オフィスの適正な家賃相場とは?計算方法やエリア別の相場などを徹底解説!

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オフィスの家賃は粗利の10~20%程度が目安


オフィスの家賃は、粗利の10~20%程度が目安とされています。粗利は、「売上高-売上原価(仕入原価)」という計算式で算出できます。
自社の粗利がどのくらいなのか計算し、それを加味して適正な家賃相場を見極めることが重要です。

今回の記事では、オフィスの家賃相場がどのくらいなのか、適正なオフィスの広さと賃料を計算する方法、正しい家賃相場を見極めてオフィスを借りるためのポイントについて解説していきます。
これから新たにオフィスを借りようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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【エリア・路線別】オフィスの家賃相場はどのくらい?


オフィスの家賃相場は、エリアや路線によって異なります。
そのため、どのエリアにオフィスを構えるのか、最寄り駅はどこにすべきなのかなどを考える時に、家賃相場が異なることも念頭に置いておくことが大切です。
※2024年2月6日現在の情報です。

エリア別の家賃相場

まずは、エリア別の家賃相場(1坪あたり)からご紹介します。ここで紹介するのは、以下のエリアです。

  • 東京都千代田区
  • 大阪府大阪市
  • 愛知県名古屋市
  • 北海道札幌市
  • 宮城県仙台市
  • 福岡県福岡市

東京都(千代田区)

東京都千代田区でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【秋葉原・神田】
20~30坪:19,400円
30~50坪:24,400円
50~100坪:21,300円
100~200坪:23,600円
200坪以上:32,300円

【神保町・小川町・竹橋】
20~30坪:18,000円
30~50坪:17,600円
50~100坪:2300円
100~200坪:22,500円
200坪以上:27,800円

【有楽町・霞が関】
20~30坪:30,500円
30~50坪:28,800円
50~100坪:40,700円
100~200坪:52,200円
200坪以上:35,500円

【番町・麹町・永田町】
20~30坪:18,800円
30~50坪:22,500円
50~100坪:22,900円
100~200坪:24,800円
200坪以上:28,700円

千代田区内だと神保町・小川町・竹橋エリアや番町・麹町・永田町エリアが相場は安く、有楽町・霞が関エリアは高くなっています。
有楽町・霞が関エリアは有名企業や外資系企業のオフィスが多く集まるビジネスエリアとしても有名です。
そのため、オフィスの家賃も高めになっていると考えられます。

大阪府(大阪市)

大阪府大阪市でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【梅田・中津】
20~30坪:23,700円
30~50坪:26,200円
50~100坪:31,000円
100~200坪:29,000円
200坪以上:34,600円

【本町・心斎橋】
20~30坪:13,100円
30~50坪:16,400円
50~100坪:16,100円
100~200坪:18,600円
200坪以上:23,800円

【新大阪・十三】
20~30坪:13,600円
30~50坪:17,500円
50~100坪:17,100円
100~200坪:18,100円
200坪以上:19,500円

大阪市内だと本町・心斎橋エリアは家賃相場が安めで、梅田・中津エリアが高めになっていることがわかります。
本町エリアはもともとオフィスが揃うビジネス街でしたが、現在はほかのエリアに移っている企業も多く、その分家賃相場も低めになっていると考えられます。

愛知県(名古屋市)

愛知県名古屋市でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【名古屋駅前】
20~30坪:15,300円
30~50坪:18,700円
50~100坪:19,300円
100~200坪:23,400円
200坪以上:23,200円

【伏見・栄】
20~30坪:14,000円
30~50坪:16,400円
50~100坪:16,000円
100~200坪:16,700円
200坪以上:19,700円

【丸の内】
20~30坪:14,500円
30~50坪:14,500円
50~100坪:13,300円
100~200坪:16,700円
200坪以上:16,300円

名古屋市内における代表的なビジネスエリアを中心に家賃相場を調査した結果、いずれも20~30坪ではそこまで大きな差はなかったものの、30~50坪以上になると家賃相場にも差が出やすくなっていることがわかりました。
丸の内であれば20~30坪とほとんど変わらない家賃で30~50坪のオフィスを借りられますが、名古屋駅前エリアになると20~30坪と30~50坪で3万円以上の差が生じています。

北海道(札幌市)

北海道札幌市でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【大通・すすきの】
20~30坪:19,500円
30~50坪:20,500円
50~100坪:20,300円
100~200坪:21,100円
200坪以上:21,000円

【札幌駅北口】
20~30坪:7,900円
30~50坪:12,000円
50~100坪:15,200円
100~200坪:17,300円
200坪以上:22,000円

札幌市内の中でも特に賑わいを見せる札幌駅周辺では、大通公園の北側を中心にオフィス街が広がっています。
しかし、南側にある大通・すすきのエリアも人気の商業エリアでもあるため、家賃相場は高めです。

一方、札幌駅北口エリアはそこまでオフィス街の範囲は広くないものの、オフィスの家賃相場が安めで、なおかつ札幌駅へのアクセスも良いことから注目されているエリアでもあります。

宮城県(仙台市)

宮城県仙台市でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【中央】
20~30坪:16,800円
30~50坪:22,100円
50~100坪:16,000円
100~200坪:19,000円
200坪以上:22,500円

【一番町・国分町】
20~30坪:14,700円
30~50坪:12,000円
50~100坪:14,500円
100~200坪:15,700円
200坪以上:-

【本町・花京院・上杉】
20~30坪:16,300円
30~50坪:12,000円
50~100坪:14,500円
100~200坪:-
200坪以上:-

仙台市では仙台駅を囲うようにオフィス街が広がっています。
青葉区中央は仙台市の中でもオフィス・商業のコアエリアとして注目されており、オフィスの立地として人気のある地域です。
また、一番町・国分町エリアは仙台市を代表とする商業地でありながら、オフィスの家賃相場は他の地区よりも低めになっています。

福岡県(福岡市)

福岡県福岡市でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【博多駅前】
20~30坪:15,200円
30~50坪:16,100円
50~100坪:17,300円
100~200坪:16,300円
200坪以上:23,000円

【呉服町・祇園・中洲】
20~30坪:25,400円
30~50坪:28,000円
50~100坪:17,800円
100~200坪:20,900円
200坪以上:20,700円

【天神・大名・赤坂】
20~30坪:19,700円
30~50坪:22,700円
50~100坪:20,800円
100~200坪:23,500円
200坪以上:27,300円

博多駅前はオフィス街の中心地であり、オフィスビルも多数並んでいます。それでいてオフィスの家賃相場はほかのエリアに比べて割安感があります。
呉服町・祇園・中洲エリアは昔から商業の街として発展し、古いビルはリニューアルされ、新築ビルが建てられるようになりました。
こうした新築ビルの建設により家賃相場も高くなっています。
天神・大名・赤坂エリアは中央区の主要なビジネスエリアのひとつであり、商業施設とオフィスが混在しています。有名企業や行政機関も揃っており、家賃も高めです。

路線別の家賃相場

オフィスの家賃相場は路線によっても異なります。続いては、路線別の家賃相場をご紹介します。ここでご紹介するのは以下の路線です。

  • 総武本線(東京都・千葉県)
  • みなとみらい線(神奈川県)
  • 中央本線(愛知県)

総武本線(東京都・千葉県)

総武本線(東京都・千葉県)の駅周辺でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【東京駅】
20~30坪:28,119円
30~50坪:33,275円
50~100坪:40,500円
100~300坪:40,667円

【新日本橋駅】
20~30坪:17,349円
30~50坪:16,084円
50~100坪:19,259円
100~300坪:22,696円

【錦糸町駅】
20~30坪:15,019円
30~50坪:16,794円
50~100坪:23,941円
100~300坪:17,700円

【千葉駅】
20~30坪:14,067円
30~50坪:13,957円
50~100坪:21,793円
100~300坪:17,250円

東京駅や新日本橋駅は都心部であるため、オフィスの家賃相場も高めです。
一方、錦糸町駅は東京・渋谷駅へ乗り換えなしでアクセスできる交通の利便性がありながら、オフィスの家賃相場も抑えられています。
また、千葉駅まで行くと家賃をさらに安く抑えることが可能です。

みなとみらい線(神奈川県)

みなとみらい線(神奈川県)の駅周辺でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【横浜駅】
20~30坪:27,266円
30~50坪:17,540円
50~100坪:16,750円
100~300坪:50,000円

【みなとみらい駅】
20~30坪:31,951円
30~50坪:20,000円
50~100坪:20,571円
100~300坪:17,423円

【新高島駅】
20~30坪:33,384円
30~50坪:16,000円
50~100坪:17,800円
100~300坪:16,786円

【馬車道駅】
20~30坪:13,770円
30~50坪:13,744円
50~100坪:12,670円
100~300坪:15,000円

神奈川県内を運行するみなとみらい線の沿線には、商業エリアとしても人気の横浜駅やみなとみらい駅があり、オフィスの家賃相場も高めです。
また、新高島駅は大手企業の本社が続々と建設されたこともあり、ビジネスエリアとして注目度も高まっています。

中央本線(愛知県)

中央本線(愛知県)の駅周辺でオフィスを借りた場合の家賃相場(1坪あたり)は以下のとおりです。

【千種駅】
20~30坪:9,768円
30~50坪:11,456円
50~100坪:13,200円
100~300坪:9,027円

【金山駅】
20~30坪:15,780円
30~50坪:17,839円
50~100坪:15,616円
100~300坪:8,981円

中央本線の中でも愛知県内の沿線上でオフィスの家賃相場を調べてみると、金山駅周辺が名古屋駅周辺に次いで高く、千種駅周辺は比較的安めになっていました。
千種駅周辺はどちらかというと文教地区としての特性が強くなっています。

適正なオフィスの広さ・賃料を計算する方法


適正なオフィスの広さと賃料を把握しておくことは、オフィス選びをする際に重要です。
続いては、適正なオフィスの広さ・賃料を計算する方法について解説していくので、参考にしてみてください。

必要な広さを考慮する

オフィスを選ぶ際は、必要な広さを考慮することがポイントになります。家賃を重視して決めてしまうと、必要な広さを確保できない可能性もあるためです。
つまり、従業員が仕事をする際に支障がない広さを確保できるオフィスを選ばなければいけません。

オフィスの広さを決める時の目安は、従業員1人あたり3坪が一般的な数字です。10人従業員がいる場合は、少なくとも30坪程度のオフィスを探すのが望ましいといえます。
さらに、受付や会議室などのスペースも考慮しなければいけないので、この数字はあくまでも最低限必要な広さだと考えておきましょう。

ゆとりのあるオフィスは、従業員にも良い影響を与えます。
机のレイアウトにも工夫を凝らしてお互いに話しながらアイディアを出したり、打ち合わせをしたりしやすい環境を構築できます。
また、業務内容に合わせた配置にすることによって、効率的に作業ができるというメリットも享受できるので必要な広さは考慮すべきです。

広さに対する家賃を算出する

必要な広さがわかったら、広さに対する家賃を算出していきます。
ここでは従業員10人が働く場合を想定し、30坪のオフィスを借りた場合の家賃を計算してみた結果、以下のようになりました。

秋葉原・神田:19,400円×30坪=582,000円
神保町・小川町・竹橋:18,000円×30坪=54万円
有楽町・霞が関:30,500円×30坪=105万円
栄町・麹町・永田町:18,800円×30坪=564,000円
伏見・栄:14,000円×30坪=42万円
大通・すすきの:19,500円×30坪=585,000円
一番町・国分町:14,700円×30坪=441,000円
博多駅前:15,200円×30坪=456,000円

正しい家賃相場を見極めてオフィスを借りるには?


オフィスを借りる際は、正しい家賃相場を見極めなければいけません。最後に、正しい家賃相場を見極めた上でオフィスを借りるための知っておきたいポイントをご紹介します。

募集賃料と成約賃料の違いを知る

正しい家賃相場を知るには、募集賃料と成約賃料の違いを把握しておく必要があります。
募集賃料は、契約に至っていない家賃を指します。オーナーや管理会社が「この家賃で入居してもらいたい」と考えている希望家賃です。
募集中の物件だと、成約賃料よりも高く査定されているため、なかなか入居者が決まっていないといったパターンも見られます。

オフィスや貸事務所などを探せる物件サイトでは、家賃を非公開にしているケースも多いです。
なぜかというと、実際に契約を結ぶ際の家賃は契約内容や契約のタイミング、条件などによって異なるためです。
そのため、募集賃料と成約賃料の違いは把握しておくべきポイントになります。

実質賃料で比較する

実質賃料は、不動産鑑定評価で用いられる賃料です。実際に支払われる家賃や権利金・敷金・保証金などの運用益および償却額、必要経費などで構成されます。
実質賃料を計算してみると、表面上の家賃とは違う結果になる場合も少なくありません。

30坪の物件で1坪あたりの家賃に差があれば、毎月支払う金額も異なります。
1坪あたり9,000円と1万円の物件だと、前者は毎月27万円、後者は毎月30万円になるので3万円もの差が生まれます。年間で36万円、3年契約だと108万円もの差が出るのです。
しかし、これらに物件ごとに異なる礼金などをプラスすると逆転する場合もあります。そのため、実質賃料で比較する必要があるといえます。

多くの仲介業者を回って情報を集める

多くの仲介業者を回って情報を集めるという方法もあります。物件検索サイトでは家賃が非公開になっていることも多いので、実際に不動産会社に足を運んでみてください。
条件などによって家賃が変わるケースも珍しくないので、不動産会社で確認してみるのは重要です。
条件に合う家賃や立地条件のオフィスを見つけるためにも、家賃が非公開になっている物件もチェックする必要があります。

家賃相場と比較して交渉する

周辺にある似た物件との家賃差を出して交渉するのは効果的です。根拠なく家賃の値下げ交渉をするよりも、近隣の家賃相場を比較対象として出すと説得力が増します。
物件の所有者は、「できればうちの物件を借りてほしい」と考えているため、競合となる物件に負けないように値下げを前向きに考えてくれる可能性が高まるからです。

まとめ・オフィスの家賃相場を把握して適正な賃料で契約しよう

オフィスを借りる際は、家賃相場を把握し、適正な賃料かどうか確認してから契約するようにしてください。
固定費として毎月支払いが発生するため、負担を軽減するためにも重要です。
エリアや路線によって家賃相場が大きく変わるので、どのエリアにオフィスを構えるかといった点も吟味する必要があります。

創業手帳(冊子版)では、オフィスを借りる際に知っておきたい賃料に関する情報も発信しています。新たにオフィスを構えようと考えている方も要チェックです。

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(編集:創業手帳編集部)

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