ファクタリングの気になる安全性は?危険といわれる理由や利用する際のポイント

ファクタリングは本当に安全?仕組みとリスクを正しく理解しよう


ファクタリングは、売掛金を現金化できるため、中小企業や個人事業主にとって有効な資金調達方法のひとつとされています。
一方で、「安全なのか」「違法ではないのか」「悪質な業者もあるのでは」といった不安の声があるのも事実です。

この記事では、ファクタリングの基本的な仕組みや安全性、利用する際に知っておきたいリスクや注意点についてわかりやすく解説します。
安心して活用するために、まずは正しい知識を身につけておいてください。

ファクタリングは安全なのか?


資金調達の方法としてファクタリングという選択肢もありますが、本当に安全なのか気になる人も多いはずです。まずはファクタリングの安全性について解説します。

ファクタリング自体は合法な資金調達

ファクタリングに対して「怪しい」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、ファクタリングは売掛債権の譲渡契約によるものであり、債権譲渡は民法でも認められているため、合法の資金調達方法です。
中小企業庁が公表する資料の中でも、ファクタリングに対して「手形に依存しない決済方法」として紹介されています。

実際、2020年4月1日の債権法改正で、譲渡制限特約が付いた債権は譲渡できませんでした。
しかし、改正後は特約がついていても原則有効となり、企業にとってより使いやすくなりました。

ただし業者選びを間違えるとトラブルもある

ファクタリングは合法の資金調達方法であり、違法性はないものの、業者選びを間違えてしまうことでトラブルに発展するおそれもあります。
経済産業省では消費者庁や金融庁などと連携し、監視体制の強化を図っていますが、監視の目をかいくぐり、悪質なサービスを提供するファクタリング業者も見受けられます。
トラブルに巻き込まれないためにも、安全な業者を見極めることが大切です。

ファクタリングの仕組み


ファクタリングを活用する前に、その仕組みについて理解しておく必要があります。次に、ファクタリングの仕組みや種類について解説します。

売掛債権を売却し、現金化するサービス

ファクタリングは、入金期日前の売掛債権を売却し、現金化できるサービスです。一般的な貸付とは異なり、保証人や担保を確保する必要がありません。
融資に比べるとスピーディーに資金調達ができることから、今すぐに現金を用意しないといけない場合などに活用されることが多いです。

ただし、売掛債権を売却する際に手数料が発生することを理解しておく必要があります。
手数料率は各業者によって異なるものの、2社間だと10~20%、3社間だと3~5%が相場です。

買取型・保証型の違い

ファクタリングには主に「買取型」と「保証型」があります。買取型と保証型の主な違いは以下のとおりです。

買取型 保証型
利用目的 売掛金を早期に現金化させる 売掛金の未回収リスクを回避する
発生するコスト 手数料 保証料
入金のタイミング 契約後最短即日に入金 売掛金が回収不能になってしまった場合

買取型は売掛金の現金化を目的としていますが、保証型は未回収リスクに備えることが目的になります。
一般的にファクタリング業者が提供するサービスは買取型が多いですが、売掛先が倒産する可能性が高いなど、貸し倒れのリスクが高い場合は保証型がおすすめです。

2社間・3社間の違い

買取型の場合、自社とファクタリング業者の間で行われる「2社間ファクタリング」と、さらに売掛先も含めて行われる「3社間ファクタリング」の2種類があります。
2社間と3社間の主な違いは以下のとおりです。

2社間 3社間
手数料 10~20% 3~5%
資金調達にかかる時間 短め 長め
売掛先への通知や承諾 不要 必要

2社間は売掛先に承諾を得なくても売掛債権を売却できるため、スピーディーに資金調達をしたい人にもおすすめです。
ただし、売掛金を回収できないリスクが高いこともあり、代わりに手数料を高く設定しています。

3社間は売掛先への通知や承諾が必要となり、資金調達にも時間がかかってしまいますが、手数料は3~5%と低いです。

ファクタリングが「危険」といわれる理由


ファクタリングは違法性のない資金調達方法であるにも関わらず、インターネットなどでは「危険」といわれることもあります。
なぜファクタリングは危険といわれてしまうのか。ここで、ファクタリングが危険といわれる理由を4つ紹介します。

免許・登録不要で営業できるから

銀行や貸金業者とは異なり、ファクタリング事業は原則として特別な免許や登録がなくても営業できます。
売掛債権の売買という形の取引きであるため、貸金業とは別の扱いになるからです。

そのため、参入のハードルが比較的低く、多くの事業者がサービスを提供しています。
利用者にとって選択肢が増えるメリットがある一方で、事業者の信頼性にばらつきがあることから、「安全性に不安がある」と感じる人もいるのが実情です。

法整備が十分ではないから

ファクタリングは比較的新しい資金調達手段であり、銀行融資や貸金業のように法律が整っているわけではありません。

売掛債権の譲渡自体は民法などで認められている合法的な取引きですが、業界全体を直接的に規制する法律は限定的です。
そのため、契約内容や手数料率が事業者ごとに異なり、利用者が内容を十分理解せずに契約してしまうとトラブルにつながる可能性があります。

手数料が高いケースがあるから

ファクタリングでは、売掛金を現金化する際に手数料が発生します。
手数料は取引形態や売掛先の信用力、入金までの期間などによって変動しますが、場合によっては高く感じられるケースもあるかもしれません。

特に、資金繰りに急いでいる企業ほど条件を十分に比較せず契約してしまい、結果的に想定より高いコストになってしまうこともあります。
このような経験談が広まることで、「ファクタリングは危険」というイメージにつながるのです。

違法業者の存在が問題になったから

一部では、ファクタリングを装いながら実質的には貸付を行う違法業者の存在が問題になったこともあります。
例えば、個人の給与を債権とみなして買い取る「給与ファクタリング」は、名称にファクタリングを使っていますが性質は大きく違っており、貸金業に該当するため貸金業登録が必要です。
また、悪質な業者は高額な手数料を請求したり、返済を強要したりするなど、利用者に不利な取引きを行うケースもあります。

現在は行政による注意喚起や取り締まりも進められていますが、利用者側も契約内容や事業者の実績をよく確認することが重要です。
信頼できる会社を選び、仕組みを理解した上で利用することが、安心してファクタリングを活用するためのポイントになります。

危険なファクタリング業者の特徴


危険なファクタリング業者に当てはまるケースが多い項目は以下のとおりです。

  • 手数料が相場より高い
  • 契約書が不明確
  • 会社情報が不透明
  • 貸付契約に誘導する

危険なファクタリング業者も大まかに2種類に分けられます。ひとつは手数料が相場より高かったり、契約書が不明確だったりするなど、悪い条件をすすめる業者です。
もうひとつはファクタリングを装い、高利でお金を貸し付けようとする業者になります。
これらの項目に該当する業者は危険性が高く、トラブルに巻き込まれるリスクが高いため、注意が必要です。

安全なファクタリング会社を見極めるには?


ファクタリングを安心して利用するためには、信頼できる会社を選ぶことが重要です。
ファクタリング業者によってはサービス内容や契約条件には大きな差が出やすくなります。
中には不透明な契約や不当な条件を提示する業者も存在するため、事前に見極めるポイントをチェックしてみてください。

手数料が相場の範囲内か

ファクタリングでは、売掛金の現金化に対して手数料が発生します。
手数料は取引形態や売掛先の信用力などによって変動しますが、相場に比べて極端に高い手数料を提示される場合は注意が必要です。

一般的な相場から大きく外れている場合、契約内容に不利な条件が含まれている可能性も考えられます。
事前に手数料の相場を把握した上で比較することで、適正な条件かどうかを判断しやすくなるでしょう。

契約内容を明確に提示してくれるか

信頼できるファクタリング会社は、契約内容や手数料の計算方法、支払いの流れなどを事前にわかりやすく説明してくれます。
逆に、契約書の内容を詳しく説明しない、質問しても曖昧な回答しか得られないといった場合は注意が必要です。
契約前には、手数料の内訳や支払い条件、債権譲渡の手続きなどをしっかり確認し、不明点を解消しておくことが大切です。

償還請求権が付与された契約か

ファクタリングには、売掛先が支払いを行わなかった場合に利用者が責任を負う「償還請求権あり(リコース)」の契約と、責任を負わない「償還請求権なし(ノンリコース)」の契約があります。
一般的なファクタリングでは、売掛債権の売買として「償還請求権なし」で契約されることが多いです。
もし償還請求権が付いている場合、実質的に融資に近い取引きとなる可能性もあるため、契約内容を十分に確認する必要があります。

会社の所在地・代表者情報を確認できるか

信頼できる会社かどうかを判断するためには、会社の基本情報を確認することも重要です。
公式サイトや会社概要のページなどに、所在地や代表者名、連絡先などが明確に記載されているかをチェックしてください。

所在地が不明確だったり、実在する会社かどうか確認できなかったりする場合は注意が必要です。
登記情報や口コミ、実績などもあわせて確認すると、より安心して判断できます。

担保・保証人を求められたか

通常のファクタリングは売掛債権の売買であるため、担保や保証人を求められることは一般的ではありません。
もし担保や保証人の提供を求められた場合は、実質的に融資に近い取引きである可能性があります。
こうした条件を提示された場合は、その理由や契約内容を慎重に確認することが大切です。

分割での支払いを求められたか

ファクタリングでは、売掛金の回収は基本的に売掛先から一括で行われる仕組みです。
そのため、利用者に対して「分割での返済」を求めるような契約は、通常のファクタリングとは異なる可能性があります。
もし分割払いを求められた場合は、実態が貸付契約になっている可能性もあるため注意が必要です。
契約内容をよく確認し、疑問点がある場合は契約を急がず慎重に判断してください。

ファクタリングを安全に利用するためのポイント


ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できる便利な資金調達手段ですが、利用方法を誤ると資金繰りの悪化やトラブルにつながる可能性もあります。
安全に活用するためには、契約内容をよく理解し、慎重に業者を選ぶことが重要です。また、短期的な資金調達だけでなく、長期的な経営の視点も持つことが大切です。
ここでは、ファクタリングを安全に利用するために意識しておきたいポイントを紹介します。

複数のファクタリング業者を比較する

ファクタリング会社によって、手数料や審査基準、契約条件などは大きく異なります。
そのため、1社だけで判断しようとするのではなく、複数の業者から見積もりや条件を提示してもらい、比較することが大切です。
相見積もりをする際には見積もり期間を長めに設定し、余裕を持って比較できるようにするのがおすすめです。

ただし、売掛債権の二重譲渡は違法にあたってしまうので注意しなくてはなりません。
特に相見積もりはその流れで別のファクタリング業者に同じ請求書を送ってしまい、二重で売却してしまう可能性が高まります。

資金繰りを改善する根本的な対策も考える

ファクタリングは資金繰りを一時的に改善する手段として有効ですが、継続的に利用し続けると、手数料などの負担が積み重なっていきます。
このような状況を改善させるためには、そもそも資金繰りを改善する根本的な対策も取らなくてはなりません。

例えば、売掛金の回収サイクルを見直したり、取引条件を改善させたり、コスト管理を強化させたりするなど、資金繰りを安定させる方法と併せて検討することが大切です。
ファクタリングはあくまで資金繰りを改善するひとつの手段として位置づけ、経営全体の改善につなげていく視点も持つようにしてください。

不安な時は契約前に専門家へ相談してみる

ファクタリングの契約内容や手数料などは事業者によって異なります。もし内容を十分に理解していない状態で契約してしまうと、トラブルにつながる可能性が高いです。

しかし契約内容を見ても専門用語なども多く、イメージがしづらいため、「本当にこの契約に問題はないのか」と不安に感じる人もいるかもしれません。
もし契約内容に不安が残っている場合は、税理士や弁護士といった専門家に相談するのもひとつの方法です。

第三者の視点で契約条件を確認してもらえば、リスクの有無も判断しやすくなります。
大手のファクタリング業者には無料で相談できる窓口も設けられている場合もあります。
契約書の細かい部分までチェックしてもらい、最適な条件で契約を結べるようにしてください。

まとめ・ファクタリング業者の安全性を見極めてから活用しよう

ファクタリングは、売掛金を早期に現金化できる資金調達方法です。ファクタリングそのものに違法性はありませんが、残念ながら違法業者や悪質な業者は存在します。
ファクタリングでトラブルに巻き込まれないためにも、信頼のおける優良な業者を見極めることが大切です。
相見積もりで複数の業者の比較や、必要に応じて専門家に相談するなど、より安全にファクタリングを利用できるよう、対策を講じてください。
ファクタリングの仕組みとリスクを正しく理解し、自社の状況に合った形で活用してください。

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(編集:創業手帳編集部)