受付時間内に到着するよう逆算して動きましょう。
筆者も「キリのいい日付にしたい」というこだわりがあったので、ここは事前にしっかりスケジューリングしました。
オンライン申請の場合
オンライン申請は、マイナポータルの「法人設立ワンストップサービス」と連携して、自宅から登記申請まで完結できる方式です。ただし、マイナンバーカードとICカードリーダー(または対応スマートフォン)の準備が必須で、申請時にはカードを複数回連続で読み取る工程があります。
筆者は紙申請を選びましたが、オンライン申請をする場合、署名用・利用者証明用の各パスワードは事前に確認しておくのがおすすめです。設立日は申請データが法務局に到達した日となる点も、紙申請と同様に意識しておきましょう。
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会社設立のコストと工数を専門家に依頼した場合と比較

弥生のかんたん会社設立と司法書士委託の主な違いは、専門家報酬の有無です。司法書士に依頼する場合は法定費用に加えて報酬が発生するため、シンプルな会社設立であれば、弥生を使うことで費用を抑えやすくなります。
| 比較項目 | 弥生のかんたん会社設立 | 全部自力でやる場合(紙定款) | 司法書士に委託 |
|---|---|---|---|
| 専門家報酬・サービス料 | 税抜き5,000円※ | 0円 | 7万〜15万円 |
| 収入印紙代 | 0円(電子定款) | 4万円(紙定款)※2 | 0円(電子定款) |
| 定款認証手数料 | 1.5万〜5万円 | 1.5万〜5万円 | 1.5万〜5万円 |
| 謄本手数料 | 約2,000円 | 約2,000円 | 約2,000円 |
| 登録免許税 | 15万円 | 15万円 | 15万円 |
| 合計目安 | 約17万〜21万円 | 約20万〜25万円 | 約24万〜35万円 |
| 入力時間 | 5〜7時間程度 (個人差があります) |
情報収集・書類作成・修正対応を含めて15〜20時間以上かかることも | 自分での書類作成負担は少ないが、打ち合わせや確認作業は必要 |
※「弥生会計 Next」の年契約で無料
※2 電子定款の場合は不要
弥生のかんたん会社設立を使用した場合
弥生のかんたん会社設立を活用すると、株式会社の場合で17〜21万円程度に収まります。具体的な内訳は、以下のとおりです(資本金額や申請方法、定款認証手数料などによって変動します)。
- 弥生の電子定款作成依頼料5,000円(弥生会計 Next年契約で実質無料)
- 定款認証手数料1.5万〜5万円
- 謄本手数料約2,000円
- 登録免許税(資本金額の0.7%、15万円に満たない場合は最低15万円)
紙定款で自力設立する場合と比べても、印紙代4万円が丸ごと不要となり、費用を安く抑えられる点がメリットです。
画面ガイドに沿って入力するだけで書類が自動生成されるため、自力で進めた場合と比べて入力作業時間は半分以下に抑えられる感覚です。
また、オンライン申請を選べば法人設立ワンストップサービス経由で電子申請を進められるため、法務局への持参は不要になります。ただし、マイナンバーカードや電子署名環境などの準備が必要なため、事前に対応環境を確認しておく必要があります。
司法書士に委託した場合
司法書士に完全委託すると、法定費用に加えて報酬として7万〜15万円が発生します。
自分の作業時間は大幅に圧縮できますが、事業内容のヒアリングや書類確認のやり取りで、数回の打ち合わせは必要となります。報酬には書類作成・定款認証手続き・登記申請代行までが含まれるのが一般的で、設立後の各種届出を別料金とする事務所もある点に注意が必要です。
司法書士の活用が向いているのは、株主構成が複雑な場合、現物出資がある場合、海外居住者が役員に含まれる場合などです。シンプルなひとり会社や少人数の創業であれば、コストと事務負担の両面で弥生のかんたん会社設立を選ぶメリットが大きいのでは、という印象です。
弥生のかんたん会社設立を使ってみた感想
筆者自身は「定款って何だろう」というレベルの理解度からスタートしました。株式会社を設立した際に利用しましたが、画面の質問に順番に答えていくだけでスムーズに進められた点が印象的です。
専門用語に都度ガイドが表示され、電子定款は提携の専門家が監修・作成してくれる仕組みのため、法律知識への不安を抱えずに済みます。
なお、筆者は「できるだけ会社の設立費用を安く抑えたい」と考えていました。手間を抑えつつ、専門家にすべて依頼する場合よりも節約できるため、結果的に「使ってよかった」と感じています。
また、弥生のかんたん会社設立で入力した会社情報や設立費用などは「弥生会計 Next」と連携でき、開始仕訳の作成も支援されます。事業開始後の記帳へスムーズにつなげやすいため、本業に時間と労力を割きやすくなります。
まとめ
弥生のかんたん会社設立は、コストを抑えつつ自分の手で会社を立ち上げたい起業家にとって、有力な選択肢といえるサービスです。
書類作成機能は無料で利用でき、電子定款への対応で印紙代4万円も節約できます。司法書士へ委託した場合と比較して、7万〜15万円程度のコストダウンが見込めるのは大きな魅力です。
法人設立ワンストップサービス連携により、法律知識ゼロからでもオンライン申請まで完結できる設計です。設立後の経営にも活きる経験となるため、まずは無料登録から始めてみてはいかがでしょうか。
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