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教えて先生!Q&A2015年7月29日
小計・合計・総計・計の違いや使い分け方とは?
Excelの表や経理業務などで頻繁に目にする「小計」「合計」「総計」「計」。
身近な言葉ですが、意外に正しく使い分けられていないケースも見られます。経営上の数字を正確に伝えるためにも、それぞれの違いや使い方などを改めて押さえておきましょう。
小計とは、一部分の項目を合算した数字を指します。英語にするとsubtotalです。“小”や“sub”の部分が示している通り、全体を合算したものではありません。「何らかのグループとして括った数字を足したもの」と言い換えても良いでしょう。
対して合計とは、小計同士を合算した数字、もしくは小計と何かを合算した数字を意味します。英語では基本的にtotalです。
最も身近で分かりやすい例の一つは、店舗のレジで手渡されるレシートです。
例えば、以下のようなレシートがあったとします。
【領収証】
おにぎり ¥120
お茶 ¥135
————————————
小計 ¥255
外税8% ¥ 20
————————————
合計 ¥275
この場合、おにぎりやお茶といった品物そのものの金額を小計として合算し、それらに対する消費税をさらに足した上で、合計金額として記載しています。
上記は簡略化した例ではありますが、レシートは概ねこの形式が基本となっているので、手近なレシートでも確認することができます。
さて、ビジネスシーンにおいては、小計と合計のみで項目が足りる場合もあれば、それでは不足してしまうケースも出てきます。例えば、請求書や領収書などの書類は「小計」と「合計」があれば十分な場合も多いのですが、詳細な売上集計や分析を行うには、さらにもう1段階増やしてトータルしたい状況もあるでしょう。
この場合、合計よりもさらに大きな括りである「総計(総合計)」を使う方法があります。
総計(総合計)とは、“総”の文字が表すように全ての合計を意味します。英語にするとgrand totalです。
では、「計」は一体どのように使えば良いのでしょうか。
計は、単に何かの合算を示す言葉なので、小計、合計、総計、いずれの意味にもなり得ます。どの意味で使われているのかは、表・書類の全体や数字から判断する必要があります。
したがって、資料上で項目名をただ「計」とだけ記載すると、数字の定義が曖昧になる可能性が生じます。合算するのが1カ所だけのシンプルな資料や書類ではあまり問題ありません。しかし、計算の多い複雑な表やフォーマルな会計書類では、使い方に注意した方が良いでしょう。
もし計を使うのであれば、例えば「上半期計」「関東グループ計」などとして、対象となる期間や内容を具体的に記載すると、数字の意味も明確にすることができます。
そして裏を返せば、計は任意の項目を作るのに使いやすい言葉とも言えるので、小計、合計、総計とは違う角度から集計したい場合などにも役立ちます。詳細な売上報告書や、多角的な分析をしたい資料では、「〇〇計」を上手く取り入れて項目を整理すると良いでしょう。
ここまでを簡単にまとめると、以下のような形になります。
・数字を2段階の大きさで合算・集計したい場合
小計 < 合計
・数字を3段階の大きさで合算・集計したい場合
小計 < 合計 < 総計(総合計)
・その他用途に応じて〇〇計といった項目を設けたり、計のみを使ったりすることが可能
その他に関連する用語としてよく挙げられるのは、「中計」や「累計」といった言葉です。
中計は、それほど一般的なビジネス用語ではありませんが、一部の経理ソフトや、建設業の見積・積算業務などで使用されています。文字通り、中項目や中間の合算結果を表す言葉です。
合計や総計と併せて使う場合もありますが、どちらかというと、小計<中計<大計<大大計…という形で使われる機会が多くなります。
累計は合計に似た形で使用されますが、積み重ねてきた数字、これまでの累積という意味が強い言葉です。
例えば、今年度の売り上げをトータルした数字を出したい時に、「今年度の売上合計」と「今年度の売上累計」のどちらを使っても構いません。出てくる数字も当然同じになりますが、合計の方は単純に「各月の合算」であるのに対し、累計の方は「4月+5月+6月…と積み重ねた結果」という意味合いが強くなります。
したがって、進捗状況や中間報告など途中経過の数字を共有する際には、累計を使うのが向いているでしょう。「現時点までの積み重ねでこの数字が出ている」という意味を端的に示すことができます。
また、累計はプロモーションの場面でもよく使われています。
「シリーズ累計100万部突破!」や「累計販売台数1000万台」などのフレーズを用いると、見る人に、商品がベストセラーやロングセラーだという印象を与えやすくなります。
販促物などを制作する際には、累計と合計のニュアンスの違いを意識し、うまく使い分ける工夫をしてみると良いでしょう。
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