ユニークな福利厚生をジャンルごとに紹介!社員の満足度や幸福度を高めよう
中小企業でも導入できる福利厚生は多い

福利厚生の充実は、企業の競争力や生産性を左右する重要な経営戦略です。中小企業でも、工夫次第で導入できる福利厚生は数多く存在します。
また、2024年4月から労働安全衛生法が改正され、常用労働者数50人未満の事業場でもストレスチェックや高ストレス者への面接指導の実施が努力義務となりました。メンタルヘルス対策を含む健康経営への取り組みは、今後ますます重要になるでしょう。
本記事では、社員の満足度や幸福度を高めるユニークな福利厚生について、ジャンルごとに詳しく紹介していきます。優れた人材を確保するためにも、可能な範囲で福利厚生の充実化を図りましょう。
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この記事の目次
健康経営を実現するユニークな福利厚生

健康経営への投資は、従業員の医療費削減だけでなく、生産性向上や企業イメージの向上にもつながります。特に最近では、メンタルヘルス対策や予防医療への関心が高まっています。
社員のメンタルヘルス支援
メンタルヘルス支援は、現代の職場環境において欠かせない取り組みです。政府としても、働き方改革の一環で、メンタルヘルス対策の強化を挙げています。
たとえば、外部EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)の導入により、専門カウンセラーによる相談体制を整備する方法があります。外部EAPの導入により、専門家との電話相談やオンラインカウンセリングが利用可能です。
また、ユニークな取り組みとして「失恋休暇」や「推し活休暇」を導入する企業も登場しています。これらは一見遊び心のある制度に見えますが、従業員の感情的な回復をサポートし、仕事へのモチベーション維持につながる効果が期待できます。
フィジカルケアの支援
身体の健康維持は、仕事のパフォーマンスに直結する重要な要素です。昭和医科大学の研究によると、腰痛がもたらす年間の生産性損失は1,000人あたり約6,500万円にのぼると試算されました。
フィジカル面のケアの福利厚生で代表的なのが、フィットネスジムの利用補助です。月額3,000円〜5,000円程度の補助金を支給する形が一般的で、法人契約により通常料金の20〜30%割引を受けられるケースもあります。
整体・鍼灸院との法人契約も効果的な施策のひとつです。デスクワークによる慢性的な不調を改善でき、医療費削減にもつながります。
予防医療の支援
予防医療の支援は、将来の医療費削減と従業員の健康寿命延伸につながる福利厚生です。人間ドック費用補助を拡充し、基本健診に加えて、がん検診や脳ドックなどのオプション検査も補助対象とする方法があります。
花粉症対策支援として、花粉症治療薬の費用補助や空気清浄機の貸与などを実施する企業もあります。また、禁煙外来の治療費全額補助や禁煙成功者への報奨金支給など、禁煙サポートもユニークな福利厚生の一つです。
睡眠改善の支援
質の良い睡眠は、生産性向上と健康維持につながります。
たとえば、仮眠室の設置やシエスタ制度(昼寝制度)の導入です。15〜20分程度の短時間仮眠は、集中力回復に効果的であるといわれており、従業員のリフレッシュだけでなく午後の生産性向上につながります。
睡眠改善セミナーを開き、睡眠専門医や産業医による講習会を開催し、正しい睡眠習慣の知識を提供する福利厚生もあります。「寝具購入補助制度」は、マットレスや枕など、良質な睡眠に必要な寝具の購入費用を補助する制度です。また、睡眠計測デバイスを支給して睡眠データを可視化し、改善への意識づけを促進する方法もあります。
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働きやすい環境づくりを支援するユニークな福利厚生

多様な働き方を支援する福利厚生は、ワークライフバランスの実現だけでなく、従業員のエンゲージメント向上にも大きく貢献します。育児や介護、自己啓発など、個人のライフステージに応じた柔軟な働き方を可能にすることで、組織全体の生産性向上につながるでしょう。
リモートワークの導入
リモートワーク制度を導入し、自宅で働ける環境を整備する方法があります。通信費や光熱費をまかなうために、月額3,000円〜10,000円程度の在宅勤務手当を支給するケースもあります。あわせて、外部モニターやエルゴノミクスキーボード、ヘッドセットなどの購入費用補助も効果的です。快適な作業環境の整備は、生産性向上に直結するでしょう。
コワーキングスペース利用補助により、自宅以外の作業場所を提供することで、気分転換や集中力向上をサポートできます。月額1万円程度の補助により、全国のコワーキングスペースを利用可能にする企業も増えています。
フレックス勤務制度の導入
フレックスタイム制度の進化形として注目されているのが、コアタイムなしフレックス制度です。この制度では、月間の総労働時間さえ満たせば、出退勤時間を完全に自由に設定できます。
また、週4日勤務制度は、給与を維持したまま勤務日数を削減する画期的な取り組みです。時差出勤制度では、通勤ラッシュを避けた出社時間の設定が可能となり、ストレス軽減につながります。
育児や介護、通院などの事情を抱えている従業員のために、中抜け勤務許可制度を導入するのも選択肢の一つです。勤務時間中に一時的に業務を離れることを認める制度で、仕事と私生活の両立を支援できます。
ワーケーション制度の導入
ワーケーション(Work + Vacation)は、旅先で仕事をしながら休暇も楽しむ新しい働き方です。「リゾート地勤務制度」として、全国各地の提携施設で最長1ヶ月程度の勤務を可能にする方法が挙げられます。環境を変えることで創造性が向上し、新しいアイデアが生まれやすくなるという効果が期待できるでしょう。
地方移住支援として、地方への移住を希望する従業員に対し、引越し費用の補助や住宅手当の増額を行う制度も一考です。また、実家や配偶者の実家で勤務することを認める帰省先勤務許可などもあります。
時短勤務の導入
家庭の事情に合わせて、時短勤務制度の導入も検討に値します。たとえば、子どもの受験期間や親の通院付き添いなど、家族のサポートが必要な期間に時短勤務を選択できる「家族時短制度」です。期間は3ヶ月〜1年程度で、給与は勤務時間に応じて調整することが一般的です。
時短正社員は、週30時間程度の勤務でも正社員としての地位を有する雇用形態です。従業員本人の働き方の希望に応じて、柔軟な勤務形態を導入すれば、生産性やモチベーションが向上するでしょう。
ベビーシッター代補助の導入
ベビーシッター利用料の補助は、子育て世代の従業員にとって魅力的な福利厚生です。「月額上限5万円〜10万円」「実費の5割〜7割」などの条件を設けて、ベビーシッターの利用代を補助する制度です。
提携ベビーシッター会社との法人契約により、通常料金から20〜30%の割引を受けられる制度もあります。事前面談や研修を受けた質の高いシッターを派遣してもらえるため、保護者も安心して利用できるでしょう。病児保育サービスの費用補助があれば、子どもの急な発熱などで通常の保育園に預けられない場合でも、安心して病児保育を利用できます。
ペットフレンドリーオフィスの導入
ペット同伴出社制度は、従業員のストレス軽減と職場の雰囲気改善に効果的です。専用スペースの用意やアレルギーを持つ従業員への配慮は欠かせないものの、ペットを飼育している従業員にとってありがたい福利厚生です。
ペット関連の福利厚生として「ペット忌引き休暇」があります。ペットとの別れに際し、通常の忌引きと同様に1〜3日程度の特別休暇を付与することで、従業員の感情的なケアができます。
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人材育成につながる社内のユニークな福利厚生

人材育成への投資は、企業の持続的成長に欠かせない戦略的な取り組みです。従業員のスキルアップを支援する福利厚生は、個人の成長と組織力向上の両方を実現する重要な施策です。
資格取得支援制度の導入
資格取得支援は、従業員のスキル向上と企業の競争力強化を同時に実現する効果的な制度です。たとえば、業務に関連する資格や将来的に活用可能な資格の取得を、経済的に補助する福利厚生があります。
さらに、資格手当の充実により取得のモチベーションを維持できます。資格の価値に応じて月額3,000円〜30,000円の手当を支給し、複数資格の取得を奨励する企業もあります。合格祝い金として5万円〜50万円を支給することで、さらにリスキリングへの動機づけを強化できるでしょう。
留学・研修プログラムの導入
グローバル展開をしている場合、グローバル人材の育成につながる福利厚生を検討しましょう。2週間〜3ヶ月程度の期間で、海外拠点での実務経験や語学研修を支援する短期海外研修制度が代表例です。
また、国内大学院通学支援として夜間や週末のビジネススクールへの通学を支援し、学費の7割〜全額を補助するケースもあります。
書籍購入補助制度の導入
知識や最新情報のインプットを促進する書籍購入補助は、費用対効果の高い人材育成施策です。月額書籍購入費として3,000円〜10,000円を支給し、ビジネス書だけでなく教養書も対象とすることで、幅広い知識の習得を支援できます。
デジタルデバイスを活用し、電子書籍読み放題契約の導入も効果的です。Kindle Unlimitedやdマガジンなどのサービスを法人契約して従業員に無料で提供すれば、手軽にビジネス雑誌に目を通し、最新のビジネストレンドにキャッチアップできます。
メンター制度の導入
メンター制度は、経験豊富な先輩社員が後輩の成長をサポートする仕組みで、知識やスキルの伝承に効果的です。社内メンター制度では、部署を越えたメンタリングを推奨し、多様な視点からのアドバイスを受けられます。
外部コーチング支援では、プロのキャリアコーチによる1対1のセッションを提供します。1時間程度のセッションを半年〜1年間継続し、仕事との向き合い方や将来のキャリアビジョンなどをざっくばらんに話すことで、キャリアの方向性が明確になるかもしれません。
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社員の家族向けのユニークな福利厚生とライフイベント支援

人生の節目となる結婚、出産、育児、介護などのライフイベントは、従業員にとって大きな転換点です。これらの場面で企業が適切な支援を提供することで、仕事への集中力を維持し、キャリアの継続を支援できます。
女性の出産・育児支援
出産・育児支援の充実は、女性活躍推進の観点からも極めて重要な施策です。出産祝い金の付与や企業内保育所の設置など、経済面でも環境面でも女性をバックアップすれば、女性の活躍をサポートできます。
また、男性育休取得の推進も効果的な取り組みです。育休取得者の給与を100%保証し、最初の1ヶ月は有給扱いとする制度や、「パパ・クオータ制」として男性のみが取得できる育休期間を設ける企業もあります。
介護支援
高齢化社会の進展により、介護と仕事の両立支援は喫緊の課題です。介護離職が起こってしまうと、企業にとっても従業員にとっても打撃となります。たとえば、介護休業を拡充する福利厚生を導入すれば、仕事と介護の両立がしやすくなるでしょう。法定の93日を超える休業を認めたり、介護サービス費用の補助をしたりする制度が代表例です。
介護セミナーの開催により、介護の基礎知識や公的支援制度の活用方法を学ぶ機会を提供する方法もあります。また、専門家に相談できるサービスを契約することで、相談しづらい介護の悩みを解消できるかもしれません。
結婚祝い金制度
結婚に関して、企業からの祝福は従業員のロイヤルティ向上につながります。また、新婚旅行特別休暇として、通常の有給休暇とは別に5〜10日間の特別休暇を付与する福利厚生もあります。
毎年の結婚記念日に特別休暇を付与する「結婚記念日休暇」という制度を導入する企業もあります。夫婦の絆を深める機会を提供し、家庭での充実度を高めることで、仕事へのモチベーション向上が期待できるでしょう。
家族向けのアニバーサリー
家族の記念日を大切にする企業文化は、ワークライフバランスの実現につながります。家族の誕生日休暇や子どもの学校行事休暇など、家族と過ごす時間を確保できるように支援する福利厚生が代表例です。企業によっては、半日単位での取得も可能とし、午前中の行事参加後に出社できる柔軟性を持たせています。
長期勤続者を褒賞・サポートするユニークな福利厚生

長期勤続者への適切な評価と支援は、企業への帰属意識を高め、知識やノウハウの継承を促進する重要な施策です。
長期勤続者の功績を称える制度やセカンドキャリアまでサポートする制度など、自社に適した福利厚生の導入を検討してみてください。
勤続年数別の特別手当の導入
永年勤続表彰は、従業員の長年の貢献に対する感謝を形にする福利厚生です。5年勤続で10万円、10年勤続で30万円といった段階的な報奨金に加え、休暇を付与する制度が考えられます。カタログギフトや旅行券など、受賞者が自由に選べる形式を導入するのも面白いかもしれません。
退職金・年金制度の導入
老後の生活保障は、従業員が安心して長期勤続できる基盤です。退職金・年金に関連する福利厚生制度を導入すれば、安心して働ける環境を提供できます。たとえば、企業型確定拠出年金は従業員自身が運用商品を選択し、老後資産を形成できます。企業の掛金に加え、従業員の追加拠出(マッチング拠出)を認めることで、より充実した老後資金の準備が可能になります。
退職金前払い制度は、退職金相当額を在職中に分割して支給する選択制の制度です。月額2万円〜5万円程度を給与に上乗せすることで、現在の生活の充実と将来への備えを従業員が選択できます。
復職支援制度・セカンドキャリア支援の導入
出戻り制度(アルムナイ採用)は、一度退職した従業員の再雇用を積極的に行う制度です。他社での経験を積んだ人材が、新たな知識やスキルを持って復帰することで、組織の活性化につながります。
退職時の職位や給与を考慮した処遇により、スムーズな復職を支援します。アルムナイネットワークを構築し、定期的な交流会を開催する企業も増えています。50歳以上の従業員を対象に、キャリア研修や資格取得支援を提供するセカンドキャリア支援を導入する企業もあります。
社内での役職定年制度と併せて、新たな役割での活躍機会を創出することにより、モチベーション維持につながるでしょう。
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企業の文化を醸成するユニークな福利厚生

企業文化の醸成は、組織の一体感を高め、従業員エンゲージメントを向上させるうえで効果的です。強い企業文化を醸成し、従業員の帰属意識を高める革新的な福利厚生制度を紹介します。
社内交流イベントの導入
部署間の壁を越えた交流は、イノベーション創出と組織活性化につながります。部署横断ランチ会補助やワーケーション旅行など、リフレッシュとチームビルディングを目的としたイベントが考えられます。
社内カフェスペースを設置し、バリスタマシンや軽食を提供すれば、リフレッシュだけでなく交流の場を確保できます。雑談を通じて新しいアイデアや生まれることもあり、結果的に生産性の向上につながるかもしれません。
部活動支援制度の導入
部活動は、業務外での交流を深め、チームワークを醸成する効果的な福利厚生です。部活動費補助として、1団体あたり年間10万円〜30万円を支給し、活動に必要な用具購入や施設利用料をサポートする制度が考えられます。
表彰・報奨制度の導入
従業員の貢献を適切に評価し、称賛する福利厚生も、企業の文化を醸成するうえで効果的です。
たとえば、ピアボーナス制度は従業員同士が互いの良い行動や成果を評価し、少額のボーナス(1回500円〜1,000円程度)を送り合う仕組みです。感謝の可視化が可能になり、ポジティブな組織風土の醸成につながります。
最も活躍した従業員を選出し、賞金や特別休暇を授与するMVP表彰制度も一つの方法です。社長自らが選定する特別賞を設けて、経営層との距離を縮め、従業員のモチベーション向上を図ることも従業員のモチベーション向上につながるでしょう。
周年記念
企業の節目を従業員と共に祝うことは、組織への愛着を深める重要な機会です。創立記念日特別休暇として、毎年の創立記念日に全社一斉休業や特別休暇を設定する企業もあります。
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福利厚生を充実させるメリット

福利厚生の充実は、企業価値を高める戦略的投資でもあります。
特に昨今は人材獲得競争が激化するなか、福利厚生は企業選択の重要な判断基準となっています。充実した福利厚生は優秀な人材を惹きつける強力な武器となるため、事業投資の一環としてとらえることが大切です。
従業員の満足度・幸福度が向上する
福利厚生の充実により、「会社から大切にされている」という実感を従業員に与えられます。その結果、従業員の満足度・幸福度が向上し、企業全体のパフォーマンスに好影響をもたらすでしょう。
福利厚生の充実化は、「精神的な安心感」だけでなく、職場への愛着心・帰属意識の醸成にもつながります。「この会社で長く働きたい」という気持ちを強化でき、ワークエンゲージメントが向上することで、長期勤続や新しいアイデアの創出なども期待できます。
採用競争力を強化できる
福利厚生の充実により、求人応募数の増加が期待できます。マイナビの調査によると、企業に対して安定性を感じるポイントとして最も多かった回答は「福利厚生が充実している」で57.3%でした。「福利厚生の充実度」は企業選択の重要な要素であり、特に「交通費支給制度」や「住宅手当・家賃補助制度」など、生活費の負担を軽減させる制度を求める学生が多い傾向です。
新卒だけでなく、中途採用時にも福利厚生は重要な要素です。福利厚生の充実により企業ブランドが向上し、応募が増加することにより、人材確保の面で有利になるでしょう。
離職率を下げ定着率を向上できる
離職率の低下は、福利厚生の充実化で期待できる効果のひとつです。特に、メンター制度や資格取得支援などの成長を支援する制度があれば、若手社員の定着率向上に寄与します。
知識・ノウハウが蓄積すると、企業の競争優位性にもつながります。優秀な社員が長期的に定着すると、ノウハウや経験の流出を防げるため、自社製品やサービスの品質を維持・向上できるでしょう。
生産性が向上する
福利厚生を充実化させ、ワークライフバランスを改善すると従業員の創造性が向上します。また、リフレッシュ休暇や柔軟な働き方を導入すると、新規事業アイデアが生まれたり集中力が高まったりして、生産性の向上にもつながります。
社内交流イベントや部活動支援により、部署間の連携がスムーズになると、コミュニケーションも活発化するはずです。その結果、心理的安全性の高い職場環境が形成され、積極的な情報共有や建設的な議論が期待できるでしょう。
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中小企業でも導入可能なユニークな福利厚生のロードマップ

中小企業における福利厚生の導入は、限られた予算と人的リソースのなかで最大の効果を生み出す戦略的なアプローチが必要です。
中小企業の強みは、意思決定の速さと柔軟性、従業員との距離の近さです。ニーズを的確に把握し、即座に制度へ反映できる利点を活かすことで、コストパフォーマンスに優れた福利厚生の導入を実現できるでしょう。
社員からのニーズを調査する
従業員ニーズの正確な把握は、効果的な福利厚生制度を設計する出発点です。従業員アンケートを通じて、どのような福利厚生を求めているのか、本音を引き出しましょう。年代別にニーズが異なる可能性が想定されるため、世代間のバランスを考慮し、全従業員が恩恵を受けられる制度を検討することが大切です。
予算計画を立てる
福利厚生制度を持続させるためには、現実的な予算計画が欠かせません。初期投資と運用コストの試算では、導入時の一時的な費用と、継続的に発生する運用費を明確に分離して検討しましょう。
費用対効果のシミュレーションにより、投資判断の根拠を明確化します。離職率が1%改善した場合の採用コスト削減額や、生産性が5%向上した場合の売上増加額など、定量的な効果を試算しましょう。
段階的に導入する
優先順位の決定では、「効果の大きさ」「導入の容易さ」「コスト」の3軸で評価します。まずは低コストで導入しやすく、効果が見えやすい施策から開始することが重要です。
たとえば、誕生日休暇や書籍購入補助など、予算規模が小さく従業員満足度が高い制度は導入が容易です。ニーズが高い制度を把握したうえで、計画的に新しい制度を展開しましょう。
効果測定を実践する
KPI設定により、福利厚生の効果を定量的に把握します。利用率や従業員満足度、離職率など、具体的な数値目標を設定します。四半期ごとに進捗を確認し、必要に応じて制度の見直しを行いましょう。
定期的なアンケート実施により、制度への評価と改善要望を収集することも効果的です。本当にニーズに応えられているのか、コストパフォーマンスは見合っているのかを測定しましょう。
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まとめ
福利厚生の充実は、単なる従業員への恩恵ではなく、企業の持続的成長を支える戦略的投資です。特に人材獲得競争が激化する現代において、魅力的な福利厚生は優秀な人材を惹きつけ、定着させる強力な武器となります。
中小企業であっても、従業員のニーズを的確に把握しつつ段階的に導入することで、大企業に劣らない魅力的な福利厚生制度を構築できます。重要なのは、完璧な制度を最初から目指すのではなく、自社の規模や文化に合った制度を選択し、継続的に改善していくことです。
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(編集:創業手帳編集部)






