補助金/助成金を活用しよう。起業・創業・開業時に選べる4種類をご紹介!

創業手帳

【2024年版】起業家向け補助金・助成金の特徴と、活用のメリット・デメリットと注意点

起業時の資金調達方法で、融資と並び人気なのが補助金助成金の獲得です。原則的に返済不要で、うまく活用できれば、起業時の強力な資金調達方法になる可能性があります。

一方で、補助金・助成金は日本には数千種類あると言われ、起業家にとって何が良いか分かりにくく、調べるのにも時間がかかりすぎてしまいます。また、金額が低くいわりに申請に手間がかかり、費用対効果が見合わない補助金・助成金も多くあります。

今回はその中でも、採択率が高く、費用対効果の良い補助金・助成金を厳選しました。補助金・助成金の基本や両者の違いも解説するので、理解を深めておきましょう。

創業手帳では、日々、全国の莫大な読者から補助金・助成金の相談をうけています。現場からの体験およびこの分野に詳しい中野裕哲税理士の監修のもと補助金・助成金をご紹介します。

創業手帳は忙しい起業家の方に向け、専門家のアドバイスを基に信頼性のある記事を作成しています。また、毎月1.5万部発行している冊子版の創業手帳(無料)は、毎月内容を更新し、最新の情報にアップデートしていますので、こちらも手にとってみてください。また、補助金ガイドという別冊も人気を得ており読者に好評です。補助金・助成金の獲得に関する資料も無料で作成しています。

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(創業手帳編集部)

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助成金と補助金の最大のメリットは原則返済不要であること


補助金・助成金とは、直接的・間接的に公益上必要があると政府が判断した場合に、事業者などに交付する給付金のことです。

融資とは違い、補助金・助成金は原則的に返済不要なことが特徴です。返済資金を考慮する必要がないため、給付を受けられれば事業に対する大きなメリットとなります。各制度に設けられている条件を満たす必要はありますが、融資よりも圧倒的にローリスクな選択となるでしょう。

助成金や補助金には、政府や自治体、一般企業などが支出するものがあり、種類も豊富です。厚生労働省が管轄するものだけでも20種類以上あるとされています。自社の事業にどのような助成金や補助金を活用できるのか、じっくり各種類の内容を分析してみると良いかもしれません。

提示された要件に合う種類の助成金・補助金を探すのではなく、要件に合わせて事業をうまく再設計することが重要です。そのためにも、助成金や補助金に関してしっかり理解しておきましょう。

起業する方法について、詳しくはこちらの記事を>>
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳の大久保が解説!

助成金と補助金の違いとは?


補助金と助成金には、以下のような違いがあります。両者の違いを理解すれば、申請に必要な準備や優先順位が分かるはずです。

受給の条件や難易度の違い

補助金と助成金の大きな違いは、受給のための条件や受給の難易度です。いずれの制度にも条件が設定されることが通常ですが、助成金は条件さえ満たしていれば原則受け取れるのに対し、補助金は条件を満たした上で採択されなくてはなりません

さらに補助金は予算の関係上、採択の上限が確定していることがほとんどです。採択者が規定数に到達すれば、それ以上は支給されないため、条件を満たすだけの助成金よりも受給ハードルが高くなります。

受給金額や範囲の違い

受給金額や対象となる経費等の範囲は、補助金と助成金の種類によって異なります。ざっくりと分けると、雇用関係で用いられることが大半なのが助成金、それ以外は補助金と呼ばれるケースが多いでしょう。

また、補助金は助成金よりも支給金額が大きい制度が多く、同時に事業計画書が重視される傾向にあります。長期的に会社が成長するきっかけとして補助金の活用が想定されているためです。申請において事業計画書を提出する際には、事業の成長を目的に補助金を利用したい旨を説明することが重要です。

創業手帳のアプリ版では、無料で事業計画書作成ツールがご利用頂けます。開業資金と目標売上額などを入力すると、事業計画書が簡単に作成できます。是非お役立てください。

申請期間の違い

助成金は随時、あるいは長期間の申請期間が設けられているものが多いですが、補助金は申請期間が短く、一カ月程度しかない場合もあります。

申請準備をする場合、特に補助金のケースでは申請期間を必ず確認しておきましょう。余裕を持って手続きを進めなければ、申請期間に間に合わなくなる恐れがあります。

財源の違い

補助金の受給難易度が高いのは、財源の違いも理由のひとつでしょう。助成金は厚生労働省による給付が多くなっており、財源は雇用保険料です。また、雇用を促す目的から国や地方公共団体からの募集もあります。

一方で、補助金の募集先は経済産業省や地方自治体です。財源は税金となるため、申請数の枠が限られている場合があります。申請数が多ければ受給の倍率が上がりやすくなり、結果的に助成金と比べて受給の難易度が高くなるでしょう。

創業手帳の別冊、補助金ガイド(無料)では、最新の補助金・助成金を詳しく解説しています。補助金・助成金を経営の一部に組み込むことを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。(創業手帳編集部)

交付金や給付金との違いは?

助成金と補助金以外の受給制度として「交付金」「給付金」が挙げられます。返済不要で国や地方自治体から支給される点は助成金・補助金と共通ですが、2つの制度との違いとして以下のような特徴があるのです。

交付金の特徴

交付金は、ある目的のために国から地方自治体などの組織に交付されるお金です。補助金や助成金のように直接事業主に与えるのではなく、政策やプロジェクトの中心となる複数の企業や団体に交付されます。

また一般的な助成金・補助金よりも金額が大きい傾向にあり、一部ではなく全額が交付されるケースも多いのです。交付目的が数年かかる事業などである場合、数年にまたがって交付されることもあります。

給付金の特徴

病気や被災に対する支援としては、給付金が用いられることが多いでしょう。助成金や補助金は企業を対象にしたものが目立ちますが、給付金の場合は個人向けのものも存在します。失業給付金や育児給付金は、個人向け給付金の代表的な例です。

起業家が活用できる補助金・助成金の種類は大きく分けて4種類

助成金・補助金にはIT導入補助金のように生産性を高めるものと、ものづくり補助金のように販路拡大のもの、最近ではコロナの影響に対応するものなどがあります。それぞれ、所轄官庁の違いを理解しておくと、助成金・補助金の申請の際に役に立つでしょう。

起業に関する補助金とひとことで言っても、その種類や目的にはさまざまなものが存在しています。大きく分けると次の4つに分類できます。

  • 経済産業省系の補助金
  • 厚生労働省系の助成金
  • 自治体独自の補助金・助成金
  • その他の補助金・助成金

では、それぞれの種類ごとに特徴を見ていきましょう。

経済産業省系の補助金

経済産業省系の補助金は、起業促進、地域活性化、女性若者の活躍支援、中小企業振興、技術振興などの施策を目的としています。補助金を受給するためには、それぞれの補助金ごとの募集要件を満たしたうえで応募し、審査を通過することが必要です。

合格率(採択率)は、補助金によって異なりますが、数%~90%程度まで幅があります。また同じ補助金でも、数回に分けて募集することがあり、回により採択率に変化が見られるのが特徴です。

なお採択率ですが、年に数回応募があるものだと、期の始めのほうが採択率が高くなる傾向があります。後半期になると予算の関係もあり審査が厳しくなる場合もあるため、できるだけ早めの申請を行いましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の制度変更に対応する狙いがあります。働き方改革・賃上げ・インボイス制度などへの対応や、サービス開発・試作品の開発・設備投資といったことにかかるお金を支援する補助金です。

  • 申請方法:電子申請(GビスIDプライムアカウントが必要)
  • 補助上限額:750万円~1億円(申請枠・類型、賃上げ内容などで異なる)
  • 主要件:付加価値額や給与支給総額の増加といった、複数の条件を満たす事業計画書の策定および実行など

ものづくり補助金2024年の18次締め切り分には大きく3つの申請枠があり、枠組みごとに補助上限額や補助率が異なります。また大幅賃上げを行うことで、上限額が上がる仕組みが設けられているのも特徴です。

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が実施する革新的なチャレンジを支援する制度として、上限金額が大きく設定されています。

以下の表は、16次締切における申請者数、採択者数です。

申請枠 申請者数 採用者数
通常枠 3,846 1,967
回復型賃上げ・雇用拡大枠 177 80
デジタル枠 1,209 561
グリーン枠 199 78
グローバル市場開拓枠 177 52

出典:全国中小企業団体中央会「ものづくり補助金総合サイト 採択結果

ものづくり補助金ついて、詳しくはこちらの記事を>>
【2024年最新】最大1億円!ものづくり補助金をわかりやすく解説!

事業再構築補助金

※制度の見直し後に公募を再開予定。

事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響による経済変化に対応するための中小企業向けの補助金です。

需要の低下や売り上げの回復が期待しづらい現状の中、中小企業の事業再構築を支援し、日本経済の構造転換を促す狙いがあります。たとえば、新分野展開や事業転換などに対する支援が受けられます。

  • 申請方法:電子申請(GビスIDプライムアカウントが必要)
  • 補助上限額:500万円~1.5億円(申請枠、企業規模などで異なる)
  • 主要件:指定機関における事業計画の確認、付加価値額の向上など

成長枠やグリーン枠、卒業推進枠などの複数の申請枠で構成される補助金制度です。それぞれの枠によって補助上限額や補助率が違い、中小企業か中堅企業かによっても内容が異なります。各枠の内容や条件を確認した上で、申請準備をしておきましょう。

本制度は補助金額が大きく、新たに規模の大きなチャレンジができます。ものづくり補助金と事業再構築補助金は金額が大きく性質も似ているので、両方を視野に入れて事業計画書を策定する事業者もいます。

以下の表は、第11回公募の応募件数と採択結果です。

申請枠 システムで受け付けた応募件数 採用件数
成長枠 2,508 698
グリーン成長枠 597 187
産業構造転換枠 242 53
最低賃金枠 189 48
物価高騰対策・回復再生応援枠 5,671 1,451
サプライチェーン強靭化枠
卒業促進枠 0 0
大規模賃金促進枠 179 22

出典:事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金第11回公募の結果について

最新の事業再構築補助金の情報はこちらからどうぞ!
事業再構築補助金 第10回以降の内容とは?スケジュールも含めて紹介

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、小規模事業者や特定非営利活動法人です。
制度変更への対応のほか、持続可能な経営に向けた販路開拓や生産向上に取り組む際の経費を一部補助しており、地域の雇用と産業の持続的発展を目指しています。

  • 申請方法:原則電子申請(GビスIDプライムまたはGビスIDメンバーのアカウントが必要)
  • 補助上限額:50万円~200万円(申請枠で異なる)
  • 主要件:規定の対象者および対象事業に該当していることなど

通常枠の上限額は50万円、そのほかの枠は一律200万円が上限となっています。いずれの枠にもインボイス特例が設けられており、インボイス特例の要件を満たせば各上限額に50万円が上乗せされる仕組みです。

補助金が出るだけでなく、計画を作成する際や、販路開拓を実際に行う際に、商工会議所の指導や助言を受けられるのもメリットのひとつです。

最新の小規模事業者持続化補助金の情報はこちらからどうぞ!
2023年の小規模事業者持続化補助金はインボイスがポイント!スケジュールも紹介

IT導入補助金

生産性を上げるためのITツールの導入について受けられる補助金です。日本では、DXがまだまだ進んでいない現状があります。デジタル化や自動化によって働き方改革を進め、労働者の環境を改善すれば、生産性や賃金の向上が見込めます。企業の現場でIT導入を推進するのがこの補助金の目的です。

費用の面でDX推進に二の足を踏む会社も多いですが、IT導入補助金により対応することもできます。また、適用の範囲も広いので人気のある補助金です。

  • 申請方法:原則電子申請(GビスIDプライムのアカウントが必要)
  • 補助上限額:5万円~3,000万円(申請枠・類型、企業規模等で異なる)
  • 主要件:「SECURITY ACTION」宣言や「みらデジ経営チェック」の実施など

IT導入補助金2024年は、通常枠やセキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠のほか、2つの類型からなるインボイス枠があります。それぞれに補助上限額や補助率が設定されており、補助対象となる経費も違うので、目的に合致したものを選択・申請しましょう。

以下の表は、2024年1月29日に決まった申請数と交付決定件数です。

申請枠 申請数 交付決定数
通常枠(A類型) 2,324 1,754
通常枠(B類型) 53 36
セキュリティ対策推進枠 36 33
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型) 3,771 3,006
デジタル化基盤導入枠(商流一括インボイス対応類型) 0 0

出典:「IT導入補助金2024 交付決定事業者一覧及び交付申請件数2023(後期事務局)

IT導入補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
IT導入補助金とは?申請スケジュールや受給額を分かりやすく解説

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業者による事業承継をきっかけとした新しい取り組みを支援する補助金です。

「事業承継」とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことです。法人の場合は先代経営者の退任および後継者の代表就任、個人事業主の場合は先代経営者の廃業・後継者の開業などを対象に支援が行われます。

  • 申請方法:電子申請(GビスIDプライムアカウントが必要)
  • 補助上限額:補助上限額:50万円~800万円(申請枠・類型で異なる)
  • 主要件:規定の対象者および対象となる事業継承に該当していることなど

事業継承・引継ぎ補助金における7次公募の採択結果は以下のとおりです。

申請枠 申請者数 採択者数
経営革新枠 313 190
専門家活用枠 498 299
廃業・再チャレンジ枠 28
※単独申請2件、併用申請26件
10

出典:事業継承・引継ぎ補助金事務局「事業継承・引継ぎ補助金 採択結果

厚生労働省系の助成金

厚生労働省系の助成金とは、雇用促進、労働者の職業能力向上などの施策を目的として、厚生労働省が実施しています。ある程度まとまった金額であり、要件を満たせば確実に採択されるところが魅力です。

基本的には「雇用」に関連するものが多いので、起業時に人を雇用する計画があるときは、事前にチェックしておくといいでしょう。

キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など「非正規雇用労働者」の企業内でのキャリアアップ等を促進するための助成金です。現在は助成内容によって7種類に分かれています。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース
  • 社会保険適用時処遇改善

短期雇用から正社員への登用をはかるのに試用期間の賃金をまかなったり、従業員のスキルアップにより賃金向上を目指したりする企業のための制度です。長期的に正社員として雇用促進しようと考えている事業者には使いやすいでしょう。

  • 申請方法:電子申請(GビスIDのアカウントが必要)、管轄の労働局に申請
  • 補助上限額:3万3,000円~(申請枠、加算措置の有無、企業規模等で異なる)
  • 主要件:コースの趣旨に沿ったキャリアアップ計画の策定・実行など

所在地を管轄する都道府県労働局へ申請する場合、厚生労働省のホームページから支給申請書と添付書類をダウンロードできます。

最新のキャリアアップ助成金についての情報はこちらからどうぞ!
キャリアアップ助成金とは?条件や正社員化コースの概要をわかりやすく解説

人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)

※令和4年4月1日より整備計画の受付を休止(令和5年度も引き続き休止中)。

「人材確保等支援助成金」は、従業員の働きやすい職場づくりを促進するための助成金です。
現在は助成内容によって5種類に分かれています。

  • 諸手当等制度
  • 研修制度
  • 健康づくり制度
  • メンター制度
  • 短時間正社員制度(保育事業主のみ)

受給するためには雇用管理制度整備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受ける必要があります。
雇用管理制度の導入や実施により離職率の低下が認められた場合に、57万円の補助金を受給可能です。

各自治体の補助金・助成金など

市区町村などの各自治体が、地域内の産業振興などの目的で、創業支援補助金や・助成金を実施していることがあります。

その内容は多岐に渡り、融資の利子補給、信用保証料補助、店舗の家賃補助、ホームページ作成費用補助金、展示会出展費用補助金などが一例です。

自身が起業する予定の市区町村で、あらかじめ実施している補助金・助成金がないか、チェックしておくといいでしょう。一例として次のような制度があります。

起業支援金制度

都心部以外での起業を支援する制度として「起業支援金制度」があります。地域の課題を解決する新たな事業の立ち上げに際し、必要な経費を助成するものです。

  • 申請方法:各執行団体に申請
  • 補助上限額:最大200万円(対象経費の1/2)
  • 主要件:東京圏以外の道府県または東京圏内の条件不利地域での社会的事業の起業など

東京圏以外はもちろん、東京圏内であっても条件不利地域に該当するエリアであれば支援の対象となっています。起業を行うエリアの執行団体に申請し、地域での起業に役立てましょう。

創業者向け補助金・助成金など

日本全国には、創業者向けの補助金・助成金がさまざまあります。これから事業を始めようとしている創業者をサポートし、スタートアップに必要な資金を提供する制度が豊富です。

基本的に当該地域内での創業者が対象となるため、地元の補助金・助成金を確認しておくと良いでしょう。

以下にて創業者向けの補助金・助成金のほか、創業時のコスト削減が図れる施策の事例を紹介します。

創業助成事業(東京都)

東京都で創業5年未満の方または創業や起業を計画している方が応募できます。賃借料や人件費、広告費などが最大400万円(補助率2/3以内)の補助が受けられます。

創業して間もないころには、資金調達に課題を抱える場合もあるので、本制度の活用で柔軟に資金を増やすのが得策です。

例年、年度内に2回(4月と10月)申請受付をしているので、申請を検討中の方は下記記事で内容を確認し、申請の準備をしておきましょう。

2024年は上限金額がアップ!東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説

大阪起業家グローイングアップ事業(大阪府)

大阪府では、府内の事業者や起業しようとする方に向け、ビジネスプランコンテストを通じた補助金制度を設けています。コンテストの優勝者には最大100万円(補助率1/2)の補助金を支給し、事業に活かしてもらう仕組みです。

まずはビジネスプランを磨くためのプログラムに参加し、推薦機関による選抜と1次審査を受ける必要があります。腕試しを兼ねて補助金獲得を狙いましょう。

特定創業支援事業制度

特定創業支援事業制度は補助金や助成金ではありませんが、これから創業を検討しているなら税金を安くするため活用してみましょう。会社設立にかかる税金に対する制度で、登録免許税を半額にすることができます。

制度の運営元は中小企業庁で、各自治体と協力しています。自治体が主催する創業講座への参加などが主な要件です。スケジュールや申請方法などの詳細については、設立登記したい自治体ごとに調べておきましょう。

講座受講などの条件をクリアすると、証明書がもらえます。会社設立の登記申請時に証明書を持参すると、登録免許税が半額になる仕組みです。株式会社の登録免許税は15万円ですが、制度を活用すると半額の7万5,000円になります。合同会社の場合でも、6万円が半額の3万円となるため、コスト削減におすすめです。

本制度を含めて補助金・助成金などを申請するには、情報収集や書類の作成に手間がかかります。忙しい創業期においては、時間的な問題で断念する方もいるかもしれません。
ただ、補助金・助成金の申請には、専門家に依頼するという手があります。補助金ガイド(無料)では、補助金について詳しく解説しています。あわせてご活用ください。

その他の補助金・助成金

上記以外にも、大手企業、政府系金融機関、各種の財団などが、独自に起業家への補助金・助成金制度を実施していることがあります。

補助金助成金の対象として採択されるのは、極めて優秀なビジネスプランを持つ数名の起業家という厳しい世界ではありますが、自信があれば、応募してみるのも大きなチャンスをつかむキッカケになるかもしれません。

その他、創業手帳ではたくさんの補助金・助成金の記事を取り扱っています。
補助金・助成金関連の記事はこちらもご確認ください

補助金・助成金のデメリットと知っておきたいポイント

事業に役立つ補助金・助成金ですが、デメリットをはじめとするポイントが存在します。知っておけばいざというときに焦らずに済むほか、仕組みを利用して上手に立ち回ることが可能です。

原則として後払いである

知っておきたい最大のポイントは、補助金も助成金も、原則として「後払い」ということです。すぐに資金を受け取れるわけではなく、制度ごとの要件などを満たした後に補助金・助成金が給付されます。

通常の融資や出資のように、採択されてすぐに入金されるものではありません。現状の出費に対してキャッシュが使えるというわけではないので、注意が必要です。

要件を満たすために資金が必要な場合がある

補助金・助成金には制度や申請枠ごとに要件が設定されており、それを満たす必要があります。要件を満たすために、ある程度の資金を消費するケースも少なくありません。

たとえば特定の経費を対象とする補助金の場合、先に対象経費が発生したことの証明が必要です。経費を使った後で内訳や報告を行い、採択されて初めて経費の一部が受け取れる、といったイメージになります。

融資の担保になる場合がある

補助金・助成金の申請が通過した場合、それを担保にして、日本政策金融公庫などの公的な金融機関から融資を受けられるケースがあります。補助金・助成金の振り込みには時間がかかりますが、振り込まれるまでの期間を融資でカバーできるのです。

補助金・助成金が融資の担保になることは、公募要領などには記載されていない場合が多いでしょう。手段のひとつとして把握しておけば、融資を活かして要件を満たす施策を行うといったことも可能です。

このように補助金・助成金は、スピード感のある資金調達とはいえません。創業期はスタートダッシュが重要になってくる場合がありますので、補助金・助成金では資金繰りが間に合わない、ということもあるでしょう。そんな時の資金調達方法としては、融資や、出資、クラウドファンディングなどが候補にあがってきます。資金調達手帳(無料)では、これらの資金調達方法について詳しく解説しています。それぞれの特徴をよく理解することで、経営戦略を立てる際に役に立つはずです。

また、はじめての融資ガイド(無料)では、融資を成功させるための基本とノウハウをご紹介しています。安定した資金調達方法である融資の審査通過のために、ぜひご参考になさってください。


融資ガイド

起業時の補助金・助成金のまとめ

起業時に活用できる可能性のある補助金・助成金の特徴や、活用のメリット、デメリットや注意点を知っておきましょう。

自身が起業する際に活用できる補助金・助成金があるかどうか、専門家への相談などを通じて、一度チェックしてみることをおすすめします。

また、補助金や助成金は自ら戦略的に「取りに行く」姿勢が必要です。事業に見合う補助金や助成金を探しに行くのではなく、どうすればもらえるのかを戦略的に考えましょう。

たとえば、ものづくり補助金の場合、中小企業診断士、税理士などに力を借りながら、どうすれば通るかというポイントを押さえて、プロダクトがどのように社会課題に対応しているかアピールするなどがあります。人によっては、補助金や助成金の申請までに半年くらいかけて準備をする人もいます。

創業に関する相談を受けつけている機関はいくつもあります。たとえば、地方銀行・信用金庫・信用組合などの地方の金融機関です。冊子版の創業手帳(無料)では、地方金融機関の活用方法について詳しく解説しています。地方金融機関は、事業計画書の策定支援や、ビジネスセミナーの開催、経営コンサルティングなどの創業支援を無料で行っています。リソースの限られている創業期においては、非常に便利な存在でしょう。

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大久保写真創業手帳 代表・大久保の視点

この記事を書いている創業手帳の代表の大久保です。
多くの起業家の資金の相談を補助金も含めて受けてきた経験からお話しますね。
起業の資金調達では、お客様からの売上、融資、出資、補助金・助成金などがあります。
まずお客様からの売上が事業の根幹ですが、早く事業化する他、前受金やクラウドファンディングで前倒しでもらうという方法もあります。
また今回の記事で解説している補助金のように返済がいらない資金は融資にあたって有利に働きます。

補助金が融資に有利に働く理由は2つです。

  • 資金の余裕
  • 事業の確実性・実現性

という観点でプラスに働くためです。
つまり売上や補助金などでキャッシュが増えると、それを材料にしてさらに融資など別の方法での資金調達をしやすくなるという好循環になります。
一方で注意したいのが補助金に手間を掛け過ぎること。起業家が大事なのは事業や仕組みを作ることで補助金や助成金はその目的を達成するための資金調達の一部になります。

そのため補助金・助成金はいかに効率的に効果の大きいものに的を絞るのかが大事になります。

次に、「補助金・助成金と効率的に付き合うコツ」2つをお伝えします。

1.事業計画
補助金は基本的に役所の業務のためどうしても書類の提出が増えます。
そのための方法としてはまず、近年増えている大型の補助金は多くが事業計画書の提出が必須になっています。
事業自身、また融資・出資も見据えて事業計画を作ると補助金ためだけの書類にならないので手間が省けます。
補助金のためだけの事業計画ではなく、事業や融資などでも共通で作った本気の事業計画の方が質が上がるということもあります。

創業手帳の巻末にフォーマットがあるのと、創業手帳アプリでも事業計画作成ツールがついています。どちらも起業家の利便性のために無料で配布しています。

2.本当に役立つ補助金・助成金を選ぶ
補助金が入ったけれども手間の方が多かった、ということにならないように、自分にあった補助金をみつけることが大事になります。

創業手帳では重要な補助金を解説した補助金ガイドや、自動で自分にあった補助金がメールで届く補助金AI(アイ)というアプリを提供しています。
こちらも自分が補助金を探すのが補助金が多すぎて面倒だ、気づいた頃には募集期間が終わっているという経験をしたので、それを解消するために作りました。

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自分自身も起業家で自分で補助金や助成金を探すための便利なツールとして作ったものを皆さんにも無償で開放しています。こちらも使ってみて下さいね。

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