小規模事業者持続化補助金とはー後編ー 補助金の上限や補助率、対象となる経費について
小規模事業者持続化補助金の上限額や補助率などについて詳細を解説。申請スケジュールも確認できます。
「一般型」と「コロナ特別対応型」の2種類がある小規模事業者持続化補助金。
前回の記事では持続化給付金との違いや、追加で申請できる事業再開枠などがあることを解説しました。今回は、より詳しく小規模事業者持続化補助金の上限額や補助率、対象となる経費についてご紹介します。
申請先や申請スケジュールについても掲載しているので、申請を考えている方は要チェックです。
創業手帳が発行している資金調達手帳では、公的融資やVCから資金調達するコツなどをまとめています。必ず役立つので、一冊は常備しておきましょう!
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
小規模事業者持続化補助金の上限額と補助率は?
小規模事業者持続化補助金の上限額や補助率は、「一般型」と「コロナ特別対応型」で異なります。
一般型の場合、補助上限額が50万円、補助率は2/3となります。
一方、コロナ特別対応型の場合は、補助上限額が100万円、補助率は前編でご紹介した3要件によって変わります。「サプライチェーンの毀損への対応」は2/3、「非対面型ビジネスモデルへの転換」と「テレワーク環境の整備」は3/4が補助されます。
また、3要件のうち複数に当てはまる場合は、「非対面型ビジネスモデルへの転換」か「テレワーク環境の整備」のいずれかが含まれていれば補助率が3/4となります。
一般型 | コロナ特別対応型 | |
---|---|---|
補助上限額 | 50万円 | 100万円 |
補助率 | 2/3 | サプライチェーンの毀損への対応:2/3 非対面型ビジネスモデルへの転換:3/4 テレワーク環境の整備:3/4 |
コロナ特別対応型の「サプライチェーンの毀損への対応」のみ補助率が2/3となるのは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止につながる事業だけ、補助率を引き上げているためです。
上記は新型コロナの感染拡大防止と直接的には関係していないため、補助率の引き上げが行われていません。
小規模事業者持続化補助金の対象となる経費
小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、「一般型」「コロナ特別対応型」ともに、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組みにかかる経費です。
補助対象となる経費を下記にまとめました。
・機械装置等費
・広報費
・展示会等出展費
・旅費
・開発費
・資料購入費
・雑役務費
・借料
・専門家謝金
・専門家旅費
・設備処分費
・委託費
・外注費
上記では、イメージしづらい方もいらっしゃるかもしれませんね。
たとえば、新商品を陳列するための棚の購入や新たな販促用チラシの作成・送付、業務改善の専門家からの指導、整理スペース導入のための店舗改装などが補助対象に該当します。
事業再開枠の補助対象経費は異なるので注意!
一般型とコロナ特別対応型に採択された事業者が申請できる「事業再開枠」は、補助対象経費が異なります。
先ほどの一般型・コロナ特別対応型と混同しないように注意しましょう。
・消毒費用(消毒設備の購入費、消毒費用の外注費等)
・マスク費用(マスク、ゴーグル、フェイスシールド、ヘアネットの購入費)
・清掃費用(清掃作業の外注費、手袋、ゴミ袋、石けん、洗浄剤の購入費等)
・飛沫対策費用(アクリル板、透明ビニールシート、防護スクリーン、施工費等)
・換気費用(換気扇など換気設備の購入費)
・その他、衛生管理費用(クリーニング外注費、従業員指導等のための専門家活用費等)
・PR費用(ポスター・チラシの外注・印刷費)
※従業員または顧客に感染防止を呼び掛ける内容に限る。
事業再開枠の補助対象となるのは、業種別ガイドラインにもとづいて行う感染防止対策にかかる経費です。
また、マスクや消毒液などの消耗品は補助対象期間内に購入・使用した物品のみ対象となります。この点も注意しておきましょう。
小規模事業者持続化補助金の申請先とは?
小規模事業者持続化補助金の申請は、申請者の事業所がある市区町村の商工会または商工会議所で行うことができます。
該当する商工会や商工会議所は、全国商工会連合会の「商工会検索」を活用することでスムーズに探せます。
もし全国商工会連合会の検索で事業所が該当しなかった場合には、日本商工会議所(都道府県連)の検索を使ってみましょう。
小規模事業者持続化補助金の申請スケジュール一覧
小規模事業者持続化補助金の申請スケジュールは下記のとおりです。
申請書類送付締切は、一般型が10月2日(金)と2021年2月5日(金)、コロナ特別対応型が10月2日(金)までとなっています。
実績報告書の提出期限においては、一般型が2021年8月10日(火)と2021年12月10日(金)、コロナ特別対応型が8月10日(金)までです。
申請書類の送付締切日と実績報告書の提出締切日は異なるため、間違いのないようにしましょう。
追記:コロナ特別対応型 第5回受付締切分が新設されました
コロナ特別対応型の第5回受付締切分が新設されました。
2020年12月10日(木)締切
第5回受付締切 | |
---|---|
申請書類一式の送付締切 | 2020年12月10日(木) 【郵送:必着】 ※最終受付です。 |
採択結果公表 | *調整中 | 補助事業の実施期間 | 交付決定日(※2020年2月18日まで遡及可能)から2021年10月31日(日)まで | 実績報告書提出期限 | 2021年11月10日(水) |
まとめ
小規模事業者持続化補助金の一般型とコロナ特別対応型、それぞれの補助上限額や補助率、対象となる経費などについて解説しました。
申請にあたって、混同してしまいやすい部分が多いので、間違いのないように気をつけましょう。小規模事業者持続化補助金の詳細を知りたい方は、商工会議所や商工会の公募要領を確認してみてください。
▽商工会議所ホームページ
・一般型について:https://r1.jizokukahojokin.info/
・コロナ特別対応型について:https://r2.jizokukahojokin.info/corona/
▽商工会ホームページ
・一般型について:http://www.shokokai.or.jp/jizokuka_r1h/
・コロナ特別対応型について:http://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/
創業手帳(冊子版)では、創業期だけではなく創業後にも役立つ助成金や補助金などの情報を掲載しています。無料なので事業者は必読です!
(編集:創業手帳編集部)