翻訳業の開業手帳

  • 翻訳業の需要は拡大傾向となっており、国際化する企業活動や海外を拠点とする企業との交流、さらには知的財産保護のための国際特許出願など、様々な機会に必要とされるようになっています。自動翻訳技術の向上を受けての影響も心配されるものではありますが、人の携わる必要性を感じる機会も多く、翻訳業の需要は十分に確保されているとも言えます。
  • 翻訳業は企業として行うだけでなく、設備投資をする必要もほぼない為、個人で開業をするケースも多くなっています。平成20年度の翻訳白書によると、売上高が1~3億円の企業が22%と最も多くなっており、1億円未満の企業は50%を超えるものとなっています。安定的な需要となっている為、事業者総数に大きな変動はありませんが、大手の翻訳会社が廃業する一方で、新しい企業によるサービス展開も行われるようになってきています。

1.開業に必要な手続き

翻訳業には公的な許認可は必要ありません。一般的な企業と同じように手続きを行って開業をすることができます。個人事業として展開する際には税務署への開業手続き、法人として展開する際には必要に応じて社会保険事務所や公共職業安定所などに手続きを行うこととなります。

フリーの翻訳者へ依頼する企業も多くある為、個人として業務を受注する場合は仲介サービスやマッチングサイトなどを利用することで効率よく受注をしていくことができます。また翻訳を業務とする企業に登録をしておくことで、仕事が発生した際に紹介をしてもらうことも可能となります。

2.開業にあたっての留意点・準備

翻訳分野

言語の違いはもちろんのこと、日常的な文章やビジネス的な文章など、必要とされるシーンによって翻訳の方法を変える必要もあります。産業翻訳、映像翻訳、出版翻訳と大きく3つの分野にも別れている為、受注を行う際には注意が必要です。

言語の割合は英語が最も大きな割合となっていますが、近年は中国語やドイツ語を必要とすることも多くなってきており、様々な言語の需要が拡大傾向となっています。受注内容によっては翻訳支援ツールなどを使用して自動翻訳を行っていくことも可能となります。最終的なチェックは人間の目が必要となりますが、翻訳作業の効率化を図る為にはこのような技術の活用も大切なものとなります。

営業活動

翻訳業務は翻訳会社の従業員や登録されているフリーの翻訳者が行うケースが多くあります。その為、より多くの業務を請け負うためには、協力企業との関係も良好としておく必要があります。

登録制企業の場合は、翻訳能力の範囲や業務内容を明確に提案しておくことが大切となります。キャパシティを超えてしまう受注は自社の業務を圧迫するだけでなく、関係企業への多大な迷惑になってしまう可能性を含むため、受注する業務を選定することも必要とされます。

発注をする企業では同様文体、文章での翻訳を繰り返し依頼することも多く、一度の受注で繰り返し業務を依頼されることも多くあります。安定的に業務を行い、納期内に確実に納めることによって信頼関係も生まれます。

受注形態としては海外との取引の頻繁なメーカーなどから仕事を受ける場合と、翻訳会社の二次受けとして業務を行う場合があります。前者の場合は繰り返し似た内容の業務を請け負うことが多く、料金に関しては都度相談となるケースが多くなっています。

後者の場合は安定した作業量の業務が依頼されやすいが、料金は比較的低めとなっています。また翻訳業務は公的機関の入札案件となるケースも多い業務です。

以下の案件は常時公示されているものです。このような公示には常に目を通しておく必要があります。

<翻訳業務に関する入札案件例>
●入札件名:英字紙に掲載される我が国関連記事の翻訳及び報告業務
 発注機関:外務省(2013年3月7日公示)

●入札件名:東京入国管理局における翻訳業務委託契約
 発注機関:入国管理局(2013年3月5日公示)

●入札件名:各種行政文書等の翻訳業務の委託
 発注機関:医薬品医療機器総合機構(2013年3月4日公示)

●入札件名:医学関連文書等外国語文書翻訳業務委託
 発注機関:大阪労働局(2013年3月1日公示)

●入札件名:スペイン語翻訳業務委託一式
 発注機関:国際協力銀行(2013年2月12日公示)

3.必要資金例

準備中

4.ビジネスプラン策定例

準備中

5.入っておくべき保険

準備中

6.必要になる契約書

準備中

サービスに関するお店ごとの開業手帳