最大150万円!JETRO外国出願助成金の二次募集受付中
二次募集に間に合わなくても、来年に向けて準備しておくのが吉
(2015/08/10更新)
平成27年度のJETRO外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)二次募集が始まっています。平成27年8月5日(水曜日)から同26日(水曜日)までですので、外国出願を検討していらっしゃる企業であれば今すぐ準備をすればまだ間に合います。
補助率は助成対象経費の1/2までで、特許であれば最大で150万円、商標の場合でも最大60万円の助成金が得られるチャンスですので、外国出願を検討中の企業は必見です。以下では、中小企業にとっても身近な商標についての助成金を中心として説明します。
この記事の目次
平成27年度 JETRO外国出願費用助成金(二次募集)の概要
平成27年度のJETRO外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)二次募集の概要は、以下の通りです。
(ここでは、商標についての助成金の要点のみ触れます。特許等の情報を含めた詳細は、JETROのウェブサイトをご覧ください。)
申請資格
申請資格としては、弁理士の協力が得られること等いくつかありますが、最も重要なのが「中小事業者」に該当するか否かです。以下の表のとおり、業種によって要件は異なりますが、「又は」ですので、資本金要件か従業員数要件のどちらかを満たしていれば「中小事業者」に該当することとなります。
業種 | 資本金及び従業員 |
製造業、ソフトウエア業、情報処理サービス業、建設業、運輸業、その他 | 3億円以下又は300人以下 |
卸売業 | 1億円以下又は100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下又は100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下又は50人以下 |
助成対象経費
既に日本国特許庁に行っている出願と同一内容の外国出願であって、採択決定後かつジェトロが定める期限までに出願を行う予定のものについての出願手数料、代理人費用、翻訳料等です。諸税や、出願以降に支払う費用、日本国特許庁に支払う印紙代等は対象外です。
出願形態は、直接出願でもマドプロ出願でも構いませんが、日本で既に出願又は登録している内容と同一であることが必要である点に注意してください。
補助率・補助上限額
補助率は、助成対象経費の2分の1です。
補助上限額は、海外進出に伴う商標出願であれば60万円、冒認対策の商標出願であれば30万円が限度となります。
なお、冒認対策出願とは、第三者による抜け駆け出願への対策を目的とした出願をいいます。当面外国進出予定がない場合でも出願できる代わりに、助成限度額は低く設定されています。
申請期間
平成27年8月5日(水曜日)から同26日(水曜日)17時まで
申請準備にかかる時間を考えると、もうあまり余裕がありませんので、大至急準備する必要があります。また、そんなに急いでいないようであれば、後述するように来年のジェトロ助成金に向けて準備をしたり、自治体の助成金制度を検討したりするのも一案です。
申請する上での注意点・ポイント
審査は原則書面のみで行われます。したがって、申請書類に記載不備等がありますと受理してもらえません。募集要項をよく読み込んで記載するか、申請支援をしている弁理士に依頼することをお勧めします。
また、審査のポイントは、公開されているものとしては以下の三つが挙げられます。
- 先行調査の結果を踏まえ、外国における権利取得可能性が高いと考えられるもの
- 海外での事業展開計画又は冒認対策の意志がある企業
- 外国出願に必要な資金能力・計画を有している企業
これを見ると、海外で商標等の知的財産権を取得する強い必要性を有し、それが実現できる可能性が高い企業に支給したいという意図が読み取れます。
より細かな記載のポイントは審査委員会の立場に立って考えてみるとよくわかるのではないでしょうか。審査委員会としては、公的な助成金の支給先を決めるわけですし、その後どうなったかのフォローアップ調査も行うわけですから、できる限り助成金が生きガネになってほしいのです。
したがって、記載する上では、この企業なら計画通りに実現できるだろう、助成金を活かしてくれるだろうという心証を抱かせるようなプランや文章力が必要になってくるということです。
申請期限に間に合わない!そんな時は?
このジェトロ中小企業等外国出願支援事業のほかにも、各自治体が外国出願の助成制度を用意していますので、それを当たってみるのが一つの手です。ただ、年度ごとの事業なので遅くとも9月いっぱいで申請期間が終わってしまうケースがほとんどだと思われます。
そんな時は、来年の助成金申請に向けて準備をしておくことをお勧めします。上で述べたように、審査員としては書面を通して助成金を活かしてくれるであろうことが伝わってくる企業に助成金を出したいという想いが強いです。
そこで、書面にしかるべき内容が書けるよう、弁理士と相談の上諸準備をして、来年の申請で採択される確率を上げる努力をしておくことがお勧めです。
まずは、理路整然とした事業計画を立てて、それを裏付ける資金や商標戦略を用意すること。これは、助成金のためだけでなく、貴社の海外進出の成功にも大きく資することになると思われます。
まとめ
政府としては外国へ進出する企業を支援する体制を整え、そのための制度を少なからず用意しています。特に外国出願を考えている企業にとっては、助成金の情報を収集して活用することは必須ですし、弊所でも、助成金が使えるケースの場合は積極的に提案するようにしています。
海外進出でさらなる成長を目指すきっかけとして、外国出願助成金を活用しましょう。
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(取材協力:「ベンチャー支援・外国商標・マドプロに強い商標専門事務所」
フルブルーム国際商標事務所 髙橋伸也 弁理士)
(編集:創業手帳編集部)