あなたの会社を売ったらいくら?企業価値を高める4つのポイント
企業価値を高めるために押さえておきたいポイントと簡単な企業価値の計算方法
ベンチャー企業の社長として思うのは、「自分の会社の企業価値はいくらなのか?」ということだ。例えば、1,000万円の資本で始めた会社が、外部にどのくらいで評価されるのかは気になる。もし、1億円で評価されたなら、あなたは会社の価値を10倍にした有能な経営者だ。
しかし、1,100万円にしか評価されないかもしれない。もしかしたら100万円かもしれない。
「会社を売ります」と宣言すれば、買い手(候補)から容赦なくその評価を受けられるだろう。しかし、売る気はないのに、そんなことを言うことはできない。
そこで、経営者として企業価値を高めるために押さえておきたいポイントと、会社の価値を簡単に計算する方法を紹介する。
企業価値を決める要件
実は、企業価値を決める要件というのは、整理すると以下の4点になる。
- 買い手の意欲
- 成長が期待できる事業かどうか
- 内部留保の厚さ
- 収益状況
理想的なことを言えば、買い手が興味を強く持っている(あるいは買い手がたくさんいる)業界において、これから成長が期待できる事業モデルをもち、収益も長年にわたって安定しており、長期にわたって厚い内部留保を維持している会社が最も高く評価をされる可能性があるということだ。
ベンチャー企業が企業価値を高めるためには?
企業価値を算定する4つのポイントがわかれば、ベンチャー経営者としては、企業価値を高めるために行う施策は、これらのどれかを高めることでなくてはならない。
ただし、これら4つの案件を満たしている企業は少ない。良く考えれば分かるが、ベンチャーに内部留保の厚さを求めるのもおかしな話だ。実質的には、「買い手が興味を持つ業界でビジネスをしているか」「成長が期待できるビジネスモデルか」「黒字化をしているか」という項目をどれだけ満たしているかということになる。
目安としては、ベンチャー企業であれば、2つ以上に当てはまるれば良い条件を引き出すことが可能だろう。
まずはあなたの会社を簡易評価をしてみよう
さて、難しいことはさておき、あなたの会社について、簡易的に企業価値を算出する方法がある。決算で出している貸借対照表の純資産と、営業利益の数値だけで算出する方法だ。
ここまでシンプルにすると、決算書を手にしたことがある方であれば、誰でも簡単に計算ができるだろう。
問題は調整係数だ。調整係数は、「将来的な成長が期待される」、あるいは「とても良い資産を持っている」ような場合は、1以上の数をいれる。他方、「将来的な伸びが期待できない」、あるいは「なにかネガティブな要素を抱えている」ような場合は、1未満の数をいれる。
例えば、純資産の部が50百万円、営業利益が10百万円、良い取引先を抱えていて、これから事業の伸びが期待できるという企業の場合を考えてみよう。この場合、調整係数は1以上の数を入れるので、今回は仮に1.3としてみよう。
以上から、
このように評価をすることができる。なお、この評価はあくまで簡易的なものであり、事業内容、事業規模、借入の状況、資産の状況などを考慮していない。よって、あくまで参考程度として認識した上で活用するとよいだろう。
(監修:株式会社共生基盤 代表取締役 中村亮一)
(編集:創業手帳編集部)