ホーム > 教えて先生!Q&A > グループ会社と子会社と連結子会社の違いは?
用語

グループ会社と子会社と連結子会社の違いは?

「グループ会社」、「子会社」、「連結子会社」の定義、違いと使い方についてくわしく説明します。
グループ会社とは、資本において親子関係にあたる一連の会社を意味する総称です。一連の会社には親会社、子会社、連結子会社などが含まれており、会計上の正しい名称は関係会社と呼ばれます。この親子関係の中で、子会社とは50%超の議決権を親会社に保有されている会社連結子会社とは親会社の連結財務諸表に連結して掲載される子会社を意味します。

これら3つの用語の定義と使い方について順に説明します。
はじめに前提として、会社は自社以外の会社の株を保有する場合があり、自社以外の管理をすることもできます。これは経営の意思決定を早めることや、事業のリスクを分散するためで、会社間の資本の関係によって様々な形態があります。
ここで、自社以外を支配する会社を親会社と呼び、会社法第2条第4号で、親会社の定義は次の通りとされています。
・株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう

なお、支配とは議決権があることを意味しており、会社法309条の株主総会の決議において、会社が発行する株式の50%超を保有する場合、株主総会の普通決議を単独で成立させることができます。

それでは本題に戻りますが、まず、グループ会社は親会社とその資本関係にある子会社、関連会社をまとめた会社全体の総称です。それぞれの会社の定義は以降で説明しますが、資本の関係がある会社という意味で、会計上の正しい名称としては関係会社と呼ばれます。この会計の法律は、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則の第8条8項というものです。
グループ会社はビジネス用語として広く使用されますが、会計上は関係会社となりますので、混同しないよう注意しなければなりません。

次に、子会社は議決権のある株式の50%超を親会社に保有されている会社です。会社法第2条第3号で、子会社の定義は次の通りとされています。
・会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社が経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう

このように、子会社は親会社によって支配されることとなり、経営の意思決定が行われますが、親会社にとって子会社を支配するという定義は、財務諸表等規則第8条第4項に次の3通りがあります。
1. 議決権の50%超を所有している場合
2. 議決権の40%以上を所有しており特定の者の議決権とあわせて50%超を所有している場合、または一定の要件に該当する場合
3. 特定の者の議決権とあわせて50%超を所有している場合、かつ一定の要件に該当する場合

ここで定義されている一定の要件とは、取締役会等の構成員の50%超が親会社の役員であることや、事業の決定に関わる契約、資金調達の過半の融資などがあります。この条件に該当すれば子会社となり、該当しない場合は以降に説明する別の形態の会社となります。

最後に、連結子会社は子会社の中で親会社の連結財務諸表に連結して掲載される会社です。基本的に、子会社は全て親会社の連結の対象となりますが、対象外にする場合もあり、これを非連結子会社と呼びます。対象外の条件は、親会社による支配が一時的であることや、子会社の損益が関係会社にとって重要でないと判断される場合があります。

ここまでで、各会社のそれぞれの定義と違いをまとめると、次の通りとなります。
・グループ会社(ビジネス上の総称) ≒ 関係会社(会計上の正式名称)
資本の関係がある親会社、子会社、関連会社を含む一連の会社

・子会社は議決権のある株式の50%超を親会社に保有されている会社、連結子会社は子会社の中でも親会社の連結財務諸表に連結して掲載される会社
・各会社は定義と位置づけが異なる。グループ会社は一連の会社の総称であるのに対して、グループ会社の中で親会社に支配されるのが子会社、子会社の中で親会社と連結して財務諸表に掲載されるのが連結子会社

また、親会社と子会社の関係に該当しないものとして、関連会社があります。
関連会社の定義は、会社計算規則第2条第3項第18号によって、会社が子会社以外の他の会社等の財務および事業の方針の決定に対して、重要な影響を与えることができる場合での子会社以外の会社等、とされています。この重要な影響を与えることができる場合とは、次の3つの場合が該当します。一定の要件とは、子会社での定義と同様のものです。
1. 議決権の20%以上を所有している場合
2. 議決権の15%以上を所有している場合、かつ一定の要件に該当する場合
3. 特定の者の議決権とあわせて20%以上を所有している場合、かつ一定の要件に該当する場合

ちなみに、この関連会社と先ほどの非連結子会社は原則として、投資の持ち分を株式の評価に反映させる持分法が適用されるため、持分法適用会社と呼ばれます。持分法適用会社の純資産や損益は、連結計算書類にて部分的に反映されることとなります。

以上のように、グループ会社(関連会社)と、その中で親会社に支配、連結財務諸表に連結して掲載される子会社や連結子会社、そして親会社から重要な影響力を与えられる関連会社の定義と位置づけの違いを正しく理解して使い分ける必要があります。

カテゴリ 用語
関連タグ 出資 子会社 経営
上記をはじめ経営に役立つ情報の詳細は、累計200万部突破の「創業手帳」に記載があります。今月号を無料で差し上げています。
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

この記事を読んでいる方に編集部からおすすめ

起業スタイルに合わせて無料で最適な税理士をご紹介します。

起業すれば必ず必要になるビジネスパートナーが税理士ですが、玉石混交ともいえる税理士の中から自分の身近なネットワークだけで最適な税理士を見つけるのは困難です。創業手帳ではコスト重視、業種・業界専門特化、マルチタイプ専門など、事業のフェーズに合わせて無料で税理士をご紹介させていただきます。

今すぐ
申し込む
【無料】