【第一回】利益を出し続ける社長になる極意「社長の本当の仕事編」
吉越浩一郎氏インタビュー(1/4)
トリンプ・インターナショナル・ジャパンを19期連続の増収増益に導いた”伝説の名経営者”吉越浩一郎氏。名経営者と言われる所以は、常に利益を出し続ける経営手腕や超効率的な仕事術をはじめ、人生の豊かさを追求し実行する生き方そのものにもある。成功する社長のあり方とは何か?
その極意を全4回に分けて探ります。
社長の使命はただひとつ「利益を出し続ける」こと
吉越:ありがとうございます。社長の仕事や要件というとすごく複雑で難しいと思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。逆に能力の低い上司やトップにふさわしくないような社長の下で振り回されるなんて状態より、自分の実力がそのまま結果に反映される社長という仕事は、実に単純明快でわかりやすいのです。
では、会社の成長に必要な社長の仕事とはなんなのか。
それは「売上げを出し続ける」こと、それだけです。
社長の人格なんかが問われるのはそれからです。いわゆるブラック企業と言われているような、社員を絞り上げて利益を上げて行くようなやり方では、成長も長くは続かないですからね。だけど、たとえどんなに人格者で有能であっても、利益を上げることができなければ社長としては失格だと言えます。
社長として重要なことを3つ挙げろと言われたら、私は迷いなく「第一に利益、第二に利益、第三に利益」と答えます(笑)
吉越:そうです。結果から目を逸らさずきちんと追えている社長は少ない。
日本では結果よりむしろプロセスが重要視されていて「失敗しても次に生かせばいい」という風潮があります。ですがプロセス重視というのは、言い換えれば責任逃れのための言い訳ともいえます。どんな物事にも原理原則があり、それを理解しないことには成功への道は拓かれません。そして、会社が選ばれる、成長して伸びていく、その原理原則は「利益」以外の何物でもないです。
会社が生き残り成長していくためには、結果、つまり利益が必要不可欠です。
利益が上がらず成長の見込めない会社は、存在価値がないと言っても過言ではない。だからこそ、社長はなりふり構わず利益を追求しなくてはならないのです。
社長に逃げ道はない
吉越:最も必要なことは、結果を追求し徹底して努力することです。先ほど、「社長の仕事は『売上げを出し続ける』という単純明快なこと」と申し上げましたが、なぜそれができない社長が多いかというと、そのために徹底して努力できる人が少ないからです。途中で諦めるか、中途半端で満足してしまう人が大半だからです。
僕は「何か好きな言葉はありますか」と聞かれると「成功するまでやれば成功する」と言っています。(笑)
うまくいかないのならその理由を分析する。そしてやりかたを変えてやってみる。成功するまでその繰り返しです。そこに近道も逃げ道もないんですよね。不景気や円高という、自分ではどうにもならない事柄のことを「与件」といいます。「与件」をどうにか変えようと思っても、それは時間の無駄です。世の中には自分の力ではどうにもならないことがたくさんあるから。だからといって、うまくいかないことを「与件」のせいにして責任逃れをしてはいけません。変えられないものを変えられないと受け止めた上で、自分には何ができるのかを考えて実行し、乗り越えていく。それこそが社長の仕事といえます。
そのためにも、日本の会社はもっと戦略やコンセプトで勝負していく必要がありますね。与件に捉われず、世界情勢や市場動向を常にシュミレートし、ロジカルで考え戦略を立て会社をひっぱっていく。
利益という結果が白黒はっきり出る以上、責任転嫁や言い逃れはできません。そういう意味で、社長っていうのはやっぱり大変ですけれど、だからこそ面白いのだと思います。
【第2回】利益を出し続ける社長になる極意「残業ゼロの仕事術」
(創業手帳編集部)
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