飲食店の1日の売上平均はどれくらい?計算方法や売上アップの施策まで解説

1日の売上平均を知り、日々の売上管理につなげよう


飲食店を経営する上で、「1日の売上平均はどれくらいなのか」という疑問を持つ人も少なくありません。
自店舗の売上が適正かを判断するためにも、業態別・規模別の売上目安を把握することは重要です。
平均値を知ることで、目標の設定や人件費・原価のコントロール、利益確保のための改善策なども具体的に見えてきます。

本記事では、飲食店の1日あたりの売上平均がいくらになるのか、計算方法や売上アップの施策まで解説します。
飲食店の売上平均が知りたい人や、売上を伸ばすための具体的な戦略を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

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飲食店における1日の売上平均はいくらになる?


飲食店の売上は、業態や店舗の規模、立地などによって大きく変動します。ここでは、業態・規模数・立地による売上平均の目安と違いを紹介します。

業態による売上の違い

飲食店の場合、業態によって客単価や回転率が大きく異なり、1日の売上にも差が出てきます。
業態別の1日の売上平均は以下のとおりです。

  • カフェ:5万~15万円
  • ラーメン店:5万~20万円
  • 居酒屋:10万~30万円
  • ファミリーレストラン:20万~50万円
  • 高級レストラン:50万円以上

ラーメン店など回転率の高い業態は、客単価が比較的低くても来店数は多いため、安定した売上を確保しやすい傾向にあります。
一方、高級レストランなどは客単価が高い分、回転数はそれほど多くありません。曜日や繁忙期による売上変動が大きくなる場合もあります。

店舗の規模(客席数)による売上の違い

飲食店の場合、店舗の席数・坪数なども1日の売上に影響してきます。規模別の1日の売上平均は以下のとおりです。

  • 小規模店舗:5万~15万円
  • 中規模店舗:15万~30万円
  • 大規模店舗:30万~100万円以上

例えば、席数が多い店舗は、多くの顧客を受け入れられるため、売上が伸びやすくなります。
ただし、席数が増えるとその分賃料のコストなどもかかってくるため、バランスを見極めることが重要です。

立地による売上の違い

同じ業態かつ同じ規模だったとしても、立地によって売上は変動します。立地別の1日の売上平均は以下のとおりです。

  • 繁華街:10万~30万円以上
  • オフィス街:10万円~25万円
  • 住宅街:5万~15万円
  • 郊外:5万~15万円

駅前や繁華街、オフィス街などは集客力が高く、平日でも安定した売上が見込めます。
一方、住宅街や郊外型店舗は曜日や時間帯によって売上が偏りやすいです。そのため、来店のきっかけをつくることが重要です。
ただし、駅前や繁華街などと比べて家賃が抑えられるため、固定費とのバランスによっては高い利益率を確保できる場合もあります。

黒字化に必要な1日の最低売上ライン


飲食店経営で重要なのは「平均売上」そのものではなく、いくら売れば赤字を回避できるのかという“最低売上ライン”を把握することです。
このラインを下回ってしまうと、どれだけ繁忙日があっても経営は安定しません。
黒字化に必要な1日の売上は、以下の考え方で算出できます。

最低売上ライン=固定費÷粗利率

固定費とは、毎月必ず発生する費用を指します。固定費の主な内訳は以下のとおりです。

  • 家賃
  • 人件費(社員・アルバイト)
  • 水道光熱費
  • リース料
  • 減価償却費 など

粗利率とは、売上から食材減価を差し引いた後に残る割合です。例えば、原価率が30%の場合は粗利率が70%、原価率35%の場合は粗利率が65%になります。

具体的な計算例

1カ月の固定費が150万円、粗利率が65%だった場合、月の売上最低ラインは約231万円になります。

150万円÷0.65=約231万円

また、1カ月のうち24日間営業していた場合、231万円÷24日=96,250円となり、1日約96,000円の売上が黒字化の目安になります。

業態による目安の違い

業態によって原価率は異なるため、必要売上も違ってきます。業態による原価率の目安と黒字化に必要な売上例は以下のとおりです。

業態 原価率目安 黒字化に必要な売上
カフェ 30%前後 比較的低め
居酒屋 35%前後 やや高め
ラーメン店 35~40% 高め

原価率が高ければ高いほど、より多くの売上を出さないと黒字化は難しくなってしまいます。

1カ月・1年の売上平均も把握しよう


飲食店経営では、1日の売上だけでなく、1カ月・1年単位での平均売上を把握することも重要です。
短期的な数字に一喜一憂するよりも、中長期の視点で売上を分析することで、より安定した経営判断も可能になります。

1カ月あたりの平均売上

1カ月あたりの平均売上は、個人経営の小規模店舗で約80万~200万円が一般的です。中小規模で企業経営の店舗は1カ月あたり300万~500万円が目安となります。
月単位で売上を見ると、固定費と変動費のバランスが確認しやすくなります。

また、繁忙月と閑散月の差が把握できるようになり、キャンペーンの実施やメニューの改定など、売上アップの施策を行うタイミングも検討しやすいです。
さらに、前年同月比をチェックすることで、売上が伸びているのか、それとも落ち込んでいるのかを客観的に判断できます。

1年間の平均売上

1年間の平均売上は、年間を通した経営状況を把握する上で重要な指標です。
年間の平均売上の目安は、個人経営の小規模店舗で約1,000万~2,000万円、中小規模で企業経営の店舗は約3,600万~6,000万円になります。

月間売上を12倍したものになりますが、季節変動も考慮しなくてはなりません。飲食業は特に季節変動が大きい業種であり、業態によって売上が集中する時期も異なります。
年間で売上の波を把握できれば、仕入れや人員配置、設備投資の計画なども立てやすくなります。

飲食店の売上を計算する方法


飲食店の売上を計算することで、現状を正確に把握できます。売上の求め方にも様々な方法があるため、どのような求め方があるのか知っておくことも大切です。

客数・客単価から求める方法

飲食店の売上を計算する方法として、客数・客単価から求める方法が一般的です。計算式は「客数×客単価=売上高」になります。
これは1日あたりの平均客数と1人あたりの平均単価を乗じることで、1日の売上高を計算する方法です。
例えば、1日に50人が来店し、客単価が2,000円だった場合、50人×2,000円=100,000円が1日の売上高になります。

この計算式を活用すれば毎日の売上も管理しやすくなります。

家賃から求める方法

店舗が賃貸だった場合に限られますが、家賃から売上平均の目安を計算することも可能です。
飲食店の場合、家賃比率は10%以内に抑えることが望ましいとされています。そのため、逆算することで飲食店に必要な売上平均の目安を求めることが可能です。

例えば店舗の賃貸料が40万円だった場合、40万円÷10%=400万円になり、1カ月あたりの売上高は400万円が望ましいということになります。
また、1日の売上高を求めたい場合は、1カ月あたりの売上高を営業日数で割ることで計算できます。
上記の売上高で営業日数が20日だった場合、400万円÷20日=20万円が1日に必要な売上高です。

FL比率から求める方法

FL比率とは、飲食店の売上に対する食材費と人件費の割合を指した指標です。FL比率の計算式を活用することでも、飲食店に必要な売上平均の目安を計算できます。

例えば食材費と人件費を合計したFLコストが200万円で、適正FL比率が40%だった場合、200万円÷40%=500万円となります。つまり、1カ月あたり約500万円の売上が必要です。
適正FL比率は業態や規模によって異なるものの、60%以内を目安にしている飲食店が多くみられます。

売上予測から求める方法

売上予測は、客単価×座席数×回転数によって計算できます。
例えば客単価が1,000円、客数は200人、回転数は10回転で営業日数が25日だった場合、1カ月の売上予測は以下のようになります。

1,000円×150人×10回転×25日=3,750万円

正確な売上予測を立てれば、仕入れや人員計画なども適正に行うことができ、経営の安定化につながります。
売上予測と実際の売上データが大きく異なっている場合は、どこに問題があるか分析し、早めに改善策を講じることが大切です。

利益率の計算方法

飲食店を経営する上で、利益率を正確に計算することも重要です。利益率の計算では、売上総利益率を求める方法と、純利益率を求める方法があります。

売上総利益率は売上高に占める粗利益の割合であり、どれだけ効率的にコスト管理ができているかをチェックするための指標です。
計算式は、売上総利益率=(粗利益÷売上高)×100を使います。
一方、純利益率は、売上高に占める純利益の割合であり、全体的な収益性を測るための指標です。計算式は、純利益率=(純利益÷売上高)×100になります。

飲食店の売上を伸ばすための具体策


飲食店の売上を伸ばすには、売上アップに向けた施策を講じることが重要です。ここで、飲食店の売上を伸ばすための具体策を紹介します。

まずは売上データを分析する

具体的な戦略を講じる前に、まずは売上データを分析し、店舗の現状を把握することが大切です。
客単価や来店者数、売上の推移などを分析し、どの時間帯に売上が伸びやすいのか、どのメニューが利益に貢献しているのかなどを調べます。
このデータをもとに、売上を伸ばすための戦略を立てましょう。

また、自店舗の売上データだけでなく、競合店舗の調査も行うことで、他店との差別化できる強みを探すことも重要です。
戦略を立てて実行したら、定期的に売上をチェックし、改善を繰り返すことでより効果的な施策の運用につながります。

客単価を上げる施策(アップセル)

1日の売上高は客数と客単価によって構成されていることから、客単価を上げる施策を打ち出すことで売上を伸ばしていけます。
客単価を上げる施策として、メニューの工夫は欠かせません。
例えば、同じメニューでも「1,000円」と「990円」では、10円しか違わないのに990円のほうがお得に感じられます。

また、高価格な商品を推奨して客単価を上げる「アップセル」の手法も有効です。
例えば、単品での購入よりもセットメニューでの購入を促したり、追加でデザートやドリンクなどを勧めたりする方法が挙げられます。
これにより、単価を無理なく上げることができ、売上高の向上も期待できます。

回転率を改善する施策

メニューの単価が安かったとしても、回転率が高ければ売上アップも期待できます。
回転率を改善させるための施策としては、まず客席のレイアウトを見直すところから始めてみましょう。
客席のレイアウトを変えることで効率的な動線が確保できるようになり、スタッフの動きもスムーズになります。

また、店内が混雑している場合でも、オーダーや会計に時間をかけなくて済むよう、スタッフの配置とオペレーションを最適化するのも有効です。
例えば、オーダーは設置されたタブレットから注文できるようにしたり、レジをスタッフ対応とセルフレジの両方を設置したりすることで、混雑時もスムーズにオーダー・会計が通るようになります。

新規顧客を増やす施策(SNS・販促)

新規顧客を増やすためには、SNSやWebで効果的なプロモーションを打つことも大切です。
例えばXやInstagramなどのSNSに店舗の公式アカウントを作成し、ビジュアルにこだわった画像やお得な情報などを発信していきます。

また、新規顧客も含めて集客を促すために、売上があまり伸びていない曜日・時間帯を狙って割引キャンペーンを実施したり、イベントデーを設定したりすることで、曜日・時間帯による売上の偏りをなくしていきます。
さらに、レディースデーやメンズデーなど、ターゲット層を絞った集客施策も有効です。

固定費・原価の見直し

飲食店の利益率を高めるには、コストの削減も必要不可欠です。いくら客単価や回転率、集客数が伸びても、その分コストがかかっていれば利益も上がりません。
固定費は、一度見直すだけで長期間にわたって効果が続くものです。
例えば、来店者数が少ない時間帯にはスタッフの人数を減らしたり、逆に混雑しやすい曜日・時間帯はシフトの人数を多めに取ったりするなど、効率的なシフト作成によって固定費の削減につながります。

また、原価については仕入れ先の見直しやメニューの最適化、食材ロスの削減などが挙げられます。
仕入れで食材を大量に購入し、1つあたりの価格を抑えたり、季節に合わせて地元の食材を積極的に使ったりすることで、原価を抑えることが可能です。
また、原価率の高いメニューを改良したり、原価率の高い人気商品はフロントエンド商品として提供し、利益を上げるために原価率の低いメニューをバックエンド商品として提供したりするなどの工夫も効果的です。

まとめ・日々の売上データを分析し、自店舗に合った施策を取り入れよう

飲食店の1日の売上平均は、業態や店舗の規模、立地などの影響で店舗ごとに大きく異なります。
自店舗の売上平均が問題ないか把握する際には、最低売上ラインを計算し、黒字化に必要な1日の売上を知っておくことが大切です。
日々の売上データを分析することで、今店舗がどのような状況にあるのかを具体的に把握できるようになります。自店舗に合わせて最適な施策を実行し、売上アップを目指しましょう。

創業手帳(冊子版)は、飲食店やその他店舗を運営する経営者に向けて、経営に関する様々な情報をお届けしています。「利益が出ない」「集客が難しい」など、飲食店経営における悩みの解決につながる情報も掲載しているので、ぜひお役立てください。

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(編集:創業手帳編集部)