起業後にネット銀行で法人口座を開設するメリットとは?口座開設の流れやおすすめネット銀行をご紹介

創業手帳

ネット銀行の法人口座開設はインターネットで完了!スピード感を重視する人におすすめ

「法人口座を開設するなら、店舗のある銀行の方が安心」と考える起業家も多いのではないでしょうか。
確かに、店舗のある銀行は知名度や安定感でネット銀行より勝っているかもしれません。しかし、ネット銀行には法人口座開設のスピード感や手数料の安さなど、ネット銀行ならではのメリットがあります。

急速なキャッシュレス化やフィンテックの活用化が進み、金融業界全体がインターネット化を推し進めている昨今。インターネットを使った金融取引がスタンダードとなっていく中で、ネット銀行での法人口座開設を検討する方も増えています。

来店店舗を持たず、すべての取引がインターネット上で行われるネット銀行。ネット銀行の概要や法人口座開設方法などを詳しく見ていきます。

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この記事の目次

ネット銀行の概要

ネット銀行の概要と強み
ネット銀行とはインターネット専用銀行のことで、インターネットや電話などの通信端末を利用した取引を行います。営業上最低限必要な店舗を構えていますが、サービスの提供はインターネット上でのみ行います。

全国銀行協会の「よりよい銀行づくりのためのアンケート」によると、スマートフォン向けインターネットバンキングを週1回以上利用する人の割合は62.3%に上り、インターネットによる取引が浸透していることがわかります。

融資相談やコンサルティングなど、対面で行うの必要があるサービスについては、従来型の銀行の方が勝っているかもしれませんが、ネット銀行にはコスト面や利便性において強みがあります。

ネット銀行のメリット

インターネット専業の銀行(以下、ネット銀行)は、コストパフォーマンスの良さとスピーディな対応が特徴です。個人でネット銀行を利用する際も「手数料が低い」「預入金利が実店舗のある銀行よりも高い」といったメリットを感じている人も多いのではないでしょうか。

手数料が安く、手続きに時間やコストがかからないというのは、時間に追われている創業まもない起業家にとって大きなメリットです。

・コストパフォーマンスが高い
実店舗がないため、賃料や人件費のコストダウンが計れるため。

・スピーディーな対応
営業時間や店舗に赴く時間などにとらわれない。

法人の口座においても、法人向けサービスの利用料が実店舗のある従来型の銀行よりも安いことが多いです。また、手続きは原則としてインターネット上で完結するため、スピード感をもって法人口座開設が可能です。

ネット銀行で法人口座を開設する際のポイント

ネット銀行法人口座開設のフローと必要書類
ネット銀行の一番の魅力は店舗に行かなくても法人口座開設の手続きができることです。だからこそ必要書類を周到に準備し、最短時間で法人口座を開設したいものです。

ここではネット銀行の法人口座開設をする際のポイントを、流れと必要書類から見ていきます。

法人口座開設の流れ

ネット銀行の法人口座開設の流れは主に5つのステップで完了します。店舗が無いため、インターネットと郵送で法人口座開設が可能です。

ステップ1 法人口座開設申込フォーム入力
ステップ2 入力した情報が反映された「法人口座開設申込書」を印刷
ステップ3 法人口座開設申込書と必要書類を郵送
ステップ4 審査
ステップ5 ログインID、ログインパスワードが発行されて取引が開始

必要書類

ネット法人口座開設に必要な書類は、法人口座開設フォームを入力して印刷をする「法人口座開設申込書」は共通です。店舗がある銀行とは異なり、会社の実態が分かるものや事業内容が具体的に確認できる書類などが必要です。対面することなく法人口座を開設できる反面、提出する書類が多いので漏れのないように注意しましょう。

書類1 印刷した法人口座開設申込書
書類2 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
書類3 印鑑証明書
書類4 法人番号の確認書類
書類5 取引責任者本人確認書類
書類6 会社の実態が分かるもの
書類7 事業内容が具体的に確認できる書類

法人口座開設におすすめのネット銀行の選び方やポイント


ネット銀行はどれもオンライン上で操作が完結するため、実店舗に足を運ぶ必要がないという特徴は共通しています。しかし、ネット銀行には共通点が多い反面、どのネット銀行を選ぶべきか迷ってしまう方が多いのも事実です。

そこでここからは、法人口座の開設におすすめのネット銀行の選び方について解説します。

ネット銀行の選び方1:サービス利用にかかるコスト|月額利用料・振り込み手数料などを確認する

ネット銀行を選ぶ上で最も重要視すべきなポイントが「サービス利用にかかるコスト」です。

具体的には以下のようなコストです。

コスト1:月額利用料金が発生するのか?(取引を行わなくても発生する維持費)

実店舗を持つ銀行が提供するネットバンキングサービスの場合は、数百円から数千円単位で月額利用料がかかります。

しかし、ネット銀行は月額利用料が無料の場合が多いです。

まずは開設するネット銀行の月額利用料を確認しましょう。

コスト2:振込手数料はいくらか?(同じ銀行と他の銀行への振り込み手数料の違いなど)

開設した口座と同じ銀行間の送金であれば、手数料は比較的安く設定されています。しかし、他の銀行の口座への送金は、高くなることが一般的です。

法人として事業を行う上では、他の銀行への送金も増えてくるため、振り込み手数料を色々な角度から確認することをおすすめします。

コスト3:何度振り込みをしても手数料は同じ?一定回数以上は手数料が高くなる?

ネット銀行の中には、1ヶ月で振り込みを行う回数により、手数料が変動する場合があります。

取引先や発注先・外注先が少ない場合はあまり気になりませんが、事業が拡大してきたフェーズでは、毎月の振り込み回数も増えてくるため、振り込み回数による手数料の変動は必ずチェックしましょう。

ネット銀行の選び方2:使いやすさ|当日振込可能時間・総合振込・融資などを確認する

ある程度、売り上げが増えてきた際には、手数料は多少高くても、使いやすいサービスが充実している方が良いと感じるようになります。

法人を経営するにあたり、銀行の使いやすさを3つのポイントで開設します。

使いやすさ1:当日振込可能時間は何時まで?24時間可能?

実店舗を持つ銀行の多くは15時をすぎて振り込みをすると、翌営業日まで反映されないことが多いです。

しかし、事業を行っていると、15時以降に急に振り込みをしなければならない場面も多々出てくるでしょう。

そのような時に、24時間当日振り込み扱いになる銀行であれば、15時以降に送金手続きをしても、すぐに先方の銀行口座に着金できます。

支払いに関するトラブルは極力避けるべきですので、ネット銀行を選ぶ際には、出来るだけ24時間当日振り込み扱いになる銀行を選ぶことをおすすめします。

使いやすさ2:総合振込サービスは無料?有料?

総合振込とは、あらかじめ作成した振込データをネットバンキングにアップロードすることで、複数の振込手続きを一括で行えるサービスです。

小売業や卸売業など取引先が多く、毎月の振込回数が多い事業の場合は、この総合振込サービスが便利です。

ネット銀行の中には、総合振込サービスを無料で使える銀行と、有料になる銀行があるため、事前にチェックしましょう。

使いやすさ3:融資サービスはある?ない?

事業を行う上で、新規事業に投資をする場合や運転資金が足りなくなった場合に、銀行から融資を受ける場面が多々あります。

しかし、ネット銀行によっては、融資サービスがある銀行とない銀行がありますが、中長期的に考えるのであれば、融資サービスがある銀行がおすすめです。

大口の融資が受けられるサービスや、小口の融資を気軽に受けられるサービスなど、融資サービスの中でも特色が分かれるため、自社にあった融資サービスを確認しておきましょう。

ネット銀行の選び方3:法人口座開設までの時間|最短開設日・開設までの手間などを確認する

法人口座の開設を急いでいるのであれば、口座開設までにかかる最短期間や開設までの手間を確認しておきましょう。

各ネット銀行が公開している最短開設日は、全ての書類が漏れなく揃っており、すぐに審査を始められた場合の日数です。当然、書類や手続きに不備があれば、その分、法人口座の開設は遅れます。

また、実店舗を持つ銀行であれば、口座開設のために面談が必要なケースもありますが、ネット銀行の場合でもあらかじめ手順を確認しておくとスムーズに進められるのでおすすめです。

【2023年最新】法人口座開設におすすめのネット銀行をご紹介

起業家にメリットの多いネット銀行での法人口座開設
ネット銀行の概要や特徴、利用者のメリットについて触れてきましたが、ここでは実際のそれぞれのネット銀行の特徴を見ていきます。 

GMOあおぞらネット銀行:迷ったらこれ!コストも使いやすさも◎

※1 税金や公共料金など一部キャッシュバック率が異なる利用先がございます。詳細は当社webサイトでご確認ください。

GMOあおぞらネット銀行はあおぞら銀行グループに属する、2018年7月に誕生したインターネット専業銀行です。
GMOあおぞらネット銀行では、法人口座開設の初期費用や法人口座維持手数料・月額利用料無料で使用できる他、月額利用料500円を支払うと振込手数料が一律135円(税込)になる「振込料金とくとく会員」サービスがあります。

1件あたり振込手数料

サービス名 GMOあおぞらネット銀行宛 他行宛
通常 無料 一律 145円(税込)
振込料金とくとく会員 無料 一律 129円(税込)

また、代表口座1つにつき20口座まで追加で開設したり、最大100名までユーザーを追加したりすることができるサービスもあります。
審査は条件を満たせば最短即日で完了します。また、審査通過後、カードが自宅に届くまでに10日ほどかかります。

GMOあおぞらネット銀行の法人口座ついて、詳しくはこちらの記事を>>
GMOあおぞらネット銀行とは?基本機能やメリット・デメリットを紹介

PayPay銀行:使い勝手がよく、手数料も安い

PayPay銀行
PayPay銀行は、ジャパンネット銀行が2021年4月に社名変更した銀行です。

そもそもジャパンネット銀行は2000年9月19日、さくら銀行・住友銀行・富士通・日本生命・東京電力・三井物産・NTTドコモ、NTT東日本の出資により、「日本初のインターネット専業銀行」として誕生しました。

法人口座開設の初期費用や法人口座維持手数料・月額利用料は無料です。

1件あたり振込手数料

PayPay銀行宛 他行宛
55円(税込) 160円(税込)

ただし、前月の預金平均残高(円普通預金、円定期預金)が3,000万円以上の場合は、月5回まで振込手数料が無料になります。また、口座開設月の翌々月末までの振込手数料が毎月最大10回無料になります。

審査を通過すると、書類到着後一週間から10日間程度でキャッシュカードや本人確認に使用するカードが届きます。

住信SBIネット銀行:手数料の安さ重視ならこれ!補助金支援サービスもあり

住信SBIネット銀行HP
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とSBIホールディングスがそれぞれ50%ずつ出資しているインターネット専業の銀行です。
法人口座開設の初期費用や法人口座維持手数料・月額利用料は無料です。

1件あたり振込手数料 

住信SBIネット銀行宛 他行宛
0円(税込) 145円(税込)

法人向けに「振込優遇プログラム」があり、振り込み回数による条件によっては振込手数料が最大130円にまで安くなります。
審査の目安は一週間程度です。また、審査通過後、カードが自宅に届くまでに10日ほどかかります。

住信SBIネット銀行の法人口座ついて、詳しくはこちらの記事を>>
住信SBIネット銀行法人口座の基本機能を解説!気になるメリットとデメリットは?

楽天銀行:総合振込や海外送金など幅広い資金移動に対応


楽天銀行は「楽天市場」や「楽天トラベル」などで知られている楽天ホールディングスが運営するネット銀行です。
ネットバンキングの月額利用料は無料ですので、コスト面でも使いやすいと言えます。

1件あたりの振込手数料

楽天銀行宛 他行宛
52円(税込) 3万円未満 150円(税込)
3万円以上 229円(税込)

見積書や請求書作成などのバックオフィス関連の効率化サービスも提供しており、会社経営をする上で欲しいサービスが充実していることも特徴の1つです。

当日振込は15時までしかできないのですが、総合振込や海外送金など幅広い資金移動に対応しています。

ネット銀行のメリットを知って事業に役立てよう

預金残高などの数字ではまだ存在感の小さいネット銀行ですが、高い利便性やコスト面での優遇、スピーディーな融資など、起業家にとって大きなメリットがあります。

法人口座は複数持つことが可能なので、店舗のある銀行とネット銀行をうまく使い分けるのも一つの方法です。
起業家として、メリットとデメリットをよく見極めて法人口座の開設先を考えていきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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