利用規約の作り方とは?EC・副業でも必要?雛形と注意点をわかりやすく解説
サービスに合わせて最適な利用規約を作成しよう

Webサービスやアプリの運営はもちろん、ブログやオンラインサロン、ハンドメイド販売などの副業、ECサイトの立ち上げにおいても、利用規約の整備は欠かせません。
「個人で小規模に運営しているから不要だろう」と考えがちですが、トラブル防止や責任範囲の明確化という観点から、規模の大小に関わらず重要な役割を果たします。
一方で、「ネットにあるテンプレートをコピペすればいいのでは?」「無料の雛形で十分なのでは?」と疑問を持つ人もいるでしょう。
本記事では、利用規約の基本的な役割や必要性を解説しつつ、具体的な作り方のステップや盛り込むべき項目、作成時の注意点などをわかりやすく紹介します。
この記事の目次
利用規約とは?なぜ必要なのか

そもそも利用規約はどういったものなのか、なぜECサイトや副業でも必要なのか理解しておく必要があります。まずは、利用規約における基礎的な部分を解説します。
利用規約とは
サービスの利用条件をあらかじめ定めたルールを指します。利用できる範囲や禁止事項、料金、免責事項などを明文化し、ユーザーに提示します。
利用規約は単なる注意書きではなく、ユーザーが同意することで成立する契約の土台となるものです。
特に、Webサービスやアプリ、ECサイトのように、多数のユーザーと取引を行うビジネスでは個別に契約書を交わすことが現実的ではないため、利用規約が実質契約書のような役割を果たします。
そのため、ECサイトやオンラインサービスでは事実上必須の存在と言えます。
ECサイトや副業でも利用規約は必要?
「個人で副業として販売しているだけだから不要では?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、以下のようにたとえ小規模なネットショップやコンテンツ販売だったとしても、購入者との間には法律上の契約関係が成立します。
そのため、ECサイトの運営や以下の副業でも利用規約は必要と言えます。
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- ハンドメイド販売
- オンライン講座
- デジタルコンテンツ販売
- コンサル業
返品条件や支払い方法、配送トラブル時の対応、禁止行為などを事前に明記しておかないと、クレームやトラブルに発展した際、不利な立場に立たされる可能性が高いです。
むしろ小規模な副業や個人事業だからこそ、大きな損失を防ぐための備えとして、利用規約は必要です。
契約・約款との違い
利用規約は契約の一種ですが、個別契約とは性質が異なります。個別契約は当事者同士で内容を交渉し、締結するものです。
一方、利用規約はあらかじめ事業者が明文化し、不特定多数のユーザーに一律で適用されることになります。
この形式は民法548条の2で定められる「定型約款」に該当する場合があります。
利用規約が一定の要件を満たし、定型約款に該当する場合は、、利用者の同意を得なくても契約内容を変更することが可能です。
ただし、変更がユーザーにとって有利なものであれば周知をする必要はないものの、不利または中立的な内容の場合は、周知をしないと変更の効力が生じないので注意してください。
利用規約の作り方【5ステップ】

利用規約は提供するサービスの内容に合わせて設計することが重要です。ここでは、利用規約の作り方を5つのステップで解説します。
STEP1 サービス内容を整理する
利用規約を作成する上で、まずは「何を提供するのか」を明確に整理します。
物販なのか、デジタルコンテンツを配信するのか、それともマッチングサービスなのかで、必要な条項は大きく変化します。
また、「誰を対象にするサービスなのか」も整理してください。個人向けと法人向けによって条項が変わるだけでなく、未成年の利用を想定するかどうかも重要です。
さらに、料金体系についても整理することが大切です。月額課金や成果報酬など、料金体系が曖昧なままだと利用規約を作成する際に、一貫性が取れなくなってしまいます。
STEP2 盛り込む項目を洗い出す
提供するサービスやターゲットとなるユーザー層、料金体系などを明確にしたら、利用規約に盛り込む項目を洗い出していきます。代表的な必須項目は以下のとおりです。
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- 同意条項
- 用語定義
- サービス内容
- 料金・支払い方法
- 返品・キャンセル
- 禁止事項
- 免責事項
- 損害賠償
- 個人情報
- 反社排除
- 準拠法・管轄
サービス内容によっては、返金条件やサブスクリプションの自動更新条項なども必要です。
STEP3 条文を作成する
利用規約に盛り込むべき項目を洗い出したら、実際に条文を作成していきます。ここで重要なのは、曖昧な表現を避けることです。
例えば、「適切に」「必要に応じて」など抽象的な表現ばかり使ってしまうと、解釈の余地が生まれ、事業者とユーザーとの間で解釈の不一致が起きてしまう可能性があります。
条文を作成する際は主語を明確にし、「当社は~~ができる」「ユーザーは~~をしてはならない」など、責任主体をはっきりさせる文章を心がけてください。
また、禁止事項についてはできるだけ具体的な内容を列挙することで、万が一禁止行為が見られた場合でも対応がしやすくなります。
STEP4 同意取得の仕組みを整える
利用規約はユーザーが同意をして初めて効力を持ちます。そのため、同意取得の仕組みも適切に整えることが大切です。
一般的には、「利用規約に同意する」というチェックボックスを設ける方法が採用されています。
サービスの利用開始を規約の同意とみなす「みなし同意」という方法もありますが、みなし同意だとユーザーの理解不足につながり、不適切な同意の取得となる可能性が高いです。
そのため、基本的にはチェックボックスやボタンを設置し、同意取得を得るようにしてください。
また、同意取得と合わせて規約を改定する際の通知方法や、メール通知の可否なども明確にしておくことが大切です。
STEP5 必要に応じて専門家に確認してもらう
利用規約を自分で作成した場合、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してもらうのがおすすめです。例えば、以下の項目に該当する場合は専門家に相談すると安心です。
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- 高額商品の販売
- サブスク形式での提供
- 個人情報を大量に取得するサービス
- 海外販売
また、ECサイトやオンラインサービスは消費者保護の観点が重視される傾向にあり、利用規約が不十分だと大きなトラブルを招くおそれがあります。
事業者側の権利を保護するためにも、不安な場合は弁護士などの専門家に相談してみてください。
利用規約に盛り込むべき主な項目一覧

利用規約には提供するサービスに合わせて盛り込むべき項目が変化しますが、代表的な項目も存在します。ここでは、利用規約に盛り込むべき主な項目を簡単に紹介します。
| 項目 | 概要 |
| 同意条項 | サービスを利用するにあたり、すべての条項に同意する必要があることを記載 |
| 用語定義 | 利用規約内で頻繁に使われる用語の定義を示す項目 |
| サービス内容 | 事業者がユーザーに提供するサービスの内容やフロー、提供しないサービスなど |
| 料金・支払い方法 | 料金体系や支払い方法、支払時期を記載。無料期間やキャンペーンなどが適用される場合、その条件や期間の記載も必要 |
| 返品・キャンセル | 返金条件やキャンセルの可否などを明確に記載する項目 |
| 禁止事項 | サービスを活用した法令違反に該当する行為、事業者や他の利用者の著作権を侵害する行為などを禁止する項目 |
| 免責事項 | サービス提供に伴い損害が発生した場合、その責任を負わない、または責任を限定することを定めた項目 |
| 損害賠償 | ユーザーが損害を被った場合の損害賠償に関する項目 |
| 個人情報 | 個人情報の取得方法や利用目的、取り扱い方、第三者への提供に関して記載。プライバシーポリシーを別途設ける際は、「別途プライバシーポリシーで定める」と規定しても良い |
| 反社排除 | 事業者・ユーザーがそれぞれ反社会的勢力の構成員・関係者ではないこと、暴力的な要求行為など反社会的な行為をしない旨を記載 |
| 準拠法・管轄 | 契約上の権利義務が適用される準拠法と、トラブルが発生した際の第一審の管轄裁判所を定める |
利用規約の雛形・テンプレは使ってもいい?

ゼロから利用規約を作成するとなると、ある程度の時間と手間がかかってしまいます。
ネット上を検索すると利用規約の雛形やテンプレートが見つかりますが、そのまま使っても良いのでしょうか。
ここで、利用規約の雛形・テンプレについて解説します。
無料テンプレは使ってもいいのか
無料で提供されている利用規約のテンプレートは、ゼロから条文を考えるより効率的に作成できるというメリットがあります。
特に、副業や小規模ECサイトの場合、基本的な条項を整理するためのたたき台として有効です。
ただし、テンプレートはあくまで一般的な雛形であり、自社サービスの内容や販売形態に合わせて加筆・修正しなければなりません。
例えばデジタルコンテンツを販売しているのに「返品可」と読める表現になっていたり、サブスク型のサービスなのに解約条件が曖昧だったりすると、トラブルにつながるおそれがあります。
そのため、無料で提供されているテンプレートを活用するのは良いですが、自社に合わせてカスタマイズすることを前提に活用することが大切です。
他社の利用規約をそのまま使うリスク
ネット上で見つけた他社の利用規約を、そのままコピーして使うのは基本的にNGです。これは、そのまま使ってしまうことで著作権侵害にあたる可能性があるためです。
利用規約は記載内容が形式的だったり、よく使われる表現だったりする傾向にあります。
このような表現は著作物に該当せず、コピーして利用しても著作権侵害には該当しません。
ただし、創作的な表現が当てはまる場合は著作物性が認められ、コピーすることで著作権侵害にあたってしまいます。
また、自社が提供するサービスと内容が一致していない条文が含まれていた場合、ユーザーとトラブルに発展した際に不利になる可能性があります。
例えば、実際には提供していない機能に関する免責条項が含まれていたり、逆に返品・キャンセル規程が抜け落ちていたりするなどです。
さらに、消費者契約法などに違反する条項が含まれていた場合、その部分は無効と判断される可能性があります。
必ずしもコピー元が適法と限らないため、他社の利用規約をそのまま使わないことが大切です。
雛形を使う場合のチェックポイント
利用規約の雛形を使用する際に、チェックしておきたいポイントが5つあります。
1.サービス内容と一致しているか
雛形に記載されている販売方法(単発販売・サブスク)や、デジタル商品または物販かなど、実態に合った条文になっているか確認してください。
2.返品キャンセル条件は明確か
ECサイトにおいて、返品・キャンセル条件が明記されているかは特に重要です。「原則返品不可」など、表現が消費者契約法に抵触しないかもチェックしてください。
3.免責事項が一方的すぎないか
事業者側に有利すぎる免責事項は、消費者契約法によって無効になる可能性があります。
4.個人情報の取り扱いは別途明示しているか
利用規約は民法上における定型約款に該当する場合もあり、消費者と事業者との間で交わされる契約となるものです。
一方、個人情報の取り扱い(プライバシーポリシー)は事業者側が遵守するルールであり、ユーザーとの契約とは異なります。
そのため、個人情報の取り扱いは別途明示されているか確認してみましょう。
5.同意取得の方法は適切か
利用規約の同意取得には様々な方法があります。チェックボックスによる明示的同意があるか、改定時の通知方法が定められているかも確認することが大切です。
最低限の法的リスクを回避しつつ、自社のビジネスを守る内容になっているか必ず確認してください。
利用規約が無効になるケースに注意

利用規約を作成しても、内容によっては無効と判断されてしまうケースもあるため、注意が必要です。
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- 消費者契約法違反
- 一方的すぎる免責
- 不明確な条文
- 不利益条項
利用規約は基本的にユーザー側にとって不利な条件で作成してしまうと、民放や消費者契約法の規定に基づき、無効となる場合があります。
例えば、損害賠償責任について、「ユーザーが本サービスを利用することで生じる損害に対し、一切の責任を負いません」という条項は、消費者契約法8条1項にて無効になる旨が記載されています。
また、ユーザーが規約の内容を確認できない状態で同意させているケースも注意が必要です。
例えば副業でネットショップを運営していた場合、利用規約のリンクをわかりにくい場所に設置したり、同意チェックが任意になっていたりするなど、適切な同意取得が行われていないと契約としての効力が否定される可能性があります。
実際の運用と規約内容が一致していない場合も問題です。
規約では「返金不可」と定めているのに、個別対応で返金をしているなど、実態と異なる内容だとトラブルの原因につながります。
利用規約は「作成して終わり」ではなく、運用との整合性を保つことが重要です。
EC・副業でよくあるトラブル事例を利用規約で対策

ECサイトや副業ビジネスでは、利用規約を整備することで多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、「商品が届かない」といったトラブルは、所有権が移転する時期を記載することで責任範囲を明確化することが可能です。
デジタル教材やオンライン講座の場合は、ダウンロード後の返金不可やクーリングオフの適用有無などを明示すると、不当な返金要求を受けずに済みます。
また、クレームを理由にした過度な返金強要も、返金条件や対応基準を利用規約で明確に規定すれば感情的な交渉も避けやすいです。
さらに、不正転売やコンテンツの無断転載などの問題も、禁止事項として具体的に明記し、違反時のアカウント停止や損害賠償請求の可能性を定めることで、抑止効果が生まれます。
このように、利用規約の整備によってトラブルを未然に防ぐことも可能なので、ECサイトの運営や副業ビジネスを始める際は、利用規約を定めておきましょう。
まとめ:自社サービスに合った利用規約を作成しよう
利用規約は、サービスの提供者とユーザーの双方を守る重要なルールです。
ECサイト運営や副業など小規模なビジネスであっても、トラブルの防止や責任範囲の明確化のために作成が欠かせません。
雛形やテンプレートをそのまま流用するのではなく、提供するサービスの内容や料金体系、想定されるリスクに合わせて条項を設計することが大切です。
必要に応じて専門家の力も活用しつつ、自社サービスに適した利用規約を整備していきましょう。
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(編集:創業手帳編集部)
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