引越し業の開業手帳

  • 引越業とは、引越シーズン時の荷物の輸送、また、その他引越関係サービス行う業務です。
  • 以前から、運送業者の中で引越業を兼業しているところが見られますが、大手の専門業者の台頭により、全国的に中規模の引越業者が増えてきました。少ない初期投資で開業出来る事が特徴です。
  • 引越に対しての需要は景気にも影響を受けます。好況期には、住宅の着工件数やオフィスビル建設も増え、引越の需要が増加します。しかし、不況期には、事務所の統廃合などにより転居需要が増加する事もあります。

    また、季節変動もあり、引越シーズンである3~5月に全体の4割の需要が発生します。引越事業以外にも宅配業やリサイクルショップなどと兼業し収益を確保するところもあります。

1.開業に必要な手続き

貨物自動車運送事業法による届出、許可について

引越業を開業する為には、「運送業」としての届け出を地方運輸支局に行います。運送業は、「貨物軽自動車運送事業」「一般自動車貨物運送事業」などに分類出来ます。地域より届出条件も異なってくる為、所管の地方運輸支局に問い合わると良いでしょう。

《主な条件》
■営業区域:原則、都道府県単位 原則営業所に併設(または営業所から10km以内) 車両通行可能な道路に面している事 等

■車庫:原則営業所に併設(または営業所から2km以内) 原則営業所に併設(または営業所から10km以内) 車両通行可能な道路に面している事 等

■休憩・睡眠施設: 乗務員が有効に利用出来る適切な施設 営業所または車庫に併設、1人2.5平方メートル程度以上

■車両:1両以上(軽トラック、125cc以上の自動二輪)、5両以上(軽トラックは除く)

■運転者:1名以上 5名以上(アルバイト不可)

■運行管理者:運転者本人でも可、運行管理資格者が1名以上

■整備管理者:整備管理者(3級または実務2年超等)が1名以上

■その他:自賠責・任意保険等への加入等、自賠責・任意・社会保険等への加入 事業計画、安全管理体制が妥当である事、営業資金の1/2以上の自己資金がある事 等

《必要書類と届出書》
■登記簿謄本(法人)、住民票(個人)
■車検証の写し
■価格表
■運送約款(標準書式の場合は不要)等
※地域により条件、提出書類が異なる為、詳細は所管の地方運輸支局に確認する事が必要です。
■申請書
■業用自動車の運行管理体制を記載した書類
■事業資金及び調達方法を記載した書類
■事業施設の案内図、見取図、平面図
■都市計画法等法令に抵触しない旨の宣誓書
■不動産登記簿謄本等もしくは賃貸借契約書
■営業所等の施設、車庫・前面道路の写真
■車庫・前面道路の道路幅員証明書
■自動車検査証の写し(リース・売買契約書等)
■定款(寄付行為)及び登記簿の謄本(法人)
■直近事業年度の貸借対照表(法人)
■役員または社員の名簿および履歴書(法人)
■資産目録及び残高証明書(個人)
■戸籍抄本および履歴書(個人)
■欠格事項に該当しない旨を証する書面
■運転者の一覧表
■運行管理者および整備管理者の資格証の写し
■申請手数料

申請手続きについて

申請書は行政書士が代行する事もありますが、自分自身でも作成出来ます。自分自身で作成する場合は、事前に地方運輸支局に問い合わせ、必要書式を入手しておくと良いでしょう。
※業務内容や地域によって許可条件などが変わってくる為、所管の地方運輸支局に確認しておく事をお勧めします。貨物軽自動車運送事業は、届出日に手続きも終わり、ナンバーも交付されます。

しかし、一般貨物自動車運送業は許可が下りるまで、およそ3~4カ月程度の時間を要します。

2.開業にあたっての留意点・準備

専業、兼業の別、年間売上について

引越業は、結構参入し易い業種でもありますが、大手の専門会社も多く競争も激化する場合があります。

顧客確保の為、競合他店との差別化を図る必要があります。更に、引越し業は季節変動も大きくなり、シーズンである3~5月に需要のおよそ4割が集中します。その為、いかに売上を確保出来るかがポイントになります。

競合他店との差別化について

引越業者を選定する際、多くは相見積もりを取る事になる為、競合他店と比較検討される事が多くあります。

更に、以前の引越ニーズは「安い価格で引っ越したい」「高くても依頼したい」と言う二極化傾向でしたが、現在のニーズは、個別化しており、「安さ」、「丁寧さ」、「納得出来るサービスと料金体系」となっています。

その為、引越専門業では、営業エリアの絞り込み、独自のサービス展開、営業エリアの拡大など、その地域に見合ったサービスを展開していく必要があります。

また、中小引越業者は、ライバル店も多い為、更なる努力が求められます。そして、兼業の場合、軽貨物運送業のフランチャイズへの加盟、不用品の買取りなど様々な戦略も必要になります。

年間を通して、売上変動が均等になるよう、独自モデルの事業を展開する事が大切です。

代表的な引越関連サービスは以下になります。
■荷造りサービス
■家具・家電・車・ソフト等の処分、引取り
■ゴミ処理、不用品の引取り
■旧宅の清掃、修理
■新居のプチリフォーム
■諸手続きの代行
■挨拶品のギフトカタログ販売
■ベビーシッター
■移転先の地域情報の提供等

ビジネスモデルに合った広告宣伝について

顧客が引越業者を選定する際、相見積もりを取る事が通常で、インターネット上の引越見積もりサイトなどに登録するのも一つの方法です。

また、知名度を上げる為、広告費なども良く検討する必要があります。地域を限定して営業する際は、新聞広告やタウン誌などへ広告掲載します。ポスティングするなど色々な施策か考えられます。

可能な方法を実践し、顧客との接触機会を増大していく事が重要となります。

その他の注意点について

引越サービス業は、顧客からのクレームも多く、また、運送中の事故が原因の賠償責任も負う事になります。

その為、苦情処理をスムーズに行う必要があります。最近では、軽貨物業のフランチャイズの募集広告の苦情も多くなっている為、加盟の際は注意する必要があります。

3.必要資金例

準備中

4.ビジネスプラン策定例

準備中

5.入っておくべき保険

準備中

6.必要になる契約書

準備中

サービスに関するお店ごとの開業手帳