アタックス・セールス・アソシエイツ 横山 信弘|起業家が知っておきたい「営業」の超基本!「絶対達成バイブル」の著者にインタビュー(前編)
トップは誰よりも商品を想って、誰よりも汗をかけ
(2018/01/22更新)
起業するとまず直面するのが「営業活動」。実績が無い状態から実績を作り出していかないといけません。そんな中で成果を出していく方法を、著書「絶対達成バイブル」で解説しているのが、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツの代表取締役社長・横山信弘氏です。
横山氏は営業先の可能性を「予材」という考え方で管理する手法を提唱しており、老舗からベンチャーまで数々の会社を事業再生させた、凄腕の営業コンサルタントです。
インタビュー前編では、起業家に向いている人・向かない人の違いや、営業をしていく上での心構えについて、お話を伺いました。
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ 代表取締役社長
企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。支援先は、NTTドコモ、ソフトバンク、サントリー等の大企業から中小企業にいたるまで。3大メガバンク、野村證券等でも研修実績がある。企業研修は、基本的に価格がつけられず「時価」。にもかかわらず、研修依頼はあとを絶たない。現場でのコンサルティング支援を続けながらも、年間100回以上の講演実績は6年以上を継続。
ベストセラー「絶対達成シリーズ」の著者であり、メルマガ「草創花伝」は3.7万人の経営者、管理者が購読する。コラムニストとしても人気で、日経ビジネスオンライン、Yahoo!ニュースのコラムは年間2000万以上のPVを記録する。著書『絶対達成マインドのつくり方』『「空気」で人を動かす』など著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。2017年12月7日に、横山信弘著「最強の経営を実現する予材管理のすべて」が発売され好評を博している。
起業は「優等生」より「変なやつ」が向いている!?
横山:自分は元々、日立で※CRMなどのシステム営業をしており、35歳で退職しました。その後、アタックスに入社したのですが、当時は実績も能力も何も無く、追い込まれた状況でした。
※CRM:顧客との関係を構築・管理するマネジメント手法のこと。「顧客関係管理」とも言われる。
そんな中で、本来税理士法人であるアタックスグループの中で、営業コンサルタントの仕事に可能性があるのではと思い、社内ベンチャーとして立ち上げたのがこの会社です。
社内ベンチャーは、給料をもらえるのが良い点ですし、社内のリソースも使えるので、一見有利に事業を立ち上げられると考えがちです。ですが、実際のところ、社内ベンチャーは失敗の山です。
社内ベンチャーは、既存の看板やリソースを使える一方で、既存事業との軋轢もありますし、やっている本人も給料をもらっていると覚悟が決まらない、という面もあります。
さらに、社内ベンチャーでは、既存事業で優秀だった人を人材として登用しがちです。ですが、実は優等生的なサラリーマンは社内起業、新規事業には向いていないケースがあります。敷かれたレールを素直に走る人と、レールを作る人では違うからです。
むしろ、「変な奴」をあてたほうが良いのではないかとすら思います。起業家は優等生ではむしろダメなのです。
そうですね。
「常識にとらわれないからこそ、新しい発想ができる」という面もあります。
ツールは最後。「どうあるべきか」からスタートする
横山:CRMの知識、考え方も確かに役立ちますが、所詮はツール(道具)です。起業や経営に必要なのは、やり方ではなく、「自分の会社はどうあるべきか?」という理想像をゴールとして設定することです。
あるべきゴールを設定して、死に物狂いで努力していくことが必要であって、やり方やツールに焦点を当てているとダメだと思います。
そういう何もない起業家が、営業をする上で、重要なことはなんだと思いますか?
横山:①汗、②アイディアではないでしょうか。汗とは頭の汗、つまり考えることも含みます。
革新的なアイディアがあれば、資金提供してもらえるということもあるでしょう。ですが、実際に上手くいっている人は地道な努力を怠っていません。
さらに、革新的なアイディア場合、引き合いや紹介で、話が来るのは良いですが、顧客を作り出す基盤が育ちません。ブームが終わるとお手上げになる、なんていうことがあるんです。
そのため、アイディア以上に、努力が大事だと思います。
そして、難しいのが、起業家には時間が無いということです。
時間が経てば経つほど資金繰りが辛くなってしまうので、早く事業を軌道に乗せないといけません。そのため、お金と時間と労力を集中的にかけることが重要です。
つまり、集中的に努力して、手に入れたお金を次に投資していく、ということです。当たり前のことですが、それを徹底してやるべきです。
トップは誰よりも商品に思い入れを持て
横山:それは最高な例えですね!
その方がおっしゃる通り、トップは商品への思い入れと、「どのようにすればもっと売れるだろう?」と考えることが求められます。
起業する場合、生き残るには根性がいると思います。誰でも起業はできるけれども、生き残るには、やっぱりサラリーマンとは比較にならない努力と時間を投下しないといけません。
(取材協力:株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ/横山信弘)
(編集:創業手帳編集部)