【2026年版】ロボット導入補助金まとめ│制度比較・上限額・事例などを解説
ロボット導入に補助金は使える!

製造業や物流、サービス業など様々な分野でロボット導入を検討する企業が増えています。
しかし、導入には多額の費用がかかるため、投資判断に悩む企業も少なくありません。ここで活用したいのが、ロボット導入に利用できる補助金制度です。
ロボット導入に使える補助金の多くは、設備投資型の補助金に該当します。
生産設備や自動化機器などの導入を支援する制度を活用することで、ロボットの導入費用の一部を補助してもらえる可能性があります。
この記事では、ロボット導入に活用できる補助金制度や実際に補助金を使って導入した事例などを紹介します。
この記事の目次
【一覧比較】ロボット導入に使える主要補助金制度5選

ロボット導入に使える補助金制度にも様々な種類があり、それぞれで特徴や上限額などが異なります。ここでは、5つの補助金制度をピックアップして紹介します。
| 補助率 | 上限額 | 対象企業 | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 1/2または2/3 | 2,500万円 | 日本国内で1人以上を雇用する中小企業や小規模企業者など | 新商品・新サービスの開発にともなうロボットは補助対象 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 1/2または2/3 | カタログ注文型:1,000万円 一般型:8,000万円 |
中小企業、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人 | 中小企業の付加価値や生産性を高め、最終的に賃上げにつなげることを目的とする補助金 |
| 中小企業新事業進出補助金 | 1/2 | 7,000万円 | 日本国内に補助事業の実施場所を有し、一定以下の資本金・常勤従業員数の企業 | 新事業進出要件や付加価値額要件、ワークライフバランス要件など満たす、3~5年の事業計画が必要 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 1/2 | 5億円 | 売上高100億円を目指す中小企業(売上10億円以上100億円未満) | 対象経費のうち投資額1億円以上を用いる |
| 中堅等大規模成長投資補助金 | 1/3以下 | 50億円 | 日本国内に補助事業の実施場所を有し、常時使用する従業員が2,000人以下の企業または個人 | 売上高100億円の目標を目指し、取り組むことを宣言する「100億宣言企業」として公募申請時までに公表されていることが条件に含まれる |
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げなどに対応するために、革新的サービス開発や試作品開発を行うための設備投資をサポートする補助金です。
特に「製品・サービス高付加価値化枠」では、ロボット本体や周辺機器、制御ソフトウェアも補助対象に含まれます。
上限額と補助率は従業員規模によって異なります。
| 従業員規模 | 補助上限額 | 補助率 |
| 1~5人 | 750万円 | 中小企業1/2 小規模企業・小規模事業者および再生事業者2/3 |
| 6~20人 | 1,000万円 | |
| 21~50人 | 1,500万円 | |
| 51人以上 | 2,500万円 |
なお、特例要件として、大幅な賃上げに取り組む事業者には補助上限額が100万~1,000万円の上乗せ、最低賃金の引き上げに取り組む事業者は補助率が2/3に引き上げられます。
補助対象になるロボットの種類は搬送用や医療用、溶接用など幅広いですが、新製品・新サービスの開発をともなうものでないと対象外になるので注意が必要です。
採択されるためには、事業計画でロボットの導入により付加価値を創出できることや、生産性向上や将来の売上などを数字で示すことが大切です。
中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、中小企業などの売上拡大や生産性の向上を後押しするために、省力化投資をサポートし、最終的に賃上げにつなげることを目的とする補助金制度です。
主に「カタログ注文型」と「一般型」があり、それぞれ上限額や補助率が異なります。
【カタログ注文型】
| 補助対象 | 補助上限額 | 補助率 | |
| 補助対象としてカタログに登録された製品等 | 従業員5人以下 | 200万円(300万円) | 1/2以下 |
| 6~20人 | 500万円(750万円) | ||
| 21人以上 | 1,000万円(1,500万円) | ||
【一般型】
| 補助対象 | 補助上限額 | 補助率 | |
| 個別対象の設備や事業内容に合わせた設備導入・システム構築 | 従業員5人以下 | 750万円(1,000万円) | 中小企業1/2(2/3)、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者2/3 |
| 6~20人 | 1,500万円(2,000万円) | ||
| 21~50人 | 3,000万円(4,000万円) | ||
| 51~100人 | 5,000万円(6,500万円) | ||
| 101人以上 | 8,000万円(1億円) | ||
大幅な賃上げを実施する場合、補助上限額と補助率の引き上げが可能です。
カタログ注文型の場合、カタログに掲載されたロボット製品、一般型は各現場や事業内容に合わせたロボット製品の導入を対象としています。
例えば、清掃ロボットや配膳ロボット、建設作業ロボット、製造・加工用ロボットなどが挙げられます。
採択のポイントとしては、ただロボットを導入したいというだけでなく、ロボットの導入によってどのように労働生産性を向上させ、賃上げにつなげるかを説明できるようにすることが大切です。
中小企業新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金は、企業の成長や拡大に向けて新規事業にチャレンジする中小企業を対象に、新市場や高付加価値事業の進出にかかる設備投資などの費用を支援する補助金です。
補助上限額と補助率は以下のとおりです。
| 従業員数 | 補助金額 | 補助率 |
| 20人以下 | 2,500万円(3,000万円) | 1/2 |
| 21~50人 | 4,000万円(5,000万円) | |
| 51~100人 | 5,500万円(7,000万円) | |
| 101人以上 | 7,000万円(9,000万円) |
補助対象になる経費は幅広く、業種を問わずロボットの導入は補助金の対象になります。
採択のポイントとして、審査項目に新市場性・高付加価値性が設けられているため、いずれかが認められるように説明することが大切です。
中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は、賃上げへの貢献や輸出による外需獲得、地域経済への波及効果などが大きい売上高100億円超を目指す中小企業をサポートする補助金です。
売上高100億円を目指す中小企業が対象となりますが、すでに売上高が10億円以上100億円未満になる必要があります。補助上限額は最大5億円、補助率は1/2です。
補助事業のために使用されるロボットであれば対象になり得ますが、単価が100万円以上のロボットでないと補助対象に含まれなくなるので注意してください。
中小企業成長加速化補助金の審査では、経営力・波及効果・実現可能性を評価軸に設定しています。
また、ロボットの導入が企業の成長戦略の中でどのように位置づけられているか、地域経済や産業全体にどの程度波及効果が見込めるかなどが評価されるため、この部分で具体的な根拠を示すと採択される可能性も高まるでしょう。
中堅等大規模成長投資補助金
中堅等大規模成長投資補助金は、地域の雇用を支える中堅・中小企業の人手不足の課題解決と成長を目指し、大規模投資を促進することで持続的な賃上げを実現するための補助金です。
大規模設備投資を実現するために、補助上限額は50億円で補助率は1/3以下としています。
対象になるのは、事業拡大に向けた事業資産への相応規模の投資を含む機械装置費で、単価100万円以上のロボットが対象です。
審査では以下5つの観点から評価されるとしています。
-
- 経営力:成長ビジョンや事業戦略、資金計画は妥当か
- 先進性・成長性:ユーザーや市場規模が明確であり、他社と差別化できる要素はあるか
- 地域への波及効果:自社だけでなく地域全体の利益に貢献しているか
- 大規模投資:企業規模に応じて強気な挑戦をしているか
- 実現可能性:計画を実行する力があるか
採択されやすくするには、これらの評価要素を事業計画などに盛り込むことが重要となります。
各自治体でも実施!ロボット導入に使える地方の補助金

上記は国が主体となり実施されている補助金ですが、地方自治体でもロボット導入に使える補助金を用意している場合があります。ここで、地方の補助金制度も紹介します。
【戸田市】介護ロボット等導入支援事業補助金
戸田市の介護ロボット等導入支援補助金は、介護事業者の負担軽減や業務効率化を図るために、介護ロボットや介護ロボット通信機器、ICT機器などを導入しようと検討している介護サービス事業所に向けた補助金です。
1介護サービス事業所につき10万円が補助されます。
【南相馬市】ロボット機器導入促進事業補助金
南相馬市のロボット機器導入促進事業補助金は、市内の事業者を対象に、ロボット機器を導入する費用の一部を補助する制度です。
補助率は1/2以内で、上限額は50万円または100万円になります。また、ロボットの導入に合わせてロボットフレンドリーな環境整備にかかる費用も補助対象です。
【各務原市】ものづくりDX・ロボット導入等支援補助金
各務原市のものづくりDX・ロボット導入等支援補助金は、継続的なDX推進やロボットなどの導入により、課題解決や競争力の強化に取り組む中小企業を応援する補助金です。
補助率は対象経費に1/2を乗じて得た額で、上限額は100万円(市内企業から設備を導入して1/2を超えている場合は200万円)になります。
どのようなロボットが補助対象になる?具体例を解説

制度によって異なるものの、どのようなロボットが補助対象になるのでしょうか。ここで具体例を紹介します。
製造業向け:協働ロボット・自動搬送ロボット
製造業では主に作業者と同じ空間で作業できる協働ロボットや、施設内で部品・製品を搬送する自動搬送ロボットなどは補助対象になりやすいです。
特に協働ロボットは、組み立て作業や検査、ピッキングなどの工程を自動化でき、作業負担の軽減や人手不足の解消、品質の安定化が期待できます。
介護・医療向け:移乗支援ロボット・見守り機器
現場の負担軽減を目的に、介護・医療分野でロボットの導入が進んでいます。
例えば、ベッドから車いすへの移乗を補助する移乗支援ロボットは、介護職員の身体的負担を軽減できる設備として注目されています。
また、センサーや見守り機器によって利用者の動きを検知し、異常がみられる場合は通知によってすぐに駆け付けることも可能です。
飲食・宿泊業向け:配膳ロボット・清掃ロボット
人手不足が深刻な飲食業・宿泊業では、ロボットを活用した省人化が進んでいます。
料理や食器を運ぶ配膳ロボットは、スタッフが接客や調理に集中できる環境づくりに貢献可能です。
ホテルや大型店舗などでは、床の清掃を自動的に行う掃除ロボットも導入されています。
物流業向け:AMR・自動仕分け設備
物流業界では、倉庫内の作業を自動化するロボットが導入されています。
例えば、倉庫内を自律走行によって荷物を運ぶAMR(自律走行搬送ロボット)を導入すれば、ピッキングや搬送業務の効率化につながります。
また、自動仕分け設備を導入することで、大量の荷物を効率的に処理できる体制を構築で可能です。
ロボット導入補助金の採択率を高めるポイント

ロボット導入に関する補助金に応募したからといって、必ず採択されるわけではありません。そこで、採択率を高めるために意識したいポイントを解説します。
生産性向上を数値で示す
補助金の審査では、ロボットの導入により生産性の向上がどの程度見込まれるかが重要な評価ポイントです。
この生産性向上の効果を具体的な数値で示す必要があります。
例えば、「これまで1時間あたり100個生産しており、ロボットを導入することで1時間あたり150個生産できる」、「作業時間が25%削減できる」などです。数値で示すことで説得力を高められます。
省力化効果・人件費削減効果を明確にする
企業がロボットを導入する目的として、省力化や人手不足対策が挙げられます。
そのため、どの工程でどれくらいの作業負担が軽減されるか、人員配置がどのように変わるのかを明確に説明することも大切です。
また、人件費をただ削減できるだけでなく、従業員をより付加価値の高い業務に配置できることをアピールするのも良いでしょう。
賃上げ要件との整合性を取る
ロボット導入に関連する補助金の多くは、賃上げを要件に含めていたり、大幅な賃上げを行うことで補助上限額や補助率を引き上げたりする傾向にあります。
この傾向を踏まえ、事業計画書などではロボットの導入にともない、従業員の待遇がどのように改善されるかも示すことが重要です。
賃金引き上げの計画以外にも、賞与の増額や労働環境の改善などを盛り込むことで、補助金の目的と整合性のある事業計画になります。
投資回収計画を具体化する
投資回収計画を楽観的に捉え、曖昧な見通しを立ててしまうと信頼性を損なう可能性があります。
そのため、投資回収計画を具体化し、何年以内に黒字化を目指すのか、設備稼働率は何%を目指すのかなど、段階的なシナリオを示すことも重要です。
ロボット導入に補助金を活用する際の注意点

補助金には特有のルールや手続きがあり、内容を理解していないと補助対象外になってしまう可能性もあります。
ここでは、ロボット導入で補助金を利用する際に注意しておきたいポイントを解説します。
原則「後払い」になる
多くの補助金は、事業完了後に補助金が支払われる「後払い方式」です。つまり、ロボットの購入費用や設置費用は、一旦自社で支払う必要があります。
例えば、1,000万円の設備投資に対して補助率が1/2だった場合でも、まずは全額を事業者が支払い、その後に補助金として500万円が支給されるという流れになります。
そのため、補助金が採択された場合でも、一時的な資金負担に対応できる資金計画を立てておくことが重要です。
交付決定前の契約は対象外
補助金では、交付決定前に契約や発注を行った設備は補助対象外になるのが一般的です。
例えば、補助金に申請する前や、採択結果が出る前にロボットの購入契約を結んでしまうと、補助金が使えなくなる可能性があります。
そのため、ロボット導入を急いでいる場合でも、補助金を活用する予定がある場合はスケジュール管理が重要です。
ロボットの買い替えは基本対象外
補助金は新たな設備投資による生産性向上を目的としているため、単なる設備の更新や老朽化した機器の買い替えは対象外となるケースが多いです。
例えば、既存のロボットと同等機能の機器に交換するだけでは、補助金の対象として認められない可能性があります。
一方で、新しいロボットを導入することで生産能力が向上する、作業工程が自動化されるなど、明確な改善効果がある場合には対象となることも考えられます。
導入による効果を具体的に説明できるかが重要です。
公募に向けて早めの準備を意識する
補助金は公募期間が限られており、申請には事業計画書や見積書など多くの書類が必要になります。
公募が始まってから準備を始めると、十分な内容の申請書を作成する時間が足りなくなることもあるかもしれません。
ロボット導入を検討している場合は、対象となりそうな補助金制度を事前に調べ、導入目的や投資効果を整理しておくことが大切です。
補助金制度を活用してロボットを導入した事例

実際に補助金を活用してロボットを導入した事例を3つ紹介します。事例を参考に、補助金活用を検討してみてください。
移乗用介護ロボットを導入した事例
特別養護老人ホームでは、施設利用者を車いすからベッドやポータブルトイレ、浴室のリフトに移乗させる際の介助サポートとして、移乗用介護ロボットを導入しています。
導入に要した費用は30万円近くかかっていますが、補助金を活用したことで1/2に抑えて導入できました。
導入当初は介護主任を中心に職員同士で使い方を教え合いながら、使える職員を増やしていき、介護現場に定着させています。
ロボットの導入により職員は腰痛問題や移乗介助時の不安解消、利用者も無理に持ち上げられずに済むため身体的な負担の軽減につながっています。
協働ロボットを導入した事例
造林用苗木や緑化樹木の生産・販売、造林・造園に関する事業を手がける企業では、ものづくり補助金を活用して協働ロボットを導入しています。
協働ロボットが導入される前はコンテナ苗の生産が年間で50万本でしたが、導入後は150万本にまで増加しました。
また、これまで3人で行っていた作業が2人に省人化できており、もう1人を別の作業に従事させることに成功しています。
さらに、ロボットを導入したことで若手社員はもちろん、高齢社員のモチベーションも高まり、地域の高校生や地元の人にも強い刺激を与えています。
オーダーメイドの清掃ロボットを導入した事例
宿泊業を営んでいる事業者は、差別化につながる付加価値の提供やホスピタリティを発揮できる仕事に人員を配置したいものの、施設によって規模や特性が異なるため、汎用的な清掃ロボットでは自動化・効率化が難しいと感じていました。
そこで事業者は中小企業省力化投資補助金を活用し、施設環境に合わせたオーダーメイドの清掃ロボットの開発・導入を進めます。
この清掃ロボットによって清掃業務にかかる時間が90%近くも削減でき、これまで清掃業務に使っていた時間を、施設内でのイベント開催やツアーイベント・ガイドなどの業務に再配分しました。
その結果、顧客満足度や従業員のモチベーション向上に貢献しています。
まとめ・ロボット導入の負担軽減に補助金制度を活用しよう
ロボット導入は、人手不足対策や生産性向上を実現する有効な手段ですが、初期投資が大きくなる点が課題です。
設備投資型の補助金を活用すれば、導入費用の負担を抑えながら自動化を進められます。
ただし、採択には生産性向上や省力化の効果を具体的に示すことが重要です。制度内容を理解し、早めに準備を進めることがロボット導入成功のポイントです。
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(編集:創業手帳編集部)
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