「プレゼン力」を鍛えたい方必見!効果的なプレゼンのポイントと具体例を徹底解説
プレゼン力の鍛え方はビジネスにおいて意識すべき。どのようにすれば相手に伝わるかを解説します。
ビジネスにおいて、企画説明や営業活動、上司への報連相に至るまで、プレゼン力が求められることは多いです。
しかし、プレゼン力が備わっていなければ、自分の意図を的確に相手に伝えることができません。そのため、プレゼン力を鍛えることはビジネスマンにとって必須です。
今回は、プレゼン力を鍛える方法について、具体例を交えて解説します。
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この記事の目次
プレゼン力とはどのようなものか
そもそも、プレゼン力とはいったい何なのかを下記で説明します。
相手が欲しい情報を的確に伝える能力
プレゼン力は、相手が欲している情報を的確に伝えられる能力です。プレゼン時に対象とする相手は、何らかの具体的かつ限定的な情報を求めています。
そこで、相手が抱えている課題の解決方法や、情報に対する相手の関心度などについて精査し、伝えるべき適切な内容をピックアップします。
こうして、相手が聞きたいと思う情報をピンポイントで伝えることができれば、相手も話に強い関心を示し、プレゼンを成功に導けるでしょう。
伝えたい内容をロジカルに組立てる能力
相手が欲しい情報を精査しても、話の内容がうまく組立てられていないと、相手は聞く気をなくしてしまいます。
そのため、自分が伝えたいことを的確に表現するために、ロジカルな話の組立て方が必要です。
例えば、相手を引き込む話の順序や伝えたい情報のボリューム、相手を納得させられる理論づけなどをしっかりブラッシュアップすべきです。
プレゼン力はなぜ必要か
こちらでは、ビジネスにおけるプレゼン力の必要性をあげていきます。
様々な場面で必要な情報を提供する
プレゼンを行う様々な場面で、相手が求めている情報を提供することは、プレゼンにおいて必要となる大きな点です。
何となく大雑把な形容詞が頻出するプレゼンでは、相手に正確な情報が伝わりません。
そのため、相手にとって何がメリットとなるか、課題を解決する方法は何かをきちんと説明し、相手に納得してもらうことが重要です。
営業活動での商品説明
営業活動においては、自社が販売したい商品の魅力をいかに効果的に伝えるかがカギとなります。
商品のメリットや独自性などの的確なポイントを捉えて、相手に興味を持ってもらい、購買意欲を高める話し方を考える必要があります。
プレゼンが曖昧だと相手の納得を得られない、また不安に感じてしまうといったリスクがあり、せっかくの顧客を逃してしまうことにもなりかねません。
上司や同僚への報連相
仕事の進捗やトラブルを上司や同僚へ報告する時、何を伝えたいのか、その内容によって相手にどう動いてもらいたいのかをはっきりさせなければ、業務の進行が滞ります。
上司や同僚への報連相を確実に行い業務を円滑に進めるためには、話の筋道と結論を組立てて簡潔かつ的確に伝えることが求められます。
投資家などからの資金調達を得るためのアピール
会社においては、事業拡大や資金繰りの安定化のために、投資家から資金調達をすることもあるでしょう。
投資家には、自社が持つ斬新なアイデアや、それに伴う成長力や売上げ見込みなどの魅力を的確に伝え、自社に興味を持ってもらうことが重要です。
成長が見込める会社は、投資家の資金提供も受けやすくなります。
プレゼン力を鍛える方法について
プレゼン力を鍛えるには、いくつかのポイントに分けて説明することができます。
プレゼン力を構成する3つの要素
伝わりやすく表現する
まずは、相手に的確に伝えるために重要な点をどう表現するかが大切です。
話を組立てるうえで、訴求ポイントを強調することはもちろん、その内容を伝わりやすくするために資料も併用しながら表現することを意識します。
資料を作成する時は、相手に訴求すべき点についてカラーリングやフォントの工夫など、視認性を重要視しましょう。
話の構成を組立てる
プレゼンをする相手に伝える目的や内容について、いかに伝わりやすく表現できるかは話の構成力が重要です。
簡潔かつ論理的な構成力を持って話を組立てていき、伝える内容をブラッシュアップします。
資料では、話の構成に見合ったロジカルな構造の図を作成するなどの工夫をします。
相手のリアクションを見て説得させる
プレゼン内容について相手を説得させるために、後述する適切な話し方にも気を付けましょう。
また、話し方により相手にどう伝わっているか、リアクションをよく観察しながら対応を変える柔軟性も身に着けたいところです。
例えば、話し方を変えてみたりアイコンタクトを頻繁に取るようにしたり、コミュニケーションとして成立させることを意識します。
プレゼン力の鍛え方7つ
1.声の大きさや抑揚を工夫する
プレゼン力を鍛えるには、話す際の声の大きさや抑揚の付け方を身に着けたいところです。
声はしっかりと大きく出すだけではなく、伝えたい部分を強調するために抑揚を付けて、話にメリハリを持たせます。
また、できるだけ相手が聞き取りやすいようにゆっくりと話し、時にインターバルを置いて相手を疲れさせないよう工夫をしてみましょう。
2.聞き手のことを常に意識する
プレゼンは、当然のことながら聞き手となる相手がいなければ成立しません。そのため、相手がどのようなリアクションをしているか、プレゼンの最中にも気を配ります。
例えば、相手があまり関心を示していないようであれば臨機応変にアプローチを変えてみる、また興味を持って聞いている相手には積極的にコミュニケーションを取ってみるなどです。
このように、プレゼンする側が相手のことをきちんと見ていることがわかれば、聞き手を惹きつけることにつながります。
3.話の目的・結論をはっきり決める
プレゼンをする目的は何か、話が着地すべき結論はどこかを事前にはっきり決めておくことが大切です。
そして、決めた目的や結論を話の冒頭に置くことで、その話で何を伝えたいのかを相手が理解できます。
この時、話を時系列順に並べて、目的や結論を最後に持ってきてしまっては、相手が話のゴールを掴みづらく、ストレスを与えてしまいかねません。
話の目的や結論を先に伝えることで、コミュニケーションに時間を割く手間がなくなる利点もあります。
4.話の構成をフレームワークに落とし込む
プレゼンにおいて、話をロジカルに構成することの重要性は、前述しました。
ロジカルな話の構成は、ビジネスでよく使用されるフレームワークに落とし込むと良いでしょう。
・AIDMAモデルで聞き手が得たい情報を整理する
AIDMAとは、Attention(注目)・Interest(興味)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)の頭文字を取ったものです。
これらの項目を段階的に検証する方法がAIDMAモデルです。プレゼンでの話を組立てるには、これらの項目に話の内容を当てはめます。
例として、以下のように話の順序を考えます。
-
- こちらへの注目を引く文言を入れる
- 内容への興味を湧かせるために解決すべき課題を提示する
- 課題の解決策を出して相手の欲求を掻き立てる
- 訴求ポイントを強調して記憶してもらう
- これまでのプロセスにより相手が行動を起こす
以上の流れを踏まえれば、相手の心を効率的に動かす足掛かりとなるでしょう。
・Plan-Do-Checkで計画・実践・検証を繰り返す
これは、Plan(計画)・Do(実践)・Check(検証)のサイクルを繰り返し行うことで、プレゼン力を鍛えるものです。
この3つの要素をプレゼンに当てはめると、以下のような例ができます。
-
- プレゼンを効果的にする計画を具体的に立てる
- 準備した内容に基づいた計画をプレゼンで実践する
- プレゼンが終了すれば、成功点と問題点を冷静に分析する
こうしたサイクルを繰り返すためには、実際のプレゼンの前から日常的な報連相でトライ&エラーを実体験することが求められます。
・PREP法で話の構成をシンプルにする
PREPとは、Point(結論)・Reason(理由)・Example(具体例)・Point(結論)の頭文字であり、この順で話を組立てるのがPREP法です。
これにより、話はとてもシンプルかつわかりやすくなり、伝えたいことを的確に理解してもらえます。
例えば、以下のように組立ててみます。
-
- 商品の企画で魅力を訴求する
- ターゲットとする顧客のニーズを満たしていると説明する
- 実際のターゲット層の声を紹介する
- 以上の理由から、この商品には魅力がある
PREP法は、訴求したい内容がわかりやすいだけではなく、話の流れとしてもスムーズで比較的取り入れやすいフレームワークです。
5.要点をあえて重複させる
上記で説明したPREP法を見ると、話の冒頭と終盤に結論を2回繰り返しています。
これは、話の中で最も伝えたい内容を重複させることで、より印象付ける効果もあります。
つまり、最初に要点を伝えることで何について話をするのかを理解させ、最後に念を押すことで大事なポイントであることをさらに認識させることにつながるということです。
6.視覚情報で補足できる資料を作る
プレゼンでは、話に付随して資料を用意すれば視覚的にも情報を伝えやすいです。視覚的な情報は、話の内容を補足するツールになりえます。
例えば、10cmがどれくらいの長さであるかを説明する時に、単純に100mmであると説明するよりも、図で10cmを示した方がわかりやすいでしょう。
資料を作成する時は、このように視覚で直感的に把握できるものを意識します。
7.例え話をうまく取り入れる
言葉に対するイメージは、人によって千差万別です。例えば、「大きい」という言葉だけでも、「自分の身長くらい」と思う人もいれば、「家1軒くらい」と思う人もいます。
そこで、大きさのイメージを共有するために、例え話を取り入れます。
大きさの説明で「象くらい」と言えば、多くの人が持つ象の大きさを基準としてすり合わせしやすくなるでしょう。
また、「雪は美しい」ことを説明するために、「一面の銀世界」という言葉を引用し、多くの人がその景色の美しさを連想させるように導く方法もあります。
プレゼンの良い例・悪い例とは
こちらでは、プレゼンを行う際の良い例と悪い例をそれぞれあげていきます。
良い例4つ
1.話し方に工夫がある
・大きな声で話す
プレゼンで大切なことのひとつは、何を話しているかを相手にわかってもらうことです。そのためには、声を大きくして話すことは必須の条件です。
小さな声では、単純に聞き取りにくく相手にストレスを与えてしまうだけではなく、プレゼンする側に自信が見えず頼りない印象を与えてしまいます。
・話のスピードを状況により使い分ける
話す時は、聞き取りやすいようにゆっくり話すことはもちろん必要ですが、終始同じペースで話すと飽きられる可能性もあります。
そのため、相手がすでに理解している部分は早めに流し、伝えたい部分やそこまでのプロセスの理解が必要であればスピードを落とすといった、スピードの使い分けが必要です。
また、相手の聞きたい内容を頭の中で整理してもらうために、重要なポイントや問いかけの後に少し間を置いてから話すなど、緩急をつけることがおすすめです。
2.目線の送り方で理解力を上げる
プレゼンは、相手とのコミュニケーションを大事にしなければなりません。そのため、聞き手一人ひとりの目を見ながら話すことは基本です。
これに加えて、文章の区切りごとに目線を移すことで丁寧に話している印象を与えられます。
また、目線を左右に振りながら話せば聞き手全員を意識していることを理解してもらえます。
3.しっかりした姿勢で自信を見せる
きちんとした姿勢で話すことは、プレゼンする側の自信を見せることにつながります。自信のある人物からの話は、相手も安心して聞くことができます。
緊張している時は、つい手を持て余してしまったり、片足に重心をかけてしまったりなどの仕草をしてしまいがちです。
しかし、このような不安定な姿勢は自信のなさを表しており、相手に不安を与えかねません。
そのため、プレゼンの際はきちんと体に軸があることを意識してまっすぐに立ち、手から足まで無駄な動きがないように意識しましょう。
4.印象に残る資料作りができる
・わかりやすい構成である
プレゼンに使用する資料の構成にも、わかりやすさが求められます。
話の流れを図で説明する時は、起点から終点までの構成をきちんと立てて図を並べ、話の構成と合わせて目で追いやすいように組立てます。
資料作成についても、フレームワークが活用できるため、参考にすると良いでしょう。
・具体的な内容が盛り込まれている
前述したように、例えば大きさを「象くらい」と表現することや、10cmを説明する時に資料で10cmの図を示すことで、イメージを共有しやすくなります。
資料においても、一つひとつの形容的な表現を使う場合は、何かに例えたり実際に図で示したりなどの方法で、具体的に伝えることを心がけます。
・自身の経験を踏まえている
何らかの内容を話す時に、自身の経験に基づいた説明をすることも有効です。例えば、プレゼンする商品は軽量化を売りにしたいとします。
なぜ軽量化をしたかの説明を行うにあたり、実際に自分が重い商品を使用した時の苦労を話せば、軽量化することのメリットをよりわかりやすく伝えられます。
悪い例4つ
1.聞き手を意識せずに進める
プレゼンは相手とのコミュニケーションであるため、相手を置き去りにしたまま進めると効果がなくなります。
例えば、相手が得たい情報にたどり着くまでが長い、重要な情報を強調せずに流れのまま話すなど、聞き手を無視した話の進め方は、プレゼンが失敗するもととなります。
また、資料に集中しすぎて相手に視線を向けないことも、説得力に欠ける原因となるため、相手を意識していることを示すために視線をしっかり合わせるようにしましょう。
2.雑な話し方をする
・話すスピードを意識していない
前述で説明したように、話すスピードを意識して工夫を加えることで、相手を惹きつけることができます。
逆に、早いスピードのままで雑な進行をすると相手は置き去りにされてしまい、聞く気が失せてしまいます。
そのため、体感的にはゆっくりすぎるくらいのスピードで話すのがおすすめです。
・感情が入っていない
プレゼンの際に、あらかじめ原稿を用意して話を進めること自体は悪くありません。
しかし、その内容に終始して自分の感情を込められていないと、本当に相手に訴求したいのかがわからなくなります。
原稿の文章を読みながらも、合間に自分の言葉で伝えるべき点に感情を込めて話すと、何を伝えたいのかが相手にわかりやすくなります。
・間延びすることが多い
どのような話でも、間延びをすることは相手に退屈な印象を与えかねません。
例えば、文章の前に「えー」などの言葉を多発してしまうと、話が間延びしてしまい締まりがなくなります。また、これは次の言葉を迷っていることの表れです。
スムーズな話の展開にするためには、事前にしっかりと話の構成を決め、何を言うべきかを頭に入れておきましょう。
3.資料が見づらい
・図やフォントの視認性に欠ける
資料に図やフォントの工夫をすることは、訴求ポイントの強調には有効です。しかし、図のサイズやカラーリングを失敗すると、視線が散って視認性に欠けます。
これはフォントに関しても同様で、小さすぎたり無駄なところで派手なフォントを使ったりすると、伝わるものも伝わりづらくなるでしょう。
4.無駄な視覚情報が多い
本来の訴求ポイントと関係のないところに、アニメーションなどのエフェクトをかけると、やはり相手の気を散らす原因になります。
そして、本当に伝えたい内容に相手がついていけなくなり、結果的に内容が頭に入ってきづらいです。資料における強調は、訴求ポイントのみに絞るべきです。
まとめ
ビジネスシーンで欠かすことのできないプレゼン力は、常日頃から鍛え方を意識することが重要です。
プレゼン力を鍛えるためには、話し方の表現やロジカルな構成に加え、資料作成にも気を配るべきです。
自分の意図を適切に相手に伝えるためにも、プレゼン力を鍛えていざという時に備えましょう。
(編集:創業手帳編集部)