【2026年最新】労基法改正で副業はどう変わる?起業準備がしやすくなるポイントを解説
労基法の改正で、副業は「やりやすくなる」可能性がある

副業をスタートする時に、気になるのが本業との兼ね合いです。労基法が関わる部分ではありますが、2026年4月時点では副業に関わる制度改正は確定していません。
現在は、審議会で見直しの議論が進められている段階です。
副業に関する部分で特に注目されているのは副業・兼業を行う場合の労働時間通算の取り扱いです。企業側の管理負担を軽減する方向性で検討が進んでいます。
今後、副業が関わる制度が見直されれば、会社も副業を認めやすくなる可能性があり、起業準備を進めたい会社員にとって働き方の選択肢が広がると期待されています。
本記事では、副業に関わる制度の最新動向だけでなく、副業をはじめる際に実務で気をつけるポイントもあわせて解説します。
これから副業をはじめたいと考えている人はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
なぜ「労基法改正で副業が変わる」といわれているのか

働き方改革の推進が進み、私たちを取り巻く労働環境に変化が訪れています。労働基準法の見直しに関する議論の中で注目されているのが、副業の扱いです。
ここでは現時点での法改正の状況や見通しを解説しています。
今回は、2026年4月段階での情報をもとにしています。今後の議論状況によって内容が変わる可能性があるのでご留意ください。
どうして労基法改正によって副業の環境が変わるのか理解しておいてください。
現行ルールでは労働時間通算が企業の負担になっている
現行の労働基準法では、労働基準法38条に基づいて副業を行う場合に本業と副業の労働時間を通算して管理しなければいけません。
原則として使用者が異なる場合でも通算されます。
つまり、雇用している従業員が副業している場合は、本業と副業の労働時間を通算して管理し、法定労働時間を超えた場合は時間外労働となります。
労働時間を通算した結果として法定労働時間を超える場合は、割増賃金の支払いが必要となるため、副業を認める企業ほど負担が増えてしまう構造です。
副業で働いた時間を申告させて管理し、時間外労働には割増賃金を支払うという企業にとってコストが大きい仕組みである現状は副業制度の普及を妨げている要因のひとつとして指摘されました。
これを受けて見直しの必要性が議論されている段階です。
その結果、副業を認めにくい会社も多かった
多くの企業は、事務的、金銭的な負担を避ける目的で副業を許可制にしたり禁止したりする就業規則やルールを設けてきました。
副業を認めた場合には、長時間労働となるリスクもあるため、安全配慮の観点から制限を設けるケースも多くあります。
つまり、制度上は副業が可能でも実務上は許可されにくい状況です。
副業を推進するためには、企業が副業を認めやすい環境整備を進める必要があると指摘されています。
政府も副業・兼業を推進する方針を示している
政府は、副業・兼業を人材活用や生産性向上につながる施策として位置づけており、多様な働き方を認める方向で政策を進めています。
厚生労働省も副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表し、企業に対して柔軟な働き方への対応を求めました。
制度見直しの議論もこうした政策方針の流れの中で行われており、過重労働を防ぐといった労働者への配慮は継続しながら副業をしやすい環境づくりが必要とされています。
2026年に注目される労基法の改正|副業はどう変わる見込み?

労基法改正は、今後の副業の環境に大きく影響します。2026年4月時点での議論の状況と今後の見込みについて解説します。
労働時間通算ルールの見直しが議論されている
労働基準法第38条では、労働時間について事業場が異なっていても、労働時間に関する規定は通算すると定められています。
現行制度では本業と副業の時間を合算して管理する必要があり企業への負担が大きいといわざるを得ません。今後はより現実的な管理方法への変更が検討されています。
副業解禁への方向性に進む一方で、労働者の健康確保は不可欠です。労働者の健康を維持しながらも柔軟な働き方を認める法整備の見直しの必要性が指摘されています。
今後、これらの見直しが実現すれば企業が副業を認めやすくなり、働き方の選択肢が広がると期待されています。
健康管理義務は引き続き重視される
副業に制度が見直された場合でも長時間労働を防ぐための健康管理は重要であり、労働者の安全を守る仕組みは維持される方向性で議論されています。
副業の扱いが変わったとしても自己管理の重要性は変わりません。副業を行う際には無理のない労働時間を守ることが求められます。
企業側にも安全配慮義務があり、副業制度の緩和と健康管理は片方だけでなく両方を大切にする前提で考えなければならない論点です。
副業しやすい環境は、起業準備を進めやすい?

働き方によって副業が推進された結果、企業によって対応も変化しています。副業しやすい環境は、これから起業を考えている人にとっても適した環境です。
なぜ起業準備を進めやすいか、以下で解説します。
本業を続けながら小さく事業を試すことができる
副業が認められる環境では、会社員としての収入を維持しながら新しい事業を試すことができ、独立のリスクを抑えながら挑戦できます。
小規模な副業からはじめられれば市場の反応を確認でき、本格的に起業する前に課題を把握可能です。
副業がうまくいった時にも段階的に事業を拡大できます。安定収入を維持しながら進められるので、資金不足による失敗を防ぎやすい働き方です。
収入を分散しながら事業の基盤を作れる
起業するために退職すると収入源を失うことになります。
副業で収入源を複数持つことで生活費を確保しながら事業を育てることができ、起業初期の不安を減らすことにつながります。
収益が安定してから独立できるので急な収入減少によるリスクを避けやすく、余裕を持って事業に取組むことが可能です。
副業期間は事業の準備期間として活用し、計画的に独立しましょう。
副業は起業の予行演習になる
自分で事業を運営することと、会社員として働くことは大きく違います。起業すれば営業や経理、契約管理などを自分で行います。
大変ではありますが、独立後に必要な実務経験を事前に身につける有効な手段です。
副業をしてから初めて営業を経験する人もいるかもしれません。小規模でも顧客対応を経験することで、サービス改善や価格設定の感覚を養えます。
こうした実務経験を積んでから起業することで、失敗の可能性を下げる効果があるのです。
会社に依存しない働き方を準備できる
副業をはじめると給与以外の収入源を持つことができるので、会社の雇用に依存しない働き方を少しずつ準備できます。
転職や独立といった選択肢を現実的に検討するために複数の収入経路を持つことが有効です。
副業はキャリアの自立を目指す手段としても活用されています。多様な働き方を実現するための第一歩として副業を検討してみてください。
副業をはじめる前に押さえたい注意点

副業解禁の流れにのって、副業を探しはじめる人もいるかもしれません。しかし、副業をはじめる前に確認しなければならない点が複数あります。
副業をはじめる前に押さえておきたい注意点をまとめました。
就業規則・競業避止・秘密保持を確認する
副業を行う際には、まず会社の就業規則を確認してください。副業が許可制や届出制になっている場合には、事前手続きが必須です。
会社によっては、同業種の副業を禁止する競業避止義務が定められている場合もあります。
ルールを確認せずに起業したり、隠したりするとトラブルの種になってしまうでしょう。
加えて、本業と副業は明確に区切らなければいけません。業務上知り得た顧客情報やノウハウを副業に利用すると、秘密保持義務違反となるリスクがあります。
副業と本業でパソコンやデータを使い分けるなど、情報管理も徹底してください。
副業をしても小規模であれば気づかれないと考えるのは危険です。住民税の増加やSNSなどで副業が知られるケースは珍しくはありません。
こうした違反が発覚すれば、懲戒処分などのペナルティが課されるリスクもあります。
「知らなかったから」では済まないことなので、副業をはじめることについて不安がある場合には、人事や総務に事前に相談するようにおすすめします。
働きすぎを防ぎ、無理のない範囲で続ける
副業をはじめる時も、健康管理は怠らないようにしてください。本業の労働時間を加味しても長時間労働にならないよう自分で労働時間を管理するようにします。
本業に支障が出るほど副業を行うと、成績や人事評価に影響する可能性があります。副業をはじめてから本業が続けられなくなれば本末転倒です。
いきなり負担をかけるのではなく、はじめは無理なく継続できる範囲で取組んでください。
安定して続けることが副業成功の条件です。事業をはじめる時には、もどかしくても無理のない計画を立てるようおすすめします。
例えば、1日1時間~2時間、休日だけ稼働するといった形で区切ったり、スケジュールアプリで労働時間を管理する方法があります。
睡眠時間を削るような働き方は長続きしません。副業初期は焦って稼ぐよりも、習慣化することを優先するようにしてください。
副業収入が増えたら確定申告や開業準備を検討する
副業で一定以上の所得がある場合は確定申告が必要です。確定申告とそのための会計処理といった手続きを正しく行わなければいけません。
給与所得者の場合には、副業所得が年間で20万円を超えたら確定申告が必要です。確定申告に備えて、事業に関わる出費のレシート、領収書は必ず保管してください。
会計ソフトを使えば、会計初心者でも手続きの負担を軽減しやすくなります。
継続的に収入がある場合は開業届を提出することも検討してください。
複式簿記での記帳などの手間はかかりますが、青色申告承認申請書を提出すれば最大65万円の控除が受けられる税制上のメリットがあります。
事業の管理は手間はかかるものの、経費処理や資金管理がしやすくなり本格的な起業準備につながります。
準備段階で起業後にどういった手続きが発生するのか理解しておくことが重要です。
副業から起業を目指す人のはじめ方【3ステップ】

副業が解禁されるようになり、起業するために副業からはじめやすい環境が整いつつあります。これから副業、そして起業を目指す人はどのように目指せばいいのでか。
ここでは3ステップに分けて副業から起業を目指す人のはじめ方をまとめました。
STEP1:低リスク・低コストの副業を選ぶ
副業として起業を目指すメリットのひとつが低リスク、低コストであることです。
起業準備として副業をはじめる場合は初期費用が少なく、在庫や設備を持たないビジネスを選ぶと失敗した時のリスクを抑えられます。
インターネットやツールの発展によって、個人でも手軽に多くの人に商品やサービスを届けられるようになりました。
ショッピングカート機能を利用できるインターネットショップ開設サービスもあるので、手軽にお店をはじめられます。
さらにオンラインサービスやスキル提供型の事業も少額ではじめられる副業です。
こうした副業は時間や作業量をコントロールしやすいので、会社員でも調整しながら副業に取組みやすい方法です。
小さくはじめることで資金負担を抑えながら経験を積み、将来的に事業を大きくしていくことを目指してください。
STEP2:月1万〜5万円を目安に小さく検証する
副業は最初から大きな売上を目指すよりも、小さな収益を安定して得られるかを確認することが重要です。
月1万円でも継続的に収益が発生すれば、ビジネスとして成立する可能性があると判断できます。
月数万円の利益が安定して生み出せるようになったら、それを増やしていく手段を考えてください。
一度成功して大きな金額を稼いでも、それに再現性があるかどうかはわかりません。一回だけの成功である可能性も十分にあります。
一定の売上が継続して発生するかを確認することで、事業として成立する可能性を判断可能です。
小さく検証することでリスクを抑えながら改善を繰り返すことができます。マーケティングや集客の検証でもあるので、トライ&エラーを重ねて起業につなげてください。
STEP3:売上が安定したら開業届・青色申告を検討する
副業の収入が継続して得られるようになった場合は、個人事業主として開業届を提出することを検討する段階です。
開業届を提出すると青色申告特別控除などの制度を利用でき、税務上のメリットを受けられる可能性があります。
開業届や青色申告承認申請書といった書類の提出のほか、確定申告も必要になるので面倒に感じるかもしれません。
しかし、事業運営自体にメリットがあり、正式に事業として管理することで資金管理や経費処理、将来的な独立への準備を進めやすくなります。
将来起業することも考えて、継続的な事業の成長を目指してください。
まとめ|労基法の改正は「会社に依存しない働き方」の追い風になりうる
2026年4月現在、労働時間通算ルールの見直しについて議論が進められています。
法整備の内容によって、副業を認めやすい環境が整い、会社員でも起業準備を進めやすくなる可能性もあります。
ただし、制度はまだ議論段階であり、就業規則の確認や健康管理など基本的なルールは今後も変わらないと考えなければいけません。
副業を活用して、小さく起業にチャレンジすることは、会社に依存しない働き方を実現するためにも重要な意味があります。
制度の変化を待つだけでなく、今できる範囲で小さくはじめることが、将来の選択肢を広げる第一歩です。
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(編集:創業手帳編集部)
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