新しい資金調達、クラウドファンディングとは?3つの種類と選び方のポイントまとめ
初めて挑戦する前に知っておきたい、クラウドファンディング基礎知識
(2015/10/05更新)
海外をはじめ日本においても徐々に広まり現在注目を集めている新しい形の資金調達「クラウドファンディング」。
クラウドファンディングには、3つの種類があることをご存知ですか?
注目され始めて日が浅いため、情報も少なく、実際どのように始めるべきか迷っている方も多いかと思います。
また、実際に始めてみたはものの、なかなか資金が集まらないという場合は、そもそも使用しているクラウドファンディングサイトを選び間違えている可能性もあります。
今回は「クラウドファンディングとは?」に始まり、種類や選び方のポイントを紹介します。
クラウドファンディング以外にも、たくさんの資金調達の方法があります。それぞれ特徴が違うので、事業によって最適な資金調達方法があるでしょう。資金調達に関する情報だけをまとめた創業手帳の別冊版、資金調達手帳(無料)では、融資や、補助金・助成金、ベンチャーキャピタルの出資など、さまざまな資金調達について詳しく解説しています。また、それぞれの資金調達において、資金調達を成功させる方法も解説しています。
この記事の目次
クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは新しい形の資金調達および出資方法です。「群衆」という意味であるCrowd、「資金調達」という意味であるFundingが合わさった造語です。
「スキルやアイディアはあるけど資金がない」という起業家やクリエイターといった起案者がクラウドファンディングサイトを介し、不特定多数の出資家達(支援者)に資金を募ります。
起案者はクラウドファンディングサイト上に自身のプロジェクトの概要や目的を載せ、それを見て共感した支援者が投資をしていくのです。
2000年頃より欧米をはじめとした海外で徐々に浸透、2015年現在では世界市場規模は一兆円を超えており、日本国内においては同年283億7,800万円と前年比43.9%増が見込まれています。
選び方のポイント
クラウドファンディングには、ボランティア系のプロジェクトに特化した寄付型、モノやサービスなどをリターンとして提供する購入型、起業家への投資に特化した金融型の3つの種類があります。
まずは自身の起案の目的に合わせて登録するクラウドファンディングサイトを選択することが大切です。
次に、同じ種類の中でも、クラウドファンディングサイトごとに特徴があるので、自身が起案したい内容と似ているプロジェクトを探してみましょう。
そのプロジェクトの資金調達具合や、盛り上がり度合いを見ると、そのサイトの特徴がわかり、自身に向いているか判断する材料になります。
最後に、サイトで行われている企画や新しくリリースされるサービスに注目しましょう。
「起業家応援企画」などの企画によりプロジェクトをより広く拡散してくれるサイトや、新設サイトが集客のために「リリースキャンペーン」としてプロジェクト拡散に力を入れてくれる場合もあるため、起案者を支援するキャンペーンを狙って選択するのも1つです。
クラウドファンディングの3つの種類
クラウドファンディングの一般的な種類を以下にまとめました。
寄付型
前途にありますがボランティア活動における資金調達との相性が良く、多くのプロジェクトが被災地支援や恵まれない子供たちへの寄付を目的としています。
このタイプのメリットは支援者がプロジェクトの進捗をリアルタイムで確認できることです。
近年、寄付を目的とした非営利団体が集まった寄付金を営利目的で利用するというニュースがありましたが、寄付型は出資金の使い道を透明化させることにより、支援者が安心して寄付することができます。
購入型
こちらは国内において最もポピュラーなタイプであり、起案者はプロジェクトへの出資に対してモノやサービスといったリターンを提供します。
そのリターンを魅力的に感じた支援者が、購入することで資金を集めていくものです。
購入型は特にプレゼンテーションが大切であり、「どんなものが提供できるか?」以上に「いかに魅力的に見せるか?」によって総額に影響が出ます。
金融型
こちらも前途にありますが、金融型は起業家や企業に投資をしてもらうタイプのものです。
金融型の中にも、出資と融資の2種類があります。
出資は、株式を譲渡することで資本を集め、収益に応じた配当金を提供します。株式型(エクイティ型)やファンド型などの種類がありますが、金融商取引法により現代の日本では普及が難しく、今後法整備が進み、市場が拡大することが期待されているところです。
一方、融資は、債権を発行することで貸付を受け、利息を払います。そのため、貸付型、デット型と言われています。
利子は、利回りが平均6%と高水準を保っており、プロジェクトによっては利回り10%の債券もあるため、資産運用として注目を集めています。アメリカでは「P2Pレンディング」という名称で一般的。
各サービスの紹介と特徴
国内のクラウドファンディングサイトとその特徴を以下にまとめました。
JapanGiving
国内外の被災地への支援や、NPO団体の支援などのプロジェクトが多い寄付型のクラウドファンディングサービス。寄付型としては国内最大級となっています。
READYFOR?
言わずと知れた国内初のクラウドファンディングサイト。2011年リリースから国内の業界を牽引しています。社会貢献性の高いプロジェクトが多く、購入型のプロジェクトを立ち上げたいならオススメです。
資金調達手帳では、READYFOR株式会社 代表取締役 CEO 米良はるか氏のインタビュー記事を掲載しています。クラウドファンディングを成功させるコツなどを聞いていますので、クラウドファンディングでの資金調達を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
CAMPFIRE
こちらは日本最大級のクラウドファンディングサイトであり、READYFOR?同様の購入型となります。堀江貴文氏がプロジェクトを立ち上げるなど、何かと話題が多いサービスです。
Makuake
Amebaブログで有名なサイバーエージェントグループが手掛ける購入型クラウドファンディング。会員4,000万人を誇る同社のネットワークを通じて起案者を全面バックアップします。
SBIソーシャルレンディングス
SBIホールディングス株式会社が完全出資の金融型クラウドファンディングサイト。中心投資額が500万~2億8,400万円と非常に高いのが特徴です。
maneo
金融型としては国内最大のクラウドファンディングサイト。成立ローン200億と競合に100億以上の差をつけています。
新しい形の資金調達として注目されているクラウドファンディングサービスですが、「やりたいことはあるのに資金がない」という人は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
もしも叶えたい夢がありそれに向かうための資金が必要であれば、クラウドファンディングサービスは夢を叶える足がかりになるでしょう。
この記事では紹介していませんが、飲食に特化したクラウドファンディングサービスもあります。飲食開業手帳(無料)では、飲食特化のクラウドファンディングプログラム「kitchen starter」について解説しています。代表の渡辺氏のインタビュー記事も掲載していますので、飲食関係での起業を考えている方はぜひチェックしてみてください。
(編集:創業手帳編集部)
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