次期マイナンバーカードはいつから導入される?併存期間や現行カードとの違いも解説
次期マイナンバーカードの切り替えに向けて準備が進められている

2016年から導入が開始されたマイナンバーカードは、2026年3月末時点で82.1%の保有率です。
そんなマイナンバーカードですが、現行カードを刷新し、新たに次期マイナンバーカードを導入する予定となっています。具体的にいつから導入されるのでしょうか。
そこで本記事では、次期マイナンバーカードがいつから導入されるのか、次期マイナンバーカードと現行カードの違いなどを解説します。
次期マイナンバーカードが導入される時期・タイミングなどが気になる人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
次期マイナンバーカードの導入はいつから?

次期マイナンバーカードは、2025年6月13日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の中で、「次期マイナンバーカードは2028年度中の導入を目指す」と発表されています。
当初は現行のマイナンバーカードが2016年から10年を迎える2026年度中に導入される方向でした。
しかし、システム対応などを十分考慮した上で安全かつ利便性の高い時期マイナンバーカードの導入を目指すとしています。
現行と次期マイナンバーカードの併存期間
次期マイナンバーカードが導入された場合、国民の約8割が現行から次期マイナンバーカードに切り替える必要があるため、自治体の窓口に殺到するリスクが考えられます。
また、人によっては切り替えのタイミングが合わない場合もあるかもしれません。
そこで政府は、スピードを重視するのではなく確実に移行することを優先する方針としています。
次期マイナンバーカードに切り替えた場合でも、直前に発行した現行のマイナンバーカードは有効期限が変わらず、10年間使用できることになります。
つまり、新旧カードの併存期間は最大10年間となるのです。
現行のカードは有効期限まで使える?
現行と次期マイナンバーカードには併存期間が用意されているため、現行のカードが有効期限を迎えるまで使用することができます。
ただし、注意しなくてはならないのがカード自体の期限と電子証明書の期限が異なる点です。
現行カードの有効期限は10年となりますが、現行における電子証明書の有効期限は5年です。
マイナンバーカードには署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書が格納されており、この有効期限が5年間に設定されています。
電子証明書の有効期限が切れてしまうと、生活に支障を及ぼしてしまう恐れがあるため、更新手続きが必要です。
次期マイナンバーカードが導入される背景

次期マイナンバーカードが導入される背景に、現行カードの機能を見直し、より安全かつ使いやすいカードに更新することが挙げられます。
現行のカードが発行された2016年から10年が経過しましたが、この10年でデジタル技術も進展してきました。
こうした技術的な進化を踏まえ、セキュリティや発行のしやすさ、使い勝手の良さが向上した次期マイナンバーカードが導入に向けて進められているのです。
また、マイナンバー制度はそもそも「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」「国民の利便性向上」の3つを活用目的に掲げています。
次期マイナンバーカードは、この目的をより実用的に支えることを目指しています。
次期マイナンバーカードと現行カードの違い

次期マイナンバーカードと現行のカードではさまざまな違いが見られます。ここで、主な違いをまとめて紹介します。
デザインの刷新と性別への配慮
次期マイナンバーカードは、よりシンプルでわかりやすいデザインに刷新される予定です。
日本の国民カードとしてふさわしく、誰もが持ちたくなるような魅力的なデザインを目指しています。
さらに、偽造防止対策やユニバーサルデザインへの対応、視覚障害者にも配慮したデザインとなる予定です。
また、券面の記載事項は氏名・生年月日・住所・顔写真の記載は変わりませんが、氏名のフリガナが新たに追加されるほか、これまで券面に表記されていた性別はICチップに記録されているものの、券面には記載されません。
他にも、希望者には生年月日の西暦と氏名のローマ字表記が追加欄に記載できる可能性があります。
5年ごとの更新が不要になる見通し
現行カードではカード自体の有効期限が10年、電子証明書の有効期限が5年となっていました。
次期マイナンバーカードではカード本体の期限に合わせて、電子証明書も10年に延長するとしています。
そもそも電子証明書の有効期限が5年と短く設定されているのは、電子証明書の安全性が大きく影響しています。
電子証明書には「公開鍵暗号方式」と呼ばれるセキュリティ対策が講じられており、電子署名や認証機能を利用することが可能です。
しかし、公開鍵暗号方式を10年間も使い続けると、電子証明書が解析され、第三者に不正利用されるリスクがあります。
電子証明書の安全性を確保するためにも、5年ごとの更新が必要となっています。
次期マイナンバーカードは、電子証明書を10年間使ってもセキュリティ面で問題が出ないよう、より強固な暗号方式に移行する予定です。
なお、18歳未満に関しては、次期マイナンバーカードになっても現行と変わらず、カード本体と電子証明書の有効期限は5年間になります。
暗証番号が4種類から2種類に統合
現行のカードのICチップには4つのAP(アプリケーション)があります。
-
- 公的個人認証サービスによる電子証明書(JPKI)AP
- 券面AP
- 券面事項入力補助AP
- 住基AP
4つのAPにはそれぞれ暗証番号が必要であり、ユーザーは4つの暗証番号を管理する必要があります。
しかし、次期マイナンバーカードでは「認証AP」と「券面等AP」の2種類に再編し、暗証番号も2つまでとなります。
-
- 認証AP:JPKI AP・住基APの機能と、券面事項入力補助APの機能のうち、マイナンバーおよび4情報の取得機能
- 券面等AP:券面事項確認APの機能と、券面事項入力補助APの機能のうち、マイナンバー取得機能と4情報取得機能
必要な暗証番号が2つになったことで、暗証番号の設定や入力時の負担が軽減され、より利用しやすくなります。
発行体制・更新方法の変更
現行カードの場合、更新手続きは有効期間が満了する日の3カ月前からできるようになっています。
しかし、次期マイナンバーカードだと更新申請は有効期限の1年前から可能となり、さらにカードの有効期限も10回目の誕生日の1カ月後まで延長される予定です。
これにより、誕生日までにカードを更新していなかった場合でも、猶予として1カ月が設けられ、「うっかり更新をし忘れていてカードが失効した」という事態も防ぎやすくなります。
また、現在電子証明書の発行・更新手続きは市町村窓口だけでなく郵便局でも対応しています。
次期マイナンバーカードから、カード自体の更新手続きも郵便局で対応できるよう、整備を進めていくとしています。
利便性が高まる一方で、マイナンバーカードは対面・オンラインで確実な本人確認ができる本人確認書類ということもあり、更新時は顔写真の情報が変更されるため、十分な確認を行わなければなりません。
そのため、対面での厳格な本人確認は引き続き行っていくとしています。
電子証明書の取り扱い
重要論点として、電子証明書が2031年以降に利用できなくなる可能性を挙げています。
これは、現行カードの電子証明書に使われている暗号アルゴリズムが、2031年1月1日以降利用できなくなるというものです。
しかし、2031年1月1日までに現行カードを持つ人全員が次期マイナンバーカードへの移行を完了するのは難しいと考えられます。
電子証明書の有効期限は5年になるため、例えば2026年に現行カードで電子証明書を更新すると、5年の有効期限よりも前に電子証明書が使えなくなる可能性があります。
この解決策として、暗号アルゴリズムの利用延長に向けて相談などの検討を行う必要があるとしています。
ICチップの空き容量
マイナンバーカードには、ICチップが搭載されていますが、メモリの空き容量にも限りがあります。
そのため、次期マイナンバーカードでは新暗号方式への移行やAP再編などで効率化し、格納される顔写真データを白黒のままにする方向で、容量の節約を目指します。
さらに、搭載アプリの個数などもメモリ容量を節約するために検討するとしています。
その他の重要論点に挙がっている項目
その他にも、次期マイナンバーカードの重要論点として挙がっている項目があります。
| 重要論点 | 概要 |
| 新旧カード切り替えに伴う、カード利用機関などへの影響 | 端末側のソフトウェア対応で新旧両方の暗号方式を使えるようにする。端末側の対応負荷を軽減するための支援を検討する。 |
| ISO認証 | ISO/IEC15408のCC認証の取得を必須とし、仕様変更に伴って個人番号カードプロテクションプロファイルのCC認証も取得し直す。 |
| ICチップの顔写真カラー化など | 次期マイナンバーカードでも白黒のデータを格納。申請時に添付する顔写真の撮影基準や、品質チェックの強化などを徹底する。 |
| カードの磁気ストライプ | マイナンバーカードを図書館カードや印鑑登録証、銀行のキャッシュカードとして使えるように、磁気ストライプの搭載は継続する。 |
| PUKの発行 | マイナンバーカードの交付時に希望者はマイナポータルアプリからPUKを設定できるようにする。 |
| カード本体とJPKIアプリの真贋性判定機能の追加 | デバイス認証を実施するための内部認証鍵を設け、名部認証鍵に対応した公開鍵を配布する方向で対応。マイナンバーカードの真正性を確認するセキュアメッセージング機能を必須とする。 |
| 電子証明書の失効理由を細分化 | 電子証明書の失効理由で「死亡」の細分を設けることは難しいため、その対処法について検討する。 |
| マイナンバーカードの呼称変更 | 次期マイナンバーカードの導入時に新たな呼称について、国民の公募も経て検討する。 |
| インターフェイス仕様の公開 | カード利用端末の開発を容易にすることを目的に、インターフェイス仕様(APDU仕様書)を公開する。 |
| 将来的な物理カードの必要性(長期的論点) | 物理カードの不要化について、利便性の確保も含めて中長期的な課題として検討を続ける。 |
| JPKI暗号化機能の追加 | JPKI暗号化機能の追加について、必要性やコスト、実現方式を加味し、引き続き検討する。 |
現行カードや電子証明書の有効期限が切れた場合の注意点

次期マイナンバーカードに切り替えないまま、現行カードや電子証明書の有効期限が切れてしまった場合、特に切り替えなくても罰金・罰則などはありません。
しかし、利用できなくなる機能が出てくるため注意が必要です。
ここで、現行カードや電子証明書の有効期限が切れてしまった場合の注意点を解説します。
電子証明書が使用できなくなる
マイナンバーカードに格納されている電子証明書は2種類あり、利用者証明用電子証明書と署名用電子証明書です。
利用者証明用電子証明書はログインした人が利用者本人であることを証明する書類であり、コンビニのマルチコピー機で住民票の写しなどを交付したり、マイナポータルへログインしたりするのに活用されています。
一方、署名用電子証明書は電子文書を作成・送信するために活用される証明書です。
例えばネットバンキングなどの登録などに用いる場合もあります。
電子証明書の有効期限が切れた場合、これらがすべて使えなくなるということです。
本人確認書類として利用できなくなる
マイナンバーカードは、運転免許証やパスポートなどと同様に、本人確認書類としても活用されています。
しかし、カードの更新を行わなければ、本人確認書類としての効果も切れてしまうため、例えば銀行での手続きや不動産契約、相続手続きなどの本人確認が必要な場面で使えなくなってしまいます。
特に運転免許証を返納していて、パスポートも取得していない高齢者だと、マイナンバーカードが唯一顔写真付きの身分証明書となるため注意が必要です。
免許更新のワンストップサービスやe-Taxなどが使えなくなる
マイナンバーカードと運転免許証を一体化させた「マイナ免許証」は、住所変更等ワンストップサービス(OSS)の対象です。
市町村窓口で氏名や住所を変更すると、免許センターでの記載事項変更届出が不要になります。
しかし、マイナンバーカードの有効期限が切れていれば、便利なワンストップサービスなども利用できません。
また、e-Taxでもマイナンバーカードを活用してマイナポータル経由、またはe-TaxのホームページからログインするとID・パスワードの入力などをしなくてもe-Taxが利用でき、申告などのデータを送信できます。
しかし、有効期限が切れていれば利用できなくなってしまいます。
次期マイナンバーカードに関するよくある質問

次期マイナンバーカードについて、よくある質問と回答をまとめました。
次期マイナンバーカードへの切り替えに費用はかかる?
現行カードでも有効期限を迎えたマイナンバーカードや電子証明書の更新手続きに費用はかかりませんが、次期マイナンバーカードへの切り替えも費用はかからないと考えられます。
紛失・盗難時の対応は変わる?
マイナンバーカードを紛失・盗難した際の対応は、2026年現在特に変更点はなく、現行と同じ対応になる可能性が高いです。
カードを紛失・盗難された場合、まずは機能の一時停止手続きを行い、自宅での紛失を除いて最寄りの交番・警察署に遺失届・盗難届を提出します。
これらが済んだら、住民登録がある市区町村窓口で再発行の手続きを行いましょう。
次期マイナンバーカードに切り替えてもマイナ保険証は使える?
次期マイナンバーカードに切り替えた場合でも、マイナ保険証などの既存機能はそのまま使える見通しです。
ただし、次期マイナンバーカードの導入予定が2028年度中となっているため、それ以前に更新手続きを行う予定の人は注意する必要があります。
まとめ・次期マイナンバーカードへの切り替えを検討しよう
次期マイナンバーカードは、当初の予定だった2026年から2028年度中の導入を目指しています。
現行カードから次期マイナンバーカードに切り替えなかったとしても、ペナルティがあるわけではありません。
しかし、カードの失効によって本人確認や電子証明書の利用が難しくなります。
更新手続き自体は無料で行えるので、次期マイナンバーカードが導入されたら切り替えを検討してみましょう。
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(編集:創業手帳編集部)
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